※二代目まとめ分のみ掲載



明華

プロムナード 秋


秋━━━━霧に消えた貴方の姿が、一瞬儚く見えた
私の足取りは遅く、貴方の足には追い付かない
真白に包む森を、私らしからず貴方を求め走る
手の鳴る方へ━━━━初めてのように、触れた手の温もり

飽きる程に触れられて、その手にさえ、追い越されそうな
弄んでいるつもりが、弄ばれて━━━━
子供の遊びでしょう? 違うの?

幼い貴方を、上から目線でしか好きになれない
貴方の想いは嬉しくて、自分の想いが怖い
心に咲いた、綺麗な白い薔薇(はな) その刺に触れた痛み
山並みのような私の己惚れに、貴方は気付いていないの?

静かに霧が晴れて、長閑な秋空が覗く

意地悪な私、貴方に温められて
今だけは素直でいられるような気がした
「貴方にこそ、私が相応しい。」
掌に散った、落ち葉の雨

向こうの小路は、恋への、冬への旅立ち
雪を湛えたようなシチュー ログハウスで待っていて…




詩人氏


風が通り過ぎました。
それはあの日私から全てを奪ったもの。
憎い、にくい、ニクイ…

しかしそれと共に
私の全てだった人ががなりたかったもの

また風が通り過ぎます。
優しく包みこむように、安心させるように…
弟の願いは適ったのでしょうか




別離の雪


何故おいていったのですか
何故連れて行ってくれないのですか

「待っててね、すぐ帰ってくるから!」

貴方は待っても帰ってこなかった。まるであの時の雪に溶け込んだように...
嘘つきは嫌いです
だから貴方の事も嫌いになります

さようなら

私の弟

あの日貴方が消えてから私の心には穴が開いてしまいました

どうすれば埋められますか?
どうすれば貴方は帰ってくるのですか?

どうすれば

ドウスレバ

教えてください貴方はどこに居るのですか?


ここにいるよ
だから泣かないで
だから笑顔を見せて
僕の一番好きなお姉ちゃんの笑顔を…


何故…想いはすれ違うのでしょうか




逃げろ


逃げろ

最後の言葉が今も耳から離れない
僕は怖気づいた
だから走った遠くへ…
怖い こわい コワイ

助けて

ぴちゃ…ピチャ…
後ろから響く音 誰?

「兄ちゃん!良かった…いきて……」

グジュッ…ベキ!ヌチャ…

ああそうか
あの時僕が逃げたから当然だよね
でも最後が兄ちゃんでよか………




作者不明

空間詮索、あなたはどこ?


何もない、静かな部屋。

もうずっと外の景色もみていない。訪れる人もいなくなった。

それでもお兄ちゃん、あなただけをずっと待ってる。
あんなに僕を愛してくれたお兄ちゃん。あなただけを。

でも、もうすぐ待つこともできなくなりそう。なんかよくわかんないけど、そう思う。

さようなら、大好きなお兄ちゃん。でも、僕の思いは、ずっとあなたをまってるから…。




空間詮索、俺はここだよ


おまえに会えなくなってどれくらい経つだろう。

白い壁に囲まれたお前は前よりいっそう儚げになっているのだろうか。
2人で一緒にいる間、何も語らずに見つめあい、手を握り合っていた。

覚えているかい?
あの小さな窓から見えた季節の巡りを。
時折訪れてくれた鳥たちのさえずりを。
お前はいつでも外を眺め、自然や動物や妖精のようなものと話しをしていた。

おまえがそんなになってどれくらい経つのだろう。

おまえの命の灯火がだんだんか細くなって。
おまえの世界がどんどん閉ざされていって。
そしてその世界から俺はだんだん消えていって。
おまえの感情がどんどん現実から離れていって。

おまえへの愛はいつもここにあるのに。
おまえだけを愛しているのに。

おまえが現実の全てを見放した時、俺は全てを受け入れよう。
おまえと、おまえの思い出だけを胸に詰め、2人で永遠の旅に出かけよう。
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