[藍子]
はぁ、はぁ……茜ちゃん、いったいどこへ……。
[未央]
いやぁー、あかねちんの体力は、すごすぎる……。
あっ、もしかして……あそこかな?
[茜]
あの!悩める青年というのは、あなたですかっ!?
私、アイドルの日野茜ですっ!!
[学生]
あっ、あっ、茜さん!
そうっす。自分っす。自分、悩んでるっす!
[未央]
あかねちーん。
カメラマンさん追いついてないから、待って〜。
[藍子]
はぁ、はぁ、……ようやく、追いついた……はぁ。
[スタッフA]
カメラ、回ってます〜。
[未央]
はい、おっけい!
キミが悩んでる青年?
[学生]
あっ、あっ、未央さん!
そうっす。自分っす。自分、悩んでるっす!
[藍子]
どんなことに、悩んでいるんですか?
あと、未央ちゃんと茜ちゃん、どっちに相談したいかも、
教えてくださいねっ。
[学生]
あっ、はいっ。うっす。
あの、自分、茜さんにお聞きしたいんっすけど。
[茜]
はい!なんでしょうか!
難しいことでないと、ありがたいです!
[学生]
あっ、はい。自分、高二なんっすけど。柔道やってまして。
で、進路で悩んでるんっす。スポーツ続けるか、辞めるか、
未だ決まってないんっす。どうしたら、いいんっすかね。
[茜]
なるほどー。
どうしたら、いいんでしょうねー……。
[未央]
うーん、あかねちんはさ、アイドルになったのはなんでなんだっけ?
[藍子]
そういえば、ちゃんと聞いたこと、なかったですよね。
[茜]
へ?アイドルになった理由ですか?
うーん……なんででしたっけ?勢い?
[未央]
がくっ。
[藍子]
あらっ。
[茜]
かつてとあるスターは言いました!
考えるな、感じろ!と!
[未央]
ほうほう?
[茜]
アイドルにならない道は、いつでも選べます!
アイドルになったとしても、いつだって辞められるでしょう!
[藍子]
辞めちゃったら、寂しいけど……そうだね。
[茜]
でも、アイドルを始めるチャンスは、
プロデューサーとの出会いのタイミングでしか、
訪れないでしょう!そう感じたから、掴みました!
[未央]
ほほう?
[茜]
私も、ラグビー部のマネージャーをしていましたから、
部活にかける情熱は分かります!今しかない青春を
かけるにふさわしい貴重な時間が、そこにはあります!
[学生]
うっす。
[茜]
だから、その青春が輝いていたのなら、続ければいいんです。
進路のせいで、好きなものを、辞める必要はありません!
[茜]
でも、チャンスの女神は前髪しかないそうです。
最初に掴まず、やっぱり振り返って掴もうとしても、
後ろ髪がないから、掴めないと。そう、教わりました。
[茜]
だから、えーと……。
だんだん何が言いたいか分からなくなってきましたが……。
[藍子]
輝いているなら、辞める必要はないけど……。
[未央]
次のチャンスはつかんだ方がいいってこと、だよね?
[茜]
そう、そうです!それに、好きなものは増やせばいいんです。
以前の私はラグビーとプロレスがすきでしたが、
今はアイドルも好きです。勢いで選んだ道でしたが、好きです。
[茜]
それに、好きなものとの関わり方は、いろいろあります!
アイドルが好きでLIVEへ行く人もいれば、プロデューサーに
転職する人もいますし、アイドルになってしまう人もいます!
[茜]
スポーツだって、金メダルを目指すだけが道ではないでしょう。
町のスポーツ教室の先生になって、子どもたちに教えたっていい。
なので……好きな未来を選んでください!
[茜]
あなた自身の手で、掴んでください!
やらない後悔より、やっちゃってください!
私からは、以上です!!
[学生]
うっす。……うっす!
自分、まだわかんねぇっすけど……後悔はしねぇっす!!
[茜]
これからも、頑張ってくださいねーーーーっ!!!!
[スタッフA]
はい、OKでーす。
[藍子]
これにて、一件落着、ですね♪
茜ちゃんらしいエールで、ちょっと感動しちゃった。
[未央]
うん。
……あかねちんの意外な一面、見られて、よかったなぁ。
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第5話