最終更新: uedam1984b 2015年06月11日(木) 13:07:20履歴
徳島市立図書館で借りれる音楽関連書籍等のページに戻る
音楽の森のページに戻る
目次
バッハ 7
「音楽の父」は愛すべき頑固職人、そして泣けるクラシックの元祖?
音楽的背景/バロック音楽の勃興から最盛期へ
歴史的背景/「領邦国家」と「生類憐みの令」の時代
生没年月日/1685年3月21日生まれ、1750年7月28日没。享年65
人種/両親ともドイツ人。よってバッハもドイツ人
名前/バッハ=「小川さん」?
容貌/人よりも体を大きく見せた精神性
性質/絵にかいたような職人気質の持ち主
精神状態/よりよい音楽の追及に妥協はなかった
趣味・嗜好/読書、酒、煙草、コーヒー
生涯忘れることのなかったごちそうのメニュー
音楽的才能/早くから音楽家一族の才能を開花させる
両親/早くに両親を亡くす
兄弟姉妹/兄たちと音楽の道へ
家庭環境/兄のもとで苦学する
女性観/浮いた話はまったくなし
結婚生活/二度の結婚、子供は二十人
アンナ・マグダレーナ/巨匠のよきパートナー、そしてマネージャー
交友関係/音楽を通じた友人多し
経済生活/徹底した質素倹約
子供/息子たちも音楽家をめざす
他の作曲家について/よい音楽を貪欲に吸収
ヘンデル/生涯、会うことのなかった二人
社会的地位/生涯一職人、一オルガニスト
音楽家としての評価/あくまでローカルな存在
メンデルスゾーンによる再発見
教育者として/熱血教師バッハ
死因/脳梗塞と眼病
モーツァルト 57
最後の”職人”、最初の”自由人”
モーツァルトの天才性
音楽的背景/古典派音楽の完成とブルジョワジーの台頭
歴史的背景/群雄割拠から市民革命へ
生没年月日/1756年1月27日生まれ。1791年12月5日没。享年35。
人種/父方、母方ともにドイツ系オーストリア人。よってモーツァルトもドイツ系オーストリア人
名前/「アマデウス」=神に愛された者
容貌/色白の頭でっかち
性格/明るくて無邪気
精神状態/オトナコドモのような立居振る舞い
趣味・嗜好/派手好き、遊び好き
筆マメ
ダジャレ、下ネタ大好き
音楽的才能/まさに”神童”
語学力/外国語でラブレターを書く驚愕の才能
両親/情熱的で努力家の父と、陽気で優しい母
兄弟姉妹/姉ナンネル、生涯最大の理解者
家庭環境/家族の結びつき強し
”神童”と元祖ステージ・パパの演奏旅行
モーツァルトとマリー・アントワネットは同級生?
女性観/幼さゆえの純粋さ
フランス王妃からパン職人の娘まで
結婚生活/レオポルトは猛反対
妻コンスタンツェ
交友関係/音楽家が中心
フリーメイソンへの入会
経済生活/浪費壁から借金を重ねる
他の作曲家について/旅先での交流
社会的地位/宮廷楽長の地位には就けず
音楽家としての評価/当時の聴衆には難解だった?
ケッヘル番号
死因/急死の裏に諸説あり
「レクイエム」
コンスタンツェのその後
ベートーヴェン 119
ベートーヴェンとは何者か
音楽的背景/かつては古典派、現代ではロマン派に
歴史的背景/ベートーヴェンは芸術としての音楽の在り方の基礎を築いた
生没年月日/ベートーヴェンは自分は1772年生まれだと思い込んでいた
生年異説/神童仕立て説?私生児という思い込み説?
人種/生粋のドイツ人ではない、オランダ系の「大根農家」
名前/ベートーヴェン
容貌/小男、デカ頭、大鼻、猫背、左利き
性質/不器用、鈍重、短気、せっかち、妙な癖
精神状態/難聴が多大な影響をもたらす
遺書/宛先のない、苦しみに満ちた名文
自由主義者/理想は自由主義者、現実は差別主義の実践者
趣味・嗜好/カフェインとニコチン、アルコールは何があっても欠かさない
生活/無頓着の直情径行型
住まい/ピアノの上に楽譜の山、ピアノの下にはおまる
食事/卵が大好きで、自炊もする
女中/横暴・辛辣な最も嫌なタイプの雇い主
両親/彼は両親に対し深い愛情をもっていた
兄弟姉妹/兄弟愛にも恵まれなかったベートーヴェン
家庭環境/子供への愛情よりも個人の価値観を優先していた両親
祖父/尊敬の対象は祖父だった
母の死/金銭への執着は母親の死が原因か
甥カール/子供をもたなかったベートーヴェンの屈折した愛情の対象
ブロイニング家/ベートーヴェンの「第二の家庭」
女性観/その情熱と自由な精神ゆえ生涯独身。ひょっとすると同性愛者か?
ヨゼフィーネ/体面に負けてベートーヴェンを選べなかった女性
アントーニエ/さまざまな運命に引き裂かれた「不滅の恋人」
不滅の恋人への手紙/己の欲望を嘆くよりも恋人を励ます愛と感動に満ちた手紙
交友関係/イヤなやつだがなぜか好かれる
主要交際人物/単なる友情以上に知的な交流を求める
トラブル/裁判にまで発展したものもある
経済生活/フリー音楽家ならではの金銭への執着心と稼ぎっぷり
収入年表
金銭感覚/勲章よりも現金が欲しかった理由
主要作品/多くの作品がエポックメーキングとなる
演奏旅行/モーツァルトのような遠距離の旅行はしなかった
楽曲命名/「運命」のタイトルは日本でしか通用しない
社会的地位/断固として宮廷楽師のような扱いを拒む
音楽家としての評価/19世紀にはすでにマエストロに
日本での評価/人気の上下はあるものの楽聖の地位は不動
死因/彼の患っていた、さまざまな病状が混合し、1827年、肝硬変による肝昏睡症で死亡
遺産/甥に残した遺産は7000グルデンもの金額に
シューベルト 159
善人さが才能を殺した?
音楽的背景/芸術の都ウィーンでも音楽家として身を立てることは困難な時代
歴史的背景/産業革命・教育改革の嵐とナポレオンの進出
生没年月日/1797年1月31日生まれ。没年1828年11月19日。享年31
人種/父親方はモラヴィア人、母親方はオーストラリア人
名前/祖先はシューマンと同じく靴職人だった?
容貌/あだ名は「マッシュルームちゃん」と「おデブちゃん」
性質/「筆舌に尽くしがたい」無邪気さとお人好しぶり
善人否定説/自堕落な魂と清らかな魂の葛藤
精神状態/身近にあった「死の影」への恐れと憧憬
政治活動/友人の思想や時代の気運に影響されやすいノンポリ
趣味・嗜好/肥満の原因であり、後には医者に止められた大好物のワイン
音楽的才能/早くから才能を発揮したがいわゆる「神童」ではない
両親/寛大なる野心家の父親と、生涯の憧憬の対象だった母親
二人目の母/わだかまりも持たず、姉のように慕い甘え続ける
兄弟姉妹/深い兄弟愛に結ばれていた
家庭環境/貧しいながらも愛情に満ちた「楽しい我が家」
学校生活/規則ずくめの生活は「牢獄」、音楽と友人に囲まれているときは天国
父親との衝突と和解/最終的には的確に息子の将来を見越していた父親の懸念
女性観/火遊びは平気でできるが高嶺の花には気後れする
エステルハーティー家で/しだいにつのる孤独感は致命的なダメージを与えることに
交友関係/シューベルティアーデに集まった友人たちに支えられる
経済生活/幼い頃からの貧窮生活からは最後まで逃れられなかった
日常生活/自由気ままな生活の中から創造の活力を得るボヘミアンの元祖
他の作曲家について/生涯の憧れだった楽聖ベートーヴェン
楽曲/少人数で楽しめる音楽ならお任せのシューベルト
オペラ挑戦/リートにおいて圧倒的な才能を示すがオペラはことごとく失敗する
死まで/尊敬するベートーヴェンと同じ墓地に眠ることに
死因/若いころの梅毒が原因説と腸チフス説あり
ベルリオーズ 191
偉大なる誇大妄想狂
音楽的背景/交響詩の先鞭、ロマン派の先駆者
歴史的背景/フランス激動の時代にm音楽家を目指して苦労する
生没年月日/1803年12月11日生まれ。没年1869年3月8日。享年65
人種/父方、母方ともにフランス人。よってベルリオーズは生粋のフランス人
容貌/一度見たら忘れられない衝撃的な印象の顔
精神状態/激しい感情の振幅を自己コントロールできない
奇行/まさしく「オペラ座の怪人」ともいうべき異常な行動
趣味・嗜好/その生涯に決定的な影響を与えたシェイクスピア文学
音楽的才能/親の仏心があだとなる
両親/尊敬する人徳者の父親、意地悪な母親
兄弟姉妹/多くの弟妹が早逝し、ある程度長生きしたのはベルリオーズだけ
教育/父親によって基本的な教育を授けられる
両親との対立と和解/あくまでも医者になることを求め続けた両親
落選また落選/一等賞獲得まで苦節五年、だがその褒賞は何の実りももたらさなかった
女性観/思い込みの激しさで相手を観念させるも、女を見る目はない
ハリエット/「恋は盲目」の実例を見るような入れ込みぶり
マリー・モーク/ハリエットへの失恋の痛手を忘れさせてくれた女性だが・・・
女装暗殺未遂事件/多くの作曲家の逸話のなかでも最も奇怪な事件のひとつ
ハリエットとの再会/落ち目になってもミューズはミューズ
結婚生活/障害ゆえに燃えた恋は結婚という結末で破綻する
再婚/改めて妻にした女は、またしてもスカだった
老いらくの恋/六十歳をすぎてなお燃えるような恋を求める情熱家
他の作曲家について/ワーグナーとの和解のチャンスをつぶしたマリー
指揮者として/行く先々で熱狂と興奮を引き起こし大成功を収める
社会的地位/ようやく地位と生活が安定したのは五十三歳になってから
病歴/生涯悩まされ続けた胃の痛みと阿片の使用は父親ゆずり
死因/最後は愛するパリで息を引き取ったベルリオーズ
メンデルスゾーン 223
本当に「最も幸福な作曲家」だったのか
音楽的背景/音楽が市民階級に浸透し、経済的な価値が重視される
歴史的背景/ナポレオンの敗退と市民階級の台頭著しかったヨーロッパ
生没年月日/1809年2月3日生まれ。1847年11月4日没。享年38
人種/父方・母方ともユダヤ人。よってメンデルスゾーンもユダヤ人
名前/ユダヤ人としてのプライドを表した”メンデルスゾーン”姓
背教/ユダヤ人という印象を薄れさせようとした”バルトルディ”姓
ユダヤ人ゆえの葛藤/名前の問題がたった一度の父との衝突の原因に
容貌/ハンサム、柔和な物腰、礼儀正しさは女性をとりこに
性質/勤勉で裕福な家庭環境そのものが人格形成を助ける
精神状態/父親との関係と「裕福なユダヤ人」であることの大きな影響
趣味・嗜好/「第一級の音の風景画家」を証明する絵画の才能
特技/”どこでも熟睡”は厳しい教育のたまもの?
旅行/大のイギリスびいきで「まるで生粋のイギリス人のように見え」たほど
音楽的才能/その天才的能力の秘密は記憶力にあり?
祖父/レッシング『賢者ナータン』のモデルとなった哲学者
一族の興隆/ほんの数代で大財閥となった理由
両親/”絶対君主”として子供たちの上に君臨した父と理想的な母
兄弟姉妹/”一卵性双生児”とからかられた姉ファンニーとの親密ぶり
家庭環境/過去にはこれほど裕福な家庭に生まれた作曲家はいない
英才教育/幼いころからスパルタ式の英才教育を受けたメンデルスゾーン
音楽家へと/演奏に対する報酬を決して受け取らなかった父親
ツェルター/豊かな教育を授け、ゲーテとの親交も作ってくれた偉大な師
ゲーテ/音楽、美学、そして女性の扱い方まで手ほどきする
女性観/恋愛を一種のゲームととらえ、洗練された駆け引きを楽しむ
セシル/妻は良き家庭人であることが第一で音楽面での理解は求めない
結婚生活/なにより家庭が第一と考える愛妻家にして子煩悩
他の作曲家について/古典派に対する深い愛情と新進ロマン派に対する嫌悪
民族音楽嫌い/たとえ大好きなイギリスのものでも「我慢できない」
「マタイ受難曲」/バッハの名を復活させた歴史に残る大偉業
楽曲/神童の名を決定づけた「真夏の夜の夢」序曲
ジング・アカデミー/ユダヤ人という理由で指揮者就任を拒否される
指揮者として/オーケストラに革命をもたらした先駆的存在
指揮棒/正式に指揮棒を使い出した初めての人物
ワーグナーの攻撃/根本にあったものは裕福で地位のあるユダヤ人に対する嫉妬か
ナチ時代の迫害/「ドイツ人全体に多大な損害を与えた家系の出」と断じられる
音楽家としての評価/時代により激しく評価が上下した稀な作曲家
健康悪化/まるで働きバチのように体を酷使し続け消耗していく
姉の死/彼女の突然死のショックが健康を悪化させる
死まで/苦痛にさいなまれ続けた悲劇的な最期
死因/その死因ははっきり確定されていない
死の影響/世界的規模で追悼された初めての音楽家
ショパン 263
「女泣かせ」のディレッタント
音楽的背景/ヨーロッパ音楽界に初めてマージナル出身者が登場
歴史的背景/世界各国で動乱が相次いだ時代
生没年月日/ショパンの生年月日については、以下の説がある
生地/大国に分割され、国土を失ったポーランド
人種/ポーランド人とフランス人のハーフ
名前/母音の交換の末に「Chopin」となる
容貌/碧眼ブロンドのハスキーボイス
性質/漫画と物真似でいつも話題の中心に
精神状態/典型的なモラトリアム
思想/ポーランド人としてのプライドは持っていたが政治オンチ
趣味・嗜好/無頓着で注意散漫、そのくせ潔癖症
両親/素晴らしい教育者だった父と「ショパンが愛した唯一の女性」だった母
兄弟姉妹/姉妹に囲まれ、その影響を多分に受ける
家庭環境/息子の才能を決して道楽の道具にしなかった両親
女性観/超オクテだったが、母性本能をくすぐり人気は絶大
ポトツカ夫人/ショパンの成功の後ろ盾となった美貌の貴婦人
ショパンの手紙/本物か贋作か?真偽は不明のまま
ジョルジュ・サンド/自由な生き方を実践していた元祖「翔んでる女性」
サンドの男性遍歴/男も女もOK.しかし本当は不感症・・・?
同棲生活/「女性の従属を意味する結婚」など認めなかったサンド
性的関係/セックスレス・カップルの走りだった二人
子供/「家には三人の子供がいる」疑似母子家庭
破局・その後/最期までショパンを謗り続けたサンド
引き裂かれた肖像画/モーリスの憎悪が二人を引き離す
親友/どことなく同性愛的な愛情を感じさせる親友への態度
主要交際人物
あだな/多くの愛称を授けられたのは皆にあいされた証拠?
経済生活/収入は着実に増えたが、稼いだ金は派手に使う
作曲家として/あまりにナイーブかつ自閉的な音楽活動
他の作曲家について/近親憎悪でロマン派の作曲家を嫌う
作品/その作品の99%までがピアノ曲というピアノ職人
主要作品/ショパンは19歳から「ショパンの音」だった
音楽家としての評価/社会的にはただの「人気サロンピアニスト」
ショパンと映画音楽/最高傑作は「愛人/ラマン」のラストシーン
死因/心身を衰弱させたのは肺結核だが、直接の死因は心臓の右の心室の故障
遺言/愛するポーランドの地に”心”だけでも帰りたい
シューマン 297
職人になりきれなかった情熱家
音楽的背景/音楽が市民階級に浸透し、経済的な価値が重視される
歴史的背景
生没年月日/1810年6月8日生まれ。1856年7月29日死去。享年46
人種/父、母方ともに代々のドイツ人なので、シューマンは生粋のドイツ人
名前/先祖は靴屋だった?
容貌/「鶏のように卵を抱いている」思慮深げな大男
性質/情熱的、夢想家、寡黙。そして典型的な「男」
精神状態/肉親の相次ぐ死が性格を一変させる
死の概念/精神の逸脱とともに「死」がより身近になっていく
趣味・嗜好/一種の興奮剤だったカフェインとアルコール
音楽的才能/音楽的な環境とは無縁だったが早くから才能を発揮
ピアニストとして/決意は早かったが、本格的にとりかかるのが遅すぎた
独自の練習方法/悲劇と幸運を生んだ「葉巻の装置」の発明
両親/自らの文才を生かして姉さん女房を獲得した父
兄弟姉妹/実質的な「母親」だった長姉エミーリエ
家庭環境/父親の存在が大きな影響を与える
女性観/絶え間なく誰かを愛していなければ不安だった「好色漢」?
クララ/父親とシューマンの狭間で苦しんだ女流ピアニスト
クララとの経緯/四年間の試練の後ようやく結婚へ
ヴィークの誹謗中傷/度を越した怒りは愛娘にまで・・・
結婚生活/婚前の申し渡しと交換日記で胸のうちを伝える
子供/その才能よりも弱さだけを受け継いでしまった子供たち
経済生活/妻の方が収入が多いことにいらだつ
ブラームスとの関係/後援、友情、嫉妬・・・シューマン家とは切り離せない存在
「音楽新報」発刊/天性の文才と鋭い批評眼を発揮した「改革者」
音楽と文字遊び/文筆家らしさがうかがえる、譜面に隠された文字遊び
作曲スタイル/年代ごとに一つのジャンルを集中して書く
社会的地位/音楽家よりもジャーナリストとしての評価が高かった
音楽家としての評価/音楽の中に自己の精神世界を注入した作曲家
クララの改竄?/シューマンの死後、作品に手を入れる
自殺未遂/精神のバランスの崩壊が衝動的な行動に
精神崩壊の原因/元来の性質か、梅毒が引き金か?
死因/たった一人で静かに息を引き取る
リスト 331
作品が示すリストの多面性
音楽的背景/音楽家にとって”守護天使”だったエステルハーティー侯
歴史的背景/封建社会の動揺、徳川幕府終焉へと向かう日本
生没年月日/1811年10月22日生まれ。没年1886年7月31日。享年74歳
人種/父方・母方ともにドイツ系オーストラリア人。よってリストもドイツ系オーストラリア人
名前/ハンガリーで正確に発音してもらうため”Z”を追加
容貌/「ロマンスのヒーロー」のごとき面影は、晩年には跡形もなく
性質/その圧倒的な魅力ゆえ欠点すらも美点に見えてくる男
精神状態/幼いころから持ち続けていた運命観と聖職者への憧れ
趣味・嗜好/聖職者になってもやめなかった美食、葉巻、アルコール
音楽的才能/学歴よりも聴衆の熱狂がリストの才能を証明する
両親/息子を「モーツァルト」にしたかった父親と、二人を見守る母親
兄弟姉妹/「おじいとこ」エドゥアルトが兄弟の代わり
家庭環境/リストの才能を伸ばすことを何よりも優先し愛情に満ちた家庭
演奏合戦/純粋な競争心か、それとも虚栄心のなせる技か?
人気/女性たちの狂乱ぶりは、まさにアイドルそのもの
女性観/父親の遺言「おまえの女関係が気がかりだ」は見事的中
マリー・ダグー夫人/男を跪かせてきた”翔んでる女”が受けた屈辱
同棲と破局/やはりリストの絶え間ない浮気が二人の間に溝を作る
カロリーネ/リストが唯一、本気で結婚しようとした不倫相手
スキャンダル/恋愛、言動・・・なにをしても世間の話題を提供する男
子供/娘たちに関してはワーグナーのおかげで踏んだり蹴ったりの痛手を受ける
結婚不成立/生涯で唯一の結婚のチャンスを逃し独身を通す
聖職者へ/結婚不成立のおかげで長年の憧れがかなう
弟子/リストなくしては存在しなかったであろう多くの優秀な音楽家
ショパン/性格も音楽的にも正反対の二人の奇妙な友情
ワーグナー/義理の親子になった徹底的な利己主義者と徹底的な利他主義者
他の作曲家について/古今のあらゆる作曲家がリストの恩恵を受ける
演奏旅行/ヨーロッパ中を駆け巡ったピアノの貴公子のリサイタル
業績/「リサイタル」という言葉がはじめて用いられたのはリスト
社会的地位/ヴァイマール宮廷音楽監督就任から辞任まで
死因/風邪をこじらせた肺炎が、衰弱していた肉体の命取りに
死後/たまたま死亡した旅先バイロイトが永眠の場所となる
ワーグナー 365
誰もが脱帽する典型的な天才
情から理念へ―「楽劇」大改革
オペラ以外は苦手だった!?
音楽的背景/各国で独自のオペラの形式が確立
歴史的背景/ナポレオンの台頭で戦乱の嵐吹き荒れるヨーロッパ
生没年月日/1813年5月22日生まれ。没年1883年2月13日。享年69
出生異聞/本当の父親は誰だったのだろうか
人種/生粋のドイツ人というのが定説だが
容貌/とにかく巨大な頭に、これまた巨大な帽子をかぶる
性質/強引に運を引き寄せる自我の強さ
性格分類/異常なほど強い自己顕示欲と注目されたい願望
精神状態/幼いころは「闇の世界」におびえ、長じてはそれを芸術に取り込む
思想/右も左もすべては自らの芸術のための足がかり
主義/いかにもワーグナーらしい建前と本音のギャップ
健康状態/鋼のように強靭な肉体の持ち主
趣味・嗜好/ほとんど犬なしではいられない愛犬家
フェテシズム/ビロードや絹の手触りと香水を愛し続ける
父/劇場が生きがいで家庭をおろそかにする
母/実は高貴な血を引いていた?だが母親としての愛情は希薄だった
継父/豊かな才能に恵まれたユダヤ人
ジレンマ/ガイヤーを実の父と信じたいがゆえに生じる葛藤
兄弟姉妹/父母の遺伝で5人が劇場に関係する人生を選ぶ
家庭環境/芸術的な環境の中で育った子供たち
叔父/後年、甥にその才能に感動させられることになった変人
音楽家へと/勉学よりも好きな読書に熱中していた少年時代
音楽の師/たった六ヶ月で驚くべき成果を上げたワーグナー
亡命生活/革命家気取りで各地を転々。亡命生活は十一年間に
金銭感覚/それが身分不相応に贅沢でも、欲しいものは必ず手に入れる
借金と夜逃げ/返せなければ平気で逃げる踏み倒しの常習犯
女性観1/純粋さと傲慢さが見え隠れする女性蔑視
女性観2/生い立ちの疑惑が奪う事への誘惑の引き金となる
ミンナ/「食卓の向こうの敵」と呼ばれた、平凡な市民生活を夢見た女
破局/離婚後もワーグナーは前妻とその家族の面倒を見続ける
ヴェーゼンドンク夫人/優雅で美しい才女との狂おしいプラトニックの愛
顛末/不倫愛の結末を「トリスタンとイゾルデ」に結実させたワーグナー
コジマの素性/両親の類まれな才能を受け継いだミューズ
結婚へ/コジマの気性の激しさが、ついに愛を勝ち取るまで
結婚生活/尊敬と忍耐・献身によって夫の芸術創造の共同経営者となったコジマ
女帝コジマ/作曲のためには浮気も許し、ワーグナーの人生を支え続けた最後の女性
子供たち/「生涯最良の日」だった長男誕生
孫たち/祖父が残したバイロイトを守り抜く
逆恨み1/異国の地での失意と貧窮が人種偏見の下地を作る
逆恨み2/屈辱的な不倫騒動の結果、さらに徹底的な民族主義者に
ユダヤ人観1/後にヒトラーへと継承されていくユダヤ人排斥観
ユダヤ人観2/嫌いな人間は皆ユダヤ人にしてしまう
ビスマルク/ワーグナーの無節操ぶりを表す鉄血宰相への態度
ニーチェ/尊敬と憎悪。常に表裏一体だったワーグナーへの気持ち
他の作曲家について/強烈な人物像がさまざまな噂の原因になる
リスト/何があってもワーグナーを支援し続けた寛大な心の持ち主
ハンス・フォン・ビューロー/ワーグナーに天国と地獄を見せられた指揮者
ルートヴィッヒ二世/明けても暮れてもワーグナーを思い続けた美王
奇跡/齢五十にしてようやくはじまった”わが世の春”
主要獲得金額/借金完済、一転して望むがままの生活を手に入れる
悲劇の王/ワーグナーに金をつぎ込み続けた国王の悲惨な最期
指揮者として/ベートーヴェンの交響曲の指揮は後世に大きな影響を
バイロイト祝祭劇場/建築目的は自作の理想的な上演のため
劇場の趣旨・構造/公平に選ばれた人々が真の芸術に触れるための場所
バイロイト音楽祭/出演者にとって大変な名誉となるオペラ祭の最高峰
社会的な地位/その才能だけで望むままの人生を送った初めての音楽家
音楽家としての評価/その後の音楽概念に決定的な影響を与える
ワグネリアン/音楽家だけでなく画家、文学者にも熱狂的なファンをもつ
晩年の病/鋼の体も寄る年波には勝てなくなる
最後の一日/最期は愛する妻の腕の中で息を引き取る
死因/「愛―悲劇性」・・・絶筆は女性についての論文
死因異説/やはり最後まで女性が関与していたのか?
死後/故人の遺言により「パルジファル」が二十回上演される
参考文献 441
下巻目次
ヴェルディ
ブラームス
チェイコフスキー
フォーレ
プッチーニ
マーラー
ドビュッシー
R・シュトラウス
シェーンベルク
ストラヴィンスキー
あとがきにかえて―音楽の二十世紀とは何だったのか
参考文献
関連年表
音楽の森のページに戻る
目次
バッハ 7
「音楽の父」は愛すべき頑固職人、そして泣けるクラシックの元祖?
音楽的背景/バロック音楽の勃興から最盛期へ
歴史的背景/「領邦国家」と「生類憐みの令」の時代
生没年月日/1685年3月21日生まれ、1750年7月28日没。享年65
人種/両親ともドイツ人。よってバッハもドイツ人
名前/バッハ=「小川さん」?
容貌/人よりも体を大きく見せた精神性
性質/絵にかいたような職人気質の持ち主
精神状態/よりよい音楽の追及に妥協はなかった
趣味・嗜好/読書、酒、煙草、コーヒー
生涯忘れることのなかったごちそうのメニュー
音楽的才能/早くから音楽家一族の才能を開花させる
両親/早くに両親を亡くす
兄弟姉妹/兄たちと音楽の道へ
家庭環境/兄のもとで苦学する
女性観/浮いた話はまったくなし
結婚生活/二度の結婚、子供は二十人
アンナ・マグダレーナ/巨匠のよきパートナー、そしてマネージャー
交友関係/音楽を通じた友人多し
経済生活/徹底した質素倹約
子供/息子たちも音楽家をめざす
他の作曲家について/よい音楽を貪欲に吸収
ヘンデル/生涯、会うことのなかった二人
社会的地位/生涯一職人、一オルガニスト
音楽家としての評価/あくまでローカルな存在
メンデルスゾーンによる再発見
教育者として/熱血教師バッハ
死因/脳梗塞と眼病
モーツァルト 57
最後の”職人”、最初の”自由人”
モーツァルトの天才性
音楽的背景/古典派音楽の完成とブルジョワジーの台頭
歴史的背景/群雄割拠から市民革命へ
生没年月日/1756年1月27日生まれ。1791年12月5日没。享年35。
人種/父方、母方ともにドイツ系オーストリア人。よってモーツァルトもドイツ系オーストリア人
名前/「アマデウス」=神に愛された者
容貌/色白の頭でっかち
性格/明るくて無邪気
精神状態/オトナコドモのような立居振る舞い
趣味・嗜好/派手好き、遊び好き
筆マメ
ダジャレ、下ネタ大好き
音楽的才能/まさに”神童”
語学力/外国語でラブレターを書く驚愕の才能
両親/情熱的で努力家の父と、陽気で優しい母
兄弟姉妹/姉ナンネル、生涯最大の理解者
家庭環境/家族の結びつき強し
”神童”と元祖ステージ・パパの演奏旅行
モーツァルトとマリー・アントワネットは同級生?
女性観/幼さゆえの純粋さ
フランス王妃からパン職人の娘まで
結婚生活/レオポルトは猛反対
妻コンスタンツェ
交友関係/音楽家が中心
フリーメイソンへの入会
経済生活/浪費壁から借金を重ねる
他の作曲家について/旅先での交流
社会的地位/宮廷楽長の地位には就けず
音楽家としての評価/当時の聴衆には難解だった?
ケッヘル番号
死因/急死の裏に諸説あり
「レクイエム」
コンスタンツェのその後
ベートーヴェン 119
ベートーヴェンとは何者か
音楽的背景/かつては古典派、現代ではロマン派に
歴史的背景/ベートーヴェンは芸術としての音楽の在り方の基礎を築いた
生没年月日/ベートーヴェンは自分は1772年生まれだと思い込んでいた
生年異説/神童仕立て説?私生児という思い込み説?
人種/生粋のドイツ人ではない、オランダ系の「大根農家」
名前/ベートーヴェン
容貌/小男、デカ頭、大鼻、猫背、左利き
性質/不器用、鈍重、短気、せっかち、妙な癖
精神状態/難聴が多大な影響をもたらす
遺書/宛先のない、苦しみに満ちた名文
自由主義者/理想は自由主義者、現実は差別主義の実践者
趣味・嗜好/カフェインとニコチン、アルコールは何があっても欠かさない
生活/無頓着の直情径行型
住まい/ピアノの上に楽譜の山、ピアノの下にはおまる
食事/卵が大好きで、自炊もする
女中/横暴・辛辣な最も嫌なタイプの雇い主
両親/彼は両親に対し深い愛情をもっていた
兄弟姉妹/兄弟愛にも恵まれなかったベートーヴェン
家庭環境/子供への愛情よりも個人の価値観を優先していた両親
祖父/尊敬の対象は祖父だった
母の死/金銭への執着は母親の死が原因か
甥カール/子供をもたなかったベートーヴェンの屈折した愛情の対象
ブロイニング家/ベートーヴェンの「第二の家庭」
女性観/その情熱と自由な精神ゆえ生涯独身。ひょっとすると同性愛者か?
ヨゼフィーネ/体面に負けてベートーヴェンを選べなかった女性
アントーニエ/さまざまな運命に引き裂かれた「不滅の恋人」
不滅の恋人への手紙/己の欲望を嘆くよりも恋人を励ます愛と感動に満ちた手紙
交友関係/イヤなやつだがなぜか好かれる
主要交際人物/単なる友情以上に知的な交流を求める
トラブル/裁判にまで発展したものもある
経済生活/フリー音楽家ならではの金銭への執着心と稼ぎっぷり
収入年表
金銭感覚/勲章よりも現金が欲しかった理由
主要作品/多くの作品がエポックメーキングとなる
演奏旅行/モーツァルトのような遠距離の旅行はしなかった
楽曲命名/「運命」のタイトルは日本でしか通用しない
社会的地位/断固として宮廷楽師のような扱いを拒む
音楽家としての評価/19世紀にはすでにマエストロに
日本での評価/人気の上下はあるものの楽聖の地位は不動
死因/彼の患っていた、さまざまな病状が混合し、1827年、肝硬変による肝昏睡症で死亡
遺産/甥に残した遺産は7000グルデンもの金額に
シューベルト 159
善人さが才能を殺した?
音楽的背景/芸術の都ウィーンでも音楽家として身を立てることは困難な時代
歴史的背景/産業革命・教育改革の嵐とナポレオンの進出
生没年月日/1797年1月31日生まれ。没年1828年11月19日。享年31
人種/父親方はモラヴィア人、母親方はオーストラリア人
名前/祖先はシューマンと同じく靴職人だった?
容貌/あだ名は「マッシュルームちゃん」と「おデブちゃん」
性質/「筆舌に尽くしがたい」無邪気さとお人好しぶり
善人否定説/自堕落な魂と清らかな魂の葛藤
精神状態/身近にあった「死の影」への恐れと憧憬
政治活動/友人の思想や時代の気運に影響されやすいノンポリ
趣味・嗜好/肥満の原因であり、後には医者に止められた大好物のワイン
音楽的才能/早くから才能を発揮したがいわゆる「神童」ではない
両親/寛大なる野心家の父親と、生涯の憧憬の対象だった母親
二人目の母/わだかまりも持たず、姉のように慕い甘え続ける
兄弟姉妹/深い兄弟愛に結ばれていた
家庭環境/貧しいながらも愛情に満ちた「楽しい我が家」
学校生活/規則ずくめの生活は「牢獄」、音楽と友人に囲まれているときは天国
父親との衝突と和解/最終的には的確に息子の将来を見越していた父親の懸念
女性観/火遊びは平気でできるが高嶺の花には気後れする
エステルハーティー家で/しだいにつのる孤独感は致命的なダメージを与えることに
交友関係/シューベルティアーデに集まった友人たちに支えられる
経済生活/幼い頃からの貧窮生活からは最後まで逃れられなかった
日常生活/自由気ままな生活の中から創造の活力を得るボヘミアンの元祖
他の作曲家について/生涯の憧れだった楽聖ベートーヴェン
楽曲/少人数で楽しめる音楽ならお任せのシューベルト
オペラ挑戦/リートにおいて圧倒的な才能を示すがオペラはことごとく失敗する
死まで/尊敬するベートーヴェンと同じ墓地に眠ることに
死因/若いころの梅毒が原因説と腸チフス説あり
ベルリオーズ 191
偉大なる誇大妄想狂
音楽的背景/交響詩の先鞭、ロマン派の先駆者
歴史的背景/フランス激動の時代にm音楽家を目指して苦労する
生没年月日/1803年12月11日生まれ。没年1869年3月8日。享年65
人種/父方、母方ともにフランス人。よってベルリオーズは生粋のフランス人
容貌/一度見たら忘れられない衝撃的な印象の顔
精神状態/激しい感情の振幅を自己コントロールできない
奇行/まさしく「オペラ座の怪人」ともいうべき異常な行動
趣味・嗜好/その生涯に決定的な影響を与えたシェイクスピア文学
音楽的才能/親の仏心があだとなる
両親/尊敬する人徳者の父親、意地悪な母親
兄弟姉妹/多くの弟妹が早逝し、ある程度長生きしたのはベルリオーズだけ
教育/父親によって基本的な教育を授けられる
両親との対立と和解/あくまでも医者になることを求め続けた両親
落選また落選/一等賞獲得まで苦節五年、だがその褒賞は何の実りももたらさなかった
女性観/思い込みの激しさで相手を観念させるも、女を見る目はない
ハリエット/「恋は盲目」の実例を見るような入れ込みぶり
マリー・モーク/ハリエットへの失恋の痛手を忘れさせてくれた女性だが・・・
女装暗殺未遂事件/多くの作曲家の逸話のなかでも最も奇怪な事件のひとつ
ハリエットとの再会/落ち目になってもミューズはミューズ
結婚生活/障害ゆえに燃えた恋は結婚という結末で破綻する
再婚/改めて妻にした女は、またしてもスカだった
老いらくの恋/六十歳をすぎてなお燃えるような恋を求める情熱家
他の作曲家について/ワーグナーとの和解のチャンスをつぶしたマリー
指揮者として/行く先々で熱狂と興奮を引き起こし大成功を収める
社会的地位/ようやく地位と生活が安定したのは五十三歳になってから
病歴/生涯悩まされ続けた胃の痛みと阿片の使用は父親ゆずり
死因/最後は愛するパリで息を引き取ったベルリオーズ
メンデルスゾーン 223
本当に「最も幸福な作曲家」だったのか
音楽的背景/音楽が市民階級に浸透し、経済的な価値が重視される
歴史的背景/ナポレオンの敗退と市民階級の台頭著しかったヨーロッパ
生没年月日/1809年2月3日生まれ。1847年11月4日没。享年38
人種/父方・母方ともユダヤ人。よってメンデルスゾーンもユダヤ人
名前/ユダヤ人としてのプライドを表した”メンデルスゾーン”姓
背教/ユダヤ人という印象を薄れさせようとした”バルトルディ”姓
ユダヤ人ゆえの葛藤/名前の問題がたった一度の父との衝突の原因に
容貌/ハンサム、柔和な物腰、礼儀正しさは女性をとりこに
性質/勤勉で裕福な家庭環境そのものが人格形成を助ける
精神状態/父親との関係と「裕福なユダヤ人」であることの大きな影響
趣味・嗜好/「第一級の音の風景画家」を証明する絵画の才能
特技/”どこでも熟睡”は厳しい教育のたまもの?
旅行/大のイギリスびいきで「まるで生粋のイギリス人のように見え」たほど
音楽的才能/その天才的能力の秘密は記憶力にあり?
祖父/レッシング『賢者ナータン』のモデルとなった哲学者
一族の興隆/ほんの数代で大財閥となった理由
両親/”絶対君主”として子供たちの上に君臨した父と理想的な母
兄弟姉妹/”一卵性双生児”とからかられた姉ファンニーとの親密ぶり
家庭環境/過去にはこれほど裕福な家庭に生まれた作曲家はいない
英才教育/幼いころからスパルタ式の英才教育を受けたメンデルスゾーン
音楽家へと/演奏に対する報酬を決して受け取らなかった父親
ツェルター/豊かな教育を授け、ゲーテとの親交も作ってくれた偉大な師
ゲーテ/音楽、美学、そして女性の扱い方まで手ほどきする
女性観/恋愛を一種のゲームととらえ、洗練された駆け引きを楽しむ
セシル/妻は良き家庭人であることが第一で音楽面での理解は求めない
結婚生活/なにより家庭が第一と考える愛妻家にして子煩悩
他の作曲家について/古典派に対する深い愛情と新進ロマン派に対する嫌悪
民族音楽嫌い/たとえ大好きなイギリスのものでも「我慢できない」
「マタイ受難曲」/バッハの名を復活させた歴史に残る大偉業
楽曲/神童の名を決定づけた「真夏の夜の夢」序曲
ジング・アカデミー/ユダヤ人という理由で指揮者就任を拒否される
指揮者として/オーケストラに革命をもたらした先駆的存在
指揮棒/正式に指揮棒を使い出した初めての人物
ワーグナーの攻撃/根本にあったものは裕福で地位のあるユダヤ人に対する嫉妬か
ナチ時代の迫害/「ドイツ人全体に多大な損害を与えた家系の出」と断じられる
音楽家としての評価/時代により激しく評価が上下した稀な作曲家
健康悪化/まるで働きバチのように体を酷使し続け消耗していく
姉の死/彼女の突然死のショックが健康を悪化させる
死まで/苦痛にさいなまれ続けた悲劇的な最期
死因/その死因ははっきり確定されていない
死の影響/世界的規模で追悼された初めての音楽家
ショパン 263
「女泣かせ」のディレッタント
音楽的背景/ヨーロッパ音楽界に初めてマージナル出身者が登場
歴史的背景/世界各国で動乱が相次いだ時代
生没年月日/ショパンの生年月日については、以下の説がある
生地/大国に分割され、国土を失ったポーランド
人種/ポーランド人とフランス人のハーフ
名前/母音の交換の末に「Chopin」となる
容貌/碧眼ブロンドのハスキーボイス
性質/漫画と物真似でいつも話題の中心に
精神状態/典型的なモラトリアム
思想/ポーランド人としてのプライドは持っていたが政治オンチ
趣味・嗜好/無頓着で注意散漫、そのくせ潔癖症
両親/素晴らしい教育者だった父と「ショパンが愛した唯一の女性」だった母
兄弟姉妹/姉妹に囲まれ、その影響を多分に受ける
家庭環境/息子の才能を決して道楽の道具にしなかった両親
女性観/超オクテだったが、母性本能をくすぐり人気は絶大
ポトツカ夫人/ショパンの成功の後ろ盾となった美貌の貴婦人
ショパンの手紙/本物か贋作か?真偽は不明のまま
ジョルジュ・サンド/自由な生き方を実践していた元祖「翔んでる女性」
サンドの男性遍歴/男も女もOK.しかし本当は不感症・・・?
同棲生活/「女性の従属を意味する結婚」など認めなかったサンド
性的関係/セックスレス・カップルの走りだった二人
子供/「家には三人の子供がいる」疑似母子家庭
破局・その後/最期までショパンを謗り続けたサンド
引き裂かれた肖像画/モーリスの憎悪が二人を引き離す
親友/どことなく同性愛的な愛情を感じさせる親友への態度
主要交際人物
あだな/多くの愛称を授けられたのは皆にあいされた証拠?
経済生活/収入は着実に増えたが、稼いだ金は派手に使う
作曲家として/あまりにナイーブかつ自閉的な音楽活動
他の作曲家について/近親憎悪でロマン派の作曲家を嫌う
作品/その作品の99%までがピアノ曲というピアノ職人
主要作品/ショパンは19歳から「ショパンの音」だった
音楽家としての評価/社会的にはただの「人気サロンピアニスト」
ショパンと映画音楽/最高傑作は「愛人/ラマン」のラストシーン
死因/心身を衰弱させたのは肺結核だが、直接の死因は心臓の右の心室の故障
遺言/愛するポーランドの地に”心”だけでも帰りたい
シューマン 297
職人になりきれなかった情熱家
音楽的背景/音楽が市民階級に浸透し、経済的な価値が重視される
歴史的背景
生没年月日/1810年6月8日生まれ。1856年7月29日死去。享年46
人種/父、母方ともに代々のドイツ人なので、シューマンは生粋のドイツ人
名前/先祖は靴屋だった?
容貌/「鶏のように卵を抱いている」思慮深げな大男
性質/情熱的、夢想家、寡黙。そして典型的な「男」
精神状態/肉親の相次ぐ死が性格を一変させる
死の概念/精神の逸脱とともに「死」がより身近になっていく
趣味・嗜好/一種の興奮剤だったカフェインとアルコール
音楽的才能/音楽的な環境とは無縁だったが早くから才能を発揮
ピアニストとして/決意は早かったが、本格的にとりかかるのが遅すぎた
独自の練習方法/悲劇と幸運を生んだ「葉巻の装置」の発明
両親/自らの文才を生かして姉さん女房を獲得した父
兄弟姉妹/実質的な「母親」だった長姉エミーリエ
家庭環境/父親の存在が大きな影響を与える
女性観/絶え間なく誰かを愛していなければ不安だった「好色漢」?
クララ/父親とシューマンの狭間で苦しんだ女流ピアニスト
クララとの経緯/四年間の試練の後ようやく結婚へ
ヴィークの誹謗中傷/度を越した怒りは愛娘にまで・・・
結婚生活/婚前の申し渡しと交換日記で胸のうちを伝える
子供/その才能よりも弱さだけを受け継いでしまった子供たち
経済生活/妻の方が収入が多いことにいらだつ
ブラームスとの関係/後援、友情、嫉妬・・・シューマン家とは切り離せない存在
「音楽新報」発刊/天性の文才と鋭い批評眼を発揮した「改革者」
音楽と文字遊び/文筆家らしさがうかがえる、譜面に隠された文字遊び
作曲スタイル/年代ごとに一つのジャンルを集中して書く
社会的地位/音楽家よりもジャーナリストとしての評価が高かった
音楽家としての評価/音楽の中に自己の精神世界を注入した作曲家
クララの改竄?/シューマンの死後、作品に手を入れる
自殺未遂/精神のバランスの崩壊が衝動的な行動に
精神崩壊の原因/元来の性質か、梅毒が引き金か?
死因/たった一人で静かに息を引き取る
リスト 331
作品が示すリストの多面性
音楽的背景/音楽家にとって”守護天使”だったエステルハーティー侯
歴史的背景/封建社会の動揺、徳川幕府終焉へと向かう日本
生没年月日/1811年10月22日生まれ。没年1886年7月31日。享年74歳
人種/父方・母方ともにドイツ系オーストラリア人。よってリストもドイツ系オーストラリア人
名前/ハンガリーで正確に発音してもらうため”Z”を追加
容貌/「ロマンスのヒーロー」のごとき面影は、晩年には跡形もなく
性質/その圧倒的な魅力ゆえ欠点すらも美点に見えてくる男
精神状態/幼いころから持ち続けていた運命観と聖職者への憧れ
趣味・嗜好/聖職者になってもやめなかった美食、葉巻、アルコール
音楽的才能/学歴よりも聴衆の熱狂がリストの才能を証明する
両親/息子を「モーツァルト」にしたかった父親と、二人を見守る母親
兄弟姉妹/「おじいとこ」エドゥアルトが兄弟の代わり
家庭環境/リストの才能を伸ばすことを何よりも優先し愛情に満ちた家庭
演奏合戦/純粋な競争心か、それとも虚栄心のなせる技か?
人気/女性たちの狂乱ぶりは、まさにアイドルそのもの
女性観/父親の遺言「おまえの女関係が気がかりだ」は見事的中
マリー・ダグー夫人/男を跪かせてきた”翔んでる女”が受けた屈辱
同棲と破局/やはりリストの絶え間ない浮気が二人の間に溝を作る
カロリーネ/リストが唯一、本気で結婚しようとした不倫相手
スキャンダル/恋愛、言動・・・なにをしても世間の話題を提供する男
子供/娘たちに関してはワーグナーのおかげで踏んだり蹴ったりの痛手を受ける
結婚不成立/生涯で唯一の結婚のチャンスを逃し独身を通す
聖職者へ/結婚不成立のおかげで長年の憧れがかなう
弟子/リストなくしては存在しなかったであろう多くの優秀な音楽家
ショパン/性格も音楽的にも正反対の二人の奇妙な友情
ワーグナー/義理の親子になった徹底的な利己主義者と徹底的な利他主義者
他の作曲家について/古今のあらゆる作曲家がリストの恩恵を受ける
演奏旅行/ヨーロッパ中を駆け巡ったピアノの貴公子のリサイタル
業績/「リサイタル」という言葉がはじめて用いられたのはリスト
社会的地位/ヴァイマール宮廷音楽監督就任から辞任まで
死因/風邪をこじらせた肺炎が、衰弱していた肉体の命取りに
死後/たまたま死亡した旅先バイロイトが永眠の場所となる
ワーグナー 365
誰もが脱帽する典型的な天才
情から理念へ―「楽劇」大改革
オペラ以外は苦手だった!?
音楽的背景/各国で独自のオペラの形式が確立
歴史的背景/ナポレオンの台頭で戦乱の嵐吹き荒れるヨーロッパ
生没年月日/1813年5月22日生まれ。没年1883年2月13日。享年69
出生異聞/本当の父親は誰だったのだろうか
人種/生粋のドイツ人というのが定説だが
容貌/とにかく巨大な頭に、これまた巨大な帽子をかぶる
性質/強引に運を引き寄せる自我の強さ
性格分類/異常なほど強い自己顕示欲と注目されたい願望
精神状態/幼いころは「闇の世界」におびえ、長じてはそれを芸術に取り込む
思想/右も左もすべては自らの芸術のための足がかり
主義/いかにもワーグナーらしい建前と本音のギャップ
健康状態/鋼のように強靭な肉体の持ち主
趣味・嗜好/ほとんど犬なしではいられない愛犬家
フェテシズム/ビロードや絹の手触りと香水を愛し続ける
父/劇場が生きがいで家庭をおろそかにする
母/実は高貴な血を引いていた?だが母親としての愛情は希薄だった
継父/豊かな才能に恵まれたユダヤ人
ジレンマ/ガイヤーを実の父と信じたいがゆえに生じる葛藤
兄弟姉妹/父母の遺伝で5人が劇場に関係する人生を選ぶ
家庭環境/芸術的な環境の中で育った子供たち
叔父/後年、甥にその才能に感動させられることになった変人
音楽家へと/勉学よりも好きな読書に熱中していた少年時代
音楽の師/たった六ヶ月で驚くべき成果を上げたワーグナー
亡命生活/革命家気取りで各地を転々。亡命生活は十一年間に
金銭感覚/それが身分不相応に贅沢でも、欲しいものは必ず手に入れる
借金と夜逃げ/返せなければ平気で逃げる踏み倒しの常習犯
女性観1/純粋さと傲慢さが見え隠れする女性蔑視
女性観2/生い立ちの疑惑が奪う事への誘惑の引き金となる
ミンナ/「食卓の向こうの敵」と呼ばれた、平凡な市民生活を夢見た女
破局/離婚後もワーグナーは前妻とその家族の面倒を見続ける
ヴェーゼンドンク夫人/優雅で美しい才女との狂おしいプラトニックの愛
顛末/不倫愛の結末を「トリスタンとイゾルデ」に結実させたワーグナー
コジマの素性/両親の類まれな才能を受け継いだミューズ
結婚へ/コジマの気性の激しさが、ついに愛を勝ち取るまで
結婚生活/尊敬と忍耐・献身によって夫の芸術創造の共同経営者となったコジマ
女帝コジマ/作曲のためには浮気も許し、ワーグナーの人生を支え続けた最後の女性
子供たち/「生涯最良の日」だった長男誕生
孫たち/祖父が残したバイロイトを守り抜く
逆恨み1/異国の地での失意と貧窮が人種偏見の下地を作る
逆恨み2/屈辱的な不倫騒動の結果、さらに徹底的な民族主義者に
ユダヤ人観1/後にヒトラーへと継承されていくユダヤ人排斥観
ユダヤ人観2/嫌いな人間は皆ユダヤ人にしてしまう
ビスマルク/ワーグナーの無節操ぶりを表す鉄血宰相への態度
ニーチェ/尊敬と憎悪。常に表裏一体だったワーグナーへの気持ち
他の作曲家について/強烈な人物像がさまざまな噂の原因になる
リスト/何があってもワーグナーを支援し続けた寛大な心の持ち主
ハンス・フォン・ビューロー/ワーグナーに天国と地獄を見せられた指揮者
ルートヴィッヒ二世/明けても暮れてもワーグナーを思い続けた美王
奇跡/齢五十にしてようやくはじまった”わが世の春”
主要獲得金額/借金完済、一転して望むがままの生活を手に入れる
悲劇の王/ワーグナーに金をつぎ込み続けた国王の悲惨な最期
指揮者として/ベートーヴェンの交響曲の指揮は後世に大きな影響を
バイロイト祝祭劇場/建築目的は自作の理想的な上演のため
劇場の趣旨・構造/公平に選ばれた人々が真の芸術に触れるための場所
バイロイト音楽祭/出演者にとって大変な名誉となるオペラ祭の最高峰
社会的な地位/その才能だけで望むままの人生を送った初めての音楽家
音楽家としての評価/その後の音楽概念に決定的な影響を与える
ワグネリアン/音楽家だけでなく画家、文学者にも熱狂的なファンをもつ
晩年の病/鋼の体も寄る年波には勝てなくなる
最後の一日/最期は愛する妻の腕の中で息を引き取る
死因/「愛―悲劇性」・・・絶筆は女性についての論文
死因異説/やはり最後まで女性が関与していたのか?
死後/故人の遺言により「パルジファル」が二十回上演される
参考文献 441
下巻目次
ヴェルディ
ブラームス
チェイコフスキー
フォーレ
プッチーニ
マーラー
ドビュッシー
R・シュトラウス
シェーンベルク
ストラヴィンスキー
あとがきにかえて―音楽の二十世紀とは何だったのか
参考文献
関連年表
最新コメント