最終更新: sharpbeard 2013年04月02日(火) 22:35:52履歴
5/12(水)複合文化施設「Kaikomura」1階レストラン「コクーン」にて
からり、から… からり、から…
コーヒーシュガーが空しい音を立て、黒褐色の液体の中に埋没していく。
その数が5杯目にさしかかったが、同席している誰も彼女―売り出し中の若手女性ピアニスト、冬馬かずさ―の糖分過剰摂取に気付きすらしなかった。
目の前では、彼女のマネージャーがクライアントとの打ち合わせのまとめにかかっている。かずさはそれを他人事のように眺めていた。
同じ建物の3階にあるコンサートホールの下見が済んだ時点でかずさの本日の仕事は終わったようなものであった。あとのこまごまとした打ち合わせ事項はいつもどおり全てマネージャー任せであり、かずさ本人にはそういった仕事上のすり合わせを行う能力も意思も全くなかった。
そんな事情を察するや、クライアントの男性もマネージャーとの用談に集中した。だから、下見後のフレンチレストランでの会食はかずさにとって、クライアントとマネージャーが話をまとめるまでの時間つぶしにすぎなかった。
マネージャーが「では、そういうことでいいですね。かずささん」と確認を求めた際も、かずさはほとんど内容を理解することなく「うん、いいよ」と、答えた。
かずさが理解していたのは「3階のホールで秋にピアノを弾く」、それだけであった。
食事の間かずさが聞いていたのは打ち合わせの内容ではなく、レストランの外の喧噪の声であった。
パリのカフェと同じようにポットで出されたコーヒーを砂糖で流し込み終わるころには外の喧噪も打ち合わせも止み、かずさは本日最後の仕事を実行することにした。
何度も練習させられた、ぎこちない営業スマイルと共に
「では、本日はどうもありがとうございました。これからよろしくお願いします」
これが、かずさの5月12日最後の仕事であった。
「では、かずささん。また明日お願いします」
「ああ・・・。いつもありがとう。美代子さん」
レストランの外でかずさはマネージャーと別れた。
マネージャーはこれから冬馬曜子―稀代の世界的ピアニストにしてかずさの母、そして、冬馬曜子オフィス社長―の所に報告に向かうことになっている。
行先は峰城大学病院…公表はされていないが、曜子は白血病を患い定期的に検査入院を繰り返している。
娘の売り出しのためには病床を抜け出し駆け回ることを厭わない曜子であったが、今日のような簡単な打ち合わせは報告受けで済ましている。
だから、かずさは今日はひとりで帰ることになっていた。
帰る、か…
かずさの足取りは重たかった。今日は形ばかりの仕事であったが、それでも仕事のあるうちはそれで気を紛らすことができた。
母親から押しつけられた忙しいスケジュールも却ってありがたかった。
しかし、仕事が終わってひとりになった時に襲う寂寞感をやり過ごす術までは、まだかずさは見出せてはいなかった。
そうしてふらふらと出口に向かうかずさの横をひとりの女性が通り過ぎた。
ぴく…
かずさは足を止める。
「?…誰だっけ…」
振り返るが、後ろ姿ではわからない。最近会ったような気がしたが、どこで会ったかも思い出せない。
しかし気になる。5年間ウィーンで暮らし5ヶ月前に帰国した彼女がこの国で「知り合い」と感じることのできる人は少ない。同年代くらいの女性だったが…
かずさは追いかけて確かめることにした。たとえ人違いだったとしても気乗りのしない帰宅よりはマシと感じていたからだった。
その女性はエスカレーターで2Fに上がり、「シアターモーラス」スタッフ出入り口の付近で立ち止まった。
かずさはもう一度その女性の顔を見て、やっと彼女が誰であったか思い出した。
帰国して間もないころ、ピアニストかずさに「ファッションについて」というインタビューを求めてきた不躾な女性記者…確か板倉とかいう名前だった。
「なぁんだ…」
どちらかと言うとあまり会いたくない人物である。かずさは軽く肩を落とした。すぐ立ち去ろうかとも考えたが…
彼女と会った時の記憶がよみがえる。いろいろと神経質になっていた時期にわけのわからない取材を求められ怒りを覚えたかずさは手にあったバッグを投げつけて逃げ出した。財布や携帯まで全て入ったバッグを…
何も考えず駆け出し、気がつくと迷子になってしまったかずさであったが、春希に助けられ事無きを得た。なお、投げつけたバッグはこの女性記者が律義に冬馬曜子オフィスまで届けてくれていた。
今から思い起こせば赤面ものである。しかも、その後この板倉とかいう女性記者にお礼もお詫びもしていない。当時の自分自身はそれどころではなかったし、今からお礼なりお詫びをするとしても完全に時期を逸しているが…
「『ごめん』、くらい言っておくか」
このまま知らんふりをして帰っても同じくらい気まずい思いが残る。
ならば、また少々無遠慮な取材を食らうことになったとしても、謝意を伝えてすっきりした方がいいとかずさは考えた。
「すいません。記者の板倉さん…ですよね」
「え、…ええっ!」
話しかけられた女性記者板倉は驚き、当惑した。
なにせ目の前にいるのは冬馬かずさ。数か月前には取りつくしまもなかった人物の方から話しかけられれば面くらうのも当然だった。
かずさはかまわず、たどたどしく謝罪の言葉を口にする。
「この前はごめんなさい。いや、あの時はちょっと気が立ってたっていうか…その…」
板倉記者は困った。
相手は今をときめく話題の美人女性ピアニスト。ここは謝罪を受けつつ、うまくすり寄って取材に持ち込めたら僥倖である。
しかし今日は別の取材相手の出待ち中で、タイミングが悪かった。
『なんでこんなタイミングでこんなチャンスが…』
しかし、二兎を追う者一兎を得ず。ここは当面の取材を優先すべき。
少し待ってと板倉記者が言いかけたその時だった。
「あれ? 冬馬かずささんじゃないですか?」
そう言ってスタッフ出入り口のドアを開けて出てきたのは、板倉記者の本日の取材のターゲット。
劇団コーネックス二百三十度の新人女優、瀬ノ内晶、本名和泉千晶であった。
「あ、瀬ノ内さん。今日は…」
板倉記者が口を開いたところを、すかさず千晶は自分のセリフを重ねてつぶす。
千晶はいつもこの手でこの小うるさい雑誌記者をはぐらかしていた。舞台の間の取り方を逆用したワザである。
「ああ、冬馬さん。わたし。クラス別だったけど学年同じだったよ。でも覚えてないよね。瀬能千晶っていうんだけど」
突然見知らぬ学友に話しかけられ、今度は冬馬が泡を食う。
「え、ええ?」
かまわず千晶は続ける。
「ひょっとして、今の舞台見ていた? ごめんごめん、全然気付かなかった」
そういう千晶の顔は悪戯を見つけられた少年のものだった。だが、その目はひそかにかずさの反応を注意深く見ている。
「あ、いや、今日は別件で…」
その答えを聞き、千晶は軽い舌うちとともにぼやいた。
「やっぱりか…、ちぇ。春希も雪菜もチケット渡したのに見に来なかったし…」
そのつぶやきは誰にも聞きとれないほど小さかった。しかし、ピアニストであるかずさの耳にははっきりと聞こえた。
「…春希たちの知り合い?」
かずさの声のトーンが微妙に変わったのを千晶は聞き逃さない。
「うん、春希とは何度か寝たよ」
「…っ!」
「わたしはベッドで春希は床で」
「………」
からかわれたことに気付いたかずさは凶悪な目つきで千晶を睨む。しかし千晶は気押されることなく、飄逸な口調をやめない。
「ごめんごめん、ゆるしてちょんまげぇ〜…って」
かずさから、けして許すまじとばかりの怒りのオーラが立ち上る。
千晶はその様子をひととおり観察し終わるや、カバンから何かを取り出し、両手を前で組んで言った。
「まぁ、おわびといっちゃあなんだけど…『かずさぁ、明日ヒマ?』」
その言葉に、かずさは不意をうたれる。
急になれなれしく名前で呼ばれたことに対してではない。
その声色、口調、しぐさがまるで…かずさの不倶戴天の親友のまさにそれであったから。
「???っ…あ、ああ…」
かずさは思わず肯定の返事を返してしまった。
「『よかったぁ。じゃ、絶対絶対来てよね。…来てくれないとちょっとだけ傷ついちゃうかもなぁ…』」
そう言って、千晶はかずさの手に強引にチケットを2枚握らせる。
その際の演技も完璧に『小木曽雪菜』のそれであった。
かずさは混乱のあまり何も反抗できずにチケットを受け取る。
「『じゃあ、見終わったらまたこの場所で会おうね』」
「…あ、うん…」
かずさは呆気にとられ、こくりとうなずくばかりであった。
その後の事はかずさはよく覚えていない。
たしか、瀬能千晶と名乗るあの新人女優は板倉記者にもチケットを渡して去っていった。
板倉記者からはいろいろと質問されたが、何も答えられなかった。
ただ、一緒に翌日の舞台を見に行く約束だけして別れた。
自分と峰城大付の同学年ということだが、もちろん覚えはない。
『春希』と『雪菜』を名前で呼ぶあの人物は何者? ただの大学とかの同窓生?
あの時見せた演技は何? ただのモノマネ上手?
いろいろ考えたけど埒があくはずもない。
かずさは考えるのをやめた。明日、あの瀬能千晶という女に直接聞けばわかることだ。
寝床に転がりながら眺めた、シーリングライトに透けるそのチケットには「5/13(木) シアターモーラス 劇団コーネックス二百三十度『届かない恋』」と印刷されていた。
<目次>/<前話>/<次話>
からり、から… からり、から…
コーヒーシュガーが空しい音を立て、黒褐色の液体の中に埋没していく。
その数が5杯目にさしかかったが、同席している誰も彼女―売り出し中の若手女性ピアニスト、冬馬かずさ―の糖分過剰摂取に気付きすらしなかった。
目の前では、彼女のマネージャーがクライアントとの打ち合わせのまとめにかかっている。かずさはそれを他人事のように眺めていた。
同じ建物の3階にあるコンサートホールの下見が済んだ時点でかずさの本日の仕事は終わったようなものであった。あとのこまごまとした打ち合わせ事項はいつもどおり全てマネージャー任せであり、かずさ本人にはそういった仕事上のすり合わせを行う能力も意思も全くなかった。
そんな事情を察するや、クライアントの男性もマネージャーとの用談に集中した。だから、下見後のフレンチレストランでの会食はかずさにとって、クライアントとマネージャーが話をまとめるまでの時間つぶしにすぎなかった。
マネージャーが「では、そういうことでいいですね。かずささん」と確認を求めた際も、かずさはほとんど内容を理解することなく「うん、いいよ」と、答えた。
かずさが理解していたのは「3階のホールで秋にピアノを弾く」、それだけであった。
食事の間かずさが聞いていたのは打ち合わせの内容ではなく、レストランの外の喧噪の声であった。
パリのカフェと同じようにポットで出されたコーヒーを砂糖で流し込み終わるころには外の喧噪も打ち合わせも止み、かずさは本日最後の仕事を実行することにした。
何度も練習させられた、ぎこちない営業スマイルと共に
「では、本日はどうもありがとうございました。これからよろしくお願いします」
これが、かずさの5月12日最後の仕事であった。
「では、かずささん。また明日お願いします」
「ああ・・・。いつもありがとう。美代子さん」
レストランの外でかずさはマネージャーと別れた。
マネージャーはこれから冬馬曜子―稀代の世界的ピアニストにしてかずさの母、そして、冬馬曜子オフィス社長―の所に報告に向かうことになっている。
行先は峰城大学病院…公表はされていないが、曜子は白血病を患い定期的に検査入院を繰り返している。
娘の売り出しのためには病床を抜け出し駆け回ることを厭わない曜子であったが、今日のような簡単な打ち合わせは報告受けで済ましている。
だから、かずさは今日はひとりで帰ることになっていた。
帰る、か…
かずさの足取りは重たかった。今日は形ばかりの仕事であったが、それでも仕事のあるうちはそれで気を紛らすことができた。
母親から押しつけられた忙しいスケジュールも却ってありがたかった。
しかし、仕事が終わってひとりになった時に襲う寂寞感をやり過ごす術までは、まだかずさは見出せてはいなかった。
そうしてふらふらと出口に向かうかずさの横をひとりの女性が通り過ぎた。
ぴく…
かずさは足を止める。
「?…誰だっけ…」
振り返るが、後ろ姿ではわからない。最近会ったような気がしたが、どこで会ったかも思い出せない。
しかし気になる。5年間ウィーンで暮らし5ヶ月前に帰国した彼女がこの国で「知り合い」と感じることのできる人は少ない。同年代くらいの女性だったが…
かずさは追いかけて確かめることにした。たとえ人違いだったとしても気乗りのしない帰宅よりはマシと感じていたからだった。
その女性はエスカレーターで2Fに上がり、「シアターモーラス」スタッフ出入り口の付近で立ち止まった。
かずさはもう一度その女性の顔を見て、やっと彼女が誰であったか思い出した。
帰国して間もないころ、ピアニストかずさに「ファッションについて」というインタビューを求めてきた不躾な女性記者…確か板倉とかいう名前だった。
「なぁんだ…」
どちらかと言うとあまり会いたくない人物である。かずさは軽く肩を落とした。すぐ立ち去ろうかとも考えたが…
彼女と会った時の記憶がよみがえる。いろいろと神経質になっていた時期にわけのわからない取材を求められ怒りを覚えたかずさは手にあったバッグを投げつけて逃げ出した。財布や携帯まで全て入ったバッグを…
何も考えず駆け出し、気がつくと迷子になってしまったかずさであったが、春希に助けられ事無きを得た。なお、投げつけたバッグはこの女性記者が律義に冬馬曜子オフィスまで届けてくれていた。
今から思い起こせば赤面ものである。しかも、その後この板倉とかいう女性記者にお礼もお詫びもしていない。当時の自分自身はそれどころではなかったし、今からお礼なりお詫びをするとしても完全に時期を逸しているが…
「『ごめん』、くらい言っておくか」
このまま知らんふりをして帰っても同じくらい気まずい思いが残る。
ならば、また少々無遠慮な取材を食らうことになったとしても、謝意を伝えてすっきりした方がいいとかずさは考えた。
「すいません。記者の板倉さん…ですよね」
「え、…ええっ!」
話しかけられた女性記者板倉は驚き、当惑した。
なにせ目の前にいるのは冬馬かずさ。数か月前には取りつくしまもなかった人物の方から話しかけられれば面くらうのも当然だった。
かずさはかまわず、たどたどしく謝罪の言葉を口にする。
「この前はごめんなさい。いや、あの時はちょっと気が立ってたっていうか…その…」
板倉記者は困った。
相手は今をときめく話題の美人女性ピアニスト。ここは謝罪を受けつつ、うまくすり寄って取材に持ち込めたら僥倖である。
しかし今日は別の取材相手の出待ち中で、タイミングが悪かった。
『なんでこんなタイミングでこんなチャンスが…』
しかし、二兎を追う者一兎を得ず。ここは当面の取材を優先すべき。
少し待ってと板倉記者が言いかけたその時だった。
「あれ? 冬馬かずささんじゃないですか?」
そう言ってスタッフ出入り口のドアを開けて出てきたのは、板倉記者の本日の取材のターゲット。
劇団コーネックス二百三十度の新人女優、瀬ノ内晶、本名和泉千晶であった。
「あ、瀬ノ内さん。今日は…」
板倉記者が口を開いたところを、すかさず千晶は自分のセリフを重ねてつぶす。
千晶はいつもこの手でこの小うるさい雑誌記者をはぐらかしていた。舞台の間の取り方を逆用したワザである。
「ああ、冬馬さん。わたし。クラス別だったけど学年同じだったよ。でも覚えてないよね。瀬能千晶っていうんだけど」
突然見知らぬ学友に話しかけられ、今度は冬馬が泡を食う。
「え、ええ?」
かまわず千晶は続ける。
「ひょっとして、今の舞台見ていた? ごめんごめん、全然気付かなかった」
そういう千晶の顔は悪戯を見つけられた少年のものだった。だが、その目はひそかにかずさの反応を注意深く見ている。
「あ、いや、今日は別件で…」
その答えを聞き、千晶は軽い舌うちとともにぼやいた。
「やっぱりか…、ちぇ。春希も雪菜もチケット渡したのに見に来なかったし…」
そのつぶやきは誰にも聞きとれないほど小さかった。しかし、ピアニストであるかずさの耳にははっきりと聞こえた。
「…春希たちの知り合い?」
かずさの声のトーンが微妙に変わったのを千晶は聞き逃さない。
「うん、春希とは何度か寝たよ」
「…っ!」
「わたしはベッドで春希は床で」
「………」
からかわれたことに気付いたかずさは凶悪な目つきで千晶を睨む。しかし千晶は気押されることなく、飄逸な口調をやめない。
「ごめんごめん、ゆるしてちょんまげぇ〜…って」
かずさから、けして許すまじとばかりの怒りのオーラが立ち上る。
千晶はその様子をひととおり観察し終わるや、カバンから何かを取り出し、両手を前で組んで言った。
「まぁ、おわびといっちゃあなんだけど…『かずさぁ、明日ヒマ?』」
その言葉に、かずさは不意をうたれる。
急になれなれしく名前で呼ばれたことに対してではない。
その声色、口調、しぐさがまるで…かずさの不倶戴天の親友のまさにそれであったから。
「???っ…あ、ああ…」
かずさは思わず肯定の返事を返してしまった。
「『よかったぁ。じゃ、絶対絶対来てよね。…来てくれないとちょっとだけ傷ついちゃうかもなぁ…』」
そう言って、千晶はかずさの手に強引にチケットを2枚握らせる。
その際の演技も完璧に『小木曽雪菜』のそれであった。
かずさは混乱のあまり何も反抗できずにチケットを受け取る。
「『じゃあ、見終わったらまたこの場所で会おうね』」
「…あ、うん…」
かずさは呆気にとられ、こくりとうなずくばかりであった。
その後の事はかずさはよく覚えていない。
たしか、瀬能千晶と名乗るあの新人女優は板倉記者にもチケットを渡して去っていった。
板倉記者からはいろいろと質問されたが、何も答えられなかった。
ただ、一緒に翌日の舞台を見に行く約束だけして別れた。
自分と峰城大付の同学年ということだが、もちろん覚えはない。
『春希』と『雪菜』を名前で呼ぶあの人物は何者? ただの大学とかの同窓生?
あの時見せた演技は何? ただのモノマネ上手?
いろいろ考えたけど埒があくはずもない。
かずさは考えるのをやめた。明日、あの瀬能千晶という女に直接聞けばわかることだ。
寝床に転がりながら眺めた、シーリングライトに透けるそのチケットには「5/13(木) シアターモーラス 劇団コーネックス二百三十度『届かない恋』」と印刷されていた。
<目次>/<前話>/<次話>
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