最終更新: treeseminar 2008年08月06日(水) 02:21:57履歴
川上 和人 Kazuto KAWAKAMI
(独)森林総合研究所 野生動物研究領域 鳥獣生態研究室 研究員
要旨
「飛べない鳥は、ただの鳥さ」
小笠原諸島は本州から約1000km南に位置しています。この距離は大陸からガラパゴス諸島までの距離に匹敵し、東京タワーを横に並べると約11,000本になります。小笠原は、誕生以来本土とつながったことのない海洋島ですので、生物は海を越えないと島に到達することができません。空を飛べる鳥は、容易に海を越えられるように見えるかもしれません。しかし、小笠原諸島では在来陸鳥はわずか15種しか記録されておらず、鳥にとっても十分に隔絶されています。これは、卓越した移動性を持つ種が、島に定着することなく移動するためかもしれません。このような条件の中、小笠原では様々な固有種が進化してきています。また、鳥類の飛翔力は移動力の低い他の種にも利用されています。
メグロは現存する唯一の固有鳥類で、その生態には進化の歴史が刻まれています。この種の生態、他種との種間関係から、海洋島の生態系の現状を議論します。
セミナー終了後に懇親会を予定しております.奮ってご参加下さい.
2008年2月6日のポスター
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