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【定義】

仏陀祖師のこと。
道元禅師には、仏即祖・祖即仏として、仏陀と祖師の一体を示す場合と、隔別とを示すときがある。
道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では15巻、75巻本では52巻。仁治2年(1241)1月3日宇治興聖寺にて学人に示された。

【内容】

道元禅師は仏祖一体を説く場合がある。
曹渓古仏、あるとき衆にしめしていはく、慧能より七仏にいたるまで四十祖あり。この道を参究するに、七仏より慧能にいたるまで四十仏なり。仏仏祖祖を算数するには、かくのごとく算数するなり。かくのごとく算数すれば、七仏は七祖なり、三十三祖は三十三仏なり。曹渓の宗旨、かくのごとし。これ正嫡仏訓なり。正伝嫡嗣のみ、その算数の法を正伝す。 『正法眼蔵』「仏道」巻

ここで指摘された六祖慧能禅師の言葉とは、どうやら出典未詳らしく、道元禅師が中国で学んできた際に見聞したものではないかとの指摘もあるようだが、道元禅師は「嗣書」巻などでも引用しているので、何かしらの典拠があったものか。

しかし、先に挙げたような道元禅師の説示も晩年に至ると変化を見せてくるようになる。書かれた正確な時期は分からないが晩年に編まれたという十二巻本『正法眼蔵』には以下のような祖師の定義も見える。
これ阿含の四馬なり。仏法参学するとき、かならず学するところなり。真善知識として人中天上に出現し、ほとけのつかひとして祖師なるは、かならずこれを参学しきたりて、学者のために伝授するなり、しらざるは人天善知識にあらず。 『正法眼蔵』「四馬」巻

ここでは、祖師が「ほとけのつかひ」であるとされて、明確に仏の下に置かれるようになる。特に晩年の道元禅師はそれまでの中国祖師の語録を中心に書かれていた『正法眼蔵』を『阿含経』などの古い時代の経典を引用するようになるが、そのためにいったんは否定された教学仏教的な観念が入り込むことになってしまった。以下のような説示がある。
上堂。仏と謂い祖と謂う、混雑することを得ざるなり。仏と謂うは七仏なり。七仏とは、荘厳劫の中に三仏あり。謂く、毘婆尸仏・尸棄仏・毘舎浮仏なり。賢劫の中に四仏あり。謂く、拘楼孫仏・拘那含牟尼仏・迦葉仏・釈迦牟尼仏なり。此の外、更に仏と称する無きなり。然る所以は、毘婆尸仏に附法蔵遺弟多く有りと雖も、倶に祖師と称し、或いは菩薩と称して、未だ曾て乱りに仏世尊と称すること有らず。必定、尸棄仏の出世に至って仏と称す。行満劫満の所以なり。〈中略〉吾、今、成仏し、正法の座を以て其の往勲に報ず。仏に対して坐する時、天人咸く仏の師と謂う。是の徳を具うと雖も、未だ称して仏とせず。況んや、澆季全く一徳無きの輩、猥りに吾、是、仏と称す、豈に謗仏・謗法・謗僧を免れんや。大愚痴なり。豈に三悪中に墜堕することを免れん。迦葉より已後、達磨に至るまで二十七世、或は是、羅漢、或は是、菩薩、仏世尊の正法眼蔵を伝うれども、未だ称して仏となさず。仏は是、行満作仏する所以なり。祖は是、解備嗣法なり。仏果菩提猥りに成ずることを得ず。此の道理を明らめ知るは、実に是、仏祖の嫡子なり。〈以下略〉 『永平広録』巻6−446上堂(抄録)

これは建長3年(1251)7月15日〜8月15日の間のどこかで行われた上堂であるとされており、道元禅師(1200〜1253)の晩年にあたる。ここで、これまでのものと明確に異なって「仏祖隔別」に転換されていることをよくよくご確認願いたい。しかも、この上堂の前後から、道元禅師は明確に仏と祖師とを分けていくのである。

道元禅師は、正法眼蔵は仏仏祖祖が代々伝えてきたものであるとし、その仏祖の名前を挙げている。さらにその弟子となって伝持するのに、これらの仏祖を礼拝すべきであると説く。


正法眼蔵 仏祖

宗礼仏祖の現成は、仏祖を挙拈して奉覲するなり、過現当来のみにあらず。仏向上よりも向上なるべし。まさに仏祖の面目を保任せるを拈じて礼拝し相見す。仏祖の功徳を現挙せしめて住持しきたり、礼証しきたれり。
 毘婆尸仏大和尚 此云広説
 尸棄仏大和尚 此云火
 毘舎浮仏大和尚 此云一切慈
 拘留孫仏大和尚 此云金仙人
 拘那含牟尼仏大和尚 此云金色仙
 迦葉仏大和尚 此云飲光
 釈迦牟尼仏大和尚 此云能仁寂黙
 摩訶迦葉大和尚
 阿難陀大和尚
 商那和修大和尚
 優婆毱多大和尚
 提多迦大和尚
 弥遮迦大和尚
 婆須蜜多大和尚
 仏陀難提大和尚
 伏駄蜜多大和尚
 婆栗湿縛大和尚
 當那夜奢大和尚
 馬鳴大和尚
 迦毘摩羅大和尚
 那伽閼刺樹那大和尚 又龍樹又龍勝又龍猛
 伽那提婆大和尚
 羅睺羅多大和尚
 僧伽難提大和尚
 伽耶舎多大和尚
 鳩摩羅多大和尚
 闍夜多大和尚
 婆修盤頭大和尚
 摩奴羅大和尚
 鶴勒那大和尚
 獅子大和尚
 婆舎斯多大和尚
 不如密多大和尚
 般若多羅大和尚
 菩提達磨大和尚
 慧可大和尚
 僧璨大和尚
 道信大和尚
 弘忍大和尚
 慧能大和尚
 行思大和尚
 希遷大和尚
 惟儼大和尚
 曇晟大和尚
 良价大和尚
 道膺大和尚
 道丕大和尚
 観志大和尚
 縁観大和尚
 警玄大和尚
 義青大和尚
 道楷大和尚
 子淳大和尚
 清了大和尚
 宗珏大和尚
 智鑑大和尚
 如浄大和尚 道元 大宋国宝慶元年乙酉夏安居時、先師天童古仏大和尚に参侍して、この仏祖を礼拝頂戴することを究尽せり、唯仏与仏なり。
正法眼蔵 仏祖
 爾時仁治二年辛丑正月三日、書于日本国雍州宇治県
 観音導利興聖宝林寺而示衆

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