最終更新:ID:X22XayQSew 2025年10月06日(月) 23:59:11履歴
「つーん」
「フゥリ、どうしたのさ」
私が目を閉じてそっぽを向くと、旦那様は困ったような口調になった。
旦那様が私の手を握り締める。一瞬もういいかなという考えが過ったが、それでは意味がないと心を鬼にして瞼を固く閉じたまま、拒絶の意思表示をすることにした。
「つーん」
「フゥリってばぁ」
「どうしたんですか、二人とも」
戻ってきたオオヒメ様が不思議そうに問いかけた。
「あ、オオヒメ様。フゥリが突然こんなになっちゃって」
「つーん」
「成程、これは完全に臍を曲げてますね。何かしたんですか少年、心当たりくらいはあるでしょう」
「何もしてないですよ。心当たりもないですし」
「少年がそういうならそうなんでしょうけど、では何が原因なんですかねえ?」
旦那様のパートナーは私だというのに、オオヒメ様のほうが私よりよっぽど息が合っているように見える。
最近、その光景を見るたびに私の心の内にもやっとしたものが溢れてくる。
伏目で不貞腐れて唇を尖らせている私をよそに、二人はああではないこうではないと話を進めている。
蚊帳の外にされているのが気に入らず、私は思わず大声を出した。
「二人が原因ですっ」
旦那様とオオヒメ様を見据えながら頬を膨らませる。
二人は、きょとんとして会話を止めた。
「俺達?」
「はいそうです。心当たり、あるでしょう」
旦那様は目を閉じると少し考えてから、首を振った。
「ごめん。さっぱりわからない」
「私も心当たりはないですねえ」
「ないわけないじゃないですかっ」
両手を握り締めて駄々っ子のようにぶんぶんと振り回す。
「最近、オオヒメ様とばっかりエッチしてるじゃないですかっ。私のことほったらかしで!」
「そうでしたっけ?」
「そうなんですっ」
「そんなことないと思いますけどね。でもフゥリはそうは思っていないのでしょう。ならいっそのこと数えてみましょうか」
「数える?」
ぽかんとしている私を後目にオオヒメ様は話を続けていく。
「直近の五回くらいでいいですかね。ええと、確か前回はフゥリと私。これは本番なしですね。その前はフゥリ。フゥリ。フゥリと私。フゥリと私。貴方が言うほど私ばかり少年の相手をしているわけではありませんよ。なんだったら私が添え物扱いされてることのほうが多いじゃないですか」
突きつけられた事実に私は言葉を失った。
実際、印象だけで機嫌を損ねていたので返す言葉もない。
「で、でも」
「貴方は少年が私に取られてしまうと心配になってしまったのでしょう。まだ十代ですからね、他人と接する経験も足りていないでしょうし不安になるのもわかりますよ」
心のもやもやとしたどう表現したらいいのか分からなかった部分をあっさりと言語化されて、私はただ頷くことしかできなかった。
「そうなのフゥリ?」
「うぅ、そう——かもしれないです」
「そっか、ごめんねフゥリ」
旦那様は沈んだ声で謝ると、私の手を握った。
伝わってくる体温は私より高く、触れられているところがどんどん熱くなっていく。
何故か触れられていないはずの頬も熱を帯びてきた。
じっと見つめられるのがなんだか気恥ずかしくて、目を逸らしてしまった。
「いえ私も悪かったです。変なことで怒っちゃって」
「いいやこっちも悪かったよ。フゥリのこと好きだからって甘えちゃってたから。ごめんね」
一歩踏み込んで旦那様の胸元に頭を押し付けてぐりぐりと動かす。
旦那様が私の頭を抱きしめる。
「俺にとって一番大事なのはねフゥリ、君だよ。ずっと一緒にいたいくらい好き」
「わ、私も同じくらい大好きです」
「好き——ですか?」
ぽつりとオオヒメ様が呟いた。
「どうしたんですかオオヒメ様」
「いえ、随分と幸せそうだなと思いましてね。そんなにいいのですか、少年から愛の言葉を紡がれるというのは」
「それは——」
いいにはいいのだが、どういう風にと改めて言葉にするとなると難しい。
好きな人から言われると特別なのだが、それがどうなるかというと。
「こう、心の奥からじんわり温かくなるような、沸騰しそうになるほど身体が熱くなるような。安心して落ち着くような、それでいて興奮してドキドキするような」
「うーんよくわからないですねえ。でしたら少年、私のこと好きって言ってくれませんか」
「オオヒメ様⁉」
旦那様はオオヒメ様を見つめてから私のほうに視線を向けてきた。
困惑しているのか視線は落ち着きなく泳いでいる。
婚約者である私の前でその言葉を発していいのか逡巡しているのだろう。
「いいですよあなた。オオヒメ様に気持ちを伝えてあげてください」
「本当にいいのか?」
心底意外そうに旦那様が驚いた。
先程の私を見たらそう思うのも当然だろう。私だって同じ反応になるに決まっている。
「だからいいって言ってるじゃないですか。ハレやニニ相手ならいざ知らずオオヒメ様相手ですからね、今更ですよ。これで好きでもなんでもない、ただの性欲発散目的でセックスしてたというほうが私的にはNGですからね。だから本音を伝えてあげてください。あなただってオオヒメ様のこと好きなんでしょう」
旦那様の両手を包み込んで下から覗き込みながらわかりましたかというと、旦那様はわかりましたと返事した。
納得してくれたようで安心した。
ほっとして胸を撫で下ろしていると、突然オオヒメ様が私に抱き着いてきた。
衝撃で倒れそうになるのをよろめきながらなんとか踏みとどまった。
「ありがとうございますフゥリ。では少年、明日は私と愛を伝えあって、どろどろになるまでいーっぱいエッチしましょうね。朝から晩までずっとおっぱいあげて、ぜーんぶ甘やかしてあげますよ」
「えっ」
そこまでは許していない、という私の言葉は発せられることはなかった。
◇
「おはようございます。どうですかね、ゆっくり眠れましたか?」
目を覚ました少年が見たものは、差し込む朝日を背負いながら椅子に座り佇むオオヒメだった。
素肌の上にブラも着けず、ぶかぶかの男物のワイシャツを羽織っている。
脚を組み直すたびにショーツがちらちらと見えた。
その姿は寝起きに見るには刺激が強すぎる。
オオヒメからなみなみと黒い液体が注がれたマグカップを差し出され、少年はそれを受け取ると口をつけた。
淹れたてと思しきそれは口に含んだ瞬間に香ばしい香りが鼻腔を突き抜けていき、舌を包むすっきりとした苦みと酸味で目が覚めた。
オオヒメも少年のものとお揃いのマグカップを両手で包み込むように持つと、音も立てずにそれを飲んだ。
「夜明けの珈琲というものですよ。こういうのもオツなものでしょう」
「はあ」
少年が気の抜けた返事をすると、オオヒメは飲み終えたマグカップをテーブルに置き、ベッドへと乗った。そのまま四つん這いで近づくと、少年の首に腕をまわして顔を近づけ、目を閉じた。
それが何を意味するのか理解した少年はオオヒメの唇に自らの唇を重ねる。
触れるだけの軽いキスを終えると、少年はオオヒメから顔を離した。
オオヒメは目を開くとくすくす笑い、少年を見つめた。
「あら、これで終わりですか? 昨夜はあれだけ愛の言葉を紡いでくれたというのに——んむっ?」
少年はテーブルにマグカップを置くと、オオヒメの唇を乱暴に奪った。
唇の隙間から無理矢理舌を捻じ込んだ少年は、歯茎をなぞり、内頬を舌先で突っつき、上顎を撫で、オオヒメの口内を蹂躙していく。
いつもならカウンターパンチのようにオオヒメが自ら舌を絡めて主導権を奪い取ってくるところだが、今はそういったことはせず目を閉じて少年にされるがままだった。
そういう気分なのだろうか。
ならもっと激しくしてもいいだろうと、少年は自らの舌を絡めてオオヒメの舌を引きずり出すと、それを犬歯で軽く甘噛みした。
「んぅっ」
気が付けば少年はオオヒメをベッドへと押し倒していた。
先程まで飲んでいたせいか、珈琲の味と匂いがする。
嫌いではないが、やはりいつもの匂いのほうが少年としては好みだった。
口内を舐っていると舌先に鋭い痛みを感じ、少年は唇を離した。
「ぷはぁ、お返しですよ。痛いでしょう。まったくもう、いきなり押し倒すなんて酷いじゃないですか。それとも女の子を乱暴に組み伏せるのが好みなのですか?」
口の中に鉄っぽい血の味が広がり、舌に残っていた珈琲の味を覆い隠していく。
「それにまだ聞いてませんよ、あの言葉」
フゥリに言われたことを忘れていたわけではない。
少年がオオヒメのことを好いているのは確かであるし、しかもそれはフゥリに抱く感情に近しいものだ。
なによりフゥリからの願いを無碍にすることは、少年としてもできることなら避けたい。
だが、いざ面と向かって言うには恥ずかしい。フゥリ相手ではそんなことはないのに。言葉にしようとすると、どう伝えたらいいのか分からなくなる。
少年が逡巡していると、オオヒメは俯せになりパタパタと足を動かしだした。
「ふぅん。フゥリにはあれだけ言ったのに、私には言ってくれないんですね。いいですよ、私達は所詮身体だけの関係。これからもセフレとしてよろしくお願いしますね」
「ちょっとオオヒメ様、そういうわけじゃ」
「なら言ってください。さあさあさあ」
「わかりました。それじゃあいきますよ」
大きく息を吸い込んで、覚悟を決める。
なるべく短く、簡素に。だが、確実に伝わるように。
「好きです」
途端、オオヒメがパッと花が咲いたように笑った。
そして少年を抱きしめると、耳元で小さく言った。
「私も好きですよ、少年。ああ成程、これはたしかに。心の中が温かくて、頬は熱くなりますね。フゥリがあのようになるのも分かるというものです。よく言葉にしてくれましたね少年」
「ありがとうございます。ああ、もう恥ずかしい」
「恥ずかしがっているところ申し訳ありませんが、もっと言ってください」
もっともっと、と小さな子供のようにオオヒメが強請るので、少年は好きですよと何度も繰り返し囁いた。
一回囁くごとにオオヒメも私もですよとか、だーいすきですよなどとリアクションしてくるため、少年もドギマギした。
「あらあら少年ったら顔真っ赤じゃないですか」
「オオヒメ様みたいな美人にこんなに沢山好きって言うなんて、緊張するに決まってるじゃないですか」
「またまた。フゥリ相手だと手馴れてる癖に。でもそういうかわいらしいところ嫌いじゃないですよ。あとこっちが大きくなっちゃってるのも、緊張のせいっていうことにしておいてあげますね」
「ちょっとオオヒメ様っ」
オオヒメは少年を押し倒すと少年の腰の上に跨った。
ショーツに包まれたオオヒメの肉付きのいい臀部が少年の硬くなった男性器に触れて、びくんと震えた。
両手はオオヒメの手によって絡めとられて、恋人のように繋がっている。
すべすべとした手の感触を堪能しようと少年は指を動かす。
「んふふ、触り方がやらしいですよ。視線もだんだん下がってきてますし、えっちですねえ。付き合いも長いから知っていましたし、悪い気もしませんけどね」
オオヒメは身体を倒すと、少年の首筋に吸い付いた。
皮膚を唇で挟み、前歯で噛み締め、舌で舐める。
ぷはぁ、と音を立ててオオヒメが首筋から口を離す。
気が付けば繋がっていた手と手は離れて自由になっている。
きっと跡になっているだろうな。
まだ生温かい唾液で濡れた首筋を撫でながら少年は思った。
上体を起こすと、目の前にオオヒメの白い首元があった。
胸の膨らみを覆い隠しているワイシャツは僅かにその下の肌を透かしている。
ワイシャツを捲った少年は胸に触れようとして、手を止めた。
オオヒメがにやにやとしながら様子を見ていることに気が付いたからだ。
「さて、少年はどうしたいですか」
「オオヒメ様のおっぱいを吸わせてください」
「ふふっ、さあどうぞ召し上がれ」
少年が乳房に触れる。
ふにふにと柔らかく弾力のあるそれに指が沈み、手に力を加えるたびにお椀型を保てずに形が歪んでいく。
揉んでいるうちに手の平に硬いものが当たる感覚がした。
そろそろ頃合いかと、少年は乳房から手を離す。
現れるのは薄い桜色の乳輪と、ピンと硬く立ち上がっている乳頭。
見慣れたそれを、少年は目を閉じて口に含んだ。
舌で乳首を転がし、顎を使って貯蔵されている白い甘露を吸い出す。
乳首から漏れ出るさらさらとした粘度の低い液体は舌触りがよく、ほんのりとした甘さが口内に広がる。
「おっぱい吸っている時の少年って本当に幸せそうですね。よしよし」
少年の頭を撫でながらオオヒメが呟く。
オオヒメに全身を上から下まで包み込まれてるような感覚に、少年の全身の力が抜けていく。
リラックスしきって落ち着いている感覚は微睡にも似ていて、このまま意識を手放してしまうというのも悪くなかった。
「疲れているのもあるのでしょうけれど、おっぱい沢山吸ってお腹いっぱいになったらおねむですか。赤ちゃんならそれでもいいですが、少し困りますね」
オオヒメは胸に吸い付いたままの少年を引き剥がすと、立ち上がりショーツを下ろしていく。
唐突に目の前で始まったストリップ紛いの行動に、ぼんやりとしていた少年の意識が一気に覚醒する。
ショーツの下に隠されていた小さな逆三角形の茂みに目を奪われる。
「お熱い視線ありがとうございますね。今日は特別に私が動いてあげますから、少年はただじっとしていればいいですよ」
オオヒメが意地悪く笑う。
ショーツを少年の顔の頭の上にはらりと落とすと、オオヒメは軽く腰を浮かせて秘所に男性器の先を押し当て、ゆっくりと腰を下ろした。
濡れたオオヒメの秘裂が少年を飲み込んでいく。
腰を下ろし切ったオオヒメはふぅ、と息を吐いて、自身の下腹部を愛おしそうに撫でた。
「私の膣内、少年でいっぱいになっちゃいましたよ。それでは、動きますね」
オオヒメは少年の首に腕を回すと、緩慢な動作で腰を上下に動かす。
肉の襞がぬるぬると絡みつく。
だが、締め付けはきつすぎるということはなく、むしろまったりと優しく包み込み、程よい圧を男性器に与えてくる。
少年の眼前では、動きに合わせてオオヒメの乳房がふるんふるんと揺れている。
我慢できずに乳首を口に含むと、オオヒメは大きく身体を上下させる動きを止め、腰を揺するような動作へと切り替えた。
「こっちのほうが吸いやすいでしょう? 激しく動かしたほうが早くイけますけど、こっちのほうが時間がかかるので長く繋がっていられますし、その分いっぱいおっぱいを味わいながら気持ちよくなれますよ」
ぐりぐりと奥に擦りつけるような動き。
それが終わったかと思うと前後に、左右に腰が動く。
膣肉が蠢き、射精を促してくる。
その変幻自在な腰使いは先程までの激しい刺激こそないが、ゆっくりとじんわり温められていくかのように快感を与えてくる。
口に広がる甘味と心中に溢れる充足感で、興奮が増していく。
もっと気持ちよくなりたい。
気が付けば少年は無意識のうちに腰を動かしていた。
「んむ、あぅ」
「よーしよし、おっぱい吸いながら、おちんちん動かせてえらいですね。んっ、そこいいですよ。上手上手」
オオヒメに頭を撫でられて少年の頬が緩む。
褒められたとなれば、もっと褒められたくなる。
ベッドのスプリングを利用してリズミカルに腰を動かすと、オオヒメの身体もそれに合わせて上下に軽く跳ねる。
「あんっ♡私が動くといったのに」
くすくすと困った子供を見るかのようにオオヒメが言った。
「そんなに気持ちよくなりたいんですね。いいですよ、私も手伝ってあげます」
オオヒメは両手を少年の背に回してしがみつくと、腰を勢いよく上下させはじめた。
肉同士がぶつかりあい、ぱちゅん、ぱちゅんと音が響く。
今までのまったりとした締め付けから打って変わり、千切れてしまうのではないかというほど膣肉がきつく締め付けてくる。
少年も負けじと腰を動かすが、オオヒメはそれを意に介さず腰を振る。
下半身は乱暴にも思えるほど激しく動いているというのに、オオヒメの上半身は微動だにせず、少年の授乳を邪魔するまいというオオヒメの気遣いが感じられた。
両腕でオオヒメの身体を抱きしめて、こみ上げてくる射精感を必死に耐える。
いつの間にか少年は口も腰も、動かすのをやめていた。
動かすのをやめたというのに口の中には甘い雫がだらだらと流れてくるし、腰が今も震えだしそうなほどの快感が男性器から昇ってくる。
「んふふ、おっぱいを吸う余裕もないとは、もうそろそろ限界ですね。では、ちょっと本気出しちゃいますよ。私の膣内にたぁくさん射精してくださいね」
「あぅ、オオヒメさま、もうっ」
「ほぉら、イってください♡」
オオヒメの全身を使った杭打ちピストンに耐え切れず、少年はベッドに倒れこむと身体を震わせながら精を吐き出した。
勢いよく噴き出る絶頂の熱は一滴残らずオオヒメの膣奥に受け止められた。
「ちゃんと射精できましたね。えらいえらい」
繋がったまま肩で息をする少年をオオヒメはぎゅっと抱きしめて起き上がらせる。
伝わってくる力と体温はまるで温泉にでも浸かっているかのような心地よさで、意識を手放してしまいそうだった。眠ってしまわなかったのは単に、まだ足りないと少年が感じていたからである。
少年はオオヒメの両肩を掴むと、体重をかけて一気に押し倒した。
上下が逆転し、今度は少年がオオヒメの覆いかぶさる形になった。
両手をオオヒメの顔の横につき、少年はまじまじとその顔を覗き込む。
「あら? どうしましたか少年。いきなり押し倒すなんて流石に吃驚しちゃいましたよ」
言葉とは裏腹にオオヒメは全く驚いていないようだった。それどころか押し倒されることすら当然とばかりに繋がったモノが抜けないよう、倒れる瞬間に少年の腰に脚を絡ませていた。
脚の動きで締め付けが強くなり、射精したばかりの男性器はびくりと震えた。
「今度は俺の番ですからね」
「男の子ですねえ。いいですよ、今度は少年が思いっきり腰を打ち付けてくださいな」
オオヒメが耳元で囁くと、少年は力強く腰を打ち付けた。
◇
シーツに包まって横になっているオオヒメ様を私が正座でじっと見つめていると、オオヒメ様はこちらを見つめながら不思議そうに目を細めた。
オオヒメ様の胸元には旦那様が顔を埋めていて、時折好き、好きと寝言を漏らしている。
胸が好きで好きでたまらないこの人は眠りながらでも胸を吸う技術を身に着けたらしく、寝息を立てる合間合間にオオヒメ様の胸に吸い付いていた。
そんな旦那様はとても幸せそうで、特にオオヒメ様が頭を撫でるとこれ以上の幸福はないとばかりに顔を緩ませた。
オオヒメ様はその様子をたっぷりと見せつけるとドヤっとした表情を浮かべた。
「ものすごい目つきですけれど、どうしたのですかフゥリ」
「どうしたもこうしたもオオヒメ様が原因でしょうがっ。なんでオオヒメ様が旦那様と丸一日エッチしてるんですか!」
「しっ、声が大きいですよ。少年が目を覚ましてしまうではないですか。こんなにかわいらしい寝顔なのですから、堪能しなければ損というものでしょう。どうですか、フゥリも一緒に眺めませんか?」
オオヒメ様が手招きをする。
暫く考え込んでから私はオオヒメ様の反対側、旦那様を挟み込む場所で布団に潜り込んだ。
「そういう素直なところ、いいですね」
「ふんっ」
鼻を鳴らしてそっぽを向く。
「あらあらまた拗ねられてしまいましたね。私としては昨日のように少年と恋人ごっこをするのはなかなか楽しかったのですが、その度にフゥリにこうなられても困りますし、今度からは多少控えるとしましょうか」
くすくすとオオヒメ様が笑う。
多少控えるということは、辞めるということではない。隙あらば今のようなことをするということだ。
「つまり、私が見ていないところではやるかもしれないということですね」
「ご明察です。流石フゥリ、頭の回転も速いですね。ではこうしましょうか。フゥリと少年の許可があれば昨日のように二人きりで恋人同士として楽しめるというのは。ああ、恋人という関係が嫌なのでしたら、お妾さんとか二号さんでも構いませんよ」
「オオヒメ様っ!」
勢いよく手をついて身体を起こしてオオヒメ様を睨みつける。
その振動のせいで目を覚ましたのだろうか、旦那様が小さく呻いて身体を震わせた。
ひょっとして起こしてしまったのだろうか。
「おや、お目覚めですね。おはようございます少年」
「んむ、おはようございますオオヒメ様」
「んふふ、昨日は情熱的でとてもよかったですよ。あんなに激しく求められるとは思いませんでしたからね。お腹の奥がまだ少年の子種でいっぱいで、重たいです」
「ちょっと、オオヒメ様」
「あら顔真っ赤にしちゃって。本当にかわいらしいですねえ。ところで後ろ、見てみてください」
オオヒメ様が私を指さした。
旦那様がびくりと身体を震わせて、公園に放置されて錆び付いた回転遊具のようにぎこちなく首を回して後ろへと振り返る。
オオヒメ様の口ぶりでは昨日は随分と盛り上がったらしい。
激しかったらしい。
甘え倒したらしい。
おっぱいもたくさんすったのだろう。
いっぱいえっちしたのだろう。
「あのフゥリ——」
「つーん!」
私は目を閉じてそっぽを向いた。
「フゥリ、どうしたのさ」
私が目を閉じてそっぽを向くと、旦那様は困ったような口調になった。
旦那様が私の手を握り締める。一瞬もういいかなという考えが過ったが、それでは意味がないと心を鬼にして瞼を固く閉じたまま、拒絶の意思表示をすることにした。
「つーん」
「フゥリってばぁ」
「どうしたんですか、二人とも」
戻ってきたオオヒメ様が不思議そうに問いかけた。
「あ、オオヒメ様。フゥリが突然こんなになっちゃって」
「つーん」
「成程、これは完全に臍を曲げてますね。何かしたんですか少年、心当たりくらいはあるでしょう」
「何もしてないですよ。心当たりもないですし」
「少年がそういうならそうなんでしょうけど、では何が原因なんですかねえ?」
旦那様のパートナーは私だというのに、オオヒメ様のほうが私よりよっぽど息が合っているように見える。
最近、その光景を見るたびに私の心の内にもやっとしたものが溢れてくる。
伏目で不貞腐れて唇を尖らせている私をよそに、二人はああではないこうではないと話を進めている。
蚊帳の外にされているのが気に入らず、私は思わず大声を出した。
「二人が原因ですっ」
旦那様とオオヒメ様を見据えながら頬を膨らませる。
二人は、きょとんとして会話を止めた。
「俺達?」
「はいそうです。心当たり、あるでしょう」
旦那様は目を閉じると少し考えてから、首を振った。
「ごめん。さっぱりわからない」
「私も心当たりはないですねえ」
「ないわけないじゃないですかっ」
両手を握り締めて駄々っ子のようにぶんぶんと振り回す。
「最近、オオヒメ様とばっかりエッチしてるじゃないですかっ。私のことほったらかしで!」
「そうでしたっけ?」
「そうなんですっ」
「そんなことないと思いますけどね。でもフゥリはそうは思っていないのでしょう。ならいっそのこと数えてみましょうか」
「数える?」
ぽかんとしている私を後目にオオヒメ様は話を続けていく。
「直近の五回くらいでいいですかね。ええと、確か前回はフゥリと私。これは本番なしですね。その前はフゥリ。フゥリ。フゥリと私。フゥリと私。貴方が言うほど私ばかり少年の相手をしているわけではありませんよ。なんだったら私が添え物扱いされてることのほうが多いじゃないですか」
突きつけられた事実に私は言葉を失った。
実際、印象だけで機嫌を損ねていたので返す言葉もない。
「で、でも」
「貴方は少年が私に取られてしまうと心配になってしまったのでしょう。まだ十代ですからね、他人と接する経験も足りていないでしょうし不安になるのもわかりますよ」
心のもやもやとしたどう表現したらいいのか分からなかった部分をあっさりと言語化されて、私はただ頷くことしかできなかった。
「そうなのフゥリ?」
「うぅ、そう——かもしれないです」
「そっか、ごめんねフゥリ」
旦那様は沈んだ声で謝ると、私の手を握った。
伝わってくる体温は私より高く、触れられているところがどんどん熱くなっていく。
何故か触れられていないはずの頬も熱を帯びてきた。
じっと見つめられるのがなんだか気恥ずかしくて、目を逸らしてしまった。
「いえ私も悪かったです。変なことで怒っちゃって」
「いいやこっちも悪かったよ。フゥリのこと好きだからって甘えちゃってたから。ごめんね」
一歩踏み込んで旦那様の胸元に頭を押し付けてぐりぐりと動かす。
旦那様が私の頭を抱きしめる。
「俺にとって一番大事なのはねフゥリ、君だよ。ずっと一緒にいたいくらい好き」
「わ、私も同じくらい大好きです」
「好き——ですか?」
ぽつりとオオヒメ様が呟いた。
「どうしたんですかオオヒメ様」
「いえ、随分と幸せそうだなと思いましてね。そんなにいいのですか、少年から愛の言葉を紡がれるというのは」
「それは——」
いいにはいいのだが、どういう風にと改めて言葉にするとなると難しい。
好きな人から言われると特別なのだが、それがどうなるかというと。
「こう、心の奥からじんわり温かくなるような、沸騰しそうになるほど身体が熱くなるような。安心して落ち着くような、それでいて興奮してドキドキするような」
「うーんよくわからないですねえ。でしたら少年、私のこと好きって言ってくれませんか」
「オオヒメ様⁉」
旦那様はオオヒメ様を見つめてから私のほうに視線を向けてきた。
困惑しているのか視線は落ち着きなく泳いでいる。
婚約者である私の前でその言葉を発していいのか逡巡しているのだろう。
「いいですよあなた。オオヒメ様に気持ちを伝えてあげてください」
「本当にいいのか?」
心底意外そうに旦那様が驚いた。
先程の私を見たらそう思うのも当然だろう。私だって同じ反応になるに決まっている。
「だからいいって言ってるじゃないですか。ハレやニニ相手ならいざ知らずオオヒメ様相手ですからね、今更ですよ。これで好きでもなんでもない、ただの性欲発散目的でセックスしてたというほうが私的にはNGですからね。だから本音を伝えてあげてください。あなただってオオヒメ様のこと好きなんでしょう」
旦那様の両手を包み込んで下から覗き込みながらわかりましたかというと、旦那様はわかりましたと返事した。
納得してくれたようで安心した。
ほっとして胸を撫で下ろしていると、突然オオヒメ様が私に抱き着いてきた。
衝撃で倒れそうになるのをよろめきながらなんとか踏みとどまった。
「ありがとうございますフゥリ。では少年、明日は私と愛を伝えあって、どろどろになるまでいーっぱいエッチしましょうね。朝から晩までずっとおっぱいあげて、ぜーんぶ甘やかしてあげますよ」
「えっ」
そこまでは許していない、という私の言葉は発せられることはなかった。
◇
「おはようございます。どうですかね、ゆっくり眠れましたか?」
目を覚ました少年が見たものは、差し込む朝日を背負いながら椅子に座り佇むオオヒメだった。
素肌の上にブラも着けず、ぶかぶかの男物のワイシャツを羽織っている。
脚を組み直すたびにショーツがちらちらと見えた。
その姿は寝起きに見るには刺激が強すぎる。
オオヒメからなみなみと黒い液体が注がれたマグカップを差し出され、少年はそれを受け取ると口をつけた。
淹れたてと思しきそれは口に含んだ瞬間に香ばしい香りが鼻腔を突き抜けていき、舌を包むすっきりとした苦みと酸味で目が覚めた。
オオヒメも少年のものとお揃いのマグカップを両手で包み込むように持つと、音も立てずにそれを飲んだ。
「夜明けの珈琲というものですよ。こういうのもオツなものでしょう」
「はあ」
少年が気の抜けた返事をすると、オオヒメは飲み終えたマグカップをテーブルに置き、ベッドへと乗った。そのまま四つん這いで近づくと、少年の首に腕をまわして顔を近づけ、目を閉じた。
それが何を意味するのか理解した少年はオオヒメの唇に自らの唇を重ねる。
触れるだけの軽いキスを終えると、少年はオオヒメから顔を離した。
オオヒメは目を開くとくすくす笑い、少年を見つめた。
「あら、これで終わりですか? 昨夜はあれだけ愛の言葉を紡いでくれたというのに——んむっ?」
少年はテーブルにマグカップを置くと、オオヒメの唇を乱暴に奪った。
唇の隙間から無理矢理舌を捻じ込んだ少年は、歯茎をなぞり、内頬を舌先で突っつき、上顎を撫で、オオヒメの口内を蹂躙していく。
いつもならカウンターパンチのようにオオヒメが自ら舌を絡めて主導権を奪い取ってくるところだが、今はそういったことはせず目を閉じて少年にされるがままだった。
そういう気分なのだろうか。
ならもっと激しくしてもいいだろうと、少年は自らの舌を絡めてオオヒメの舌を引きずり出すと、それを犬歯で軽く甘噛みした。
「んぅっ」
気が付けば少年はオオヒメをベッドへと押し倒していた。
先程まで飲んでいたせいか、珈琲の味と匂いがする。
嫌いではないが、やはりいつもの匂いのほうが少年としては好みだった。
口内を舐っていると舌先に鋭い痛みを感じ、少年は唇を離した。
「ぷはぁ、お返しですよ。痛いでしょう。まったくもう、いきなり押し倒すなんて酷いじゃないですか。それとも女の子を乱暴に組み伏せるのが好みなのですか?」
口の中に鉄っぽい血の味が広がり、舌に残っていた珈琲の味を覆い隠していく。
「それにまだ聞いてませんよ、あの言葉」
フゥリに言われたことを忘れていたわけではない。
少年がオオヒメのことを好いているのは確かであるし、しかもそれはフゥリに抱く感情に近しいものだ。
なによりフゥリからの願いを無碍にすることは、少年としてもできることなら避けたい。
だが、いざ面と向かって言うには恥ずかしい。フゥリ相手ではそんなことはないのに。言葉にしようとすると、どう伝えたらいいのか分からなくなる。
少年が逡巡していると、オオヒメは俯せになりパタパタと足を動かしだした。
「ふぅん。フゥリにはあれだけ言ったのに、私には言ってくれないんですね。いいですよ、私達は所詮身体だけの関係。これからもセフレとしてよろしくお願いしますね」
「ちょっとオオヒメ様、そういうわけじゃ」
「なら言ってください。さあさあさあ」
「わかりました。それじゃあいきますよ」
大きく息を吸い込んで、覚悟を決める。
なるべく短く、簡素に。だが、確実に伝わるように。
「好きです」
途端、オオヒメがパッと花が咲いたように笑った。
そして少年を抱きしめると、耳元で小さく言った。
「私も好きですよ、少年。ああ成程、これはたしかに。心の中が温かくて、頬は熱くなりますね。フゥリがあのようになるのも分かるというものです。よく言葉にしてくれましたね少年」
「ありがとうございます。ああ、もう恥ずかしい」
「恥ずかしがっているところ申し訳ありませんが、もっと言ってください」
もっともっと、と小さな子供のようにオオヒメが強請るので、少年は好きですよと何度も繰り返し囁いた。
一回囁くごとにオオヒメも私もですよとか、だーいすきですよなどとリアクションしてくるため、少年もドギマギした。
「あらあら少年ったら顔真っ赤じゃないですか」
「オオヒメ様みたいな美人にこんなに沢山好きって言うなんて、緊張するに決まってるじゃないですか」
「またまた。フゥリ相手だと手馴れてる癖に。でもそういうかわいらしいところ嫌いじゃないですよ。あとこっちが大きくなっちゃってるのも、緊張のせいっていうことにしておいてあげますね」
「ちょっとオオヒメ様っ」
オオヒメは少年を押し倒すと少年の腰の上に跨った。
ショーツに包まれたオオヒメの肉付きのいい臀部が少年の硬くなった男性器に触れて、びくんと震えた。
両手はオオヒメの手によって絡めとられて、恋人のように繋がっている。
すべすべとした手の感触を堪能しようと少年は指を動かす。
「んふふ、触り方がやらしいですよ。視線もだんだん下がってきてますし、えっちですねえ。付き合いも長いから知っていましたし、悪い気もしませんけどね」
オオヒメは身体を倒すと、少年の首筋に吸い付いた。
皮膚を唇で挟み、前歯で噛み締め、舌で舐める。
ぷはぁ、と音を立ててオオヒメが首筋から口を離す。
気が付けば繋がっていた手と手は離れて自由になっている。
きっと跡になっているだろうな。
まだ生温かい唾液で濡れた首筋を撫でながら少年は思った。
上体を起こすと、目の前にオオヒメの白い首元があった。
胸の膨らみを覆い隠しているワイシャツは僅かにその下の肌を透かしている。
ワイシャツを捲った少年は胸に触れようとして、手を止めた。
オオヒメがにやにやとしながら様子を見ていることに気が付いたからだ。
「さて、少年はどうしたいですか」
「オオヒメ様のおっぱいを吸わせてください」
「ふふっ、さあどうぞ召し上がれ」
少年が乳房に触れる。
ふにふにと柔らかく弾力のあるそれに指が沈み、手に力を加えるたびにお椀型を保てずに形が歪んでいく。
揉んでいるうちに手の平に硬いものが当たる感覚がした。
そろそろ頃合いかと、少年は乳房から手を離す。
現れるのは薄い桜色の乳輪と、ピンと硬く立ち上がっている乳頭。
見慣れたそれを、少年は目を閉じて口に含んだ。
舌で乳首を転がし、顎を使って貯蔵されている白い甘露を吸い出す。
乳首から漏れ出るさらさらとした粘度の低い液体は舌触りがよく、ほんのりとした甘さが口内に広がる。
「おっぱい吸っている時の少年って本当に幸せそうですね。よしよし」
少年の頭を撫でながらオオヒメが呟く。
オオヒメに全身を上から下まで包み込まれてるような感覚に、少年の全身の力が抜けていく。
リラックスしきって落ち着いている感覚は微睡にも似ていて、このまま意識を手放してしまうというのも悪くなかった。
「疲れているのもあるのでしょうけれど、おっぱい沢山吸ってお腹いっぱいになったらおねむですか。赤ちゃんならそれでもいいですが、少し困りますね」
オオヒメは胸に吸い付いたままの少年を引き剥がすと、立ち上がりショーツを下ろしていく。
唐突に目の前で始まったストリップ紛いの行動に、ぼんやりとしていた少年の意識が一気に覚醒する。
ショーツの下に隠されていた小さな逆三角形の茂みに目を奪われる。
「お熱い視線ありがとうございますね。今日は特別に私が動いてあげますから、少年はただじっとしていればいいですよ」
オオヒメが意地悪く笑う。
ショーツを少年の顔の頭の上にはらりと落とすと、オオヒメは軽く腰を浮かせて秘所に男性器の先を押し当て、ゆっくりと腰を下ろした。
濡れたオオヒメの秘裂が少年を飲み込んでいく。
腰を下ろし切ったオオヒメはふぅ、と息を吐いて、自身の下腹部を愛おしそうに撫でた。
「私の膣内、少年でいっぱいになっちゃいましたよ。それでは、動きますね」
オオヒメは少年の首に腕を回すと、緩慢な動作で腰を上下に動かす。
肉の襞がぬるぬると絡みつく。
だが、締め付けはきつすぎるということはなく、むしろまったりと優しく包み込み、程よい圧を男性器に与えてくる。
少年の眼前では、動きに合わせてオオヒメの乳房がふるんふるんと揺れている。
我慢できずに乳首を口に含むと、オオヒメは大きく身体を上下させる動きを止め、腰を揺するような動作へと切り替えた。
「こっちのほうが吸いやすいでしょう? 激しく動かしたほうが早くイけますけど、こっちのほうが時間がかかるので長く繋がっていられますし、その分いっぱいおっぱいを味わいながら気持ちよくなれますよ」
ぐりぐりと奥に擦りつけるような動き。
それが終わったかと思うと前後に、左右に腰が動く。
膣肉が蠢き、射精を促してくる。
その変幻自在な腰使いは先程までの激しい刺激こそないが、ゆっくりとじんわり温められていくかのように快感を与えてくる。
口に広がる甘味と心中に溢れる充足感で、興奮が増していく。
もっと気持ちよくなりたい。
気が付けば少年は無意識のうちに腰を動かしていた。
「んむ、あぅ」
「よーしよし、おっぱい吸いながら、おちんちん動かせてえらいですね。んっ、そこいいですよ。上手上手」
オオヒメに頭を撫でられて少年の頬が緩む。
褒められたとなれば、もっと褒められたくなる。
ベッドのスプリングを利用してリズミカルに腰を動かすと、オオヒメの身体もそれに合わせて上下に軽く跳ねる。
「あんっ♡私が動くといったのに」
くすくすと困った子供を見るかのようにオオヒメが言った。
「そんなに気持ちよくなりたいんですね。いいですよ、私も手伝ってあげます」
オオヒメは両手を少年の背に回してしがみつくと、腰を勢いよく上下させはじめた。
肉同士がぶつかりあい、ぱちゅん、ぱちゅんと音が響く。
今までのまったりとした締め付けから打って変わり、千切れてしまうのではないかというほど膣肉がきつく締め付けてくる。
少年も負けじと腰を動かすが、オオヒメはそれを意に介さず腰を振る。
下半身は乱暴にも思えるほど激しく動いているというのに、オオヒメの上半身は微動だにせず、少年の授乳を邪魔するまいというオオヒメの気遣いが感じられた。
両腕でオオヒメの身体を抱きしめて、こみ上げてくる射精感を必死に耐える。
いつの間にか少年は口も腰も、動かすのをやめていた。
動かすのをやめたというのに口の中には甘い雫がだらだらと流れてくるし、腰が今も震えだしそうなほどの快感が男性器から昇ってくる。
「んふふ、おっぱいを吸う余裕もないとは、もうそろそろ限界ですね。では、ちょっと本気出しちゃいますよ。私の膣内にたぁくさん射精してくださいね」
「あぅ、オオヒメさま、もうっ」
「ほぉら、イってください♡」
オオヒメの全身を使った杭打ちピストンに耐え切れず、少年はベッドに倒れこむと身体を震わせながら精を吐き出した。
勢いよく噴き出る絶頂の熱は一滴残らずオオヒメの膣奥に受け止められた。
「ちゃんと射精できましたね。えらいえらい」
繋がったまま肩で息をする少年をオオヒメはぎゅっと抱きしめて起き上がらせる。
伝わってくる力と体温はまるで温泉にでも浸かっているかのような心地よさで、意識を手放してしまいそうだった。眠ってしまわなかったのは単に、まだ足りないと少年が感じていたからである。
少年はオオヒメの両肩を掴むと、体重をかけて一気に押し倒した。
上下が逆転し、今度は少年がオオヒメの覆いかぶさる形になった。
両手をオオヒメの顔の横につき、少年はまじまじとその顔を覗き込む。
「あら? どうしましたか少年。いきなり押し倒すなんて流石に吃驚しちゃいましたよ」
言葉とは裏腹にオオヒメは全く驚いていないようだった。それどころか押し倒されることすら当然とばかりに繋がったモノが抜けないよう、倒れる瞬間に少年の腰に脚を絡ませていた。
脚の動きで締め付けが強くなり、射精したばかりの男性器はびくりと震えた。
「今度は俺の番ですからね」
「男の子ですねえ。いいですよ、今度は少年が思いっきり腰を打ち付けてくださいな」
オオヒメが耳元で囁くと、少年は力強く腰を打ち付けた。
◇
シーツに包まって横になっているオオヒメ様を私が正座でじっと見つめていると、オオヒメ様はこちらを見つめながら不思議そうに目を細めた。
オオヒメ様の胸元には旦那様が顔を埋めていて、時折好き、好きと寝言を漏らしている。
胸が好きで好きでたまらないこの人は眠りながらでも胸を吸う技術を身に着けたらしく、寝息を立てる合間合間にオオヒメ様の胸に吸い付いていた。
そんな旦那様はとても幸せそうで、特にオオヒメ様が頭を撫でるとこれ以上の幸福はないとばかりに顔を緩ませた。
オオヒメ様はその様子をたっぷりと見せつけるとドヤっとした表情を浮かべた。
「ものすごい目つきですけれど、どうしたのですかフゥリ」
「どうしたもこうしたもオオヒメ様が原因でしょうがっ。なんでオオヒメ様が旦那様と丸一日エッチしてるんですか!」
「しっ、声が大きいですよ。少年が目を覚ましてしまうではないですか。こんなにかわいらしい寝顔なのですから、堪能しなければ損というものでしょう。どうですか、フゥリも一緒に眺めませんか?」
オオヒメ様が手招きをする。
暫く考え込んでから私はオオヒメ様の反対側、旦那様を挟み込む場所で布団に潜り込んだ。
「そういう素直なところ、いいですね」
「ふんっ」
鼻を鳴らしてそっぽを向く。
「あらあらまた拗ねられてしまいましたね。私としては昨日のように少年と恋人ごっこをするのはなかなか楽しかったのですが、その度にフゥリにこうなられても困りますし、今度からは多少控えるとしましょうか」
くすくすとオオヒメ様が笑う。
多少控えるということは、辞めるということではない。隙あらば今のようなことをするということだ。
「つまり、私が見ていないところではやるかもしれないということですね」
「ご明察です。流石フゥリ、頭の回転も速いですね。ではこうしましょうか。フゥリと少年の許可があれば昨日のように二人きりで恋人同士として楽しめるというのは。ああ、恋人という関係が嫌なのでしたら、お妾さんとか二号さんでも構いませんよ」
「オオヒメ様っ!」
勢いよく手をついて身体を起こしてオオヒメ様を睨みつける。
その振動のせいで目を覚ましたのだろうか、旦那様が小さく呻いて身体を震わせた。
ひょっとして起こしてしまったのだろうか。
「おや、お目覚めですね。おはようございます少年」
「んむ、おはようございますオオヒメ様」
「んふふ、昨日は情熱的でとてもよかったですよ。あんなに激しく求められるとは思いませんでしたからね。お腹の奥がまだ少年の子種でいっぱいで、重たいです」
「ちょっと、オオヒメ様」
「あら顔真っ赤にしちゃって。本当にかわいらしいですねえ。ところで後ろ、見てみてください」
オオヒメ様が私を指さした。
旦那様がびくりと身体を震わせて、公園に放置されて錆び付いた回転遊具のようにぎこちなく首を回して後ろへと振り返る。
オオヒメ様の口ぶりでは昨日は随分と盛り上がったらしい。
激しかったらしい。
甘え倒したらしい。
おっぱいもたくさんすったのだろう。
いっぱいえっちしたのだろう。
「あのフゥリ——」
「つーん!」
私は目を閉じてそっぽを向いた。

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