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【定義】

「抄」とは抜き書きを意味するが、特に漢籍や仏典などを註釈した物で、中世以後口語体による講義録を総称して「抄物」という。

【内容】

五山や林下の僧達が行った講義の聞き書きを指し、臨済宗でも多くが見られるが、特に日本曹洞宗の場合は、瑩山禅師の『報恩録』、或いは峨山禅師の『自得録抄』などが知られ、室町期に入ると、川僧慧済が文明年間に行った『人天眼目抄』を始め、その後も多くの講義録が編集されて世に伝えられた。特に曹洞宗のものは「洞門抄物」と呼ばれて、内容も禅籍の註釈に限られるという特色がある。

また、これらの抄物は講義の時の臨場感を伝えており、各地の方言がそのままの音として収録されているため、中世の方言研究、或いは国語研究などにも好資料を提供している。洞門抄物に関する研究は国語学的見地からのものが先行していたが、昨今では徐々に宗義としての収集及び分類研究が進められた。

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