あにまん掲示板の各種スレッドに掲載されているR-18小説を保管するためのwikiです。

×
第1章

静かな朝焼けが村を包む中、エリスはステラと共に馬車に揺られていた。
風が金色の髪を優しく撫で、首にかけられたロザリオが陽光を反射してキラキラと輝く。
今回の依頼は、近隣で目撃された悪魔の討伐。
太陽の使者の力を宿すエリスにとって、この任務は決して難題ではないはずだった。
隣に座るステラが、いつものように笑顔で物資の袋を整えながらエリスに声をかける。
「エリス姉様、今回はすぐに終わるかもね!」
エリスも優しく微笑んだ。
「そうだね、ステラ。早く終わらせてみんなに笑顔を届けよう。」

村に到着すると、村の代表らしき老人が二人を出迎えた。
皺深い顔には不安が刻まれ、声は震えながらも丁寧にエリスを代表の家へと案内する。
一方、ステラは「村で怪我人が出ているので、救護をお願いできるか」と頼まれ、「はい、すぐに手配します!」と元気よく応じて外へと向かった。
エリスは代表の後を追い、石造りの古い家屋に足を踏み入れる。
どこか異様な空気が漂っているような気もしたが、早く村の人達を救いたいという一心から違和感を飲み込み、先へ進んだ。

代表の部屋に入ったエリスは、テーブルの前に立ち、穏やかに尋ねた。
「代表、最近の悪魔の出現について詳しく教えていただけますか?被害状況や特徴があれば…」
言葉を続ける前に、背後で重い音が響き、扉がガチャリと閉まった。
驚いて振り返ると、老人が不気味な笑みを浮かべ、部屋の奥から黒いローブをまとった男たちがぞろぞろと現れた。
数にして十人以上。
エリスの心臓が一瞬で高鳴り、状況を理解する間もなく、男たちは彼女を取り囲んだ。

「何!?何が起こってるの!?」
エリスが叫ぶ間もなく、男たちの手が彼女の腕を掴み、力強く引き寄せた。
コートの裾が乱れ、長い髪が顔に絡まる。
困惑と恐怖で声が震えながらも、彼女は抵抗を試みた。
「離して!何をする気!?」
だが、男たちの力は圧倒的で、聖具に手を伸ばす暇も与えられなかった。
突然、背後から一人の男が布を手に持ち、エリスの口元を強く押さえつけた。
甘ったるい匂いが鼻腔を満たし、視界が急速にぼやけていく。
「ステラ…無事でいて…」
呟きが途切れ、意識が闇に飲み込まれた。


第2章

薄暗い部屋に漂う冷気の中、エリスの意識が朦朧と戻った。
身体は重く、両腕を鎖で吊るされたまま動かせない。
目の前で蠢く影が次第に形を成し、黒いローブに身を包んだ男たちが彼女を取り囲んだ。
村人のはずの彼らの目は異様に濁り、欲望と狂気が混じり合った光を放っている。
エリスの心は恐怖で締め付けられ、唇が震えながらも声を出した。
「何…何をする気!?」
だが、答えはなく、男たちの手が容赦なく彼女に伸びた。

荒々しい指先がエリスの緑がかったコートを掴み、力任せに引き裂いた。
布が裂ける音が部屋に響き渡り、彼女の白い肌が露わになる。
次にターゲットとなったのはブラウスで、ボタンが弾け飛び、華奢な肩と柔らかな曲線が男たちの視線に晒された。
下着姿にまで剥がされたエリスは、羞恥で頬を染め、目を固く閉じた。
「やめて…お願い…」
声は小さく震え、抵抗する力はすでに奪われていた。
男たちは無言で動き続け、彼女の最後の防壁である下着にも手をかけた。
薄い布が剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿にされ、エリスの全身が屈辱で慄えた。
「なぜ…こんなことを…!」
涙がこぼれ落ち、問う声も虚しく響くだけだった。

その時、部屋の奥から重い足音が近づき、禍々しい雰囲気をまとった老爺が現れた。
彼の手には黒光りする壺が握られ、表面には不気味な模様が刻まれている。
老爺の目は深い闇を宿し、エリスを見つめるだけで背筋が凍るようだった。
男たちが一歩下がり、老爺が前に進む。
壺の蓋が開かれ、粘つく液体が空気に混じり、異様な臭いを放った。
老爺は無表情でその液体を手に取り、エリスの白い肌に塗り始める。
冷たくて重い感触が胸に触れた瞬間、「んっ…!」と小さな喘ぎが漏れ、彼女の身体がわずかに震えた。
腹部へと滑る手がさらに液体を塗り広げ、「はっ…やめ…」と弱々しい声が途切れる。
太ももに達した時、エリスは羞恥と恐怖で息を詰まらせ、「あっ…何…」と掠れた声で呻いた。

塗られた肌はみるみるうちに艶やかさを増し、異様なツヤを帯び始めた。
エリスはそれに気づき、胸騒ぎを覚える。
液体から発せられる邪悪な力が、彼女の聖なる力を侵食するようで、肌が熱を帯びていく。
「この力…何!?」
心の中で叫びながらも、老爺の手は止まらず、全身を覆うように液体を塗りたくった。
鎖に縛られた腕が微かに震え、胸の膨らみが液体で濡れて光沢を帯びるたび、「んんっ…!」と抑えきれない吐息が漏れる。
液体が背中を這うと、「はぁ…っ」と背を反らせ、太腿の内側まで届くと「や…あっ…」と掠れた声が部屋に響いた。

液体が全身に塗り終わる頃、エリスの口から扇情的な吐息が溢れ出した。
苦しげに胸を波打たせ、汗と液体の混じった肌が妖しく輝く。
「はぁ…んっ…あっ…」
荒々しい呼吸が続き、鎖が軋む音と共に身体が微かに揺れた。
彼女の長い髪が乱れ、顔を紅潮させたその姿は、屈辱と異様な魅力が交錯する光景だった。

彼女はまだ知らない。
この行為が、彼女に悪魔の子を産ませる儀式の前準備に他ならないということを。


第3章

薄暗い部屋に響く鎖の軋む音の中、エリスの身体はすでに異様な液体で妖しく輝いていた。
恐怖と屈辱に震えながらも、彼女の意識は朦朧としている。
そこへ、新たな影がゆっくりと近づいてきた。
痩せぎすの男だ。
顔は青白く、目は異様な光を放ち、まるで獲物を吟味するような視線でエリスを見つめた。
男の手には何も持たず、ただその長い指先が不気味に動いている。
エリスはかすれた声で呟いた。
「何…まだ何をする気なの…?」

男は無言でエリスの前に跪き、彼女の華奢な肩に手を置いた。
冷たい指先が触れた瞬間、エリスは「ひっ…!」と小さく声を上げ、身体を硬直させた。
男の手はゆっくりと肩から首筋へと滑り、まるで柔らかな陶器を扱うような繊細さで撫で回した。
首の横を指が這うたび、エリスの唇から「んっ…あっ…」と抑えきれない吐息が漏れ、首筋が熱を帯びていくのが分かった。
男の指はさらに鎖骨へと下がり、くぼみをなぞるように円を描く。
「や…そこ…んんっ…」エリスは羞恥に顔を赤らめ、目を固く閉じたが、身体は正直に反応し、微かに震えが走った。

次に男の手は胸へと移動した。
すでに液体で艶めく膨らみを、指先がそっと包み込むように触れる。
柔らかな頂点を軽く押し潰すと、エリスは「はぁっ…!やめて…っ」と声を上げ、鎖がガシャリと鳴った。
男は無表情で手を動かし続け、円を描くように揉みしだきながら、頂点を指で弾く。
「あっ…!んんっ…だめ…!」
エリスの声は甘く掠れ、胸が上下するたびに汗と液体が混じり合って滴り落ちた。
彼女の身体は、次第に熱を帯び、抵抗する力が溶けていく。

男の手はさらに下へ、滑らかな腹部へと移った。
平坦で柔らかなその部分を、指先がゆっくりとなぞる。
臍の周りを円を描くように刺激されると、エリスは「ん…はぁ…そこ…変な感じ…」と呻き、身体がビクンと跳ねた。
男の指は執拗に動き続け、腹部の敏感な部分を押し込むようにマッサージした。
エリスの呼吸が乱れ、吐息が熱を帯びていく。
「はぁ…んっ…何…これ…」
彼女の声は甘く蕩け、身体が男の手に委ねられるように弛緩していった。

そして、男の手は下腹部へと移動し、太ももの内側へと滑り込んだ。
エリスの最も秘められた部分に指先が触れた瞬間、彼女の身体が激しく跳ねた。
「あっ…!そこ…だめ…!」
男の指は容赦なく陰部を弄り始めた。
敏感な突起を軽く摘まみ、指先で円を描くように擦ると、エリスの唇から「んんっ…!やめて…あっ…!」と切なげな喘ぎが溢れた。
男はさらに指を滑らせ、柔らかな花弁をそっと広げて内側をなぞった。
「はぁ…!だめ…そこ…感じちゃう…!」
エリスの声は羞恥と快感が入り混じり、太ももが小刻みに震えた。
すでに濡れ始めたそこは、男の指に反応してさらに熱を帯び、彼女の意識を蕩けさせていった。

男の手は下腹部、ちょうど子宮が位置する場所へと到達した。
適度な力で指先で押した瞬間、エリスは「あぁっ…!そこ…だめぇ…!」と一際大きな声を上げ、蕩けた顔で身体を仰け反らせた。
男の指が深く押し込むたび、彼女の身体がビクビクと震え、絶頂が訪れる。
「はぁっ…!あっ…あぁん…!」
鎖が激しく鳴り響き、エリスの目には涙が浮かび、頬は紅潮していた。
だが、男は止まらない。
子宮を外から刺激しながら、もう片方の手で下部へと指を滑り込ませ、激しく手マンを始めた。

「あっ…!や…やめて…!あぁっ…!」
エリスの叫びはすぐに甘い喘ぎに変わり、男の指が動くたびに身体が跳ねた。
湿った音が部屋に響き、彼女の身体は快感の波に飲み込まれる。
「んんっ…!だめ…また…!あぁん…!」
何度も絶頂に達し、エリスの意識は快楽に塗りつぶされていく。
男の目的は明らかだった。
彼女の性感を解放し、身体が孕む準備を整えるための行為だ。

最後に、エリスの身体は限界を迎えた。
男たちの前で、彼女は耐えきれずに小水を垂れ流しながら深く絶頂した。
「あぁ…!もう…だめぇ…!いやぁ…!」
身体が激しく痙攣し、鎖が悲鳴のような音を立てる。
透明な液体が太ももを伝い、床に滴り落ちるその姿は、聖女としての尊厳を完全に奪われた痴態そのものだった。
エリスの顔は真っ赤に染まり、涙と汗で濡れた頬が屈辱に震えた。
「見ないで…お願い…こんな姿…!」
彼女の声は嗚咽に変わり、男たちの嘲笑が部屋に響き渡る。
だが、その身体は完全に孕む準備が整っていた。


第4章

薄暗い部屋の中で、エリスの身体はすでに屈辱と快楽に塗れ、抵抗する力を失っていた。
男たちが彼女の鎖を外し、冷たい床に下ろすと、新たな衣装が手渡された。
儀式用の装束であるベビードールは、透ける白い生地に黒いレースがあしらわれ、邪悪な儀式を象徴する淫靡なデザインだった。
無理やり着せられると、布は彼女の肌にぴたりと張り付き、艶かしい曲線を強調する。
エリスは羞恥に震え、掠れた声で呟いた。
「こんなもの…儀式に…着たくない…」

だが、彼女の抗議は無視され、部屋の中央に連れ出された。
そこに新たな男たちが現れる。
最初は若い青年。瘦せた体躯ながらも目には狂気が宿り、唇には下卑た笑みが浮かんでいる。
次に筋肉質な男。鍛え上げられた肉体が威圧感を放ち、腕の筋肉が膨張している。
最後に太った巨漢。汗ばんだ肌と圧倒的な体格が、エリスに絶望的な恐怖を与えた。

最初に動いたのは若い青年だった。
彼はエリスの背後に回り込み、彼女の腰を掴んで無理やり四つん這いの姿勢にさせた。
儀式用の装束の裾が捲れ上がり、露わになった白い臀部に青年の手が伸びる。
「やめて…お願い…!」
エリスの懇願も虚しく、青年は己の欲望を剥き出しにし、バックの体位で彼女を貫く。
純潔が奪われた瞬間だった。
「あぁっ…!いや…!」
鋭い痛みが下腹部を突き抜け、エリスの心は絶望に染まった。
血が太ももを伝い、床に滴る。
「私の…純潔が…こんな…!」
涙が溢れ、嗚咽が漏れる中、青年は容赦なく腰を動かした。
彼女の内壁を擦るたび、「んっ…!あっ…やめて…!」と悲痛な喘ぎが響き、身体が前後に揺さぶられた。
青年の動きは執拗で、彼女の抵抗を完全に無視し、ついに熱い脈動とともに射精した。
「あぁ…!そんな…!」
エリスの心は純潔を失った動揺と、聖女としての誇りを穢された絶望で打ち砕かれていた。

青年が満足して離れると、次に筋肉質な男が前に進み出た。
彼はエリスの華奢な身体を軽々と抱え上げ、駅弁の体位で彼女を固定した。
鍛えられた腕で彼女の太ももをがっちりと掴み、まるで玩具のように扱う。
「離して…もう…だめ…!」
エリスの声は弱々しく、すでに疲弊していた。
だが、男は無言で己を彼女の中に沈め、力強い腰使いで責め立て始めた。
「あぁん…!激し…あっ…!」
男の動きは圧倒的で、彼女の身体を激しく揺さぶり、容赦なく突き上げる。
子宮の奥まで届く衝撃に、エリスの身体は快楽に屈し、「んんっ…!また…イっちゃう…!あぁっ…!」と何度も絶頂に達した。
男の力強い腕に抱えられ、宙に浮いたままひたすら犯される彼女の姿は、まるで壊れかけの人形のようだ。
汗と涙が混じり合い、儀式用の装束は乱れて彼女の胸を露わにし、ついに男は深く突き刺さるように射精した。
「はぁ…!熱い…!」
快楽に歪む顔が男の欲望をさらに煽った。

最後に太った巨漢が近づいてきた。
エリスはすでに力尽きており、床に倒れ込むように横たわっていた。
巨漢はその巨体で彼女を押し潰し、種付けプレスの体位で覆い被さった。
圧倒的な体重がエリスの身体を押し潰し、息さえも満足にできない。
「重い…やめて…もう…!」
彼女の声は途切れがちで、ただ嗚咽が漏れるだけだった。
巨漢は汗ばんだ手で彼女の腰を固定し、己を深く沈めた。
「あぁ…!壊れる…!んんっ…!」
巨漢の動きは鈍重だが、子宮を押し潰すような圧迫感が彼女を徹底的に蹂躙した。
彼女の内壁を抉るたび、「はぁ…!あっ…だめ…おかしくなっちゃう…!」と喘ぎ声が響き、エリスの意識は完全に雌としての本能に塗りつぶされた。
巨漢の重さに耐えながら、彼女の身体は快楽と屈辱の中で壊され、聖女としての尊厳は完全に失われる。
巨漢もまた、深く突き刺さるように射精し、エリスの体内に熱を注ぎ込んだ。

これで終わると思った矢先、今度は青年が再びエリスに欲望を突き立てる。
太った巨漢が終われば若い青年、若い青年が終われば筋肉質な男、筋肉質な男が終われば太った巨漢。
彼らはエリスを代わる代わる犯し続ける。
彼女の身体はすでに限界を超え、儀式用の装束はボロボロに引き裂かれ、汗と体液にまみれていた。
三人の男たちによる行為で、エリスの胎内ではすでに新たな生命が宿り始めていた。
彼女の意識は朦朧とし、かつての聖女の面影は完全に消え去っていた。


第5章

薄暗い監禁部屋に閉じ込められたエリスは、冷たい石の床に座り込んでいた。
彼女の体内には新たな生命が宿り、儀式が次の段階へと進む兆しが見え始めていた。
儀式用の装束はボロボロに破れ、肌にはまだ液体の残滓が光沢を放つ。
彼女の心は恐怖と混乱に支配されていたが、最も気にかかるのはステラの安否だった。
「ステラ…無事でいて…」
掠れた声で呟き、鎖に繋がれた手で腹を押さえる。
胎内に感じる異様な脈動が、彼女をますます不安にさせた。

---

村の外れ、駆けるステラの姿があった。
カスピテルに変身した彼女は、傷だらけの身体で悪魔信仰者たちから逃げていた。
彼女もまた、エリスと同じタイミングで襲われていたのだ。
幸い開けた場所であったことや、エリスに差し向けられた人員よりも少なかったことから、最悪の結果は免れた。
だが状況は芳しくなかった。
聖水が循環する大槍を振り回し、敵を払うが、肩と太ももに受けた傷から血が流れ、足取りは重い。
「エリス姉様…どこに…!」
息を切らしながら呟き、村を探索しては敵に気づかれ、交戦を繰り返していた。
信仰者たちの罠に嵌まり、彼女の力も限界に近づいていたが、エリスを見つける決意だけは揺るがなかった。

---

エリスの監禁部屋。
そこに痩せぎすの男が現れ、彼女の前に跪いていた。
男の手がエリスの胸に伸び、儀式用の装束を乱暴にずらす。
胎内に生命を宿した影響と、塗られた液体の力で、彼女の胸はふた回りほど大きくなっていた。
柔らかく膨らんだその部分からは、母乳が滲み出し、滴り落ちる。
男の指が胸を掴み、ゆっくりとマッサージを始めると、エリスは「んっ…やめ…んんっ!」と小さく喘いだ。
数日間にわたり重点的に開発された胸は、異様に敏感になっていた。
男が指で頂点を軽く押すと、「あぁっ…!出ちゃう…!」と声を上げ、母乳がほとばしる。
白い液体が男の手を濡らし、床に飛び散るたび、エリスの身体がビクンと反応した。
「はぁ…んっ…だめ…敏感すぎて…!」
胸を揉まれるたびに母乳が溢れ、彼女の喘ぎ声は部屋に響き渡った。
屈辱と快感が入り混じり、彼女の心はますます追い詰められていった。

一週間が過ぎ、儀式は次の段階へと突入した。
エリスの身体は変化を続け、胎内の生命がさらに力を増す。
監禁部屋の空気は重くなり、彼女の運命が新たな闇へと引き込まれていく気配が漂っていた。
ステラの姿はまだ遠く、救いの手は届かないままだった。

第6章

監禁部屋の重い扉が開き、エリスは再び男たちに引きずり出された。
彼女の身体はすでに疲弊しきっており、抵抗する力はほとんど残っていなかった。
男たちは彼女に新たな儀装束を着せ始めた。
扇情的なその装束は、黒と赤を基調とした透ける薄布で、胸元と腰回りを強調するようにレースが施され、まるで彼女の尊厳を完全に奪うための衣装だった。
布は肌に張り付き、大きく膨らんだ胸や下腹部の膨らみを隠すどころか、逆に際立たせ、エリスは羞恥に顔を歪めた。
「こんな…恥ずかしい…着たくない…」
掠れた声で呟くも、男たちの無表情な手は止まらない。

儀装束を纏わされたエリスは、儀式の間へと連れていかれた。
広大な部屋にはすでに多くの村人たちが集結しており、壁際に並んで異様な熱狂を帯びた目で彼女を見つめていた。
部屋の中央には禍々しい雰囲気を醸す魔方陣が描かれ、六つの不気味な肉塊が円形に配置されている。
肉塊からは生臭い臭いが漂い、表面が脈打つように蠢いていた。
魔方陣の中央には太い柱がそびえ、その表面にも不気味な模様が刻まれていた。
エリスはその光景に身を震わせ、恐怖が全身を支配する。
「何…これ…いや…!」
彼女の声は小さく、ただ震えるばかりだった。

男たちは無言でエリスを魔方陣の中央へと強引に引きずり、柱にもたれるように彼女を立たせた。
手枷が柱の上部に繋がれ、両腕が頭上高く引き上げられた。
足枷も床に固定され、四肢を広げられた状態で柱に縛り付けられる。
鎖がガシャリと鳴り、魔方陣の中央から動けなくなったエリスは、絶望的な表情で周囲を見回した。
「やめて…お願い…こんなこと…!」
だが、彼女の懇願は無視され、部屋の雰囲気がさらに重苦しくなった。

やがて、黒いローブをまとった祈祷師たちが魔方陣の周囲に立ち、呪文を唱え始めた。
低く響く声が部屋に反響し、魔方陣が妖しい赤紫の光を放ち始める。
光は脈動するように点滅し、中央の柱にもたれかかるエリスの身体を照らし出した。
すると、彼女の身体が突然熱を帯び、まるで内側から何かが蠢くような感覚が襲ってきた。
「あっ…!何…これ…!」
エリスは身悶えし、鎖が激しく鳴り響いた。

魔方陣の力が強まるにつれ、エリスの身体は制御できない快感と苦痛が入り混じった感覚に支配された。
儀装束の薄布越しに、膨らんだ胸が上下し、母乳が滲み出して滴り落ちる。
「はぁ…!んんっ…!熱い…!」
彼女の声は喘ぎに変わり、身体がビクビクと震えた。
胎内の生命が反応するように脈動し、下腹部が疼く感覚に耐えきれず、太ももが無意識に擦れ合った。
「あぁ…!だめ…何か…くる…!」
魔方陣の光がさらに強まり、彼女の肌が汗と母乳で濡れ、光を反射して妖しく輝いた。
柱に繋がれた手足がガシャガシャと動き、身体をよじるたびに儀装束が乱れ、胸や太ももが露わになる。
エリスの目は涙で濡れ、頬は紅潮し、快楽と恐怖に歪んだ表情が部屋に響き渡った。
「やめて…!もう…耐えられない…!あぁん…!」
彼女の叫びは呪文の響きに掻き消され、魔方陣の中心で身悶える姿は、儀式のさらなる深淵へと引き込まれていった。

やがて、呪文が頂点に達すると、魔方陣から放たれた光がエリスの下腹部に集中し、激しい熱と痛みとともに、彼女の肌に淫紋が刻まれた。
赤黒い模様が広がり、胎内の生命と結びつくように脈動し始める。
エリスは「んっ…!あぁ…!」と呻き、身体を硬直させながらその変化に耐えた。
淫紋は儀式の証であり、彼女の運命を完全に悪魔の手に委ねた瞬間だった。

第7章

魔方陣の中心で柱に繋がれたエリスは、淫紋が刻まれた下腹部から放たれる熱に耐えていた。
部屋の空気が一層重くなり、祈祷師たちの呪文が頂点に達した瞬間、異変が起こる。
魔方陣の周囲に配置されていた六つの不気味な肉塊が、まるで生き物のように脈動を強め始めたのだ。
次第にその形が歪み、粘つく触手へと変貌していく。
黒と赤に染まった触手は、濡れた表面から生臭い汁を滴らせ、エリスを取り囲むように蠢いた。

エリスの瞳が恐怖で大きく見開かれ、「いや…!やめて…!」と叫ぶ。
その瞬間、六本の触手が一斉に彼女に襲いかかった。
一本の触手が彼女の腕に絡みつき、細い手首を締め上げる。
もう一本は太ももを這い上がり、儀装束を裂きながら白い肌に食い込んだ。
「あぁっ…!離して…やめて…!」
エリスの声は絶望に震え、身体が柱に押し付けられた状態で揺さぶられた。
触手は冷たく粘り気があり、彼女の胸に巻き付き、膨らんだ乳房を締め上げる。
母乳が溢れ出し、触手の表面を濡らし、「んんっ…!だめ…そこ…!」と喘ぎが漏れた。
別の触手が首筋を這い、耳元まで達すると、彼女の息が乱れ、「はぁ…!やめて…お願い…!」と弱々しい声が響いた。

さらに一本の触手が彼女の顔に近づき、唇を無理やりこじ開ける。
粘つく触手が口内に侵入し、舌を絡め取るように動いた。
「んぐっ…!うぅ…!」
エリスは息苦しさに目を潤ませ、口内で触手が蠢く感覚に耐えきれず、喉からくぐもった呻きが漏れた。
触手は彼女の口腔を蹂躙し、唾液と混じった汁が顎を伝って滴り落ちる。
彼女の顔は羞恥と苦痛で歪み、「んっ…!はぁ…!」と息を詰まらせながらも抵抗できないままだった。

触手はさらに執拗に動き、彼女の下腹部に絡みついた。
淫紋が光るその部分を、触手がねっとりと擦り、熱を帯びた肌をさらに刺激する。
「あっ…!熱い…やめて…!」
エリスの身体はビクビクと震え、快感と恐怖が入り混じった表情が歪んだ。
触手は彼女の内腿を広げ、秘部に近づき、粘つく先端でそっと触れた瞬間、「あぁん…!いや…そこは…!」と叫びが部屋に響いた。
触手は容赦なく彼女の内側に侵入し、濡れた音を立てながら奥深くまで進む。
エリスの腰が跳ね、「んっ…!あぁ…!だめ…!」と喘ぎが止まらなくなり、身体が柱に擦れて赤く染まった。

これらの肉塊の正体は、受肉に失敗した悪魔のなれの果て。
憑依された生物が耐えきれず、肉塊と化してしまった残骸が、儀式の力で触手として蘇ったのだ。
触手はエリスの全身を蹂躙し続け、彼女の抵抗を完全に無視して欲望を満たした。
胸を締め付けられたままのエリスは、母乳が触手に吸い取られる感覚に「はぁ…!いや…!」と呻き、快楽に溺れていった。

そして、すべての触手が一斉にエリスの陰部に殺到した。粘つく先端が競うように彼女の中へ潜り込み、胎内に深く侵入する。
「あぁっ…!いや…!やめて…!」
エリスの叫びは悲痛で、身体が激しく痙攣した。
触手は胎児と融合し始め、彼女の内側で異様な脈動が強まった。
赤子が強大な力を持つ悪魔へと変貌し、エリスの胎内を侵食していく。
「んんっ…!あぁ…!何か…!嫌…っ!嫌あぁぁ…!」
彼女の声は快楽と苦痛に塗れ、淫紋がさらに輝きを増した。
触手はすべて彼女の体内に吸収され、エリスは悪魔の母胎と化してしまった。
彼女の身体は震え続け、下腹部が膨張し、今にも悪魔が産まれそうな気配を漂わせる。
胎内の脈動が激しくなり、彼女の喘ぎ声が部屋に響き渡った。


第8章

魔方陣の中心で柱に繋がれたエリスは、胎内の脈動が限界を迎えていた。
下腹部が激しく膨張し、今にも何かが産まれようとする気配が漂う。
直後、鋭い痛みが彼女を襲い、出産が始まった。
「あぁぁぁっ…!痛い…!いやぁぁぁ…!死んじゃう…!」
エリスの壮絶な絶叫が儀式の間に轟き、身体がビクビクと痙攣した。
想像を絶する痛みに、彼女の目は涙で溢れ、汗と母乳が混じり合って床に滴り落ちる。
鎖がガシャガシャと鳴り、柱に縛られた手足が力なく震えた。
「だめぇ…!裂ける…!あぁぁぁぁ…!助けて…!」
絶叫は嗄れ、喉が裂けるような叫び声が部屋を震わせ、苦痛と恐怖が極限まで高まった。

痛みが波のように押し寄せる中、エリスの陰部から黒い影が覗き始めた。
悪魔の仔の頭だ。
異形の角を持つその頭部は、濡れた音とともに少しずつ姿を現す。
「いやぁ…!出てくる…!やめてぇぇ…!あぁぁぁっ…!」
エリスの絶叫はさらに激しさを増し、身体が仰け反った。
儀装束はすでにボロボロに破れ、彼女の肌が汗と血で濡れている。
胎内の生命が彼女を内側から押し広げ、痛みと圧迫感に耐えきれず、彼女の意識は朦朧としていった。

その時、儀式の間の扉が勢いよく開き、満身創痍のカスピテルが乱入した。
大槍を手に、傷だらけの身体で立ち尽くす彼女は、エリスの姿を見て叫んだ。
「エリス姉様…!」
だが、その声はすぐに戦いの喧騒に掻き消された。
部屋にいた悪魔信仰者たちが一斉にカスピテルに襲いかかり、交戦が始まった。
カスピテルは聖水が循環する大槍を振り回し、信仰者たちを次々と薙ぎ払う。
血と叫び声が響き合い、部屋は混乱に包まれた。

一方、エリスは戦いの音を耳にしながらも、絶叫を続けていた。
「あぁぁぁ…!もう…だめぇぇ…!痛い…!いやぁぁぁ…!助けてぇ…!」
彼女の声は嗄れ、喉が裂けるほどの叫びが止まらず、身体が限界を超えた。
悪魔の仔は徐々に胎内から這い出てくる。
頭部に続き、肩、そして小さな腕が現れ、3対の禍々しい翼を生やした赤子の姿が明らかになった。
黒い鱗に覆われ、翼が濡れた床に擦れる音が響く。
エリスの下腹部は極限まで広がり、血と体液が床に広がった。
「出て…くる…!あぁぁぁぁ…!やめてぇ…!」
彼女の身体は限界を超え、ただ痛みに耐えることしかできなかった。

カスピテルは最後の信仰者を倒し、息を切らしながら魔方陣の中心へと駆け寄った。
だが、その目の前で、エリスが悪魔の仔を完全に産み落とした。
3対の翼を広げた赤子が、濡れた音とともに床に滑り落ち、異様な泣き声を上げる。
黒い鱗と禍々しい翼が揺れ、悪魔の威圧感を放つその姿は、異形そのものだった。
悪魔の仔が産まれた瞬間、魔方陣と柱が塵のように崩れ始さった。

エリスと悪魔の仔は、臍の緒で繋がれたまま。
赤黒く変色したその緒は、腐臭を放ち、太く脈打つように蠢いていた。
エリスの腹部から伸びる臍の緒は、眼前の赤子との繋がりをありありと示している。
「こんな…繋がり…!」
エリスは力尽きたように柱にもたれかかり、喘ぎながらも涙を流した。
カスピテルは呆然と立ち尽くし、目の前の光景に言葉を失った。
儀式の間は静寂に包まれ、悪魔の仔の泣き声だけが響き続けた。


第9章

魔方陣の塵と化した空間に、エリスは柱の残骸にもたれかかり、か細い呼吸を繰り返していた。
彼女の胸は浅く上下し、汗と血にまみれた身体は既に限界を超えている。
臍の緒で繋がれた悪魔の仔は、3対の禍々しい翼を広げ、異様な泣き声を上げながらエリスの傍らに蹲っていた。
その姿は、かつての聖女を母とする異形の存在として、部屋に重苦しい空気を漂わせていた。

カスピテルは傷だらけの手で大槍を握り締め、距離を置いて立ち尽くした。
彼女の心は絶望と葛藤で揺れていた。
「もっと早く…私が来ていれば…」
自分が遅すぎた後悔が胸を締め付け、涙が頬を伝った。
臍の緒でエリスと悪魔の仔が繋がっていることは、2人が親子であることを意味する。
呪われた存在、許されない存在であろうと、エリスの子に手を下すことがどれほど辛い決断か。
カスピテルは大槍を握る手が震え、「姉様の…子を…私が…」と声を詰まらせた。
だが、エクソシスターとしての使命が彼女を突き動かす。
悪魔の仔が放つ禍々しい力は、村を、そして世界を脅かす。
葛藤の果て、彼女は決意を固めた。
「ごめんなさい…姉様…でも、これは私がやらなきゃ…!」と呟き、大槍を構えた。

大槍を振り上げ、悪魔の仔を貫こうとした瞬間、赤子の3対の翼が一斉に動き、カスピテルを強烈な衝撃で迎撃した。
「ぐっ…!?」
彼女は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
3対の翼には、それぞれ肉塊だった悪魔の力が宿っており、黒い鱗が光を反射しながら鋭い刃のように変形していた。
カスピテルは咳き込みながらも立ち上がり、神速の力を解放した。
彼女の身体が一瞬で光に包まれ、風を切り裂くような速度で悪魔の仔に迫った。

戦闘が始まった。
カスピテルの大槍が光を放ち、鋭い一撃を放つが、悪魔の仔は3対の翼を自在に変異させて応戦。
一対の翼は盾のように硬化し、攻撃を弾き返した。
もう一対は鞭のように伸び、カスピテルの足元を絡め取ろうとする。
「くっ…!」
彼女は身を翻し、聖水を振りまいて翼を焼き払った。
第三の翼は鋭い爪に変形し、彼女の肩をかすめ、血が飛び散った。
カスピテルは痛みに顔を歪めながらも、速度を上げて反撃。
彼女の大槍が翼を切り裂き、黒い肉片が宙を舞った。

悪魔の仔は咆哮を上げ、3対の翼を螺旋状の刃へと変化させた。
翼が回転し、風圧でカスピテルを押し戻す。
「この…!」
彼女は地面を蹴り、空中で体勢を整え、聖水を集中させて一閃を放つ。
刃が翼に当たり、火花が散るが、悪魔の仔はさらに力を増し、翼を鞭と盾の両方として使い分けた。
カスピテルは息を切らしながらも、隙を突いて大槍を振り下ろすが、悪魔の仔の翼がそれを弾き返し、衝撃で彼女の手が震えた。

戦闘の激しさが増す中、カスピテルの大槍が限界を迎えた。
悪魔の仔の翼が強烈な一撃を加え、聖水の刃が軋む音とともに折れる。
「がっ…!?」
大槍の破片が床に落ち、彼女は膝をついた。
3対の翼はさらに禍々しく変形し、悪魔の仔がカスピテルへの蹂躙を始める。
鋭い刃が彼女の腕を切り裂き、鞭が身体を締め付ける。
「あっ…!」
カスピテルの悲鳴が上がり、血が床に広がる中、戦いの終わりが近づいていた。


第10章

悪魔の仔の3対の翼がカスピテルを容赦なく蹂躙し始めた。
鋭い刃に変形した翼が彼女の肩を深く切り裂き、血が噴き出して床に広がる。
「あぁっ…!」
カスピテルの悲鳴が部屋に響き、鞭のように伸びた翼が彼女の腹部を激しく打ち据える。
彼女の身体が宙に浮き、壁に叩きつけられるたび、コンクリートが砕け散った。
もう一対の翼は爪を伸ばし、彼女の太ももを掴み、肉を抉るように引き裂いた。
血と汗にまみれたカスピテルは、「ぐっ…!まだ…!」と歯を食いしばる。
だが、力強い一撃が彼女の背中を打ち、骨が軋む音が響いた。
3対の翼が同時に動き、彼女の四肢を絡め取り、宙で吊るしたまま容赦なく打ち据える。
彼女の聖なる鎧はボロボロに破れ、血が滴り落ち、息も絶え絶えに喘ぐ姿は、もはやこれ以上の戦いが無意味であることをありありと示していた。

その光景を目にしたエリスは、か細い呼吸の中、絶望に打ちのめされる。
ステラが自分の産んだ仔によって傷つき、命を奪われかけている現実が、彼女の心を抉った。
「やめて…!逃げて…!」
掠れた声で呟き、涙が頬を伝う。
彼女の瞳は恐怖と悲しみに染まり、臍の緒で繋がれた悪魔の仔を見つめることができなかった。
だが、身体は動かず、ただ柱の残骸にもたれかかるしかなかった。

カスピテルはついに限界を迎え、聖なる力が尽きた。
彼女の身体が光を失い、ステラへと変身が解除される。
傷だらけの少女が床に崩れ落ち、息を切らしながらもエリスを見つめた。
その瞬間、悪魔の仔の翼が再び動き、ステラを壁に叩きつけた。
「あ゛あっ!」
コンクリートの壁が砕け、彼女の小さな身体が無残に跳ね返り、血が飛び散った。
「ステラ…!」
エリスの叫びが部屋に響き、彼女は必死に動こうとした。

エリスは目の前の臍の緒に手を伸ばし、引っ張った。
赤黒く脈打つその緒が軋み、悪魔の仔が一瞬動きを止める。
「やめて…!お母さんのいうことを聞いて…!」
彼女の声は嗄れ、涙が止まらない。
悪魔の仔はステラへの蹂躙をやめ、3対の翼を畳んでエリスに歩み寄った。
異様な足音が床を震わせ、その禍々しい瞳が母を見つめた。

ステラの目の前で、エリスは悪魔の仔に授乳を始めた。
彼女の胸は母乳で溢れ、儀装束の破れた部分から白い液体が滴り落ちる。
悪魔の仔は3対の翼を広げ、口を近づけると、鋭い牙で彼女の胸を軽く噛んだ。
「あっ…!」
エリスは痛みに喘ぎながらも、母性本能に逆らえず乳首を差し出した。
赤子の口が母乳を吸う音が部屋に響き、黒い鱗に覆われたその顔が白い液体で濡れる。
母乳が溢れ、彼女の胸を伝って腹部に流れ、淫紋が妖しく光った。
背徳的な光景は、聖女の純粋さと悪魔の汚濁が交錯する異様な美しさを放ち、エリスの表情は苦痛と屈辱に歪みながらも、どこか諦めたような静けさを帯びていた。
ステラは壁に寄りかかり、その光景を呆然と見つめるしかなかった。


第11章

ステラは壁に寄りかかり、エリスの授乳風景を目の当たりにしていた。
悪魔の仔が母乳を吸う姿、かつての聖女が異形の存在に乳を与える背徳的な光景に、彼女の心は果てしない絶望に飲み込まれた。
だが、その絶望の中で、ステラは自分を奮い立たせた。
「姉様…まだ…私が…!」
そう呟きながら、床に落ちていた大槍の破片を握り締めた。
鋭い破片が手に食い込み、血が滲むが、彼女の目は決意に燃えていた。

エリスは悪魔の仔に母乳を吸われながら、掠れた声でステラに告げた。
「ステラ…逃げて…お願い…!」
彼女の声は弱々しく、涙が頬を伝う。
だが、ステラは首を振った。
「姉様…いつも約束してるでしょ…一緒に生きて帰るの…絶対に…!」
その決意と共に、彼女の身体が再び光に包まれ、カスピテルへと変身した。
だが、変身は不完全で不安定なもの。
聖水の光も弱々しく、大槍はすでに破壊されている。
どう見ても悪魔の仔に戦って勝つことは不可能だった。

悪魔の仔はカスピテルの変身を察知し、エリスの乳房から口を離した。
母乳が滴り落ち、赤子の3対の禍々しい翼が広がり、カスピテルへと歩み始めた。
その瞬間、エリスから離れた悪魔の仔の隙を突き、カスピテルは手に持った大槍の破片で、エリスと悪魔の仔を繋ぐ臍の緒を切断した。
「姉様から離れなさい…!」
鋭い破片が赤黒い緒を切り裂き、腐臭と共に血が飛び散る。
悪魔の仔が咆哮を上げ、翼が一斉に動き出した。

カスピテルは素早くエリスを抱き抱え、脱出を試みる。
彼女の腕の中で、エリスはか細い呼吸を繰り返し、意識が朦朧としていた。
「ステラ…ごめん…」と呟く声がかすかに聞こえる。
脱出の途中、悪魔の仔の攻撃が何度もカスピテルを襲った。
翼が鞭のように伸び、彼女の背中を切り裂き、血が飛び散る。
「ぐっ…!」
さらに別の翼が刃に変形し、肩を抉る。
「あぐっ!」
それでもカスピテルは歯を食いしばり、エリスをしっかりと抱えたまま走り続けた。
もう一撃が彼女の足を掠め、よろめきながらも、彼女は神速の力を行使して儀式の間の出口へと突き進んだ。

悪魔の仔の咆哮が背後で響き、翼がさらなる攻撃を仕掛けるが、カスピテルはその場からエリス共々脱出することに成功した。
彼女の身体は血と傷にまみれ、不安定な変身が解けかけていたが、エリスを抱えた腕だけは決して緩まなかった。
儀式の間を抜け出し、闇の中へと二人は消えていった。


第12章

ステラはエリスを抱え、不完全な神速の力を使って儀式の間からできる限り遠くへ離脱を図った。
彼女の身体はすでに限界を迎えていたが、血と傷にまみれた腕でエリスをしっかりと抱きながら、森の中を駆け抜ける。
足元がふらつき、息が上がる中、ステラは必死に走り続けた。
「姉様…絶対に…助ける…!」
掠れた声で呟き、背後から響く悪魔の仔の咆哮を振り切るように進んだ。

だが、ついに終わりの時が来た。
ステラの膝がガクンと折れ、その場に倒れ込む。
森の地面に転がり、血が土に滲む。
彼女の意識が遠のき、不完全な変身が完全に解けてしまった。
エリスはステラの腕から滑り落ち、冷たい地面に横たわった。
「ステラ…!ステラ、起きて…!」
エリスは必死に呼びかけた。彼女の声は嗄れ、涙が頬を伝う。
「ありがとう…本当に…ごめんね…いつも約束したよね、必ず一緒に帰るって…!」
エリスはステラの手を握り、感謝と謝罪、そして二人がいつも交わす約束を呟いた。
だが、ステラは目を覚まさない。彼女の呼吸は浅く、顔は青白く、傷だらけの身体は動かなかった。

時間が経ち、夜が明ける頃、朝焼けが森を優しく照らし始めた。
遠くから足音が近づき、他のエクソシスターたちがエリスとステラを発見した。
彼女たちは聖なる光を放つ装備を身にまとい、迅速に行動した。
「エリス!ステラ!」
リーダーの声が響き、エクソシスターたちは二人を慎重に担ぎ上げ、直ちに救出に向かった。
エリスの意識は朦朧としながらも、ステラの手を握る力がわずかに強まり、救いの光が彼女たちを包んだ。


第13章

数ヵ月が経ち、エリスは教会の施設で治療を受け、どうにか任務に復帰できるほどに回復していた。
だが、完全には癒えていない。
身体にはまだ傷跡が残り、胸はもとのサイズに戻らず、大きくなったままだった。
感度も敏感で、不意に何かが当たれば「んっ…」と小さな喘ぎが漏れるほど。
男に対しては深い恐怖心が湧き、毎夜悪夢に魘されて目を覚ました。
汗に濡れた身体でベッドから跳ね起き、「ステラ…!」と呟きながら涙を拭う日々が続いていた。

その日、エリスはステラの病室を訪れた。
白いカーテンが揺れる静かな部屋で、ステラは眠り続けている。
彼女はまだ意識を取り戻していなかった。
ベッドに横たわる彼女の顔は青白く、包帯に覆われた身体は微動だにしない。
エリスはステラの手をそっと握り、優しく語りかけた。
「ステラ…私は任務に戻るよ。まだ怖いけど…ステラの分まで頑張るから…だから、早く目を覚まして…」
彼女の声は震え、涙が一滴、ステラの手の甲に落ちた。
ステラの指がわずかに動いた気がしたが、それはエリスの錯覚だった。

病室を出た後、エリスは教会の司令室で一つの報告を受けた。
報告を読み上げるシスターの声は重々しく、エリスの心を締め付けた。
「3対の翼を持った強大な悪魔が現れ、人々を脅かしています。村々は壊滅状態で、生存者の話では、異様な力を持つ赤子のような姿だと…」
エリスは報告書を握り潰し、身体が震えた。
あの悪魔の仔だと確信した瞬間、後悔と恐怖と怒りが胸に去来した。
自身の産んだ子が、今や人々を苦しめる怪物と化している。
だが、エリスは目を閉じ、深呼吸をして決意を固めた。
「私が…自らの手で…因縁に決着をつける…!」
彼女の声は静かながらも力強く、聖具を握る手が固く締められた。
過去の恐怖を乗り越え、エリスは新たな戦いへと踏み出す覚悟を決めたのだった。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

小説一覧

シチュエーション

【メニュー編集】

どなたでも編集できます