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寄贈作品集001


収蔵番号0001「桂馬、帰還」  ※ 齢十八を数えぬ者の閲覧を禁ず


215 鮫 New! 2007/01/04(木) 04:39:11.09 ID:NhRPNs910
 すごく暑い。
 ここは城で一番高い部屋だから風通しも良いと思ったのに、風そのものが暑い。
 遠くから聞こえる虫の大合唱が更に暑く感じさせる。
主「……ふぅ」
 公務はいっこうに終わる気配が無い。
 唯一の救いと言ったら少しだけ暑さを忘れさせてくれる、もう少しで満ちる月。
 それと月明かりに照らされて珍しくよく見える城下の景色が気を紛らわせてくれる。
主「あと少しか、それにしても金はよくこんなに仕事を見つけてくるな」
 これが終わっても、明日はまたどっさり仕事がやってくるんだろうな。

 カタ

主「……桂馬か」
 背中に僅かな気配が感じられる。
 合図の小さな音以外、物音一つしなかった。
桂「……はい」
 桂馬は小さく返事をすると、一枚の紙を俺に手渡した。
 敵城の見取り図。俺が頼んだ仕事だ。
主「ご苦労だった」
 俺はそう言うと残り僅かな公務に戻った。
 いつもなら桂馬はそのまま部屋を後にする。
 俺はてっきり今夜もそうだと思っていた。 
 背中が暖かい。それが最初の感触だった。


216 鮫 New! 2007/01/04(木) 04:56:33.07 ID:NhRPNs910
 誰かが服を引っ張っている。
 誰か?心当たりは一人しかいない。
 桂馬が、俺の服にしがみついている。
 小刻みに体全体が震えている。
桂「…………怖い」
 搾り出されたようなその声は、桂馬自身すら今にも消えてしまいそうな程か弱いものだった。
 怖い……まさか高いところが、という訳では無いだろう。
 決まっている。恐らく向こうで何かあったのだろう。
 無理も無い。桂馬は特別な訓練を受けていた訳では無い。
 武士や本物の忍から命を狙われて逃げられる実力はあっても、
 それに耐え続けられるだけの精神力は備わっていないのだろう。
 俺は振り返ると、桂馬の頭を俺の胸に当てた。
 少しだけ公務が終わってない事が頭をよぎったが、そんな事どうでもいい。
 明日、金に怒られてから考えれば、それでいい。



217 鱈 New! 2007/01/04(木) 05:03:31.54 ID:NhRPNs910
 俺の胸の中で、桂馬は泣き崩れた。
 静かに、とても静かに泣いていた。
 俺は桂馬の頭を見ながら、強く抱きしめていた。
 どれくらい時間が経ったか。
 ものすごく長かったようにも感じたが、実はものすごい短かったのかもしれない。
 桂馬の体からフッ……と力が抜けたのが分かった。
 そして、桂馬は顔を上げた。
 とても優しく、か弱く、そして強い笑顔を見せた。
 桂馬からか、それとも俺からなのかはわからない。
 ただ、気がついたら少し塩っぽい味がした。
 桂馬の唇は、とても暖かかった。

ここまでが全年齢対象かな


219 鱈 New! 2007/01/04(木) 05:18:29.76 ID:NhRPNs910
桂「……フフ……」
 首の後ろに手が回される。
 一度離れた唇を、今度は桂馬が強引に引き合わせる。
 そのまま俺は後ろに倒れこんだ。頭を台にぶつけそうになった。
 少し桂馬の胸で苦しかったのと、このまま男が下というのも変な話なので、
 俺は桂馬の頭と腰に手を回し、今度は俺が強引に転がった。
 唇を離す。月明かりが、桂馬の顔を照らす。
 目にはまだ涙が溜まっていた。でも、桂馬は月に負けないくらいの笑顔だった。
 正直に言おう。とんでもなく可愛い。
主「いいのか?」
 桂馬はイタズラっぽく笑った。
桂「金はもう、寝てますよ?」
 そう、言った。
 俺と桂馬は少し見つめ合うと、笑い合った。
 桂馬の帯に手をかける。
 桂馬の表情が少し変わった。
 そして、その表情もたまらなく可愛かった。

まだ全年齢対象だな


220 鱈 New! 2007/01/04(木) 05:49:48.02 ID:NhRPNs910
 帯を外し、黒装束を脱がせていく。
 桂馬が黒装束を着ていたせいか、白い肌が広がる程それが目に焼き付く。
 なんとか桂馬は強気な表情をしていた。
 唐突に唇を重ね、力が抜けた所で一気に剥ぐ。
 あまり直視はしないであげる予定だったが、出てきた胸の予想外の大きさに思わず直視してしまった。
 桂馬は俺のそんな視線を感じたのか、顔からお腹までどんどん赤くなってきた。
 胸をゆっくりと触る。
 ピクリと動いたのが、また可愛かった。
 胸は柔らかかったが、何故か異様にしっとりしていた。
主「暑かったんだな」
 俺がそう言うと桂馬は少し笑った。
桂「ムレる」
 俺は少し笑い返すと、その柔らかい胸を揉み始めた。
 桂馬の一つ一つの反応が楽しくなってきた。

眠い
てか親の目の前でこれ書ける俺すげえ


227 鮭 New! 2007/01/04(木) 06:14:07.76 ID:NhRPNs910
 少し慣れてきたのを見計らってから一気に桂馬の服を全部脱がせた。
 月明かりはずっと、優しく桂馬を照らす。
 このあたりから桂馬が顔を逸らしてしまった。少し残念。
 俺はずっと着ていた服を脱ぐ。
 桂馬が何気に俺の息子をジッと見ていたけど、気にしないでおいた。
 今までの反応から予想はしていたが、濡れ具合からどうやら経験は薄いらしい。
 桂馬の体は力んでいて、顔も強張っている。
主「えい」
 わき腹をツンツンつっつく
 最初はガッチガチだった桂馬も、次第に悶え始めた。
 時間が時間だけに声を上げず転がる桂馬はなんとも面白い。
 少し表情を和らげるつもりだったけど、どうやら弱点だったようで。
 息が上がっている桂馬を無視し、手を下に回しながら胸を舐める。
 唇以上に塩っぽい味がした。
 今夜は、熱くなりそうだ。


228 鮭 New! 2007/01/04(木) 06:24:54.32 ID:NhRPNs910
 左手で桂馬の手を握ると、強く握り返してくる。
桂「……んっ」
 桂馬の声が漏れる。
 体の力みもさっきよりはマシになっている。
主「もう、いいかな」
 一通り反応を楽しむと、改めて桂馬と向かい合う。
 桂馬は小さく首を縦に振る。
主「もうちょい上げて」
桂「……ん」
 桂馬の手を握る。
 さっきよりも汗ばんでいる。
主「力抜いて」
 本人は力を抜いているつもりらしいが、やっぱり固い。
 でも、唇を重ねると幾分かマシになった。
主「……五数える」
 桂馬は小さく頷いた。
 俺は息子を桂馬の下に当てた。

うーんこんなもんでいいのかなぁとか思っちゃう


230 鮭 New! 2007/01/04(木) 06:38:58.64 ID:NhRPNs910
主「五……四……」
 桂馬は不安そうな顔をしている。
 でも怯えてはいないようだ。
主「三……二ッ!!!」
 二を言った時点で俺は桂馬を貫いた。
 経験は薄いとは思っていたけど、桂馬は初めてだった。
主「全部数えると思った?」
 少し笑ってやった。桂馬はとても痛そうだったが、弱く笑った。
 桂馬の痛みが少し引くまで待ちながら、俺は桂馬の額に口付けをした。
桂「……幸せ」
 桂馬がふと呟いたその言葉が、俺はとても嬉しかった。
 そして桂馬と一緒になって、俺も幸せだった。
主「動くよ」
桂「……うん」
 桂馬の様子を見ながらゆっくり動かす。
 桂馬は痛そうだったけど、やっぱり可愛かった。


231 鮭 New! 2007/01/04(木) 06:50:21.86 ID:NhRPNs910
主「……そろそろ、出る」
 俺が果てる危機を迎えるまでそんなに時間がかからなかった。
 桂馬は俺の首にまた手を回し、俺を引き付けて抱きついた。
 唇を重ねながら、抱き合いながら。俺は桂馬の中で果てた。
 少ししてから体を起こす。
 外が大分明るくなっていた。
 桂馬はその後、黒装束を着なおして、
桂「最後にもう一回」
 そう言って口付けをして、音もなく去った。
 俺は金に怒られないよう、暁を灯りにして公務を再開した。
 結局その点では金に怒られずに済んだ。
 しかし居眠りをしてやっぱり怒られたのでどの道怒られる運命だったらしい。

〜完〜



収蔵番号0002「共にゆけたら」  ※ 齢十八を数えぬ者の閲覧を禁ず


289 官能小説投下中01/15 New! 2007/01/04(木) 20:18:10.61 ID:IP4/F3CO0
「共にゆけたら」

「蝉の鳴き声が静かな年は、決まって良くないことが起こる。」
これは香車が長年信じ続けている迷信であった。
誰が言い出したのかはわからないが、少なくとも香車のそれは人から言われ伝えられたとは違う。
経験則、とでも言えばいいだろうか。それともその年の記憶が鮮烈であったためか。
夏の暮れ。残暑はまだ厳しい。
袴姿の女性が、槍を持ち、城下の寺の境内に静かに佇んでいる。香車であった。
香車という役割は瞬発力が全てである。一瞬の隙を突いて敵陣に切り込む速さは、飛車や銀でさえも一目置く。
しかしその役割を果たすための鍛錬は熾烈を究める。何よりも体の造りを常人離れさせる必要がある。
「瞬発力」とは、筋肉の弛緩と緊張の間の時間がいかに少ないかである。言い換えれば筋細胞の爆発力だ。
現在でもあらゆるアスリートがこの瞬発力の増強に力を注ぐ。陸上の高飛び、幅跳びの選手、体操選手、格闘技者など。
アスリートだけではない。彫刻家や、書家、画家などにとっても筋肉の弛緩と緊張は作品の質を左右するものである。
そんな繊細かつ豪胆な筋肉をつけるための香車の鍛錬は、一風変わったものであるのも事実である。


291 官能小説投下中02/15 New! 2007/01/04(木) 20:28:15.26 ID:IP4/F3CO0
香車の鍛錬を遠くから観察していると、彼女がある一定の動きを重点的に行っていることがわかる。
片足のつま先を地面からわずかに離し、槍を勢いよく前に突き出すと共に、だん、という静寂を破る音が響いてくる。
槍を戻し、次は左半身を前方に向け、上段に構える。前に出した左足のつま先を滑らせるように前に出したと確認する。
たっ、だん。前に出ているのは右足。右手のみによる片手突きであった。
槍を戻すスピードは速く、逆を向いたかと思えば、たたっ、だんっ。今度は3歩。
一歩増えるごとに明らかに香車の射程範囲は遠くなっている。しかもどの動作もほとんど速さが変わらない。
なるほど、香車の疾風のような突きはこの鍛錬によるものか。
この動作、似た動きは中国武術の震脚に見ることができる。地面を思い切り踏み抜くことで、
自らの体と地面の間に反発力を生じさせ、そこに勢いと威力を生じさせるものである。
この際、筋肉の一部分でも緩んでいてはいけない。弛緩している部分は緩衝となり、威力を伝える妨げとなる。
そのため、槍を目一杯伸ばした香車の体は、いつもよりも一回り大きく見える。
この瞬間、香車の全筋肉は緊張状態の極限にあるのだ。
踏み込む瞬間と筋肉の緊張。このタイムラグが少なければ少ないほど、その威力は驚異的なものとなる。


294 官能小説投下中03/15 New! 2007/01/04(木) 20:38:05.80 ID:IP4/F3CO0
香車はこの鍛錬を、毎夕二刻半(5時間ほど)続けている。日が暮れかける頃に一人寺へ赴き、黙々と槍を振るう。
この鍛錬を知っているものは城内では限られている。まず香車自身、香車を良く知る角行、
そしてひっそり後をつけてきた新参にして有能と称される軍師であった。
金将のお墨付きであるようだが、香車にはあまり興味の無いことである。
だが、軍師の方はそのようにはゆかず、ただ一人城外にても鍛錬を続ける女子がどうしても気がかりのようであった。
鍛錬の場に訪れてからもう何日になるだろう。
寺の境内を僅かに見ることができる階段の際から、気配を殺して様子を伺っていたが、
この日は鍛錬の様子を間近で拝見したくなったようで、香車が後ろを見ている間に、木々の合間を縫い、
香車の最も近くの大木へと身を伏せる。
太陽は沈みかけていた。蝉の声は既に烏へと変わっていた。
だんっ、だだっ、だんっっ!鳴き声を石畳への踏み込みの強烈な音が掻き消す。
これほどまでとは。遠くから様子を伺うだけではわからぬ、射程距離内における迫力。
そして、明らかに大きく見える肢体。鍛錬開始から早一刻が過ぎていた。香車の顔に無数に浮き出る汗を見る。
西陽に照らされ、華厳の滝の霧のように輝く汗。その汗が、彼女の手に、首に、頬に、指先に、胸元に、
水気を十分に吸った袴から霧散する蒸気、槍先にまで達し、放物線を描く水滴。
それがたまらなく、美しく見えた。


297 官能小説投下中04/15 New! 2007/01/04(木) 20:48:25.78 ID:IP4/F3CO0
その時、音が止まった。
「…そんなとこで見てて、何が気になるってんだい?」
香車は武人である。近くに迫るものの気配がわからないはずもない。
「お見通し、ですか。ハハハ、さすがは香車殿だ」
「別に褒めたって、何も出やしないよ。…で、軍師様が何故このような所においでで?」
「いやぁ、君がたまたま夕に外に出て行くのを見かけたものでね…、てっきり町へ甘味でも求めに行ったのかと
 私もそういったものには目がなくてね、それでついて…」
「昨日も、おとついも、そのまたおとついもですかね?」
「…はは、こりゃ一本取られたなぁ」
香車の胸元が激しい鍛錬ではだけている。さらしは十分に汗を吸い、ところどころがほつれている。
視線に気付いた彼女は体を横に傾け、胸元を正し、向き直る。
「すいませんねぇ、軍師様、ちょっとだけ向こう向いててもらえませんかね?」
「ああ…、わかった、向こうを向いているとしよう」
香車から目をそらすと、再び袴を緩める音が聞こえ、肌に布が擦れる音が聞こえた。
その時間はしばらく続いた。いや、実際には短い時間なのかもしれないが、妙に長く感じる。
「軍師様すみませんねぇ、終わりましたからもう好きにしてていいですぜ」
香車が手に持っていたものは紐?いや、幅がある。これは、さらし?
そこには細身であるが、温かみのありそうな乳房を抱えた香車が立っていた。もちろん胸元は正されているが。
「はずしとかないと、風邪ひいちまうんですよ」
「…そうか、そうですな。どうです、これから酒にでも付き合いませんか?」
「気の利いたお誘い文句じゃないですねぇ…、嫌いじゃないけどさ」


303 官能小説投下中05/15 New! 2007/01/04(木) 20:58:17.83 ID:IP4/F3CO0
城内、軍師の部屋。人払いは済ませてある。必要最低限の護衛を除けば、部屋内には誰もいない。
「…どうぞ」
「…有難く頂戴致します」
互いに杯を飲み干す。香車は豪胆な人物と思われているが、なかなか目上の者と相対する礼儀を心得ているようである。
夕刻の印象が場を設けただけでこのように変わるものか。
軍師は新参ではあるが、城内での権威は香車よりも高い。本来は香車はひれ伏すべきなのである。
「さて香車殿、じきに戦が始まるが、どう思います?」
「…私は、ただ自分の役目をこなすだけと存じております」
「そうですか」
既に空になった杯に酒を注ぐ。
「あなたは、死ぬのが怖いですか?」
「…、いえ、死ぬこと自体は怖くありません」
「…それはどういったことです?」
「……私が怖いのは、私と共に生きた者達が刃の前に晒されることです」
「…なるほど、角行さんからもその件についてはいろいろと伺っております」
「…そうですか、さすがは軍師様です」
あまり言葉も交わさぬまま、空になった杯に酒を注いでゆく。
「香車殿、私はあなたを死なせたくはないのですよ」
「……」
「あなたの、共に生きた者達の一人になりたい」
軍師は小慣れた手つきで香車の首筋を手繰り寄せると、半ば強引に唇を自らの舌で蓋をした。


304 官能小説投下中06/15 New! 2007/01/04(木) 21:08:14.39 ID:IP4/F3CO0
もっと抵抗されるものだと思っていた。
だが香車は、不思議なほど身を落ち着けている。武人としての余裕か?
舌は香車の唇を押し開け、上歯を押し上げて香車の下をこねくり回す。苦しいのか時折むせ返る。
香車の頬はほんのりと熱い、酒のせいか、それともこの状況に火照っているのか。
上になったり、下になったり、じゃれてみながら、首筋を嘗め回す。くすぐったいのかもしれない。
舐めているところを塞ぐように首を回してくる。右手で頭の後ろを撫でながら、左手を襟へと侵入させる。
掌は乳房を掠めながら、香車の脇へと達する。
「…はぁっ!…うぅんンっ…」
脇の刺激に耐えられなかったのか、一際大きな声を漏らす。体を密着させ、首筋、脇、乳房を撫で回してゆく。
さらしはつけていない。こんなにも良い躯だったのかと今になって理解する。
互いに着物をはだけさせ、肌と肌を擦り付け合う。香車の腕が丁度つっかえ棒のような位置となる。
だが押し戻すというわけではない。例えるなら香車と軍師の間の境界線とも言えるだろうか。
無意識の内に越えてはいけない一線を定めているが故の反射と言えるだろう。
その腕を左腕から丁寧に丁寧にほぐしてゆき、軍師の背へと回させる。両腕が軍師の背へと回ったとき、
その両手は軍師をしっかりと抱き、離れることがないような気さえした。


307 官能小説投下中07/15 New! 2007/01/04(木) 21:18:15.20 ID:IP4/F3CO0
体をずらし、右手で香車の左足を手繰り寄せる。なるほど、よく鍛えられた足だ。だが美しい。
足先から足首、ふくらはぎ、膝、太腿と撫でてゆく。数度繰り返す内に、袴はすっかり手繰り挙げられ、
左足太腿が殆ど露になっていた。その露になった隙間に右手を滑り込ませ、両足の結節点に触れる感触を確かめた。
「…あっ!…」
一瞬香車の躯が波打つ。全身の緊張がこちらにも感じられた。
柔らかな肢体が、武芸者の体つきになる。弛緩と緊張の差はかくも明らかなものか。
事に及んでいる最中というのに、感心を隠すことができないのは軍師としての仕事柄か。
香車の腕に包み込まれた軍師は緩んで柔らかな肉の感触と引き締まって岩のような感触を同時に味わっていた。
なおも袴の裾から陰部をさする、次第にじっとりとした感触が増す。
次第に周期を乱す香車の呼吸が、この岩のような花弁を攻め崩す右手に力を篭めさせる。
「香車殿、私はあなたの事がもっとよく知りたかったのです、わかりますね?」
右手の活動を緩めずに、香車の耳元に囁く。反応できているようには思えなかった。
「…よいですね?」
念を押すように、強く言った。私の指は花びらを押し広げ、中の温もりを感じているところだった。
「ひぅ…っ!」小さくのけぞる香車を見届けると、ゆっくりと体を下にずらしてゆく。
喉、鎖骨、谷間、脇腹に舌を這わせながら、香車の太腿の間へと頭を挟みこませる。
じっとりとした汗が混じる、独特の匂いが鼻を突くのを感じた。


311 官能小説投下中08/15 New! 2007/01/04(木) 21:28:10.77 ID:IP4/F3CO0
目で見る感覚と、実際に体で味わうのは違う。軍師という経験はその事を如実に教えてくれた。
陰部に唇を強く押し当てると、香車の太腿の緊張がいっそう強くなり、顔にかかる圧力が強くなる。
これだ、この瞬発力。香車が長い鍛錬の元に手に入れた力は、軍師の興奮を高めるに十分すぎた。
負けじと太腿を握り返し、舌先を陰部へとねじ込んでゆく。今、まさに香車の骨の髄を味わっている。
舌が左の壁を狙えばくちゃくちゃと音を立てて臭気が漏れ出し、右を狙えば逆側から漏れ出す。
思わず香車は両の腕で顔を押さえる。口からは絶え々えな吐息が漏れ出す。
筋肉は細かな震えを繰り返し、抵抗もさほど感じられなくなった。
「…お疲れかな?」
香車は何も言わないが、嫌がる者の目ではない。攻め時を見誤ってはならない身としては、
今が好機のように感じられた。
自らの衣服を帯を解き、戦場で鍛えぬいた肌を露にする。この軍師も、成りは立派な武人であった。
既に存分にいきり立った一物は生傷の多い肉体には十分釣り合いのとれたものである。
「あなたの好きに扱って構わないのですよ…」
そう言うと香車の枕元に腰を下ろし、自らは香車の腰を枕に寝転んだ。
半ば強引に香車の足を引き、太腿に頭を挟み込む。腰を引かれた香車は反動で寝返りを打つ形となる。
軍師の男の象徴との対面であった。


316 官能小説投下中09/15 New! 2007/01/04(木) 21:38:10.86 ID:IP4/F3CO0
いざ見せ付けられては、興味の湧かぬはずも無い。
据え膳食わぬはなんとやらという言葉もあるが、この場合にも同じく用いてよいものかはわからない。
だが、これまで攻められ続けていた香車にも、ようやく悪戯心が芽生えてきたといったところか。
豆の潰れた手だが柔らかさを失わない掌が睾丸を包む。
竿ごと目の前に引き寄せ、雁首にそっと舌を這わせてみる。
一瞬軍師の舌が止まる。だが、いっそう強く軍師は舌の動きを再開する。
負けじと香車、ここで退かぬが天晴れなところ。向こうっ気の強いところは流石である。
亀頭の先端を嘗め回すのみに留まっていたが、自ら喉の奥まで貫通させた。
軍師これには面食らう。しかし一旦火のついた悪戯心には歯止めが利かない。
香車の口中で逆に弄ばれる軍師の一物は硬さを次第に増していった。
それは軍師の快楽を否が応にも増長させ、攻めの手を留めさせるに至る。
舌が雁首の裏側に絡みつき、横へ上へと余すところ無く攻め尽くしてくる。
そして何より、その唇が吸い付いてくる。先から根元へと、逆に貫かれる感覚がするのは何故か。
軍師堪らず待ったをかける。
心なしか得意そうな表情を見せている香車が、少々小憎らしく感じた。


317 官能小説投下中10/15 New! 2007/01/04(木) 21:48:33.35 ID:IP4/F3CO0
だるそうに上半身を起こす軍師。それは香車も同じであった。
迫る二人は自然と体を絡み合わせ、唇を重ねあった。
互いの肉の残り香のある唇は情欲を掻き立てるものに他ならない。
香車は重力に任せ、軍師を上にして寝転んだ。
「いいですね…?」
香車は首を縦に振ることは無い、むしろ目には少々の拒絶の色が見えていた。
軍師の一物は香車の陰部をこじ開けようとしたその時、軍師の体に衝撃が走る。
「嫌ァっ!」
気付けば互いの間には一間(1.8m)程の隙間があった。勢いよく突き飛ばされたものだ。
鍛えられた人間の反射というものは侮れない。
「…すみません、御気に障りましたか?」
「…はぁ、はぁ…、いえ、すみません…、つい…。」
香車という人は思えば報われぬ出であった。行く先々で戦火に巻き込まれ、その度に逃げ延びてきた。
元が武家でありながらも、落ち延びるためには姿を忍んで生きてきたこともあろう。
土地と民を守る武家という身でありながら、自らの住むところが蹂躙されていく様子を
どのような目で見つめていたのだろう。
もっとも、この子が育ってきた環境では自らも武家であるとは知らされていなかったようであるが。
目の前で敵兵に侍従や姉妹を犯され、トラウマを持たぬ方が不自然というものだ。
それに、このような軍師という仕事がその片棒を担いだといっても過言ではないだろう。
「…すまなかったと、思います」無意識にも謝罪の言葉を口にしていた。


319 官能小説投下中11/15 New! 2007/01/04(木) 21:58:40.48 ID:IP4/F3CO0
「…なぜ、軍師様がお謝りになられますか…」
香車にも落ち着きの色が戻っていた。
襖の外には気配がある。護衛が物音を聞きつけてきたのであろう。
「なんでもない、戻ってよいぞ」
気配はやがて小さな足音を残し消えた。
「香車殿、すっかり趣が醒めてしまいましたね…、はは…」
女というものは一度へそを曲げるとなかなか向き直してくれぬ。
ここは日を改めるのがよいと軍師は踏んだ。だが、香車の反応は意外なものであった。
はだけた着物と袴をゆっくりと解き、引き締まった肢体を軍師の前に晒したのだった。
「私は…、軍師様と共に行く決心をせねばなりません」
軍師の胡座の上に腰掛けるように寄り添う香車。肩越しに唇を交わす。
長い長い接吻だった。後ろから乳房を揉みしだく掌に汗や唾液がつくほど、濃密な時間だった。
襖一枚隔てただけ、空気がまるで違う。男と女の起こす化学反応は空気の質さえ変えてしまう。
その空気を味わっているだけで、
軍師の一物は元気を取り戻し、香車はそれを受け入れる覚悟があった。


324 官能小説投下中12/15 New! 2007/01/04(木) 22:08:22.22 ID:IP4/F3CO0
侵入に断りの言葉はなかった。
右手で香車の体をぐいと浮かせ、左手で一物を制御する。腰に力を入れて香車を落とし込むと、
一物の半分ほどが香車の中へと割り込んでいた。
それだけでも香車の声を引き出すには十分すぎた、
「あぁッ…!ぅあぅっ!」
だがここまで来て退く者がいないように、軍師は残りの竿を押し込んでゆく。
「ぅっ…、うぁ…は、あうゥっん…!」
香車は明らかに緊張していた。筋肉が硬い。なかなか全ての侵入を許さない。
「大丈夫ですよ…、ここにはあなたを傷付ける者はいませんから…」
耳元に優しく呟く。今この行為が彼女を傷付けないものだとは思えないところが、軍師としての皮肉にも感じる。
だが、わずかだが香車も緊張の糸が解れたようで、その感触は一物を通じて直接伝わってくるのがわかる。
ここぞとばかりに腰を突き上げ、一気に奥まで突き進む。
「ひぃあッ!」
一際高い声を上げ、再び筋肉を硬直させる香車。この感覚がたまらなく心地よかった。
弛緩と緊張。香車の躯は間違いなく本物の武人のものだ。だが同時に最高の味わいをも兼ね備えた躯だ。


326 官能小説投下中13/15 New! 2007/01/04(木) 22:18:19.33 ID:IP4/F3CO0
油の灯に照らされて。月明かりも差さぬ外部とは隔絶された空間。
「あっ…あっ……あぅっ…」
護衛は内部の様子が僅かに悟ることができる場所に控えている。完全な二人きりと呼ぶにもほど遠い。
だが、この二人には何の関係もないこと。求めるがまま、為すがままにお互いを貪るのであった。
香車がうつ伏せになればのしかかり、畳に乳房が擦れて赤く跡がつく。
正面を向き合って圧し掛かってくれば変色した跡を嘗め回す。
乳房に吸い付いたまま重力に身を預け、香車の重みを感じる。
時に勢いに緩急をつけたときの香車の躯の締りが堪らない。
普通に生活できていれば…、と、こんな事を考えるのも野暮なことだ。
今はとにかくこの時を楽しむ。愉悦に浸る。香車の全てをしゃぶり尽くす気概が要る。
彼女はこれから戦場へと赴いてゆく。人生の快楽を知る。人の体の温かみを知っておく義務がある。
周りを犠牲にして生き延びた少女は、自分を犠牲にして生きると決めた。
ならばその命、預からなければなるまい。
「共に行こうではありませんか、香車殿」
「はぅ…はいっ!…はぁ!…あぅっ…あぁっああっ!」
この隔絶された部屋、この日は隙間から漏れ聞こえる鈴虫の音はいっそう大きく感じた。


328 官能小説投下中14/15 New! 2007/01/04(木) 22:28:20.72 ID:IP4/F3CO0
三日が過ぎた。
あれから香車の鍛錬は覗きに行っていない。
水を差すのも気が引ける。かといって特別な感情を抱きすぎるのも都合が悪い。
軍師となると全てが打算的だ。大局を見据えて行動しなければならない分、不自由感は拭えない。
だが、時々の散歩程度に顔見世をしておけば問題は無いだろう。
時期としても悪くは無い。たまに甘味でも持って、労ってやるのもいい。
見慣れた夕刻の陽、寺の階段に差し掛かる頃、少々の違和感。
「静かですね…」
階段を昇ると、そこに見知った光景はない。
「……」
石畳をしばらく歩くと、声が聞こえる。二人。聞き覚えのある声。裏手か?
裏は草が生い茂る。ガサガサと草を掻き分け、近づく。
カンカンといった乾いた木と木が当たる音。時折地面に何かを打ち付けるような音が聞こえる。
その音に呼応するかのように苦悶の声が聞こえてくる。


329 官能小説投下中15/15 New! 2007/01/04(木) 22:38:09.42 ID:IP4/F3CO0
「まだ甘い。香車は咄嗟の状況に弱い。相手が常に武器持ちでかかってくるとは限らない」
「くぅ、…もう一丁!」
金将と香車。この二人の立会いを見るのは初めてだった。しかも香車と金将は共に二本の木刀を手にしている。
これは金将流捕縛術。紛うことなく、その鍛錬であった。
「ィヤァッ!!」先に仕掛けたのは香車。金将は木刀を短く構え、香車の踏み込みに合わせて身を捻る。
弾くというよりも切っ先に合わせて滑ってゆくように金将が香車の側面を捉える。
香車はもう片方の手で金将の腹を横薙ぎにしようとする。金将は香車の懐に深く入り込み。
腰を落として抱きつく姿勢に入る。そのまま僅かに香車を持ち上げると、そのまま足を掛けて押し倒した。
次の瞬間。香車の見たものは喉元に突きつけられた切っ先。
「私の戦場での働きは徒に敵を斬り伏せることではない。むしろ全身を用いて敵を封じることにある。」
「……はいっ」
金将流捕縛術は守り、封じに主眼を置く兵法だ。突貫で売ってきた香車が会得するのは並大抵ではない。
「貴方は筋がいい。力もある。私よりも良い兵法者になれるだろう」
「……」
「精進致せ。貴方と共に生きるものの為にもな。」
「……はいっ!」

蝉は草のざわめきと木刀の音に紛れ、成りを潜めていた。
軍師の業とは、かくも罪に埋もれ行くもの也。
2007年01月04日(木) 22:50:03 Modified by ID:GD4z93ce4g




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