2009年夏 横浜の片隅に生まれた小さな森がありました。つながりの森は、人と人とのつながりの中で新しいものを生み出そうとする人たちが暮らす場所。人々はその場所を「Y150ヒルサイド・つながりの森」と呼び、歌い、作り、育て、奏で、走り、語り、そして笑いました。このページは、そんな「つながりの森」の住民達の語りを後世に残し、新たなつながりの森へとつなげていくために作られました。

サポスタsa-yaのブログ 今回は、ヒルサイド最終日レポート!です。

9月27日(日)、86日間に渡って市民力パワーを見せつけたY150もいよいよ最終日。
ベイサイドにも心の中でエールを送りつつ、こちらも最後の戦いのためにヒルサイドへ。
ズーラシア前を通過してヒルサイドへ車を走らせる途中、いつものように交通整理担当の警備員さんへ挨拶すると、ひときわ大きな「お疲れ様です!」が返ってくる。
そういえば、いつもヒルサイド内ではみんなが「お疲れ様です。」と笑顔で言い合っていて気持ち良かったよなぁ・・・と改めて思い返したり。
今日は9時に会場入りして、開場までの間にヒルサイド内をぶらぶら。


ステージでは恒例朝の事務連絡タイム、海原内の各ブースは創発メンバーが準備に忙しそう、棚田では収穫したお米のおにぎり配布のために炊き出しが始まっていて、風の広場では農コンチームが畑整備中、水の広場でセグウェイ隊が試験運転をしていて、いこい広場では「いつでも来〜い。」という顔で鎮座する巨大バッタの近くで「飛蝗隊」の皆さんが朝のミーティング、丘の広場でも茶堂やわりばしPJの皆さんが準備中、ゲート前にはすでにたくさんのお客様が並んでいて、ボラさんが拡声器で何かを言っているのが遠くに聞こえ・・・と、最終日に向けて皆さん慌しく動いていました。スロープ花壇のコスモスもタネボランティアさんの手できれいに整えられ、来場者をいまかいまかと待っています。


何人かの創発メンバーさんに挨拶をすると「終わっちゃいますねー。さびしいですねー。」という言葉がみんなから返ってくるけど、その顔には達成感のようなものも垣間見えるような気がして、ちょっと頼もしく思ったり。

9時30分。開場を告げる音楽と同時にヒルサイド全体がいっせいに活気づき、あっという間に来場者でいっぱい。私もほかのサポスタと合流し、最後の「会場周遊ガイド」の準備を創発インフォメーションで開始。今日は、11時・13時・15時の3回行います。
会場周遊ガイドは、創発インフォメーションをスタート地点に、場所ごとのオススメポイントやヒルサイド豆知識などを伝えつつ竹の海原周囲をぐるっと一周するもので、9月5日以降5回実施して、72名の来場者を案内しました。
幸いなことに、いずれのお客様にも「回っているだけではわからないことを色々教えてもらえてありがたい。」と好評をいただき、終了時には拍手で送っていただくなど小さな感動体験をしております。また、ガイド活動を通じて、ヒルサイドの魅力をお伝えすることができたと同時に、「パンフレットに書いてあるだけでは伝わらないことはたくさんあるんだ。」ということを来場者から教えてもらい、私やほかのサポスタの大きな収穫となりました。



27日はクロージングイベントをあちこちでやっていて、特に畑や棚田は「大サービス」状態。落花生のお持ち帰りや収穫したお米のおにぎり配布、棚田にある緑のカーテンではゴーヤやナタマメはいうに及ばず、咲いているセイヨウアサガオも配ってしまっていいというので、ガイドで通るたびに棚田の風景が変わってる!という一日でした。
アサガオは本当にきれいに咲いていたので、私も何人かの子供に花を摘んで渡してあげましたが、どの子も目を細めてアサガオを見ていて、そんな我が子を保護者の方がまた目を細めて見ている・・・という光景に心癒されました。
夏の暑い中、いつも来場者へ涼しさを届けていた緑のカーテン。ヒルサイド後は旭区内の公園に移設することが決まっているとのことで、リーダーさんに「じゃあ今度は近所の子供さんがこの中で涼んだりできるんですね。」というと「そうなんですよー。^^」と嬉しそうな様子でした。

今日は、日本で唯一のコスプレに関するNPO法人「コス援護会」がブースを出していたせいか、棚田に「犬夜叉」の殺生丸が歩いていたり(幼児に思いっきり泣かれていた(笑))、バッタ前でプリキュアが子供に囲まれていたり、チーフファリシテーターまでガンダムの地球連邦軍やら銀魂の新撰組(わざわざ買ったらしい。-_-;)でご登場するなど「濃ゆい」人たちがいっぱいでした。(わからない人には全くわからない内容ですいません。^^;)



ちなみにコス援護会の皆さんは、夜の飛蝗隊パフォーマンスにも友情出演していて、いこいの広場が異空間と化していたのがなかなかGOODでございました。
ヒルサイドを通じて、コスプレにハマる人たちの気持ちがかなり理解できるようになったのも、私の人生の収穫かもしれません。(笑)

夜といえば、シルバーウィークにヒルサイド中を優しい光で照らした竹灯篭が、いこい広場斜面限定で復活し、来場者の目を和ませていました。この竹も市民ボランティアさんが切り出したもので、中に水が入っていてフローティングキャンドルが浮かんでいます。電飾やLEDのイルミネーションもきれいだけど、やはりキャンドルの火はまた違った趣きがありますね。


さてさて、そんなこんなで楽しいヒルサイドも終わりの時間が近づいてきて、19時10分からは「閉幕セレモニー」が始まります。
1週目から12週目までの週ごとの出展メンバー紹介や、小川プロデューサーのお話、林横浜市長のお話があり、その後、会期前から会期中もずっと棚田に設置された「ひでじいの畑」を毎日丹精こめていた大野さん・・いえ「ひでじい」と、最年少創発プロジェクトリーダー(10代!)への市長からの花束贈呈と大盛り上がりのうちに終了。
小川プロデューサーの「ヨコハマをタテハマにしてはいけない。」という言葉と、林市長の「こんなにプロセスを大事にするイベントはひょっとしたら日本初かもしれない。皆さん本当にありがとうございました。」という言葉がとても印象的でした。


その後は、ヒルサイドオールスタッフでスロープ花壇横にフェアウェルラインを作って、来場者をお見送り。
そして午後8時30分。会場内に流れていたゆずの「みらい」が閉場を知らせる音楽に変わり、86日間に渡るY150ヒルサイド「つながりの森」が閉幕しました。

閉幕後は、ヒルサイドオールスタッフによる「ヒルサイド つぎへのつながりに向けた閉幕式」
竹の海原の設計者である松井さんも「竹の海原に命を吹き込んでくれたのは皆さんです。ありがとうございました!」と感無量のご様子でした。最後はオールスタッフで記念撮影。創発メンバーもスタッフも会場ボランティアもみんな笑顔です。(写真は記念撮影のステージ上から撮ったもの)


さらにその後、風の広場・竹のパーゴラ下での「フェアウェルパーティー」 と楽しい時間が過ぎていきます。
企画も準備も運営も大変じゃなかったはずはないのに、創発メンバーもスタッフも、みんな実に晴れ晴れとした顔で「楽しかったね!終わるのさびしいね!」と言い合っていました。
でも、そこにいる全員が9月27日は「終わり」ではなく「はじまり」の日だということを知っていて、その視線は「次へ」と向けられているように思えます。


市民創発という大きなココロミは確かにここに存在し、その芽を出しました。ヒルサイドの「つながりの森」はなくなってしまうけど、これからは横浜のあちこちに「つながりの森」ができて、そのうちに横浜全部が「つながりの森」になれればいい。

そんなことを思いながら、来場者の笑顔の余韻が残る会場を後にしたのでした。


【サポートスタッフ 通称:サポスタ、SS】
Y150ヒルサイド「市民創発プロジェクト」を支援するために、横浜市役所職員有志で結成されたお助け集団。
若葉台西中で行われた創発支援プログラムでは、テーブルファシリテーターをしたり、1年前イベントその他で行われた創発カフェではワークショップバリスタになったり、一部のメンバーは、畑を耕し始めたり(笑)するなど八面六臂の大活躍集団。(<a href="./ss_history/history.html">これまでの活動履歴</a>)
基本的には、市民が企画・運営する個々の創発プロジェクトではなく、ヒルサイド全体へのコミットが中心だが、人によりその関わり合い方は色々である。
8月からは、ヒルサイドにて「創発ガイド」を開始。創発メンバーと来場者とのつながり促進、ヒルサイドのホスピタリティアップを目指して活動しました!

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