３．ギコ猫騒動に対する人々の反応 
マスコミ
学術関係
この騒動に関しては一般のメディアだけでなく、学術の方面からも反応がありました。当時、澁川修一氏は「タカラ『ギコ猫』商標登録問題と2ちゃんねる」「『ネットの創作物は誰のものか』〜匿名掲示板とタカラ『ギコ猫』商標登録騒動から考える〜」という二つの論文を書いています。後者の論文は、前者の論文を加筆・修正したものです。
ここで澁川氏は、「ＡＡの権利はどうされるべきなのか？」という問を立てています。後者の論文では、その答えとして「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス（ＣＣＬ）でＡＡを公開してはどうか」という意見を述べています。
「ＣＣＬ」とは、「クリエイティブ・コモンズ」という団体が作った著作権ライセンス（「複製はしてもＯＫ、改変はダメ」のような契約）の一種です。このwikiにもそのライセンスを取り入れています（左のサイドバーにある奴ですね）。別の話題になりますので、ライセンスの詳しい内容は書きませんが、基本的に人々が自由に使えることを目的にしたライセンスです。
澁川氏は、ＡＡが共有財産であることから、自由を基本とした「ＣＣＬ」を使ってはどうかと提案しているようです。
しかし、澁川氏本人が後に認めているように、ＡＡを「ＣＣＬ」で公開することはできません。なぜなら、「ＣＣＬ」を付けることができるのはその作品の権利者だけだからです。ＡＡの場合は、匿名掲示板で主に作られたということもあり、権利者が誰であるか知ることはほぼ不可能です。
そのため、澁川氏も後者の論文についてその誤りを認めています。（資料��）
ここで澁川氏は、「ＡＡの権利はどうされるべきなのか？」という問を立てています。後者の論文では、その答えとして「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス（ＣＣＬ）でＡＡを公開してはどうか」という意見を述べています。
「ＣＣＬ」とは、「クリエイティブ・コモンズ」という団体が作った著作権ライセンス（「複製はしてもＯＫ、改変はダメ」のような契約）の一種です。このwikiにもそのライセンスを取り入れています（左のサイドバーにある奴ですね）。別の話題になりますので、ライセンスの詳しい内容は書きませんが、基本的に人々が自由に使えることを目的にしたライセンスです。
澁川氏は、ＡＡが共有財産であることから、自由を基本とした「ＣＣＬ」を使ってはどうかと提案しているようです。
しかし、澁川氏本人が後に認めているように、ＡＡを「ＣＣＬ」で公開することはできません。なぜなら、「ＣＣＬ」を付けることができるのはその作品の権利者だけだからです。ＡＡの場合は、匿名掲示板で主に作られたということもあり、権利者が誰であるか知ることはほぼ不可能です。
そのため、澁川氏も後者の論文についてその誤りを認めています。（資料��）
ひろゆき
概要にも書いたように、２ちゃんねる管理人、西村博之氏も「ギコ猫騒動」で大きく動いています。タカラにメールを出しただけでなく、ギコが生まれたとされる「あやしいわーるど」にも出向き、そこの初代管理人を勤めた芝雅之氏とメーリングリストを使ってギコの権利について話し合いをしたりしてもいます。（資料��）
西村氏の発言を見ていくと、特長として次の三つがります。
ここに出てくる、「集団（コミュニティー）」「権利者（創作者）」という要素は、「AAは誰のものか？」という問題を考えるとき重要なキーワードになると考えています。詳しくは、4番目のギコ猫騒動から見る、アスキーアートの所有者。で書きます。
西村氏の発言を見ていくと、特長として次の三つがります。
- ギコを自由に使えるべきだと考えていること
- 「育てたのはインターネットのコミュニティー」とあるように、個人より集団に重きが置かれていること
- その一方で、「著作権者用のプールはしておくつもりなので」とあるように、権利者にも配慮を見ていること
ここに出てくる、「集団（コミュニティー）」「権利者（創作者）」という要素は、「AAは誰のものか？」という問題を考えるとき重要なキーワードになると考えています。詳しくは、4番目のギコ猫騒動から見る、アスキーアートの所有者。で書きます。
２ちゃんねるとあやしいわーるどの人々
「ギコ猫騒動」は２ちゃんねるの人々に大きな衝撃を与えました。2002年当時の２ちゃんねる人口は現在の3分の１ぐらい*3にも関わらず、早いときで約20分で1スレッドを消費する勢いでした。その中でも、ギコ猫騒動は主に「2ch批判要望板」「モナー大好き＠2ch掲示板」「ニュース系の板」で盛り上がっていました。
大きな祭りのときはそうなる場合が多いのですが、板によって書かれるレスに違いが出てきます。「2ch批判要望板」は西村氏が登場したこともあり、議論が中心のスレッドに。「モナー大好き＠2ch掲示板」では、AA描きによるタカラを批判したAA作品が作られています。ニュース系の板ではときおり議論も交えながら、雑談が主となりました。
どの板でも、タカラに批判的なレスが多数を占めていたことが共通しています。
ギコの発祥の地とされる「あやしいわーるど」でも、いくらかの話はされています。残念ながら、いくつかのログが消失しており、完璧に当時の様子を知ることはできませんでした。ログが残っている「あやしいわーるど＠本店」のログを見る限り、ギコ猫騒動そのものに関わっていると言うよりも、ギコ猫騒動に関わっている２ちゃんねらー・西村氏を見て、それに対する感想を書くものが多いと思いました。
以上が、２ちゃんねるとあやしいわーるどの様子です。
ただし、注意しなければならないことが二つあります。一つに、本当に「２ちゃんねらー」「あやしいわーるど住民（あ民）」全体が以上の様だったかは分からないということ。レスの多さから批判が多数だとは思いますが、統計的に測ることができないので、本当の所は誰にも分かりません。
二つ目に、間違った情報を元に動いた人もいるということ。レスを見ていると、ギコを２ちゃんねるに書き込むことが出来なくなるのではないか、ギコから派生した「しぃ」も使えなくなるのではないか、のような実際には起こらない事態を考えている人がいます。正しい考えの人とどちらが多いのかは分かりませんが、一様ではなかったのは確かです。（資料��）
*2 「共同通信」は新聞ではありませんが、近い存在だと思いますので、新聞の例としました。
*3 具体的な数字が無いので、「ウェブメディアの発展史 2000-2006」（33p）からの目分量
「ギコ猫騒動から見る、アスキーアートの所有者。」
大きな祭りのときはそうなる場合が多いのですが、板によって書かれるレスに違いが出てきます。「2ch批判要望板」は西村氏が登場したこともあり、議論が中心のスレッドに。「モナー大好き＠2ch掲示板」では、AA描きによるタカラを批判したAA作品が作られています。ニュース系の板ではときおり議論も交えながら、雑談が主となりました。
どの板でも、タカラに批判的なレスが多数を占めていたことが共通しています。
ギコの発祥の地とされる「あやしいわーるど」でも、いくらかの話はされています。残念ながら、いくつかのログが消失しており、完璧に当時の様子を知ることはできませんでした。ログが残っている「あやしいわーるど＠本店」のログを見る限り、ギコ猫騒動そのものに関わっていると言うよりも、ギコ猫騒動に関わっている２ちゃんねらー・西村氏を見て、それに対する感想を書くものが多いと思いました。
以上が、２ちゃんねるとあやしいわーるどの様子です。
ただし、注意しなければならないことが二つあります。一つに、本当に「２ちゃんねらー」「あやしいわーるど住民（あ民）」全体が以上の様だったかは分からないということ。レスの多さから批判が多数だとは思いますが、統計的に測ることができないので、本当の所は誰にも分かりません。
二つ目に、間違った情報を元に動いた人もいるということ。レスを見ていると、ギコを２ちゃんねるに書き込むことが出来なくなるのではないか、ギコから派生した「しぃ」も使えなくなるのではないか、のような実際には起こらない事態を考えている人がいます。正しい考えの人とどちらが多いのかは分かりませんが、一様ではなかったのは確かです。（資料��）
*2 「共同通信」は新聞ではありませんが、近い存在だと思いますので、新聞の例としました。
*3 具体的な数字が無いので、「ウェブメディアの発展史 2000-2006」（33p）からの目分量
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