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【定義】

道元禅師によって開かれた福井県吉田郡永平寺町志比にある日本曹洞宗大本山山号は吉祥山(きちじょうざん)。開基波多野義重公。

【歴史】

当時同地を領有していた波多野義重(出雲守・雲州太守)を開基としている永平寺は、中国から正伝仏法将来された道元禅師によって寛元2年(1244)7月18日に開かれた。当初の名前は「大仏寺」である。そして、翌年(寛元3年[1245])から修行僧の受け入れを始めたようである。
師、寛元二年甲辰七月十八日に当山に徙る。明年乙巳、四方の学侶、座下に雲集す。 『永平広録』巻2冒頭

道元禅師は中国留学を終えてから京都にあって観音導利興聖宝林寺(興聖寺)を自らの修行道場として開いていたが、新たに禅宗を始めたことから比叡山の圧迫を受け、また本師である天童如浄禅師からは「帰国の後、国王大臣に近付すること莫れ、聚洛城隍に居せず、須らく深山窮谷に住すべし」(『建撕記』)と示誡されていたこともあり、そして如浄禅師が越(=現在の中国南部からベトナム北部にかけての地域)の出身であったことから、道元禅師は「越前」に寺を開くことを決意したとされている。

元々は大仏寺と称していたが、道元禅師は寛元4年(1246)6月15日に自ら上堂を行い、中国に仏教が伝わった後漢の明帝時代の永平という年号を採って「天上天下当処永平」と宣言されて、永平寺に改称した。なお、この経緯について、以前から大仏寺から移転して永平寺が開かれたとする説と、元から現在地にあって、名前だけ変えたという説があるが、文献的には移転は認められず、「大仏寺旧趾」と呼ばれる場所の地形を測量した横山秀哉先生に依れば、移転はなかったと見られている。
大仏寺を改めて、永平寺と称する上堂〈寛元四年丙午六月十五日〉。天に道有り、以って高く清み、地に道有り、以って厚寧なり、人に道有り、以って安穏なり。所以に世尊降生し、一手は天を指し、一手は地を指し、周行七歩して云く「天上天下唯我独尊」と。世尊に道有り、是、恁麼なりと雖も、永平に道有り、大家、証明す。良久して云く、天上天下、当処永平と。 『永平広録』巻2−177上堂

また、山号の吉祥山については、『建撕記』にて以下のような指摘がある。
此を吉祥山を名着くる事は、帝釈宮の名、又仏成道の時、吉祥草をしきたまうこと、今地を夷け伽藍を建てる処吉祥なり。

そして、この言葉の前提になるような『吉祥山命名法語』も同じく『建撕記』に収録されている。余談だが、面山大仏寺の元の山号を「傘松峰」としている。しかし、その根拠は希薄である。
同七月十八日、和尚を請い奉りて開堂説法す。その時、和尚云く「今日より此の山を吉祥山と名づけ、寺を大仏寺と号す」と。則ち頌を作りて云く「諸仏如来の大功徳、諸吉祥中最も無上なり、諸仏倶に此の処に来入す、是の故に此の地最も吉祥なり。」と。

この偈頌は道元禅師が本当に詠まれたものかは疑問であるが、日付は『永平広録』第2巻の冒頭と合致するため、真偽は付けがたい。

また、今でこそ木造の素晴らしい七堂伽藍が調っているが、道元禅師が御存命の頃に伽藍が揃うことはなかったともされ、以下のような記録も残っている。
師、在世には、七堂未だ建立するを見ざり。土木未だ備わらざる、堂閣わずかに両三、これ在り。 『建撕記

ただし、『正法眼蔵』『永平広録』『永平大清規』などの記録から、具に見ていくと、法堂僧堂仏殿庫院方丈衆寮延寿堂土地堂直歳司東司浴室承陽庵山門などはあったと考えられているため、この『建撕記』の記述と反する。よって、これは伝記作者が、以下の上堂語を強く意識しすぎたことによる誤謬であると考えられている。
当山、樹功草創、土木未だ備わらず。万事、蕭疏として人の堪忍する無し。 『永平広録』巻2-139上堂

なお、道元禅師御自身、永平寺が非常に山奥にあることを示している。
夫、学道道心を先と為す。茲に於いて、当山、山遠く谷深くして至ること容易ならず。航海して来たり、梯山して到る。道心を履むに非ずんば、難到の田地なり。 『永平広録』巻3-200上堂

永平寺は道元禅師滅後に、火事や僧団内の対立(三代相論)などから衰滅の危機などがたびたびあったようだが、日本曹洞第一の道場として後円融天皇(北朝第5代天皇、在位は1371〜1382年)から綸旨と額を賜り、まさに坐禅道場としての面目を過去・現在・未来に保っている。

【歴代住職】

永平寺歴代の住職であるが、現在は79世である。道元禅師・懐弉禅師・義介禅師・義演禅師・義雲禅師・曇希禅師……宮崎奕保禅師・福山諦法禅師と続いて現在に至っている。

【住所・連絡先】

〒910-1228 福井県吉田郡永平寺町志比 大本山永平寺
      総受所 電話0776−63−3102

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