第16回TREEセミナー(2008年10月28日)
最終更新：
treeseminar 2008年11月05日(水) 17:08:50履歴
１０月２８日（火） １６：３０〜１７：３０（※時間変更）
場所：東邦大学理学部�更羇曖毅横娃袈擬次�東邦大学理学部へのアクセス）
メタ個体群サイズに及ぼす景観マトリクスの影響
場所：東邦大学理学部�更羇曖毅横娃袈擬次�東邦大学理学部へのアクセス）
メタ個体群サイズに及ぼす景観マトリクスの影響 
黒江美紗子 Misako KUROE
東京大学農学生命科学研究科 生物多様性研究室
要旨
メタ個体群のサイズや存続性には、生息パッチの面積や空間配置が深くかかわっている。これまでの多くの
研究では、移動分散に影響を及ぼしているマトリクス（生息パッチ間の環境）構造は考慮されてこなかった。本研究ではマトリクスの影響を大きく受けるカヤネズミを対象に、マトリクス構造とメタ個体群サイズの関係性を明らかにした。
まず、水田景観に生息するカヤネズミの分布パターンをもとに、局所個体群サ
イズを説明する統計モデルを作成し、各マトリクス要素が移動分散に及ぼす影響（透過性）の推定を行った。マトリ
クスは要素ごとに透過性が著しく異なり、水田や畑など生息パッチに環境が似かよったマトリクスで透過性が高いことが推定された。次に生息パッチが縮小、消失したメタ個体群で個体群サイズを調べたところ、パッチ面積や空間配置だけから予測した個体群サイズよりも概して小さくなることが分かった。これは、景観の改変は生息パッチの減少だけで
なく、市街地などの透過性が低いマトリクス要素を増加させ、分散スケールの縮小を引き起こしていることが原因
と考えられた。このように人為による生息パッチとマトリクスの同時改変が生じる場合には、従来のマトリクスの透過性の違いを考慮しないメタ個体群モデルでは、個体群の存続性を過大評価することが示された。
キーワード
メタ個体群，マトリクス，移動分散，カヤネズミ，水田生態系，生息地の分断化
ポスター：2008年10月28日のポスター
東京大学農学生命科学研究科 生物多様性研究室
要旨
メタ個体群のサイズや存続性には、生息パッチの面積や空間配置が深くかかわっている。これまでの多くの
研究では、移動分散に影響を及ぼしているマトリクス（生息パッチ間の環境）構造は考慮されてこなかった。本研究ではマトリクスの影響を大きく受けるカヤネズミを対象に、マトリクス構造とメタ個体群サイズの関係性を明らかにした。
まず、水田景観に生息するカヤネズミの分布パターンをもとに、局所個体群サ
イズを説明する統計モデルを作成し、各マトリクス要素が移動分散に及ぼす影響（透過性）の推定を行った。マトリ
クスは要素ごとに透過性が著しく異なり、水田や畑など生息パッチに環境が似かよったマトリクスで透過性が高いことが推定された。次に生息パッチが縮小、消失したメタ個体群で個体群サイズを調べたところ、パッチ面積や空間配置だけから予測した個体群サイズよりも概して小さくなることが分かった。これは、景観の改変は生息パッチの減少だけで
なく、市街地などの透過性が低いマトリクス要素を増加させ、分散スケールの縮小を引き起こしていることが原因
と考えられた。このように人為による生息パッチとマトリクスの同時改変が生じる場合には、従来のマトリクスの透過性の違いを考慮しないメタ個体群モデルでは、個体群の存続性を過大評価することが示された。
キーワード
メタ個体群，マトリクス，移動分散，カヤネズミ，水田生態系，生息地の分断化
ポスター：2008年10月28日のポスター
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