差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

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池田信夫という人がいます。経歴を見ると経済学者・大学教授とのことです。この池田氏が最近在日コリアンについての文章(在日はなぜ帰化しないのか)を発表しましたが、その内容があまりにトンデモない、ということで話題になりました。

池田信夫さんのブログ:在日はなぜ帰化しないのか の嘘 - Togetterまとめ

ある程度在日コリアンの歴史に詳しい人が読めば、それがいかにデタラメであるかすぐ分かるシロモノですが、これが無名の一般人ではなく、著名な学者によるものというのが驚きでもあり、また現在の日本の在日コリアンに対する無理解を如実に表しているとも言えるでしょう。

そこで当サイトでも池田氏の文章を「添削」すると共に、若干の批評をしてみたいと思います。

まずこの「在日はなぜ帰化しないのか」という表題に問題があります。池田氏に限らず「在日コリアン=帰化しない(したがらない)」というイメージを持つ人が少なくありませんが、在日が日本に帰化したがらないのは?でも触れているように、実際にはかなりの割合の在日コリアンが毎年日本国籍を取得しています。

もちろん一方で、「帰化しない」在日コリアンも多数存在しますが、その理由は様々で、一様ではありません(これについては「帰化」すること/しないことを参照のこと)。池田氏の文章の問題は、事実誤認による記述はもちろんですが、「在日とは」と在日コリアンの多様性を無視した決めつけをしている点にあると言えるでしょう。

慰安婦問題はもう終わったが、

「終わった」と思うのは池田氏の勝手ですが、残念ながらまだ終わってなどいません。日本政府は2014年7月に国連人権委員会から元慰安婦への謝罪・賠償などを勧告されています。もし本当に「終わっ」ているなら、わざわざクマラスワミ報告の訂正を求める必要などないはずです(※注1)

それを生んだ日韓の歴史問題は解決しない。基本的な事実認識がまだ共有されていないので、補足しておこう。在特会が在日の特別永住資格を「在日特権」と呼ぶのは、それなりに理由があるが、その理由は誤っている。
韓国の公式史観では、大韓民国の建国は1948年ではなく、1919年に上海でできた「大韓民国臨時政府」という亡命政権である。彼らは日韓併合の前から抗日戦争を戦い続けて、1945年の「光復節」で勝利したことになっている。日系ブラジル人の「勝ち組」のようなものだ。

終戦のとき、当時の朝鮮半島は連合国の信託統治になり、1948年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国ができた。彼らはサンフランシスコ条約のとき、戦勝国に入れろと主張したが、連合国はそれを認めなかった。

彼らは韓国籍か日本国籍を選ぶことができたが、日本国籍を選ばなかった在日は不法滞在という形になった。このため選挙権・被選挙権がないが、それ以外の権利は「特別永住者」として認められるようになった。これを「在日特権」というのはナンセンスだが、彼らに選挙権を与えろという主張もおかしい。帰化すれば、日本国民としての権利は与えられるからである。

なぜ在日は帰化しないのだろうか。「敗戦のとき日本国籍を自動的に与えなかったのは不当だ」というのが彼らの主張だが、サンフランシスコ条約のとき、戦勝国だと思っていた韓国政府は、在日はすべて日本国籍を離脱するのが当然だと主張した。その後、帰国できない在日の人々が「やっぱり日本人のほうがいい」と言い始めたのだ。

だから日韓がいつまでももめる原因は、韓国のゆがんだ歴史観にある。戦時下の朝鮮人は日本人だったので、在日は日本国籍を取ればよかったのだが、韓国は日本国籍を否定したのだ。その後も、在日のコミュニティの中では帰化は裏切り者とみなされ、日本で生活できなくなるため、彼らは帰化しないでコリアタウンに固まって住んできた。

そのあげく、在日はみんな日本軍に「強制連行」されたという神話をつくって在日を被害者に仕立て上げ、それが嘘だとわかると、90年代に「慰安婦」が出てきた。この経緯は複雑で、韓国の歴史には書いてないし、日本人は関心をもっていない。その結果として「在日特権」の批判と「強制連行」への贖罪が対立しているが、どっちも誤りなのだ。

追記:正確にいうと、サンフランシスコ条約ですべての在日が「朝鮮籍」になり、日韓条約で韓国籍になった。彼らの「国籍が剥奪された」というのは誤りで、日韓政府の合意で一律に国籍を喪失した。

(※注1)
こうした日本政府の行動が無駄(どころか、日本に対する信頼を失墜させるだけ)であることについては慰安婦問題FAQ朝日新聞が強制連行は捏造だと認めた?の項を参照のこと。

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