【定義】
衆生に戒法（曹洞宗では現行十六条戒）を授け、血脈・戒名などを授けること。対義語は「受戒」。
【内容】
仏祖伝来の戒法を授受する中で、受ける側からは受戒といい、授ける側からは授戒という。なお、現在では在家信者教化のため、授戒を行うための授戒会が、両大本山をはじめとする全国の日本曹洞宗寺院で行われている。
元々、日本では在家者が菩薩戒を受けることを望んだ経緯があり、それはいわゆる仏弟子になるという意味合いの他に、単純な御利益信仰でもあった。しかし、こういうニーズに曹洞宗教団は適確に対応し、高祖道元禅師以来脈々と行われている。
このような伝統は更に太祖瑩山禅師やその会下の僧にも受け継がれた。
これは、瑩山禅師の自伝であるけれども、２９歳の時に当時の永平寺住持であった義演禅師に就いて『仏祖正伝菩薩戒作法』の書写を許された。その年の冬には５人（中には瑩山禅師の会下で重きをなした鉄鏡眼可が含まれる）に授戒し、更に２年後に至るまで７０人以上に授戒したという。
こちらは、今度、瑩山禅師晩年の様子である。元亨4年（1324）7月7日に、瑩山禅師は總持寺（惣持寺）の住持職を法嗣である峨山韶碩禅師に譲られ、合わせて法衣や拄杖、竹箆などを付授した。すると峨山禅師は直ちに授戒を開始し、8日間の間に28人に授戒している様子が分かる。出家者も多かったが、「四部衆調」とあるので、いわゆる僧俗四衆に授戒したことになる。この後も、臨済宗の抜隊得勝などの記録によれば、瑩山禅師門下は、菩薩戒授与に努めて熱心であったという。
【現在の授戒の状況】
現在、曹洞宗の寺院において行われる授戒の機会は、以下の通りだと思われる。
��授戒会（因脈会?、法脈会?含む）
��得度式（出家得度式・寺族得度式、かつては在家得度も存在）
��檀信徒喪儀法
また、これ以外にも、三帰戒のみなどの授戒の機会は存在すると思われるが、十六条戒を儀礼的に授ける儀式で、『行持軌範』に明文化されているのは、以上である。
衆生に戒法（曹洞宗では現行十六条戒）を授け、血脈・戒名などを授けること。対義語は「受戒」。
【内容】
仏祖伝来の戒法を授受する中で、受ける側からは受戒といい、授ける側からは授戒という。なお、現在では在家信者教化のため、授戒を行うための授戒会が、両大本山をはじめとする全国の日本曹洞宗寺院で行われている。
次に授戒作法。次に懺悔・三帰・五戒、尽形受。次に沙弥十戒、尽形受。 『出家略作法』
元々、日本では在家者が菩薩戒を受けることを望んだ経緯があり、それはいわゆる仏弟子になるという意味合いの他に、単純な御利益信仰でもあった。しかし、こういうニーズに曹洞宗教団は適確に対応し、高祖道元禅師以来脈々と行われている。
此の深草寺は王舍城に近して月卿雲客花族車馬往来絶えず、随縁説法の大家一百余り、菩薩戒を受くるの弟子二千有余輩なり。 『建撕記』
このような伝統は更に太祖瑩山禅師やその会下の僧にも受け継がれた。
廿九、永平寺の演老に就いて、受戒作法を許可せらる、即年の冬初、始めて戒法を開き、最初に五人を度し、卅一に至って、七十余人を度す。 『洞谷記』
これは、瑩山禅師の自伝であるけれども、２９歳の時に当時の永平寺住持であった義演禅師に就いて『仏祖正伝菩薩戒作法』の書写を許された。その年の冬には５人（中には瑩山禅師の会下で重きをなした鉄鏡眼可が含まれる）に授戒し、更に２年後に至るまで７０人以上に授戒したという。
七月七日、惣持寺の住持職、碩首座峨山老に譲与す。法衣開堂着、用拄杖払子、戒策?同じく付嘱す。即日、新命、始めて東堂相看する時、興聖自作の三尺の竹箆（鉄尺定三尺二寸、日本最初の入室の竹箆）、これを付授す。三日間、吉事連続し、七日夜、受戒の人、十五人にして、四部衆調い、出家の数多し。八日、また受戒する者、十三人、是れも四部調う。 『洞谷記』
こちらは、今度、瑩山禅師晩年の様子である。元亨4年（1324）7月7日に、瑩山禅師は總持寺（惣持寺）の住持職を法嗣である峨山韶碩禅師に譲られ、合わせて法衣や拄杖、竹箆などを付授した。すると峨山禅師は直ちに授戒を開始し、8日間の間に28人に授戒している様子が分かる。出家者も多かったが、「四部衆調」とあるので、いわゆる僧俗四衆に授戒したことになる。この後も、臨済宗の抜隊得勝などの記録によれば、瑩山禅師門下は、菩薩戒授与に努めて熱心であったという。
【現在の授戒の状況】
現在、曹洞宗の寺院において行われる授戒の機会は、以下の通りだと思われる。
��授戒会（因脈会?、法脈会?含む）
��得度式（出家得度式・寺族得度式、かつては在家得度も存在）
��檀信徒喪儀法
また、これ以外にも、三帰戒のみなどの授戒の機会は存在すると思われるが、十六条戒を儀礼的に授ける儀式で、『行持軌範』に明文化されているのは、以上である。
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