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【定義】

袈裟を着けること。「搭」とは、何かの上に乗せるを原意とし、付ける・掛けるなどの意味がある。現在の日本曹洞宗では暁天坐禅が終わった後に、「搭袈裟偈」を唱えて袈裟を着ける。なお、道元禅師は、袈裟の着け方について、以下のように説示する。
搭袈裟法 偏袒右肩は常途の法なり。通両肩搭の法もあり。両端ともに左の臂肩にかさねかくるに、前頭を表面にかさね、後頭を裏面にかさね、後頭を表面にかさね、後頭を裏面にかさぬること、仏威儀の一時あり。この儀は、諸声聞衆の見聞し、相伝するところにあらず、諸阿笈摩教の経典に、もらしとくにあらず。おほよそ仏道袈裟を搭する威儀は、現前せる伝正法の祖師、かならず受持せるところなり。受持、かならずこの祖師に受持すべし。 『正法眼蔵』「伝衣」巻

ここからは、搭袈裟法に、現在の宗門でも通常に用いられる偏袒右肩法と、通肩法とがあることを示されている。さらに、このような方法とは、声聞の者が伝えることはなく、さらに『阿含経』にも説かれることがなく、正伝の仏法を受持する祖師だけが受け伝えていることであり、そのような正師から直接教えを受けるべきだとされている。
搭袈裟法 偏袒右肩、これ常途の法なり。通両肩搭の法あり、如来および耆年老宿の儀なり。両肩を通ず、といふとも、胸臆をあらはすときあり、胸臆をおほふときあり。通両肩搭は、六十条衣以上の大袈裟のときなり。搭袈裟のとき、両端ともに左臂肩にかさねかくるなり。前頭は左端のうヘにかけて、臂外にたれたり。大袈裟のとき、前頭を左肩より通して、背後にいだし、たれたり。このほか種種の著袈裟の法あり、久参咨問すべし。 『正法眼蔵』「袈裟功徳」巻

「袈裟功徳」巻でも、同様に搭袈裟法が示されるが、例えば通肩法については、如来や老宿が行うべきものであることなどが示されている。この影響も受けて、現在の宗門では、通肩法を行う場合とは、授戒会に於ける戒師など、一部の僧、或いは状況に限られている。この「袈裟功徳」巻と「伝衣」巻とは、合わせて参究されると良い。

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