民主主義考 
日本の議会制民主主義（Parliamental Democracy）では、制度上、内閣と議会の多数派とが一致しているというものであるが、実際上は内閣が議会多数派に従属している様相を呈している。こうなってくると、議会の多数主義を民主主義と履き違えてしまう危険性が存在する。いわゆる「民主主義の危機」は、指導者の力の喪失、議会の不全、そして市民（ないし民衆）の欲望肥大と言われているが、まさに現在、こうした状況にあるように思う*1。もちろん、日本だけでなく世界的（先進国的）現象である。この「民主主義の危機」は、権力論・リーダーシップ論、制度論、政治行動論にそれぞれ対応している。
こうした考察を進める中で、民主主義とは何かという議論は避けられない。民主主義そのものの問題性、欺瞞性といったものを問うことなしに現代の政治は分析できないであろう*2。なぜなら、権力論にしろ制度論にしろ政治行動論にしろ、民主主義を実現しようとする手段にしか過ぎないからである。実現しようとするものの正体を把握することなしに、その効果的な実現は難しい。くわえて、民主主義は政治システムであり、政治思想でもある。つまり、思想で見れば、民主主義そのものも「人間の幸福」を実現するための手段でしかあり得ない。より広範には、果たして民主主義でよいのかという問いも、民主主義の正体を探る遠景にあってしかるべきであろう。
少し前からフランスの思想家たちが民主主義の限界について論じ始めている*3のは、上述したような背景があるからだと思う。米国合衆国ハーバード大学での政治哲学授業の興隆*4もこうした背景を背負っているだろう。こうした議論の末に、やがて制度論が必要となってくる。いわゆる「新制度論」の３つの潮流の後に、今、「言説的制度論」が主張され始めた。制度論でのもっとも新鮮な議論である。このwikiでは、こうした視点から、制度論を構築しようという試みを展開していく。
こうした考察を進める中で、民主主義とは何かという議論は避けられない。民主主義そのものの問題性、欺瞞性といったものを問うことなしに現代の政治は分析できないであろう*2。なぜなら、権力論にしろ制度論にしろ政治行動論にしろ、民主主義を実現しようとする手段にしか過ぎないからである。実現しようとするものの正体を把握することなしに、その効果的な実現は難しい。くわえて、民主主義は政治システムであり、政治思想でもある。つまり、思想で見れば、民主主義そのものも「人間の幸福」を実現するための手段でしかあり得ない。より広範には、果たして民主主義でよいのかという問いも、民主主義の正体を探る遠景にあってしかるべきであろう。
少し前からフランスの思想家たちが民主主義の限界について論じ始めている*3のは、上述したような背景があるからだと思う。米国合衆国ハーバード大学での政治哲学授業の興隆*4もこうした背景を背負っているだろう。こうした議論の末に、やがて制度論が必要となってくる。いわゆる「新制度論」の３つの潮流の後に、今、「言説的制度論」が主張され始めた。制度論でのもっとも新鮮な議論である。このwikiでは、こうした視点から、制度論を構築しようという試みを展開していく。
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