たとへば重き宝をぬすまんと思ひ、強き敵をうたんと思ひ、高き色にあはんと思ふ心あらん人は、行住坐臥、事にふれをりにしたがひて、種々の事はかはり来れども、其れに随ひて隙を求め、心に懸るなり。 『正法眼蔵随聞記』巻3-11