最終更新:ID:lIBemFlnIA 2018年02月04日(日) 21:05:52履歴
ミニアフターストーリーかずさ編、その後の話
「ううっ、指がつる。なんでこんな目にあわないといけないんだ。」
愚痴をいいながらも、ピアノの練習を春希はしている。
初心者向きの優しいハノンを弾いているのだが、一向に上達する気配がない。
それもそのはずである。
かずさと一緒になるときに決めた決意、唯一何とか弾けていたギターをやめて以来、全く楽器には触れていないのだから。
そのため、もともと音楽センスのない腕前はとうの昔に完全にさび付き、全く使い物にならなのであった。
なぜ、このようなことになったのか。少し前の話になる。
「なあ春希、結婚式を挙げたけれども、何か足りないと思わないか?」
夜の営みの後に突然かずさが言い出す。
「え?何か足りないものがあったか。まあそもそもあんな場所だしそれは足りないものだらけだろうさ。」
そろそろ、寝る支度をしようとしている春希はどうでもいい返事をする。
「いやさあ、普通結婚式といったらウエディングケーキ入刀があるだろ。夫婦二人初めての共同作業ってやつでさあ。」
「そんなのどうでもいいだろ。なに今更言ってんだ。それに共同作業ってその前からほとんど毎日してるじゃないか。それもつい今しがたまでさあ。」
馬鹿馬鹿しいと一笑に付そうとした春希であったが、
「いや、だめだ。絶対に納得いかない。」
「それって、ただケーキ食べそこなったからだけだろ。そんなもの別に毎日たべているじゃあないか。」
「う、うるさい。何かしら夫婦二人での共同作業がしたいんだ。いちいち細かいこというな!」
「別にそんなめんどくさいことしなくてもいいよ。何か一緒に作るっていったって、お前ピアノ以外全然だめじゃあないか。」
「ぐ・・・それは・・・。」
痛いところを突かれて、だまりこむかずさ。
しかし、ふと意地悪そうな顔をして、
「そうだな、春希の言う通りだよ。私はピアノ以外からきし駄目だ。じゃあ夫婦二人で連弾しようじゃないか。」
してやったりのかずさ。
「ええ、それは勘弁してくれよ。もう今更できるわけないじゃないか」
必死に懇願するがお構いなしに、
「そもそも、ピアノも満足に弾けないマネージャーなんておかしいじゃないか。いつも私には一日十時間弾けと命令するくせに。たまには私の苦労も味わえ。」
「ピアノ以外なにもしないくせに・・・」
「そ、それは、お前がそれでいいと言ったからだ。とにかく明日から練習だ。教材はあるし手本は私が教えてやるから。」
「なあ春希、少しは上達したか?」
甘い声で耳元にささやく。
「聞いてみて分からないか、全然だめだよ。」
「全く、相変わらずセンスのない奴だ、これで私のマネージャーやってんだからなあ。いいかこうやるんだ。」
春希手のひらをそっと触り、背中に体重をかけ軽々と弾いていく。
シャツ一枚しか着ていないかずさのその背中ごしの柔らかさに春希は、反応してしまう。
「おい、かずさくっつきすぎだって。これじゃあ練習にならないじゃないか」
「ふふ・・・だめ・・・」
甘えた声で駄々をこねる。
先ほどまで春希の手のひらに重ねてあった手はいつの間にか股間をまさぐっている。
「ねえ、そんなことよりもしようよ。」
「お前なあ」
あきれた声をだしているが、春希のそれも反応してしまっている。
お返しとばかりに、かずさの下着ごしにそっとまさぐると、しっとりと熱をおびていた。
「ベッドに行こうか。」
二人手をつなぎピアノ部屋を後にする。
これじゃあ、いつまでたっても上達するわけないと春希は苦笑するが、ふと気づく。
あれ、最近マンネリ気味になってきたから、かずさが色々と工夫してきているわけじゃあないよなあ。
ひょっとして、さっきのって前戯なのか?
「なあ、春希。なにしてるんだ。早く・・・」
急かす声に春希もそんなことを忘れ(ピアノの練習も)、二人夜の営みをするのであった。
written by tototo
あとがきすごく久しぶりに書いてみました。
エロ表現を書くのが、とても苦労しました。
もうちょっと、じっくり、ねっとり書けていればいいのですがそこは皆様のご想像で補ってください。
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このページへのコメント
良いじゃあないですか!
本編かずさルートじゃエロいシーンが「もう良いかな」っていう理由で入ってなかったのでかずさファンとしては不満だったんですよね……こういう2人が後ろめたい事無く堂々とイチャイチャしてるところ好きです