532 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:41:10 ID:FYY4fPs9
かつては賑やかだったろうその砂漠の町は今、大量の女達で埋め尽くされていた。
彼女達の手にはアサルトライフルや軽機関銃など各種武器、頭部は物々しいヘッドセットで覆われている。
それでいて体を覆うものはノースリーブでハイレグのレオタードにブーツと手袋だけと、非常にアンバランスだ。
それでも彼女達のきびきびした動きや発する雰囲気は、しごく一般的な兵士のそれであった。
彼女たちはメナード共和国の兵士たちである。共和国を纏めるイデオロギーは、「女性による支配」であった。
テクノロジーの発達による単性生殖の実現とためらいの無い遺伝子操作によって誕生した共和国の美しき「アマゾン」たちは、
女性の持つ潜在的な狂信性と残酷性を存分に発揮し、世界の男性を恐怖に陥れていた。

いま、10名ほどの女性兵士の分隊がある通りに差し掛かっていた。以前は住宅街であった場所だ。
色とりどりのカーテンも、素朴だが味のあった壁面装飾も今は消え去り、街並みは見る影も無い。
「ここからは未確認地域よ。警戒を厳重に。姿勢を低く!」分隊長のささやき声が電気信号に変換され、各兵士の聴覚組織に伝達される。
「ステーシー、解析結果は?」
分隊の一人、左腕に小型のタッチパネルを装着した女性兵士に隊長が尋ねる。彼女は、無人偵察機からの送信を受け取り解読する通信兵だ。
「敵影ありません」ステーシーの呟きが、隊長に伝わる。
「アリシア、目視で確認して」
呼ばれた女性兵士は、若干戸惑った様子で恐る恐る向こう側を覗き込み、ヘルメットの望遠スイッチに手をかける。
無理も無い。普段ならこんな面倒で原始的な手法はとらない。無人偵察機とステルス攻撃ヘリの組み合わせで、汚らわしい男どもを全滅しない程度に無力化、
後は一方的な殺戮の始まりだ。全ての共和国兵士達にとって、日常的であると同時に無上のカタルシスである。
もちろん捕虜は取らない。いや厳密にいうと彼女たちにとって捕虜とは、じっくりと嬲り殺すためのものなのだ。
だが今回は違った。以前共和国によって廃墟と化した筈の都市にレジスタンスが入り込んだとして、一個中隊200人が制圧に向った。


533 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:43:18 ID:FYY4fPs9
いつものように空から探りを入れるが、敵は見当たらない。指揮官達は男どもの臆病さを嘲り、部隊はネズミ狩りでも行う感覚で無造作に市街地へと入っていった。
そして一時間が経過した今、中隊で残っているのは50人足らずであった。
そう、町は女達で埋め尽くされていたが、ほとんどはいまや死体なのである。戦闘ヘリも、パイロットが撃ち殺されるという原始的な方法で全滅した。
事実、彼女達の分隊が通ってきた道も、体のあちこちを撃ち抜かれて死んだ女、死に切れない女がゴロゴロ転がっていた。それでいて、男の死体は一向に見当たらない。
敵が、途方も無い精鋭である証拠であった。
見えない敵は必要以上の恐怖を呼び起こす。おまけに彼女たちは、「狩られる側」の立場になることに慣れていない。指揮官もほとんどが戦死し、残った女達はパニックに陥った。
彼女―――アンジェリカ―――は、心神喪失を免れた最後の九人をかき集めて、単独行動を始めたのだった。本隊と残ったらすぐに全滅するのが目に見えていたからである。

「敵は見当たりません」
アリシアが不安そうな声で報告する。敵が見えないからといって、決して安心はできない。これまでも見えなかったのだ。
「よし、前進するわよ。警戒を怠らないように」指揮官が怯えれば、兵も怯える。なるべくいつもどおりの平易な言葉遣いに徹するのが正解である。
女達は順調に前進していった。注意深く周囲に目を配っていたはずであった。ところが・・・


534 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:44:28 ID:FYY4fPs9
ビシッ
先頭を歩く女性兵士の頭部を、7.62mm弾がヘッドセットごと貫通した。後ろを歩いていた同僚達に、血や脳漿が降りかかる。
力が抜け切った彼女の体は一瞬その場に立ち尽くしたかと思うと、ガクッとひざを突き、風穴の開いた顔を砂にうずめた。
誰かが叫んだ。「狙撃兵!!」
女兵士達の行動も速かった。先頭が撃たれたとみるや、女達は左右に散らばり、身を隠す場所を探す。
だがそんな中で、何も出来ずに立ち尽くしている兵士が一人だけいた。彼女は同僚の血で、視界を奪われてしまったのである。
ヘルメットいっぱいにこびりついた血のせいで視界は真っ赤、しかもドロドロしておりなかなか落ちない。そして何より、精神的なダメージが大きかった。
「いっいやあぁ、何、何コレ・・・誰かとってぇ・・・」突然の仲間の死と相俟って、軽いパニックを起こしていた。もちろん戦場では命取りである。
手探りで物陰に入ろうとするが、廃墟と化した砂漠の街路にはそんな都合のよいものは無い。彼女が二番目の標的となった。
ブズッ 「ぉぐうっ・・・!」
引き締まってはいるが柔らかい腹部に弾丸が容赦なくめり込む。上体を曲げ腹を押さえると、ドバッと血を吐いて倒れ込んだ。
「はぁっ・・・ぅくうっ・・・!!・・・がはっ・・・」
即死ではなかった。うつ伏せに倒れ、剥き出しのお尻を突き上げるように痙攣させ悶え苦しんでいる。
だが、狙撃手はもう彼女を無力化したと判断したようだった。彼女に、「慈悲」が加えられることは無かった。



535 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:45:31 ID:FYY4fPs9
そうしている間にも、分隊長は次の行動に移っていた。隊員達に指示を出す。
「身を隠せ!アルマ、前へ!他の者は援護射撃!」同時に自分も射撃を開始する。
アルマは小隊一の射撃の名手で、その腕を買われ、狙撃用にカスタマイズされた銃を支給されていた。
勘もよく、敵が二回目の射撃を行う頃には、大体の位置は特定できていた。体を伏せ、冷静に、スコープを覗き込む。
勝算はあった。共和国軍の狙撃ライフルは、一般のアサルトライフルと見分けがつかない。自分が撃たれる確立は八分の一だ―――

アルマは標的を撃ち抜く瞬間がたまらなく好きだった。自分が標的の運命を握っているという感覚、命中させたときに感じる確かな手応え―――
そして何よりも、たった一発の弾丸で人間の体から命が抜ける、その体がおもちゃみたいにおかしな動きをするのをみると、最高に興奮してしまうのだった。
実際、たった今死んだ二人の仲間の死に様ですら興奮してしまった。久しぶりに狙撃が出来ることも相俟って、彼女の秘所はねっとりと湿ってきていた。

だが、彼女が標的をスコープに捉える前に、彼女の生は終った。銃弾はスコープごと彼女の右目を撃ち抜く。
アルマの体がびくん!と跳ね、幾度かお尻をひくつかせると、動かなくなった。と同時に、微かに濡れていた彼女の壷から潮が勢い良く噴き出した。
それはあたかも、彼女が最後に自分の死をもって絶頂に達したかのようだった。
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