歌劇「ラオールの王」

主要キャラクター

シータ(ソプラノ)

神インドゥラを祭っている寺院の尼僧。ラオールの王であるアリムと恋に落ちるが、叔父であるシンディアも彼女に思いを寄せている。

アリム(テノール)

ラオールの王であるが、シータと恋に落ちる。マフモウドの軍との戦いで戦死するが、後に神インドゥラの計らいで生き返る。しかし、王位はかつての大臣であったシンディアに奪われてしまう。

シンディア(バリトン)

シータの叔父でアリムの大臣であるが、姪のシータとアリムが恋に落ちた事で自分がアリムにナメられていると思い込み、ブチ切れてアリムを陥れて王位を奪い取る。怒るととんでもない事をしでかす素質あり。姪っ子なのにシータに恋をしており、彼女が自分の思い通りにならない事で苛立ち、強引にでも彼女を自分の妻にしようとする事でストーカー的要素もあり。

ティムール(バス)

神インドゥラを祭っている寺院の司祭長。寺院の掟に関しては少し堅苦しい性質かも。

カレド(メゾ・ソプラノ)

アリムの召使。戦場で戦っているアリムの事を心配するシータを慰める。まぁ言えば、癒し系的な存在かも。

インドゥラ(バス)

インドの寛大な神。一度死んだアリムをある条件で生き返らせる。

その他のキャラクター

軍隊の隊長、士官、兵士

合唱

兵士達、人々、聖職者達、尼僧達、天の住人達etc


ストーリー

第一幕 第一場

トルコ皇帝マフモウドの軍隊が攻めて来て、そのマフモウドに都市が支配されると言う予言がされた為に、大勢の男女の群集が救いを求めてラオールにある神インドゥラが祭られている寺院に押し寄せて来ました。
それに対して寺院は攻めて来ようとするマフモウドの軍からインドゥラを守る為に門を閉ざしてしまいます。
寺院の司祭長であるティムールは、王が侵入者に対して戦闘を開始しなくても良い様に宣言して、神インドゥラは人々に対して御加護を与えて下さるだろうと言って人々を安心させる様に務めます。
人々が寺院に入ると共に王の大臣であるシンディアがティムールを訪ねて来ました。シンディアはティムールに、この寺院の尼僧であり自分の姪でもあるシータを尼僧としての誓約から解放して欲しい願います。
実はシンディアは姪でありながらもシータに恋しているからです。
しかし、ティムールはなかなか許可しようとはしません。何故かと言うと、神に仕える尼僧を誓約から解放する事が出来るのは王だけだからです。
しかし、シンディアはそれでも「あいつの心は自分から離れられない」とか、「自分は神の怒りなど物ともしない」などと言って食下がろうとします。
こうしたシンディアの態度に怒ったティムールは「誓約を破るような事があればシータ自身が罰せられる事になるだろう」と言います。
それに対してシンディアは「シータがもし尼僧としての誓約を破っていたのなら後始末はティムールに任せる」と告げます。そして遂にティムールはシンディアがシータに会う事を許可します。

第一幕 第二場

シンディアは寺院の神殿で尼僧達と共に祈りを捧げているシータに会い、寺院を出て自分と共に来る様に命じますがシータはなかなか言う事を聞きません。シータはこの寺院にずっといたいと言います。
実はシータは彼女が晩祷を歌った時に、ある男性の幻影が見えて、この男性の事を慕っていたのです。
一方シンディアは自分の思い通りにならない事に苛立ったのと、シータが尼僧の誓約に反して幻影でも男に惚れ込んでいたと言う事で、怒って復讐をしようとします。
シータの態度に頭に来たシンディアは聖なるゴングを打ち、ティムールや聖職者達を呼び集めます。
ティムールや聖職者達はシータが尼僧としての誓約を破った(男に恋した)と言う事で彼女を激しく非難し、彼女の死を要求します。
それに対してシータは自らの潔白を主張します。そんなシータにシンディアは真夜中に尼僧達が晩祷を歌うのが聞こえた場合に、その声にシータ自身の声をつなぐ様に促します。しかしシータは自分が晩祷を歌う事で慕っている男性を呼び出す事になりかねないと思い拒絶します。
全ての人々が彼女の死を求める中で、祭壇の柱の中の1本に秘密の扉があり、それが開きます。中からは召使のカレドを伴った王アリムが姿を現し、皆は驚きます。王の前では人は皆自分自身の力を出さないといけません。
アリムはシータに自分の元に1日だけでも良いので来る様に命じます。それに対してシータは王を愛する為について行くと言います。
実はシータが見て慕っていた幻影の男性は王アリムだったのです。(シータは幻影を見てると思っていますが、実際はアリムがこの祭壇の柱の扉から姿を現していたのかもしれません)
一方シンディアは王アリムに自分がナメられたと思い込み、ブチ切れてアリムに対して復讐を誓います。
それと共にティムールも神殿がこの様な愛欲で汚された・・・と怒り出します。そしてティムールはアリムに対して改心する為に侵入者に対する戦闘を開始する様に要求します。
アリムはティムールに対して自分の軍隊が既に揃っており、翌朝に出陣すると堂々と答えます。そして彼は神インドゥラに祈りを捧げ、戦場でインドゥラに祝福されるのを期待しながら出発し、それに続いてシータもカレドも出発します。

第二幕

王の軍隊が野営を行っているトールの砂漠。砂漠では既に戦闘が起こっています。戦闘の音が遠方で聞こえる中、カレドは不安そうにしているシータを慰めようとします。
心を落ち着けたシータはアリムの無事の帰還を信じ、彼に愛を伝えようと決心します。カレドはシータに休むように促し、彼女を慰める為の歌を歌います。
しかし、この後で静けさが遠くでのファンファーレで破られてしまいます。王の軍隊は敗走させられてしまい、負傷した兵士達が次々と陣地に倒れこんで来ます。
シンディアは逃げる事を考えて「アリムは傷付き死んでいる」などと勝手に叫びます。彼は兵士達の王に対する忠誠心を失わせる様に仕向け、勝手に自分に続いて軍隊をラオールへ帰還させてしまおうと企みます。
そこへ重傷を負ったアリムが姿を現します。彼はシンディアや兵士達を逃げようとした事で非難します。
しかし、シンディアは嘲る様な態度をとり、兵士達も言う事を聞かなくなってしまいました。
アリムは出血多量で次第に意識が遠のいて行き、シンディアや兵士達は瀕死の状態のアリムをほっといて行ってしまいます。
シンディア達が去った後、シータがアリムの元へ駆け寄ります。彼女は全力でアリムを介抱しようとします。
アリムは再び意識を取り戻し、そんな彼にシータは彼を愛し慕う事を誓います。
アリムは彼女が自分に専念してくれている事に感激して、彼女を自分の元に残らせる事にします。そんな中で退却する兵士達の声が遠くで聞こえてきます。
アリムは自分の元から去った兵士達を呼び戻そうと立ち上がりますが、遂に彼の命は力尽きてしまいました。すると何処かに隠れていたのかシンディアが数名の兵士達と共に姿を現し、アリムの遺体を嘲る様に眺めて堂々と自分が王になった事を宣言します。そして自分の部下である兵士達にショックで気を失ってしまったシータを捕らえる事命じ、ラオールへ向けて出発します。

第三幕

メルー山の山頂にある神インドゥラの楽園(霊界)。明るい光を浴びた楽園の沢山の植物は神聖さがあります。その中で天の住人達や神聖な魂達は幸福さを歌い上げます。そしてアプサラス達(天の妖精)は神インドゥラを称えるダンスを披露します。
しかし、青白い顔をして憔悴しきった新参者がやって来た事に気付いたインドゥラはダンスを止めさせます。その新参者がアリムなのです。
インドゥラはアリムに何故憔悴しきった様子なのかを訊ねます。それに対してアリムは自分がかつては誰もが羨む様な王であった事を告げ、そして再びシータと再会出来る様に願い出ます。
インドゥラはそんなアリムの申し出を受け入れ、アリムが再び生き返る事を許可します。但し、ある条件が付きます。
それは彼はもう王にはなれないかも知れず一平民として生き返る事、そしてシータが彼に対して忠実であるか、または裏切る事になるか分からないが、その事が一つの運命として拘束される事になるかもしれないという事、そして彼女が死ぬ時は彼自身も再び死ぬと言う事です。そして、アリムは喜んでその条件を受け入れ、遂に再び生き返る事が出来ます。

第四幕 第一場

ラオールの王宮の中の部屋で、シータはアリムの死を悲しみます。そして自分が今は捕らえられた身でもある事でも嘆きます。(彼女が捕らえられたのは王になったシンディアが彼女を自分の妃にする為です)
彼女は神インドゥラに自分の元に死んだアリムを戻してもらう様に祈ります。すると、遠くからファンファーレの音が聞こえてきます。このファンファーレでシンディアの事を思い出してしまった彼女はシンディアの妃にはなりたくない、彼の妃になるくらいなら死んでしまいたいと嘆きます。

第四幕 第二場

宮殿の前にある大きな広場の階段の所で庶民と同じ身なりをしたアリムが天上の歌声を聴きながら眠っています。彼は神インドゥラの計らいで、この世に再び生き返ったのです。(但し条件付きで)
目を覚ました彼はもう王ではないが愛しいシータと再会できると言う事で喜び、そして、かつて自分が暮らしていた王宮の方へ走って行きます。
それと入れ代わるかの様に王シンディアの戴冠式の行列を見物する為に大勢の人々が広場に集まります。そして人々はシンディアを地球上の王の中の王と称えて彼の登場を待ちます。
そして王シンディアが登場。大勢の群集に向かって彼は敵の軍隊が目に見えない力によって押し流される様に砂漠の方へ撤退して行った、と宣言します。
(この時のシンディアは、かなりいい気になっています)そして彼はシータを自分の妃にする事を決めており、王宮にいる彼女の所へ行こうとします。すると戸口の所で生き返った先王アリムと鉢合わせし、シンディアをはじめ大勢の人々は死んだはずの先王アリムが立っているのを見て驚きます。
シンディアはアリムの霊が復讐の為に現れ、自分が生前のアリムに対してしてきた仕打ちを非難される事を恐れます。
しかし、アリムがシータと再会する為に戻って来たと言った事に対し、シンディアは彼を狂人だとして嘲り出して詐称者として彼を捕らえる事を命じますが、兵士達はアリムの振る舞いに立ちすくんでしまいます。そこでティムールや聖職者達は神がアリムに霊的な力を与えていると主張します。
その時にシータを乗せた肩籠が到着してシンディアは妃としての彼女に挨拶をします。この光景を見たアリムは彼女が自分を裏切ったのでは・・・と動揺して彼女の元へ駆け寄ろうとします。そこへ兵士達がそんなアリムを捕らえようとしますが、ティムールや聖職者達が兵士達を阻止してアリムを保護します。一方、民衆はシンディアに対して敬意を払い、跪きます。

第五幕

神インドゥラを祭る寺院の神殿にシータが息を切らせて駆け込んで来ます。彼女は新婦の部屋から逃げ出して、ここへやって来たのです。しかし彼女はシンディアが自分を追ってここまででも追跡して来ると考えている為に、逃げ出したものの希望は殆ど持っていません。彼女は既に死を考えているのです。
彼女は神インドゥラに死んだアリムと再び結ばれる様に祈ります。
そんな時に、尼僧達の歌声が聞こえてきます。シータは先王アリムがどの様にして自分の所に現れたかを思い出していました。すると、「シータ!」と呼ぶ声がします。
実は死んだはずのアリムが再び自分の目の前に立っていたのです。彼女はアリムが生きていたという事で大喜びし、彼の腕の中に抱きつきます。
二人が抱き合って再会を喜んでいると、寺院の神聖なゴングの音が鳴り響き、物凄い光で満たされます。実はシンディアがシータを追ってやって来ていたのです。シンディアの存在に気付いた二人は慌てますが、アリムはかつて自分が使っていた秘密の抜け道の事を思い出します。
しかし、もう既に戸口の所でシンディアが脅威をさらして立っていました。シータはシンディアにかつては彼の主人であったアリムに当然の忠誠心を払うべきだと迫ります。しかし、シンディアには通用しません。
シンディアは強引にでもシータを自分のものにしようと迫ります。そして絶体絶命のピンチに陥ったと感じたのか、シータは遂に持っていた短剣で自らを突き刺してしまいます。
シータが死ぬ時はアリムも一緒に死ぬ、という条件で生き返ったアリム自身も当然同じ様にしてよろめきます。
すると寺院は天上の神インドゥラの楽園の光景になり、アリムとシータは喜んでこの霊界へ入って行きます。
一方シンディアは霊的な恐怖に駆られて神によって自分が罰せられると思い、自らの過ちを後悔します。
魂が抜けたアリムとシータの身体は神殿の祭壇からゆっくりと沈んで行きます。
そしてシンディアは「二人に対して酷い仕打ちをしてしまった!」と叫び、両手で自分自身の顔を覆い、下にひれ伏してしまいます。その時に遠くから「全ては光である」と言う声が聞こえて、終了します。


歌詞ネタバレはこちら
http://members.ld.infoseek.co.jp/yuki-178/sub28.ht...

ミニミニ・オペラ物語解説
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2005年08月29日(月) 14:34:37 Modified by yuki-178




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