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【定義】

「七如来」とは、施食会供養などに際して勧請される七体の如来のこと。また、曹洞宗では「中陰塔婆」「七本塔婆」に、この七如来の仏名を記載する。七体の如来は以下の通り。

南無宝勝如来
南無多宝如来
南無妙色身如来
南無広博身如来
南無離怖畏如来
南無甘露王如来
南無阿弥陀如来

なお、現行、曹洞宗の施食会では、一般的に「五如来」を用いており、上記七如来が使われる事例は極めて珍しいといえる。

【内容】

禅宗の「七如来」の淵源については、中国五代十国時代の法眼宗の僧であった永明延寿(904〜975)の『慧日永明寺智覚禅師自行録』「第五十八」に於いて「六時の礼拝」について指摘しており、礼拝の対象として「七如来」を挙げている。それは、「宝勝・離怖畏・広博身・甘露王・妙色身・多宝・阿弥陀」である。現行の並びとは違うが、出てくる種類は同じである。なお、延寿は「七如来」について、「施餓鬼」の目的で採り上げており、おそらくは元々の密教系の七如来を変じて、禅林様にしたのだとは思われる。

密教系の七如来については、『瑜伽集要救阿難陀羅尼燄口儀軌経』で「宝勝・離怖畏・広博身・妙色身・多宝・阿弥陀・世間広大威徳自在光明」を挙げており、延寿の見解と異なっている。また、この禅宗様の七如来については、江戸時代の真言宗の学僧である諦忍律師(1705〜1786、僧諱は妙竜。八事山興正寺5世)が、以下のような苦言を呈している。
○問、今時禅林に流行する大施餓鬼作法と云もの、及び蒙山施食法、燄口科範等を見るに、並に皆七如来を揚たり。是如何なる事ぞや。 答、是は蔵中に瑜伽集要救阿難陀羅尼燄口軌儀経と云ものあり。件の経の中に、七如来あり。是に拠ものなり。然るに同じく七如来とはいへども、少し相違あり。経には宝勝如来・離怖畏如来・広博身如来・妙色身如来・多宝如来・阿弥陀如来・世間広大威徳自在光明如来と云へり。然るに禅林の本には、宝勝・多宝・妙色身・広博身・離怖畏・甘露王・阿弥陀と列子たり。世間広大威徳如来を除て甘露王を加へたり。尓れば全く本説なき自己流なり。其上アミダ(※梵字だがカナで表記)は無量寿と訳す。アミリテイ(※同じ)は甘露と訳す。甘露は是長生不死の仙薬なり。長生不死なれば則ち無量の寿命なり。仍て阿弥陀と云も甘露王と云も同事にて一仏異名なり。 『盆供施餓鬼問弁』、12丁表裏

このように、甘露王と阿弥陀は同じ如来の別表記に過ぎず、禅宗の僧侶の不勉強ぶりを批判していることになる。

また、曹洞宗では、禅林寺本『瑩山清規』に、「七如来」の痕跡が見える。
〈南無宝勝如来。本無之〉南無多宝如来。南無妙色身如来。南無甘露王如来。南無広博身如来。南無離怖畏如来〈南無阿弥陀如来〉

ただし、元は「五如来」だったのに、「宝勝・阿弥陀」二如来を追記して「七如来」にしていることが理解できるため、後人の手によって何らかの加減がされたことが推測できる。これは、中世で流行した、通称「大施餓鬼作法(「若人欲了知」から始まる施食文)」に見える「七如来」の影響であろうか。

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