日本曹洞宗に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々を簡潔に示しています。日本曹洞宗に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

ゝ都府宇治市宇治山田にある日本曹洞宗の寺院。道元禅師開山とし、万安英種禅師中興とする。山号は仏徳山。
⊆賀県高島市朽木岩瀬にある日本曹洞宗の寺院。通称は朽木の興聖寺。元々京都宇治にあった興聖寺であったが、懐弉禅師開山として嘉禎3年(1237)に建立したという。開基は佐々木近江守信綱。同国最初の禅宗寺院という。本尊は伝教大師作という釈迦如来像(重要文化財)。山号は高巌山。

【内容】

道元禅師は日本に帰ってきてからしばらく建仁寺に留錫していたが、天福元年(1233)に現在の京都市伏見区深草薮之内町あたりにあったとされている極楽寺の旧趾に移動した。

そして、観音導利院を再度興し、宗門寺院とした。嘉禎2年(1236)秋には、仏殿法堂、『宇治観音導利院僧堂建立勧進之疏』などに見るように僧堂を整備して、同年10月15日に法堂の開堂式を行い、以降上堂を行ったと思われる(『永平広録』巻1参照)。それ以降は、従来の寺号に加えて「観音導利興聖宝林寺」という名前にしたと思われるが、『建撕記』などは「観音導利院興聖宝林寺」であるとする。また、当寺は中国の名刹の名前を合揉して作られたものとされる。
観音導利の四字は、古極楽寺の時の院号にて、興聖宝林の四字は、祖師初て安ぜらる。興聖は支那の径山の寺号、宝林は曹渓の寺号、それを采て用ひらる。 面山瑞方『普勧坐禅儀聞解

なお、寛元元年(1243)4月15日に行った上堂(『永平広録』巻1−118上堂)では「宝林」という自称を使っており、語録の編者である詮慧禅師とおぼしき侍者が「当寺、後、興聖宝林と号す」と割注にて書き残していることからも、現在に伝わるような「観音導利興聖宝林寺」へは、当初の寺号とは別に定められていたことが推定される。後に詳述するが、『正法眼蔵』の奥書も、様々なタイプがある。

道元禅師は、興聖寺に11年とどまって僧俗を教化したが、『護国正法義』に関わる上奏などの影響からか、比叡山の圧迫などがあって、1243年7月に越前に移動した。道元禅師の移動後も、義準など一部の弟子が残されたとされているが、長くは続かずに、荒廃してしまったと思われる。それを示す懐弉禅師の言葉もある。
然るに、叢林微細の規矩、禅家諸師の語録以下、一切の聖教、皆以て、先年の興聖寺焼失時に、或いは紛失す。 『三祖行業記』「義介禅師章」

そこで、江戸時代初期に曹洞宗が輩出した万安英種禅師は、山城国淀城主永井尚政の本願によって、慶安2年(1649)に現在地に移転再興した。万安師は自ら中興として晋住したが、その前に寒巌義尹禅師を勧請して、道元懐弉義介義尹万安・・・という現在の世代が確立した。

△い錣罎襦峙猝擇龍柔算」である。実際の経緯は不明であるが、一説には懐弉禅師開山として、宇治興聖寺建立翌年に建てられたという(『禅学大辞典』)。しかし、江戸期の学僧面山瑞方師は別の見解を述べる。
案ずるに、興聖宝林寺は本と、承陽祖師の初開に係り、昔、洛南深草極楽寺の旧趾に在り。祖、越に之くに及んで、寺を江州朽木の渓に移し、乃ち城主・佐佐木氏歴代の仁祠とす。 『面山広録』巻13

【興聖寺の名称について】

すでに【内容】で指摘したが、興聖寺は道元禅師がおられた11年間で、様々な呼び方がされたと考えられている。『永平広録』巻1の記載からすれば、正式名称は「興聖禅寺(興聖寺)」だったと考えて良いが、『正法眼蔵』の奥書などから考えれば、次のような呼称がある。

・観音導利院(「摩訶般若波羅蜜」「栢樹子」巻)
・観音導利興聖宝林寺(「仏性」巻、他多数)
・興聖宝林寺(「坐禅箴」巻、他多数)
・興聖護国寺(『重雲堂式』、金沢文庫本『真字正法眼蔵』中)
・宝林寺(『永平広録』巻1-118上堂、「身心学道」巻)

多くの場合には、「観音導利興聖宝林寺」「興聖宝林寺」であるため、興聖寺が正式名称であったのだろうが、しかし、他にも幾つかあったことが興味深い。なお、これらは時間的に変遷したということもない。それが、例えば後に懐弉禅師による『正法眼蔵』浄書の段階で修正されたのか、それとも、道元禅師の気分で名称を変えたのかなど、色々と考えるべきことは多い。また、現在では「仏徳山」という山号になっているが、当初からこれがあったのかどうかは、古い史料からは確認できない。

コメントをかく


ユーザーIDでかく場合はこちら

画像に記載されている文字を下のフォームに入力してください。

「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

NINJAカウンター

角川書店『ねこ禅』



かわいい猫の写真とやさしく解説された禅語のコラボ本。【『ねこ禅』角川書店】からどうぞ。

OKかけじく

管理人のみ編集できます