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【定義】

夏安居雨安居と称するが、これは冬の期間に行われる安居であり、雪安居とも称する。現在の日本曹洞宗では基本的に、11月15日に結制し、翌年の2月15日に解制する九旬安居を指す。

【内容】

本来の「安居」という言葉が「雨安居」である以上は、冬の安居は本義ではなく、それを受けてか道元禅師も「冬安居」については、『正法眼蔵』「安居」巻で否定されるほどである。ただし、インドでは夏の高温多湿さが、修行の妨げになったが、中央アジアをはじめとする寒い地方では、それよりも冬こそ一所に住して「安居」すべきと考えられた可能性が高い。また、中国では「冬安居」の字句を独自に用いた『梵網経』の影響や、南北に広いため場所に応じて夏安居・冬安居を行っていたという。

部派仏教の律では、冬安居を一切説かず、大乗戒に属する『梵網経』で初めて冬安居が説かれた。また、栄西禅師『興禅護国論』「第八禅宗支目門」では「受歳」としての冬安居が見える。また、日本曹洞宗の清規でも、『永平大清規』『瑩山清規』などには見えず、江戸期に入ってから見られる。

江戸時代の学僧・面山瑞方禅師は「冬安居辯」(『面山広録』巻24所収)を論じ、永平寺2世・懐弉禅師が興聖寺で初めて首座に就いた時を、道元禅師が初めて冬安居を行ったと解釈し、その伝統があることを主張した。

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