初めに


「アスキーアート(AA)」という表現方法を聞いたことがあるでしょうか? AAとは、コンピューター上に打ち出す文字、記号などを組み合わせることで作る絵のことです。日本では、巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」や、それと同じ形式の掲示板でよく作られています。

AAには多くの種類があります。アニメやマンガのキャラクターをそのまま文字で表したものや、海や木の景色、そして「モナー」や「ギコ」などのキャラクター。

このようなAAは他の芸術作品(音楽や絵画など)と比べて、作品に対する権利、つまり「著作権」が緩いという特長があります。たとえば以前、タカラがAAキャラクターである「ギコ猫」の名前を商標出願するという事件がありました。このとき、2ちゃんねるの住民などは、「ギコはみんなのものだ=======!!!」「みんなの共有財産を、一企業の独占は許せない。」と主張し、タカラと戦いました。また、AAを描く人々(AA描き・AA職人)の間では、誰かの作品をコピー・改変して、自分の作品に取り入れることが毎日のように行われています。

AAはみんなの共有財産(コモンズ)であると言えます。

しかし、実際はもう少し複雑です。確かにAAは「共有財産」なのですが、どうやら「共有財産プラス○○、○○・・・」であるらしい。つまり、ただ単に「自由なもの、みんなのもの」ではなく、「でも、○○はやっちゃダメだよね。」「××すれば、○○してもいいよ」のようになっているのです。

では、実際にはどんな決まりがAAにはあるのか? 「共有財産」という特長も含めて、なぜ、このようになったのか? 

私の目的はこの謎を解き明かすことです。これから、AAに関わる様々な事件・出来事を通して、この謎に挑んでいきます。

もし、貴方がこのような現代に生まれたコモンズに好奇心を抱き、私が少しでもその好奇心を満足させることが出来たのなら、これ以上嬉しいことはありません。長くはなりますが、どうぞお付き合いください。

ちなみに、題名である「アスキーアートの法と慣習」は、感銘を受けた白田秀彰氏著「インターネットの法と慣習」から、拝借したものです。この研究が、「インターネットの法と慣習」の一部を解き明かす助けになることを願って。




 「1章:ギコ猫騒動」


コメントをかく


ユーザーIDでかく場合はこちら

画像に記載されている文字を下のフォームに入力してください。

「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。

メンバーのみ編集できます