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gurugurian 2015年09月17日(木) 02:47:42履歴
「日本人へのヘイトスピーチ」と呼ばれるものの多くは「ヘイトスピーチ」に当てはまらない。また他国におけるヘイトスピーチの存在は、日本におけるヘイトスピーチを正当化・相殺化しない。
2014年8月、フリーライターの李信恵氏から名誉毀損で訴えられた桜井誠氏(在特会初代会長)がツイッターで以下のような発言をしています。
また、タレントのフィフィ氏も2014年に次のような発言をしています。
桜井・フィフィ両氏の発言に共通しているのは「日本人への/に対するヘイトスピーチ」という部分です。しかし、どちらの発言でも「日本人へのヘイトスピーチ」が具体的にどういうものを指すのか明らかにされていません。
ツイッターなどで「日本人へのヘイトスピーチ」という言葉で検索すると、おおむね次のようなものを指して「日本人へのヘイトスピーチ」と言われているようです。
(1)日本社会や日本の政治に対する批判・非難
(2)日本のいわゆる歴史問題(植民地支配の問題や慰安婦問題、関東大震災時における朝鮮人虐殺など)に対する批判的言及
(3)在特会などによるヘイトスピーチへの批判・抗議
(4)主に韓国などで見られる「反日」的言動
(1)(2)(3)について、これらを「日本人へのヘイトスピーチ」というのは間違っています。
(1)について言えば、たとえば韓国の社会・政治を批判すること自体は「韓国人へのヘイトスピーチ」ではありません(※注1)。
(2)も同様です。たとえばドイツにおける負の歴史(ユダヤ人等に対するホロコーストなど)について批判することは「ドイツ人に対するヘイトスピーチ」にはなりません(※注2)。
(3)については論外でしょう。KKKに対する抗議や批判を「アメリカ(もしくは白人)に対するヘイトスピーチ」と主張しているのと同じです。
ただし(4)については注意が必要かもしれません。日本で「韓国における反日」と呼ばれている言動の多くは、日本政府、あるいは過去の「日帝」時代、つまり朝鮮半島を植民地支配していた時代の「日本」に対する反発によるものが少なくありません。また、いわゆる反日デモで行われる表現やパフォーマンス(日の丸を毀損するなど)も、そのやり方が適切ではない、あるいは国家に対する侮辱だ、という批判は成り立つでしょうが、それをもって「日本人に対するヘイトスピーチ」と呼ぶのは「ヘイトスピーチ」という語を拡大解釈し過ぎでしょう。
もちろん、韓国において日本人に対するヘイトスピーチが皆無かと言えばそんなことはないかもしれません。ただ現在のところ、日本における在特会のような存在が在韓日本人に対して「出ていけ」「叩き出せ」「皆殺しにしろ」というようなあからさまなヘイトスピーチを白昼堂々と行う、というような事例が頻発するという事態にはなっていません。
そして、もし仮に韓国においてヘイトスピーチが多発・頻発していたとしても、それは日本におけるヘイトスピーチを正当化・相殺化する理由にはなりません。それは日本における外国人犯罪が外国での日本人犯罪を正当化しないのと同じことです。
【関連記事】きょばnote:日本人へのヘイトスピーチって何ですか
(※注1)ただし在特会などは「韓国(政府)を批判しているだけだ」と言いながら実際には「朝鮮人を叩き出せ」などといったヘイトスピーチを行っています。純粋?に韓国政府批判が目的ならば、そのようなヘイトスピーチを用いる必要はありません(実際、韓国が民主化する以前、軍事政権だった時代には日本でも韓国政府に対する批判や抗議が行われていましたが、そこで前述のようなヘイトスピーチが発せられることはまずありませんでした)。むしろ彼らの場合、ヘイトスピーチを正当化したいがために韓国政府批判を装っている、利用していると言った方が正しいでしょう。
(※注2)ただしたとえば、特にナチスを正当化したりネオナチへの支持を表明しているわけでもないドイツ人に対して、ドイツ人だという理由だけで「このナチ野郎」などと罵れば、これはヘイトスピーチになり得ます。
2014年8月、フリーライターの李信恵氏から名誉毀損で訴えられた桜井誠氏(在特会初代会長)がツイッターで以下のような発言をしています。
また、タレントのフィフィ氏も2014年に次のような発言をしています。
桜井・フィフィ両氏の発言に共通しているのは「日本人への/に対するヘイトスピーチ」という部分です。しかし、どちらの発言でも「日本人へのヘイトスピーチ」が具体的にどういうものを指すのか明らかにされていません。
ツイッターなどで「日本人へのヘイトスピーチ」という言葉で検索すると、おおむね次のようなものを指して「日本人へのヘイトスピーチ」と言われているようです。
(1)日本社会や日本の政治に対する批判・非難
(2)日本のいわゆる歴史問題(植民地支配の問題や慰安婦問題、関東大震災時における朝鮮人虐殺など)に対する批判的言及
(3)在特会などによるヘイトスピーチへの批判・抗議
(4)主に韓国などで見られる「反日」的言動
(1)(2)(3)について、これらを「日本人へのヘイトスピーチ」というのは間違っています。
(1)について言えば、たとえば韓国の社会・政治を批判すること自体は「韓国人へのヘイトスピーチ」ではありません(※注1)。
(2)も同様です。たとえばドイツにおける負の歴史(ユダヤ人等に対するホロコーストなど)について批判することは「ドイツ人に対するヘイトスピーチ」にはなりません(※注2)。
(3)については論外でしょう。KKKに対する抗議や批判を「アメリカ(もしくは白人)に対するヘイトスピーチ」と主張しているのと同じです。
ただし(4)については注意が必要かもしれません。日本で「韓国における反日」と呼ばれている言動の多くは、日本政府、あるいは過去の「日帝」時代、つまり朝鮮半島を植民地支配していた時代の「日本」に対する反発によるものが少なくありません。また、いわゆる反日デモで行われる表現やパフォーマンス(日の丸を毀損するなど)も、そのやり方が適切ではない、あるいは国家に対する侮辱だ、という批判は成り立つでしょうが、それをもって「日本人に対するヘイトスピーチ」と呼ぶのは「ヘイトスピーチ」という語を拡大解釈し過ぎでしょう。
もちろん、韓国において日本人に対するヘイトスピーチが皆無かと言えばそんなことはないかもしれません。ただ現在のところ、日本における在特会のような存在が在韓日本人に対して「出ていけ」「叩き出せ」「皆殺しにしろ」というようなあからさまなヘイトスピーチを白昼堂々と行う、というような事例が頻発するという事態にはなっていません。
そして、もし仮に韓国においてヘイトスピーチが多発・頻発していたとしても、それは日本におけるヘイトスピーチを正当化・相殺化する理由にはなりません。それは日本における外国人犯罪が外国での日本人犯罪を正当化しないのと同じことです。
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(※注1)ただし在特会などは「韓国(政府)を批判しているだけだ」と言いながら実際には「朝鮮人を叩き出せ」などといったヘイトスピーチを行っています。純粋?に韓国政府批判が目的ならば、そのようなヘイトスピーチを用いる必要はありません(実際、韓国が民主化する以前、軍事政権だった時代には日本でも韓国政府に対する批判や抗議が行われていましたが、そこで前述のようなヘイトスピーチが発せられることはまずありませんでした)。むしろ彼らの場合、ヘイトスピーチを正当化したいがために韓国政府批判を装っている、利用していると言った方が正しいでしょう。
(※注2)ただしたとえば、特にナチスを正当化したりネオナチへの支持を表明しているわけでもないドイツ人に対して、ドイツ人だという理由だけで「このナチ野郎」などと罵れば、これはヘイトスピーチになり得ます。
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