差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

「嫌韓」の主張

京都の朝鮮学校は50年に渡り公園を不法占拠していた。

反論

そのような事実はない。

2009年12月9日、京都朝鮮第一初級学校(小学校に相当)に「在日特権を許さない市民の会」メンバーらが押し寄せ、「北朝鮮のスパイ養成機関、朝鮮学校を日本から叩き出せ!」「こんなものは学校ではない!」「キムチ臭い」などと拡声器を使い罵詈雑言を浴びせた他、学校が運動場として利用していたスピーカーや朝礼台を取り外し、サッカーゴールを引き倒すという事件がありました。


事件当日学校側が撮影した映像

(※ショッキングな内容です。閲覧にはご注意下さい)





この事件では中心的なメンバー4人が懲役1~2年、執行猶予4年の有罪判決を受け、また民事裁判では在特会側に1200万円余りの賠償金が命じられました(この民事裁判については2014年12月9日、最高裁が在特会側の上告を棄却し、一審の京都地裁判決、二審の大阪高裁判決が確定しました)。


この襲撃事件の口実として言われたのが、「京都朝鮮学校が公園を不法占拠していた」という主張です。在特会側の刑が確定した後も、こうした主張をもって在特会側の行為を正当化したり、そこまでいかずとも「朝鮮学校側にも非難されるべき点があった」という意見が存在します。しかし、こうした主張は事実ではありません。

京都朝鮮第一初級学校による公園使用の経緯


京都朝鮮第一初級学校が開校したのは1960年のことでした。学校の敷地には運動場がなかったため、当時ほとんど整備されていなかった勧進橋公園を
運動場代わりに利用していました。ちなみにこうした例は珍しいことではなく、現在でも京都市には公園を運動場代わりに使用する小中学校があります。


1963年、京都市の公園整備が進む中、朝鮮学校と京都市、近隣の自治体連合会の三者で話し合いの場が設けられました。そこで公園に金網を設置し、南側に児童遊具を起き、従来朝鮮学校が使用していた部分は継続して利用しても良いとする協定が結ばれました。京都市は襲撃事件後、「記録が残っていない」と説明しましたが、この金網は京都市が設置したものです。また、この公園で開かれた記念式典には京都市や市の教育委員会の代表者も出席しています。もし仮に、朝鮮学校側が京都市に何の断りもなく運動場を使用し続けていたのが事実だったとすれば、京都市側の対応はあまりにもあまりにずさんで無責任ということになります。


また、前述のように公園には学校側によって朝礼台やゴールポストが設置されましたが、ゴールポストは朝鮮学校の児童以外の子どもたちにも利用されていましたし、また学校側はバザーなどで得た収益で公園に鉄棒やブランコを寄贈し、京都市から感謝状が贈られています。こうした事実を前にしてなお「不法占拠だ」と言い張るのは、偏見と差別意識に理性を曇らされている人だけでしょう。


なお、2010年8月31日, 京都朝鮮第一初級学校校長が都市公園法違反の罪で略式起訴され、罰金10万円が言い渡されました。このことをもって「在特会側が正しかった」あるいは「朝鮮学校側にも非があった」という意見があります。しかしこれは2009年6月5日から同年12月4日までの間、京都市の許可を得ないでサッカーゴールや朝礼台、スピーカーを設置していた(正確には、京都市からの撤去要望に応じなかった)ことが罪に問われたもので「50年間の不法占拠」ということではありません。この撤去要望は阪神高速道路の延伸工事に伴うものでしたが、京都市と公団が学校側に説明に訪れたのは着工直前のことでした。普段授業で使っているものを突然撤去せよと言うのは学校側の都合を無視した、あまりに無茶な話です。しかも学校側の証言によれば、検察側は校長に、在特会の矛先をかわすために略式起訴に応じるよう求め、応じないなら「こっちとしてはどうとでもできる」などと脅しめいたことまで口にしたと言います(※注1)。おそらく一方の味方と見られて非難されることを恐れた検察が「喧嘩両成敗」的な決着に持ち込もうとしたと思われます。その狙い通り、刑事・民事の判決後にもなお朝鮮学校側に非があるかのような主張が見られるのは、「お見事」としか言いようがありません。


この朝鮮学校襲撃事件についての裁判で実行犯が裁かれ、民事裁判でも高額の賠償金を言い渡された事実は、日本のヘイトスピーチ・ヘイトクライム問題を考える上では画期的なものです。しかしこの事件により、学校の児童や保護者、教員など関係者が心に深い傷を負い、また裁判においても多大な負担を強いられたこと、そしてその負担を強いたのは在特会のみならず、朝鮮学校に対する弾圧・抑圧政策や、それを支える日本社会の無理解や差別意識でもあったということもまた、記憶されなければならないでしょう(※注2)


(※注1)
はやく仕事しろ>俺:朝鮮学校いやがらせ事件における公園使用の経過(弁護団第三準備書面より)


(※注2)
なお、朝鮮学校の歴史については朝鮮学校FAQ朝鮮学校年表を参照のこと。


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