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【定義】

(の説いた教えのこと。仏になるための教えのこと。ただし、昨今で「仏教」といえば、釈尊(ゴータマ=ブッダ)を開祖とする世界宗教の一つとして挙げる際に用いられることが多い。なお、漢訳仏典で「仏教」という場合には『七仏通誡偈』に見る「是諸仏教」のように、諸仏の教えという意味で用いられており、釈尊を中心にした宗教としての意味合いは、「仏法」または「仏道」の語がそれを負ってきた。
諸仏の道現成、これ仏教なり。これ仏祖仏祖のためにするゆえに、教の教のために正伝するなり、これ転法輪なり。この法輪眼睛裏に諸仏祖を現成せしめ、諸仏祖を般涅槃せしむ。 『正法眼蔵』「仏教」巻

道元禅師の『正法眼蔵』の巻の一。仁治2年(1241)11月14日に、興聖寺にて示衆され、『秘密正法眼蔵』という写本によると仁治3年(1242)11月7日にも興聖寺で示衆されたという。95巻本では24巻、75巻本では33巻。

【内容】

道元禅師は、『正法眼蔵』において「仏」の語を名前の冒頭に関する巻を6つ撰述されている。「仏性」「仏道」「仏向上事」「仏教」「仏経」「仏祖」である。そのどれもが、非常に重要であるが、特に宗派的なことについては「仏道」巻が、或いは仏の説かれた「経典」の意味については「仏経」巻が詳しい。

ここで示す「仏教」巻については、冒頭にて、本項,飽用した諸仏の道(=教え、言葉、真理、など。一義的には決まらない)が現成したものこそ仏教であるとされ、そして巻全体としては、前半には「教」についての参究から、禅宗で一般的にいわれている「教外別伝」について批判的な提唱が行われ、その延長として玄沙師備の言葉を媒介にして、後半には「三乗十二分教」に関する解説がされている。

前半部分にて行われる「教外別伝」批判の主眼は、釈尊が摩訶迦葉に対して、教えのほかに「上乗一心」を伝えたのだが、一心見性するのが肝心であるという見解を破することにあった。それは、一心が、本当に絶対的なものであるならば、その「外」に教えがあるという見解は自己矛盾であり、それは一心についての理解が足りず、さらに「内外」についての参究も足りないことを自ら標榜するものにほかならないからである。
仏をしらず、教をしらず、心をしらず、内をしらず、外をしらざるかゆえに。そのしらざる道理は、かつて仏法をきかざるによりてなり。いま諸仏といふ本末、いかなるとしらず。去来の辺際すべて学せざるは、仏弟子と称するにたらず、ただ一心を正伝して仏教を正伝せずといふは、仏法をしらざるなり。仏教の一心、をしらず、一心の仏教をきかず。一心のほかに仏教あり、といふなんぢが一心、いまだ一心ならず、仏教のほかに一心あり、といふなんぢが仏教、いまだ仏教ならざらん。たとひ教外別伝謬説相伝すといふとも、なんぢいまだ内外をしらざれば、言理の符合あらざるなり。

そこで、道元禅師は改めて、この一心と「外」にされてしまった教えとの交通を探っておられるのだが、それはまさに教えそのものに一心を見出すことによってであり、さらに一心とは、教えを説く修行者自身の仏道修行=正法眼蔵に他ならないとされるのである。
このゆえに、上乗一心といふは、三乗十二分教これなり、大蔵・小蔵これなり。

道元禅師は、釈尊の教えは全て、摩訶迦葉に伝えられたという。そして、摩訶迦葉は正法眼蔵正伝した仏道住持であるともいう。だからこそ、摩訶迦葉以来正法単伝してきた仏祖に教えを聞いて、自らの信念を確立しなければならないとされるのである。そして、中国禅宗の玄沙師備が説いた「三乗十二分教総不要」についての提唱をされていく。この言葉は、字義通り取れば、先の「教外別伝」につながるものだが、道元禅師はそうではないという。
玄沙いはく、三乗十二分教総不要。この道取は、法輪なり。この法輪の転ずるところ、仏教の仏教に処在することを参究すべきなり。

何故この玄沙の言葉が、仏祖の言葉に他ならないかといえば、三乗十二分教の本質を説き尽くしているからであり、その本質とは、三乗十二分教が仏祖の法輪であるということだ。これは仏祖と法輪の関係は表裏一体であり、三乗十二分教そのものから仏祖を見れば、仏祖を転じるためである。つまり、「総不要といふは、もちいざるにあらず、やぶるにあらず。」ということであり、いわば我々にとって「法」というのは、排他的ではなく、融合的でもなく、強いて言えば一法究尽である。

なお、玄沙の言葉を提唱し終えた道元禅師は、仏祖保任してきた正法眼蔵という立場無き立場から、総不要であるべき三乗十二分教九部九分教)についての解説を行うのである。以降の解説は各項目に譲る。

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