グレーゾーン金利の撤廃により、消費者金融の審査が厳しくなり、消費者金融で
融資を断られた者がヤミ金融に手を出すことが懸念されています。ただ、これまで
多重債務者が消費者金融への利払いのためにヤミ金融に手を出したり、消費者金融を利用できない自己破産者がヤミ金融に手を出すというケースがほとんどだったので、上限金利引下げにより一時的にはヤミ金融が増えても、中長期的には多重債務者や自己破産者の減少により、ヤミ金融は減少するという説もあります。
2005年(平成17年)1月27日の福岡高裁判決(平成16年(ネ)第752号事件)を初めとする下級審判例にて、
ヤミ金の貸付契約は公序良俗に反して無効とされました。
さらに、平成20年6月10日最高裁判例(平成19(受)569号事件)により、ヤミ金による貸付金は民法708条の不法原因給付であり、被害者からヤミ金への損害賠償請求では、貸付金を利益相殺しないことが確定しました。この二つの判例により、実質的に闇金融から借りた金は、元金も含めて返済する必要がなくなった事を意味します。
2007年(平成19年)1月20日より改正貸金業法により闇金の刑事罰が従前の「5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金又はその併科」から「10年以下の懲役又は3000万円以下の罰金又はその併科」(貸金3条1項,同47条1項)に引き上げられ、恐喝の罪と同等以上となりました。また、各都道府県警察の悪質金融事犯取締本部の取締強化で、2007年の検挙件数は484件(前年比50%増)となり、闇金は成り立たなくなってきているという意見もあります。
闇金融業者は自らが違法行為を行っている認識はあるため、取立ての電話があった場合、会話を録音した上で、逆に事務所の所在地や代表者の名前等を尋ねたり、警察への通報を匂わせると、それ以後の取立てはとまる場合が多いとする人もいます。なぜなら、それ以上の取立てや自己の所在地等が判明することは闇金業者自体に警察からの捜査が及びかねないこと、闇金業者の貸付が2、3万円程度の場合は、ある種の貸し倒れに対する「リスクヘッジ」ができているからというのがその理由です。