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「ふぁ…今日も疲れたなあ」
レッスンを終え事務所に戻って来るなり、ソファに体を預ける雪歩。
「早く家に帰らない…と…」
疲れた身体にはソファのやわらかな感触が心地よい。
眠るまいと思いながらも、身体は重く瞼も閉じてしまう。
「すぅ…くぅ…」
雪歩はソファに横になり、そのまま眠ってしまった。

少し経って、ぱたぱたと何かが近づいてくる音がした。
自分が眠ってしまっていたことに気づき、うっすら目を開けると
じっとこちらを見つめる大きな瞳と目が合った。。
「ひゃっ」
驚いて飛び起きてしまった。その急な動きにこちらを見ていた相手もびっくりしている。
「あ、ゆきぽだったんだ、ご、ごめんね」
顔を覗き込んでいたのはゆきぽだった。
雪歩が落ち着いたとわかると、手に持ったお盆をそっと差し出す。
お盆の上には湯気の立つお茶が載せられていた。
「えっと、そのお茶、私に?」
コクコクと頷くゆきぽ。どうやら、疲れて眠る雪歩を見て淹れてくれたようだ。
「あ、ありがとう、いただくね」
まだぷちどるになれない雪歩は恐る恐るではあったが、ゆきぽのお茶を手に取る。
熱すぎず、ぬるすぎず、丁度よい温かさ。顔に近づけただけでお茶の良い香りが伝わる。
そっと一口すすってみると、お茶好きを自称する雪歩でも唸ってしまうような、とても美味しいものだった。
「…」
一口飲み終えてゆきぽを見ると、少し不安げな目でこちらを見つめている。
「えっと、おいしいよ、ありがとう」
「っ…」
ゆきぽの顔に安堵の笑みが浮かぶ。気に入ってもらえて良かった、そんな顔だ。
近場の机にお盆を置き、雪歩の座るソファに登る。
「ゆ、ゆきぽ?」
器用にソファに登ると、雪歩の膝の上にぴょんと飛び乗り腰を下ろす。
膝の上にゆきぽの温かい感触が伝わる。
「っ…」
こっちを振り向きにっこりと満面の笑みを見せるゆきぽ。
その愛らしい姿に雪歩は
(かっ、かわいすぎますぅ!)
すっかりめろめろにされてしまったようだ。
そっと頭を撫でると、くすぐったそうに目を瞑る。
ふさふさの髪の毛の触り心地も堪らない。
「今まで苦手に思ってて、ごめんね」
雪歩は、ゆきぽを膝に載せたまま、暫くの間頭を撫でていた。

「ねえ、雪歩」
「なぁに、美希ちゃん?」
「最近ゆきぽとすっごく仲いいね、良いことって思うな」
最近のゆきぽは雪歩が事務所にいる時ずっと一緒だった。
事務所に雪歩が戻ってくれば、一目散に駆け寄っていくし
事務所にいるときはそれこそずっとくっついているくらいだ。
今もゆきぽは雪歩の膝の上に座っている。すっかりお気に入りの場所になったようだ。
「ゆきぽも嬉しそうだね」
答えるようにぷぁー、とラッパを吹くゆきぽ。
嬉しそうなゆきぽの姿に、美希もどこか楽しげだ。
「雪歩もぷちどるが好きになった?」
「うん、すぐに皆とは無理かもしれないけど」
膝の上のゆきぽと目を合わせる。
「少しずつでも仲良くなっていきたいな」
二人はにっこり笑いあった。

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