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軍貫マン

*今作は大人の都合によりリミットレギュレーションはマスターデュエルのものに準拠します



これはまだ、世界が4つに別れるまでの物語……ようなそうでもないようなナニか



「先日は見事な戦いぶりでしたわ、ルーナ・ライトさん」

放課後の無人の教室

荷物をまとめて帰ろうとしたルーナ・ライトの前に、一人の少女が立ちはだかった

陽光を浴びてきらめく銀髪に、仕立ての良い制服

絵に描いたようなお嬢様はこの学園の主席であり、『孤高の白銀姫』の異名を持つ銀城白姫だ

「レッドながらもアカデミアの強豪を相手になかなかでしたわよ。準優勝という結果は惜しかったですけれど、ワタクシが認めた1人の決闘者として、その健闘を称えて差し上げますわ。オーホッホ!」

ふふん、と胸を張って見下ろしてくる白姫にルーナはは小さく溜息をついた

「私になにか用か?」

「決まっていますわ。ワタクシとデュエルをしなさい!」

パチンと彼女が指を鳴らすとその腕に装備された特注である白銀のデュエルディスクがカチリと鋭い音を立てて刃状の拡張部が出現する

「しかし、ただのデュエルでは退屈ですわね。……そうですわ、賭け(アンティ)をしましょう!」

「賭け?」

ルーナが眉をひそめると、白姫は自信満々に人差し指を突きつけてきた

「もしワタクシが勝ったら! あなたはワタクシのお友達として、時々デュエルをしたり、我が家の最高級の紅茶を嗜むティータイムにお付き合いいただきますわ!」

「なるほど、アンティなのだろう?私が勝ったらお前は何を払う」

「その対価はあなたが時々ワタクシをデュエルに誘ったり、ティータイムに誘う権利をこのワタクシが直々に許可して差し上げますわ!オーホッホ、破格の条件ですわね!?」

「勝っても、負けても同じではないか……」

ルーナの複雑さの欠片もない思考回路は白姫がなぜそのような勝負を挑むかは理解することはなくすぐに考察をやめて決断を下す

「いいだろう。このデュエル、受けて立つ!」

ルーナはアカデミア1のデュエル脳であり座右の銘は誰が逃げるものか!みんなまとめてやっつけてやる!

彼女の辞書にデュエルから引くという選択はない

「話が早くて助かりますわ! では、我が美しき迷宮の恐ろしさ、骨の髄まで味わうが良いですわ!」

「「デュエル!!」」

いま、ここにルーナと白姫の友情の権利を賭けたデュエルが開始される

「行くぞ私のターン!月光金獅子を召喚して効果を発動!このカードが召喚・特殊召喚した場合デッキから月光金獅子以外の『ムーンライト』モンスター1体を手札に加えて、手札を1枚選んで捨てる。私は月光黄鼬を手札に加えて、加えた月光黄鼬を捨てる。そして墓地に捨てられた月光黄鼬の効果を発動。月光黄鼬は効果で墓地に送られた場合デッキから『ムーンライト』……」

「ルーナさん、ちょっとおまちになって」

「どうした?」

デュエルが開始されて早々に白姫は先攻展開を始めたルーナを静止した

「あの、ワタクシとしては一向に問題ないのですが……これ、このままあなたの先攻展開を事細かに描写していたら、読者様が本編に辿り着く前にブラウザを閉じてしまわなくて?ですのでもうちょっとコンパクトにしていただけると助かりますわ」

「なるほど、一理あるな。わかった。では仕切り直すぞ」

「「デュエル!!」」

いま再び、ここにルーナと白姫の友情の権利を賭けたデュエルが開始される

「行くぞ私のターン!金獅子ns金獅子ef黄鼬サーチ黄鼬捨黄鼬ef舞踏会サーチ舞踏会ef銀狗墓地銀狗ef彩雛ss彩雛efコスト黒羊金獅子ef黒羊バウンス黒羊ef融合サーチ融合ef……金色の咆哮を轟かす獅子よ!七色に変化する雛鳥よ!月の引力により渦巻きて、新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れ出でよ!月光の原野で香る艶やかなる野獣!月光舞香姫!」

質量を持ったリアルソリッドビジョンの月光金獅子と月光彩雛が渦の中で混ざり合うと紫を基調とした幻想的で華やかな舞姫が降り立つ

「漢字とアルファベットが入り乱れるとなんだか文字化けみたいですわね。最終盤面はターン終了後に明記しますからこの辺りは読み飛ばしても構いませんわよ」

「まだまだ行くぞチェーン1舞踏会チェーン2舞香姫月光香サーチ融合サルベージ翠鳥墓地翠鳥ef黒羊ss月光香ef彩雛ss彩efコスト舞獅子姫月光香ef手札コスト超逸融合虎サーチ虎ef金獅子ss舞香姫ef虎バウンス融合ef……月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王よ!月明かりに舞う獣たちよ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れ出でよ、月光の夜空を舞い統べる王の中の王!月光舞獅子神姫!」

「なんと力強く…そして美しい。これがあなたのエースモンスターですのね」

月光舞獅子姫として扱う月光彩雛を囲むように月光金獅子、月光黒羊、月光舞香姫が舞いを踊ると混ざり合い最強の月光モンスターが舞台に降り立つ

月光舞獅子姫(ムーンライト・ライガー・ダンサー)はグラマラスでスリムなシルエットを併せ持つ獣人

女性らしい曲線美と、肉感的な長い脚と細い腰によって優雅さとパワフルさを両立して際立たせたその美しさはまさに神の如し

顔は紫色の滑らかな肌で覆われ、鋭く細い黄金色の瞳が輝く

威圧的な視線を放なち、眉は細く吊り上がる

その佇まいは月光特有の長身によって175センチの白姫の1.5倍ほどの体躯も合わさり、自らがこの舞台の絶対的な主役であるという揺るぎない自信を抱いていることを窺わせる

百獣の王たるライオンを越えてネコ科最大のサイズを誇るライガーの名に違わぬ月光のエースに相応しい異様である

「だが、私のターンはまだ終わらない。チェーン1彩雛チェーン2黒羊金獅子サルベージ融合サルベージ金獅子虎ef彩雛ss彩雛efコスト舞獅子姫黄鼬ef虎バウンス彩雛黄鼬からブルホーンssブルホーンef素材彩雛狼サーチブルホーンからドランシアss虎ef彩雛ss彩雛efコスト黒羊狼ef金獅子ペンデュラムss彩雛金獅子から御影志士ss御影志士ef素材彩雛ニビルサーチドランシアef素材黄鼬虎破壊虎ef彩雛ss彩雛efコスト黒羊、彩雛御影志士でマスカレーナss」

長々と展開を続けたルーナはふぅっと息を吐くと最後の仕上げにかかる

「これで最後だ。私は魔法カード融合を発動!月光舞踏会の効果で墓地のモンスターを素材にできる私は墓地の月光金獅子と月光黒羊2体と月光舞獅子姫を素材にする!月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王よ!月明かりに舞う獣たちよ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れ出でよ、月光の夜空を舞い統べる王の中の王!月光舞獅子神姫!……そして月光狼をペンデュラム効果発動!墓地の月光金獅子、月光黄鼬、月光翠鳥、月光舞獅子姫を素材に融合する。月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王よ!月明かりに舞う獣たちよ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れ出でよ、月光の夜空を舞い統べる王の中の王!月光舞獅子神姫!私ははこれでターンエンドだ」

ルーナの連続融合によって月光舞獅子神姫(以下ライガーと呼称)が2体呼び出され、そのまえに融合したライガー合計3体となる

ライガーは攻撃力3800の2回攻撃に加えて、ムーンライトカード以外の効果を受けず、相手ターンでもEXデッキのムーンライトを1体墓地送くることで、相手の特殊召喚モンスターの全破壊が可能と耐性・火力・除去の三拍子が揃っている

そしてそんな強力な無比なライガーを複数用意できることが月光デッキの真骨頂である

さらに妨害はライガーだけにとどまらない

フィールドのには相手ターンでも表側表示のカードを破壊できる十二獣ドランシアと相手のメインフェイズで後続をリンク召喚できるI:Pマスカレーナ

墓地には月光融合モンスターと共に除外することで魔法、罠の発動を無効にできる月光銀狗

手札に御影志士で手札に加えた原始生命態ニビルに加えて最初の手札にあった灰流うららとドロール&ロックバードもあり、これらの妨害を掻い潜りながら3体のライガーダンサーを突破するのは至難の技である

しかし、月光デッキ……そしてなによりもライガーを信じる彼女に待ち受ける絶望の展開を現在のルーナは知る由もない

ルーナの盤面情報
LP

8000

手札 

・灰流うらら

・ドロール&ロックバード

・原始生命態ニビル

モンスターゾーン

・月光舞獅子神姫×3

・十二獣ドランシア(素材十二獣ブルホーン)

・I:Pマスカレーナ

魔法、罠ゾーン

・月光狼(pゾーン)

・月光舞踏会

墓地

・月光舞香姫

・月光銀狗

・月光彩雛

・融合

・超逸融合 

・御影志士

除外

・月光金獅子×2

・月光黒羊×2

・月光舞獅子姫×2 

・月光黄鼬 

・月光翠鳥 

・月光香

ex

・月光虎(表側)

・月光舞香姫×2

・月光舞剣虎姫

・No.60 刻不知のデュガレス

・S:Pリトルナイト

「さあ、ワタクシのターンですわ。ドロー!」

白姫は流麗な動作でカードを引き抜くと、不敵な笑みを浮かべたまま、一切のカードをプレイすることなく告げた

「ワタクシはメインフェイズの終了を宣言しますわ」

「なっ……!?」

何も展開せずにメインフェイズを終了

その行動が意味するものはルーナは知っている  

『拮抗勝負』の予兆に他ならない

ここで白姫にバトルフェイズに入られ、拮抗勝負を発動されれば、この最強の盤面はライガーの耐性さえもすり抜けてたった1枚のカードを残してすべて裏側で除外されてしまうだろう

(だが、私の墓地の『月光銀狗』によって罠である拮抗勝負を無効にできる。それにライガーは単騎でも十二分に強い。一体でも残れば問題はない……しかし、それは相手もわかっているはずだ。深淵の獣やD.D.クロウなどの墓地に干渉するカードで銀狗を封じて拮抗勝負を通すつもりか、それとも銀狗を使わせて通す別の本命が……)

ルーナは思考を張り巡らせ白姫の次の手を予測する

デュエルは強いカード使うだけで勝てるわけでも、運がよいだけで勝てるわけでもない

デュエリストにそれを扱う力がなければカードを真価を発揮できないのだ

筋道なき戦略に勝利などない

みんなまとめてやっつけると並ぶルーナの座右の銘である

(……決めた)

「ならば、私はお前がバトルに入る前にI:Pマスカレーナの効果を発動!このカードを含めたリンク召喚を行う。現れ出でよ闇夜を照らすサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター2体!I:Pマスカレーナと十二獣ドランシアをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2!S:Pリトルナイト!」

ルーナの発動の宣言と共にサーキットが出現し、マスカレーナとドランシアが横方向の矢印の中へ吸い込まれると中からリトルナイトが出現する

「I:Pマスカレーナの効果は相手ターンのメインフェイズのみ。ワタクシがバトルに入る前に効果を使ったのですわね」

「S:Pリトルナイトの効果発動!このカードが融合・S・X・Lモンスターのいずれかを素材としてL召喚した場合、自分か相手のフィールド・墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する」

「ワタクシのフィールドにも墓地にもカードが存在しないのにこの効果を!?あなたのカードが除外されますわよ……」

「それが目的だ。私が対象に取って除外するのは墓地の月光彩雛だ。そして除外されたことで月光彩雛の効果を発動!このターン、相手はバトルフェイズ中に効果を発動できない」

(拮抗勝負が発動できるのはバトルフェイズ終了時。これでこのターンは使えない)

ルーナの一手によって彼女が警戒していた拮抗勝負は使用不可になり、もうひとつの懸念である銀狗を温存することで使わせたあとに使うかもしれない本命の魔法、罠への備えを残るが、一方でドランシアは使わずリトルナイトの除外を彩雛に使用したため盤面に干渉する妨害は減る形となる

「あなたが動くのでしたら、ワタクシもメインフェイズを続行しますわ。白銀の城の召使い アリアーヌを召喚!」

感情豊かで明るくはきはきとしたラビュリンスの召使いアリアーヌがフィールドに現れる

「アリアーヌは通常罠カード1枚を墓地へ送ってデッキから アリアーヌ以外のレベル4以下の悪魔族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する効果がありますわ……使いませんけど」

白姫が効果の発動を……しないことを宣言するとアリアーヌは盛大にずっこける、一方でルーナは冷静にこの状況を分析する

(S:Pリトルナイトには相手の効果が発動した時、自分フィールドのモンスターを含むフィールドの表側表示モンスター2体を対象にして除外する効果があり、アリアーヌの攻撃力はリトルナイトよりも上、さらに特殊召喚されていないアリアーヌはライガーの効果では破壊できない。リトルナイトを戦闘破壊してから効果を使うつもりなのか?だが、だが戦闘をそこで行っては耐性を持つライガー3体の突破はほぼ不可能になるぞ)

「前のターンのあなたはエクストラデッキからモンスターを……モンスターを……何体出したかは存じあげませんが少なくとも2体以上は呼んでますわ」

白姫は指を折って数を数えようとしたがすぐにめんどくさくなり諦めた

「とにかく条件を満たしたのでこのカートが呼べますわ。白銀の城の召使い アリアーヌでオーバーレイ!1体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!歓迎なさい!厄災の星ティ・フォン!」

『アリアの出番これだけ!?』と言った様子のアリアーヌが渦に吸い込まれると神の名を冠する不遜な人類の反抗兵器『アーゼウス』を滅するために作られた悪魔が出現する

そして奇しくもティ・フォンと対峙するのは神の名を持つライガーであった

「この方法でティ・フォンを、特殊召喚したしたターン、ワタクシはモンスターを召喚・特殊召喚できませんわ。さらにティ・フォンは1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニット1つ取り除くことでフィールドのモンスター1体を手札に戻すことができますのよ……使いませんけど」

白姫が効果の発動を……しないことを宣言するとティ・フォンは盛大にずっこける

「そしてエクシーズ召喚したで厄災の星ティ・フォンがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに攻撃力3000以上のモンスターの効果を発動できませんわ」

「ぐっ、この効果はプレイヤーの発動行為そのものを封じる効果。よって効果に耐性があるライガーの効果も使えない……だが、攻撃力は2900。3800のライガーは倒せない」

「でしたら、他のモンスターを攻撃ですわ。バトル!厄災の星ティ・フォンでS:Pリトルナイトに攻撃ですわ!」

「ぐっ…」

ルーナ・ライト 
8000→6700

リトルナイトがティ・フォンによって戦闘で破壊されてルーナがダメージを受ける

「バトルを終了して、ワタクシは手札1枚と白銀の城の竜飾灯を墓地に送って効果を発動しますわ。デッキから『ウェルカム・ラビュリンス』をセット、さらにカードを1枚セットしてターンエンドですわ」

「ライガーの隙をついて私にダメージを与えるとはやるな」

「あなたこそ、2ま……いえ、なんでもありませんわ。忘れてくださいまし」

「なにか言いかけたようだがまあいい、私のターン、ドロー」

(引いたのはハーピィの羽箒か。これならセットカードを破壊できる)

「それではワタクシはトラップを発動。ウェルカム・ラビュリンス!デッキから『ラビュリンス』モンスター1体を特殊召喚しますわ」

「させるか手札から灰流うららを捨てて効果発動。ウェルカム・ラビュリンスを無効にする」

(セットカードが2枚あるなら、先にこちらを使い、銀狗はもう1枚に当てる)

「きぃー、うららですわ!いつもいつもワタクシを邪魔してナマイキですわー」

白姫は舌をべーっと出して挑発するうららを悔しそうに睨み付ける

「こほん…ですが、ただでは転びませんわよ。ワタクシはライフを半分払って墓地のウェルカム・ラビュリンスを対象にしてトラップカード、トランザクション・ロールバックを発動ですわ」

銀城白姫

8000→4000

「墓地から罠だと!?白銀の城の竜飾灯で墓地に送っていたのか……マズい、銀狗で発動を無効にできるのはフィールドの魔法、罠だけ、墓地で発動したカードは止められない」

「その通りですわ。トランザクション・ロールバックは対象にウェルカム・ラビュリンスと同じ効果になりますわ。さあ、歓迎なさい!ワタクシのエース!白銀の城のラビュリンスを特殊召喚ですわ!」

「出たか……だが、今は私のターン。ライガー3体による計6回の攻撃を受け止められるか!」

「止められませんわ。ですから、攻撃する前に転ばせるのですわ。トラップ発動『トラップトリック』。デッキから他の通常罠カード1枚を除外し、その同名カード1枚をデッキから自分フィールドにセットしますわ」

「させるか!墓地の月光銀狗の効果……」

「ルーナさんおまちを。白銀の城のラビュリンスの永続効果、自分の通常罠カードの発動に対して、相手はモンスターの効果を発動できませんわよ」

「なにっ!?これでは……止められない」

「ワタクシはデッキから『魔砲戦機ダルマ・カルマ』をセット。トラップトリックでセットされたカードはそのターンにも発動が可能。そのまま『魔砲戦機ダルマ・カルマ』を発動しますわ!」

大量の火器を装備した巨大なダルマがフィールドに出現すると白姫は背を向けて顔を隠す

「ダルマカルマはすべてのモンスターを裏側表示に変更する。さあ、行きますわよ。ダ〜ルマさんがこ〜ろんだ、ですわ!」

白姫が振り向いて顔を開くと、ダルマは全方位にむけて砲撃を放つ

白姫のフィールドのティ・フォンとラビュリンスはそれに合わせて身体を丸め、床へと伏せて砲火をやり過ごすように、完全にその姿を隠し、裏側守備表示への変更される

一方で、ルーナのフィールドに君臨する3体のライガーたちは違った

轟音を立てて迫る砲撃を前にしても、彼女たちは眉一つ動かすことはなく堂々と立ち尽くし、迫る爆風をその身に正面から受け止めたのだ

煙が晴れたフィールドには、傷一つなく冷徹な瞳を輝かせたままの3体のライガーが、変わらず威風堂々と並び立っている

「……無駄だ。私のライガーは『ムーンライト』カード以外の効果を受けない。そんな砲撃では倒れない」

「あらあら、本当に強固で、美しくて、頑固なモンスターですこと。……ですがルーナさん、『ダルマさんが転んだ』のルールをお忘れになって?」

白姫は楽しげにステップを踏みながら、裏返ることなく直立不動のままでいるライガーたちを指差した

「鬼が振り向いた時に、動いていた者はどうなりますの?……捕まって、連れて行かれてしまいますわよね。この『魔砲戦機ダルマ・カルマ』のルールも同じですわ。裏側守備表示にならなかったモンスターが存在する場合……『そのプレイヤーは、そのモンスターを墓地へ送らなければならない』」

「なんだと……!?」

ルーナの表情が凍りつく

「そうですわ。この効果はモンスターではなく、決闘者である『あなた自身』に課せられた絶対のルール。強固な耐性を持つライガーでも阻むことはできませんわ。さあ、ライガーを墓地へお送りなさい」

「私が……私自身が……ライガーを……この手で……すまない。私自身にはお前たちのような耐性はないのだ。非力な主を許してくれ」

存在することでルーナのプレイングに揺さぶりをかけた拮抗勝負

ライガーの破壊効果を封じた厄災の星ティ・フォン

銀狗の魔法、罠効果を封じた白銀の城のラビュリンス

そしてライガーを葬り去る魔砲戦機ダルマ・カルマ

それらのプレイヤーの介在にする効果によってライガーはその真価を発揮できぬままフィールドから消えるよりない

3体のライガーは白姫に背を向けると、自身のマスターであるルーナに跪き、首を差し出すように身体を傾ける

彼女たちは単なる投影(リアルソリッドビジョン)であるはずなのに主を勝利に導けなかったことを悲しんでいるようにルーナは見えた

それはモンスターが心を宿している証左であり、それが後に世界の存亡を揺るがすことになるのだが、今のルーナには知る由もないことであった

「そんな顔をするな。お前たちは私の誇りだ。また、一緒に踊ろう」

1体目のライガーのしなやかで太い首筋へ、自らの両手を後ろから回した

ルーナの手の平では、その首の半分も覆えず、伝わる温もりとフサフサとした手触りにルーナの中でわずかな躊躇いが生まれる

しかし、ルーナは決闘者である

彼女のデュエルの遂行するという強い意志は、そのままライガーの喉笛を断ち切らんとするほどの強固な握力となって伝わった

ライガーの効果を弾くはずの無敵の肉体が、最も愛する主の手によって力ずくで圧迫され、気道を塞がれる

ライガーは本能的な死への恐怖で小さく震える

敵の攻撃ではなくマスターの冷徹な手によってねじ伏せられるという絶対的な支配の感覚が、彼女の脳内に未知の戦慄を走らせる

苦悶に顔を歪ませながらも、いつも背中越しに己の活躍を見ていた愛するマスターの視界を自身が独占していることに奇妙な感覚を感じながら一体目のライガーは墓地へと送られる

「お前たちの犠牲は無駄にしない……」

続いてルーナは溢れそうになる涙を堪えながら2体目のライガー首強く締め上げた

2体目のライガーは細い腰をくねらせて窒息の苦しみに悶えながらも、首筋に食い込むマスターの指の痛みの中で気づきを得る

マスターはティ・フォンに破壊されるリトル・ナイトにこのような反応をしないと

マスターがこんなに自分を強く求めてくれている

そう考えた2体目のライガーは顔を林檎のように紅潮させ、熱い吐息を漏らしながら墓地へと送られた

「……これで、最後だ」

胸を締め付けるような悲しみに耐えながら、ルーナは3体目のライガーの元へと歩み寄る

だが、前の2体が主の手によって喉を潰され、妖艶に悶え狂いながら消えていく姿を特等席で見つめていたその個体は、前の2体とは明らかに様子が違っていた

彼女の黄金色の瞳は、恐怖や悲哀ではなく、じっとりと濡れた異常な期待にギラギラと爛ついていた

ルーナが両手を伸ばすより先に、3体目のライガーは自らしなやかな長い首をルーナの手のひらへと擦り付けて、むしろもっと早く、跡が残るくらいに激しく絞めてくれと懇願するかのように、自ら顎を大きく跳ね上げ、その無防備な喉元を完全に晒し出す

「お前、私を急かしているのか?そうだな、まだデュエルは終わっていないと、そう言いたいのだな」

相棒の覚悟(?)に応えるため、ルーナは涙を呑んで、その引き締まった首筋に今日一番の力を込めて指を食い込ませた

骨が軋むほどの圧倒的な質量が喉笛を圧迫した瞬間、3体目のライガーは待ってましたとばかりに歓喜に身体を震わせた。

肉感的な長い脚をピンと痙攣させ、胸を大きくのけぞらせる

脳を焼くような窒息の苦痛と、大好きなマスターの手で徹底的に壊されていく背徳感

前の2体の比ではない極上の悦楽が、彼女の理性をを完全に吹き飛ばした

ルーナの細い手の形に肉が凹み、白目を剥くほどの至高の絶頂を味わいながら、3体目のライガーはだらりと舌を覗かせ、最も深く、甘やかな恍惚の表情を浮かべたまま闇の底へと沈んでいった。

「はあ、はあ……」

3枚のカードをすべて墓地スロットへと押し込み、ルーナは肩で息を吐く

彼女の視点では、愛着あるライガーたちがルールという不可避の激痛に耐えかねて、顔を歪め、悶えながら消えていったように見えた

「白姫、お前のダルマは確かに強力だった。だが、私の闘志まで裏返すことはできていないぞ!」

墓地へ送られたライガーたちの熱狂を背に、ルーナの瞳に不屈の闘志が蘇る

「エースを全滅させられえも諦めないさの心意気、素晴らしいですわ。さあ、あなたの全力をワタクシに見せて、そしてワタクシのお友だちになるのですわ!」

「行くぞ、ライガー。私に力を貸してくれ!狼efライガー2体除外舞香姫ssチェーン1舞踏会チェーン2舞香姫月光香サーチ融合サルベージ月光香墓地舞香姫ef狼バウンス狼ss融合ef舞香姫墓地ライガー舞香姫除外舞剣虎姫ss」

ルーナはなんかエモい感じで墓地のライガーを融合素材にしたりして色々となんかやる

「それで、つまりどうなりますの?」

「月光舞剣虎姫の攻撃力は、お互いの墓地・除外状態の獣戦士族モンスターの数×200アップする。私とお前の墓地、除外状態の獣戦士族は18枚!よって攻撃力は6600だ。そして月光狼の効果では『ムーンライト』モンスターの攻撃は貫通する。バトルだ!月光舞剣虎姫でセットされた白銀の城のラビュリンスに攻撃!」

「きゃーー!!」

銀城白姫

4000→0

白姫のライフがゼロになり、このデュエルはルーナの勝利となる

「……ワタクシの、負け、ですのね……」

制服を軽く払いながら、白姫は悔しそうに、けれどどこか晴れやかな笑みを浮かべて立ち上がった

「見事でしたわ、ルーナさん。ライガーを倒せさえすればと考えてましたがツメが甘かったですわね」

「いや、白姫。お前の戦術は完璧だった。あの無敵のライガーを完封してみせた決闘者はお前が初めてだ」

「ルーナさん……あの、その……」

「アンティのことだろう?お前と私は友だ。これからはデュエルでもお茶でも誘ってくれたら……嬉しい」

「オーホッホ!よくってよ!これからは毎日一緒に遊び倒してやりますわよ」

少し照れくさそうに視線を外しながら微笑むルーナに白姫は一瞬だけ呆気に取られた

しかし、すぐにいつもの自信に満ちた笑みを取り戻し、高らかに胸を張る

その後、世界が分裂するまでルーナと白姫は度々デュエルを行ったがその裏で3体のライガーはフィールドに出る度にダルマカルマが発動される瞬間を密かに期待し続けていたという

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