第29回TREEセミナー

3月5日(金)17:00-18:00
場所:東邦大学理学部3号館204号教室(東邦大学理学部へのアクセス

花粉媒介から見た環境問題

国武 陽子 Yoko Kunitake
城西国際大学 福祉総合学部

要旨
花粉媒介は植物の繁殖を様々な分類群の生物が担う、生物多様性維持機構の重要なパーツの一つである。また、古くから我々人類の食料生産にも花粉媒介は深く関係しており、現在世界の主な食用作物107種類のうち85%の品種の生産に動物による花粉媒介が貢献していると言われている。  
ところが現在、このような重要な生態系サービスを担う花粉媒介システムをめぐり様々なひずみが生じている。北米やヨーロッパでは、農地における大量の化学物質の使用や大規模な土地開発によって、野生の花粉媒介昆虫の多様性が減少していることが分かってきている。また、世界の養蜂業は、蜂群崩壊症候群(CCD)や農薬抵抗性を持った寄生ダニの脅威に脅かされている。そして一方で、効率的な家畜としての花粉媒介昆虫の導入が、外来生物として在来の生態系を撹乱することも問題になっている。本発表では、世界における花粉媒介昆虫の危機、そして、侵入生物としての花粉媒介者の問題を整理し、関連の研究を紹介する。花粉媒介者と生態系、花粉媒介者と人間という二つの視点から、花粉媒介を通してみた環境問題について議論を深められればと考えている。

ポスター:第29回ポスター

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