ソフトヤミ金とは、従来の非合法の高金利で貸し付け、暴力的に取り立てる「ヤミ金融業者」に代わり、それよりも金利がやや低く、取り立てもマイルドなヤミ金業者のことをいいます。定義と言うものはいまだに定まっておりませんが、概ね以下のどちらかと言われているようです。
- 無登録で違法金利を取る点においては従来のヤミ金融業者と違いはありませんが、いわゆるグレーゾーン金利よりは少し高いものではあるものの、従来のヤミ金のような一般の消費者金融の数十倍・数百倍と言うようなものではありません。せいぜいが消費者金融の2倍〜4倍程度に収まるような金利で貸し付けをします。
- 従来のような目立った脅迫行為を行うことはありません。親切丁寧に借り入れ困窮者の相談に乗ってくれ、働き口を紹介したりと言うような形で信頼関係を築くため、警察への届け出も少ないのが現状です。
2010年6月に完全施行され、貸金業法の規制強化の影響から消費者金融の審査が厳しくなり、消費金融の審査に落ちた人が、従来のいわゆるヤミ金業者ではなくソフトヤミ金に流れているようです。そのため、正規業者から借りられない無職者や自営業者が増えており、顧客には困っていないため、執拗な取り立てをする必要はないのです。
また、最近増加傾向にあるのが、友人同士を紹介させて顧客を増やしていくという手法です。「ソフト闇金は金利こそ高いが、即借り入れ可能で怖い人たちじゃない」と友人を誘います。
返済が滞れば、ソフト闇金業者は本人ではなく、利息分だけでも支払うように友人たちを促し、「相談に乗ってやってくれ」などと背中を押させます。本人にとっては、〈友人に迷惑をかけたくない〉という気持ちもあり、「利息分だけなら」と、業者に違法利息分を渡してしまうのです。
さらに、返済能力がない借り手が自己破産や債務整理などを口に出せば、「友人たちにも迷惑がかかる」と思い込ませます。もちろんその場合は、グループ会社を紹介し、同じように高率な金利で貸し付けを行なっていきます。
要するに、ソフト闇金業者の旨みは元本の早期取り立てではなく、高額利息の長期にわたる徴収なのです。顧客リストから苦労して電話をかけ続ける必要もなく、取り立ても自分たちが直接手を下さず友人間で行なわせればよいのです。そのため、暴力や脅迫などで警察へ通報されるという危険性も少ないのです。
ソフトヤミ金は市民生活にまで浸透しており、主婦でも気軽に借りられる雰囲気であるため問題は深刻化しています。
.