【定義】
仏祖であることを選ぶ道場であることから呼ばれるが、僧堂のことを指す。選僧堂とも。
このように、瑩山禅師は仏知見に達するための修行道場と、それを導く師の存在を叢林に必要不可欠とされる。また、道元禅師も、「選仏場」に関する言及がある。
【内容】
選仏場という名称の由来について、以下の説話が知られている。
ここから、元々官僚になろうとした丹霞天然が、縁によって仏門に入る時、馬祖に参じた因縁をまとめて、選仏場と呼んでいることが分かる。
仏祖であることを選ぶ道場であることから呼ばれるが、僧堂のことを指す。選僧堂とも。
本より人をして在家を離れ塵労を出さしむる心、何事にか有る。唯是れ仏智見に達せしめんが為なり。煩はしく叢林を設け四衆を集むる、唯此事を開明せしめんが為なり。故に僧堂を名て選仏場といふ。長老を呼で唱道の師とす。 『伝光録』第42章
このように、瑩山禅師は仏知見に達するための修行道場と、それを導く師の存在を叢林に必要不可欠とされる。また、道元禅師も、「選仏場」に関する言及がある。
結夏の小参に、云く。選仏場に聚会して、行脚の事を弁肯す。 『永平広録』巻8-小参6
【内容】
選仏場という名称の由来について、以下の説話が知られている。
��州丹霞天然禅師、〈中略〉初め師、本と儒を業とし、将に応じて長安に挙す。偶たま旅邸に禅者あり、禅者問うて曰く、「仁者、何くにか往かん」。曰く、「選官し去る」。禅者曰く、「選官、何ぞ選仏の如くならん」。曰く、「選仏、当に何れの所にか往くべきか」。禅者曰く、「今、江西の馬大師出世す。是れ選仏の場なり」。霞、乃ち直ちに江西に造きて祖に見ゆ。〈中略〉馬祖、之を視て曰く、「南嶽の石頭、是れ汝が師なり」。石頭に遽抵す。〈中略〉忽ちに一日、石頭、衆に告げて曰く、「来日、仏殿前の草を剗りて期に及ぶ。凡ての大衆、諸の童行、各おの鍬钁を備えて草を剗るべし」。霞、独り盆水を以て頭を洗い石頭の前に跪す。石頭、笑いて之の為に剃落す。従って、之の為に説戒せんとするに、霞、遂に耳を掩いて而も趍去す。再び馬祖に謁して僧堂に入り聖僧の頸に坐す。馬祖曰く、「我が子、天然なり」。即ち馬祖を拝して「師の法号を賜与するを謝す」。因みに天然と名づく。今の僧堂を選仏場と曰うは、本と此に於いてなり。 『釈氏稽古略』巻3
ここから、元々官僚になろうとした丹霞天然が、縁によって仏門に入る時、馬祖に参じた因縁をまとめて、選仏場と呼んでいることが分かる。
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