最終更新:ID:X22XayQSew 2026年02月01日(日) 19:04:26履歴
「暫くはフゥリとエッチなことするのは、控えようと思います」
少年は両手を膝上できつく握りしめて今にも血の涙を流しそうな表情で言葉を絞り出した。
「別に構いませんよ」
「ごめんフゥリ——ってえ?」
「だから別にいいって言ってるんですよ。いいじゃないですか、たまにはお休みするのも。毎日のように夜遅くまでシてるのも不健康ですしね」
驚くでもなく、怒るでもなく。まるでなんでもないように、フゥリはただ淡々と寝る準備を進めていく。
少年としては二人の間の事なのだからと一応報告をしておこうと思って、話をしたのだが当てが外れる形となった。
「それよりも、もう夜も遅いですからね。明日も早いんでしょう。なら早く寝ましょうよ」
「は、はい」
よくよく考えてみればフゥリは自分から誘ってくることはそうそうなく、がっつりするよりも軽めのスキンシップやお喋りをしたがる傾向がある。
あくまで我慢するのは少年であってフゥリではないのだから、あんなことを宣言されても困るだけだろう。
これが何カ月も続くというのなら、フゥリだって不安になるのだろうけれども、精々数日、長くて一、二週間である。
丁度いいお休みくらいの感覚なのかもしれない。
変なことを考えずに、もう寝よう。
そう決心して毛布にくるまった潜った少年に、後から同じ毛布に入ってきたフゥリが後ろから抱き着いてきた。
「えっ、ちょっとフゥリ? なんで入ってきているの? というかなんでくっついてきてるの?」
「ベッドが同じなんですから、一緒に入らないと眠れないですよ。それに今日は寒いですからね。くっついていたほうが温かくて、よく眠れそうじゃないですか」
「いやそれはわかったけど、その胸が当たって——」
「暫くはえっちなことしないんでしょう? なら問題ありませんよね」
フゥリは腕に力を込めて、更に強く密着する。
柔らかな身体が当たって、少年の鼓動が早くなる。
胸が押し付けられ、脚が絡みついてくる。
フゥリはふぁぁと大きく欠伸をして
「おやすみなさい、あなた」
と言い、少年の項に顔を埋めた。
すうすうというフゥリの穏やかな寝息が聞こえてくる。
今日は眠れそうもないなと思いながら、少年は目を閉じた。
◇
翌朝、少年は寝不足でぼんやりとした頭のままシャワーを浴びていた。
一晩中フゥリが背中に抱き着いていては、落ち着いて睡眠をとるのは無理な話であった。
フゥリはがっちりと強くしがみついていて、背中には彼女の柔らかな双丘が薄いパジャマ越しに押し当てられていた。
脚には肉づきのよい脚が絡みつき、手は時折少年の服の中に入ろうとしてきた。
項に顔を埋めていることもあり、フゥリの安らかな寝息ははっきりと少年の耳へと届いていた。
意識せずともフゥリの体温が全身に伝わってくるし、寝返りを打てばフゥリを起こしかねない。一晩中じっとしているしかなかった。
結果、少年は一睡もせずにじっとしていることを余儀なくされた。
空が白みかけてきた頃にようやく少年を離したフゥリを起こさないようベッドから抜け出した少年は、ひとまず眠気をはらうためにシャワーを浴びることにしたのだった。
熱いシャワーを頭に受けながら大きく欠伸をしながらぐっと伸びをすると、眠気はすっかり消えていた。
そろそろ上がるかと少年が考えた、その時。
「お邪魔しますね、あなた」
鏡越しに、身体にバスタオルを巻いたフゥリと目が合った。
寒さのせいか、半透明の黄緑色をした狐耳と尻尾がピンと立っている。
いつの間に入ってきたのだろう。
浴室のドアが開いたようには思えなかった。
「酷いじゃないですか、私を置いて一人でベッドから抜け出るなんて。起きたらいなくて寂しかったんですからね?」
片手でバスタオルを押さえながら近づいてきたフゥリは、少年の背後にぴたりとくっついた。
鏡越しにフゥリが無邪気に笑いかける。
その笑顔に少年は違和感を覚えた。この一切の陰のない笑い方は、フゥリのそれではない。
「ひょっとして、オオヒメ様ですか?」
「おや、バレてしまいましたか。さては、この耳で判断しましたか?」
オオヒメが自身の頭にある狐耳を指さした。
「いいえ違います。いや、そこもそうなんですけど、なんというか、笑い方が違うんですよね。フゥリとオオヒメ様って」
「意外としっかり見ているのですね。見直しましたよ」
オオヒメは少年の背中を軽く叩いた。
「まあ、耳と尻尾は消そうと思えば消せるのですけれどね」
瞬きのうちにオオヒメから狐耳と尻尾が消え、いつものフゥリの姿となった。
見た目はフゥリでも表情はやっぱりオオヒメのそれだと、少年は思った。
「ところで、昨日フゥリの中で一緒に聞いていたんですけれど、フゥリとエッチなことするのを控えるんですって?」
「はい、そうですけど。それが何か?」
「何か、ではありませんよ。私には説明もなぁんにもありませんでしたけど、私はどうなんですか? フゥリと、ってことは私とはしてくれるってことですよね?」
「えっ、いや、あれはフゥリとだけじゃなくて。言葉が足りなかったですね。オオヒメ様とも控えたいというか——」
「えー、なんでですか。いいじゃないですか。何が不満なんですか。おっぱい吸い足りませんでしたか。それともおっぱい離れする気になっちゃったとかですか」
「不満とかじゃなくて、その、ちょっと二人に溺れすぎな気がしたというか」
むぅとオオヒメが口を尖らせた。
「私は別に構いませんのに」
「オオヒメ様じゃなくてこっちが構うんですよ」
「こんなに言ってもですか?」
「そんなに言ってもです」
「強情ですねえ。なら、その気になってもらうとしましょうかね」
オオヒメは両手にボディソープを出すと、身体に巻いていたバスタオルをはらりと落として、身体に塗って泡立てはじめた。
その様子を見ないよう、少年は顔を背けながらじりじりと浴室の入口へと向かっていく。
後ろ手に扉を開けた瞬間、オオヒメが勢いよく振り向いた。
胸や大事なところは泡に包まれている。
泡で覆われていない肌は軽く上気していて、艶かしい。
少年は咄嗟に目を閉じる。
「できましたよ少年。それでは——」
「さ、先に上がります!」
少年は転げるように浴室から逃げ出した。
◇
少年はリビングのソファに腰を掛けると、大きく息を吐いた。
朝のオオヒメの一件でとても疲れていたこともあり、少し休んだらもう寝るつもりだった。
少年のところへとフゥリが近づいてきた。
風呂上りなのだろうか、髪の毛はほんのりと湿り気を帯び、頬は赤らんでいる。
フゥリは警戒するように周囲を見渡すと、えいと言って少年の膝上に飛び乗った。そして少年の両手を取って自らの臍の上へと置いて、満足気に鼻を鳴らした。
突然の出来事に少年は目を丸くした。
一緒にいる時はフゥリは少年の隣に座るのが殆どなので、このように膝上に座るのは非常に珍しい。
ただの気まぐれか、それとも何か考えがあってのことなのか。
それとも、今朝のようにオオヒメがフゥリの肉体を操っているのか。
考えても少年には答えが出なかった。
「どうかしましたか、あなた」
フゥリの声に少年は思考の世界から引き戻された。
服越しにフゥリのお尻の、お腹の、手の柔らかさが伝わってくる。嫌でも意識せざるを得ない。
昔と比べてむっちりとしてきたお尻は——これを言うと本人に言うと怒るのだが、弾力とハリがあり、胸とはまた違ったよさがある。
鍛えられた腹筋の上に薄らと脂肪が乗っているお腹は、すべすべとしていくらでも触っていられそうなくらいだ。
手は少年のものよりも小さく、細い指を触るとこそばゆそうに身体を揺らすのが、これまた可愛らしくて堪らない。
フゥリが髪をかき上げるとちらりと項が見えて、シャンプーのいい匂いが少年の鼻腔を刺した。
下半身が反応しそうになるのを少年は必死に堪えた。
「あのさ、フゥリ——」
「別に平気ですよね」
少年の言葉をフゥリが遮る。
フゥリはお尻を何度か上げては下ろしてを繰り返していたが、しっくりくる場所を見つけたのか肩越しに少年を見ると、フゥリは再び話しはじめた。
「えっちなこと暫くはしないって、昨日言ってましたよね。だから、私も安心してこんなふうに膝上に座れるわけですよ。普段こんなことしたら、ベッドの中に連れ込まれちゃうのが目に見えてますからね」
フゥリは大きく深呼吸してから
「かわいいお嫁さんの信頼、裏切りませんよね?」
と呟いた。
◇
昼休みに学校を訪れたフゥリから忘れ物を受け取りながら、少年は深々と頭を下げた。
膝をついて額を擦りつけようともしたが、それはフゥリによって止められた。
「まったく、そんなことするくらいなら最初から忘れ物しないようにしてください」
「おっしゃる通りです」
「本当に分かってるんですか。反省してください」
口調こそ厳しいが、フゥリは手を口元に当てて必死に笑いを噛み殺していた。
そんなフゥリに少年は思わず笑みを浮かべたが、それを見たフゥリはキッと目を細め、
「反省してないようですね」
と一オクターブ低めの声で言い放った。
「言われてやんの」「いい身分だよな、彼女に忘れ物届けさせるなんて」「やっほ、フゥリちゃん」「美人だよねフゥリさん」「フゥリちゃんと付き合いたい」「なんでカップルのイチャイチャをおかずに昼飯食わなきゃいけないんだよ」
「おい、今人の彼女と付き合いたいって言ったやつ誰だよ」
「あはは、ありがとうございます。ほら、あなた抑えて抑えて。ただの野次ですから」
反応に困ったのか愛想笑いを浮かべているフゥリの身体を引き寄せた少年は、野次馬を睨みつけた。
フゥリを抱いたまま少年は野次馬を振り切り、来賓者用駐車場まで移動し、周囲を見渡して誰も見ていないことを確認してからフゥリを離した。
「本当にありがとう。助かった」
「いいんですよ。私も会いたかったですし、丁度良かったです。でも忘れ物はしちゃだめですからね」
「わかってます」
「よろしい」
えっへんと胸を張るフゥリ。
それではと言って帰ろうとしたフゥリは暫く硬直したかと思うと、突然振り返って少年の方へと小走りで駆け寄ってきた。
少し顔を赤らめたフゥリは、よしと気合を入れるとじっと少年を見つめた。
「ねえあなた。私って美人ですか?」
「いきなり何を」
「さっきの人たち、私のこと美人だとか、付き合いたいとか言ってましたよ。あなたはどうなんですか」
「どうって、いつも言ってるじゃん」
「いつもじゃなくて、今の考えを聞きたいんです。私は」
珍しく我が儘だなと少年は思った。
「美人でかわいい、と思っています」
「なんですか? よく聞こえませんでした」
「美人でかわいいって言いました!」
揶揄われてるなあと思いつつも、少年はもう一度同じ言葉を口にした。
流石に今度は聞こえなかったフリはできなかったのか、フゥリはきょとんとした後、両手を頬に当ててくねくねと身体を動かした。
「えへへ、美人でかわいいですって。美人。かわいい。かわいいんですね。なら、その美人でかわいい彼女と離れる前にすること、ありますよね」
フゥリは目を閉じて顎を上げて唇を差し出してきた。
明かなキス待ちに少年は困惑した。
家の中ならいつ何時でも歓迎だが、生憎ここは外。しかも学校の駐車場である。
他人に見られる可能性がある。
こんなところを見られたら、その話題で数日間は弄られるだろう。
そもそもフゥリはこんなに積極的だっただろうか。もしやフゥリではなく、オオヒメが彼女の身体を使って少年の事を揶揄っているのではないか。
次から次へと流れ出てくる思考の波を纏めてどこかに押しやり、少年はようやく行動を起こした。
少年はフゥリの唇に指を押し当てると、
「そういうのは帰ってからでお願いします」
と消え入りそうな声で言った。
目を開いたフゥリは不満気にそうですかと呟き、バイクに跨った。
「帰ってきたら、絶対してもらいますからね」
そう言ってフゥリは帰っていった。
対応を間違えたなと少年は肩を落とした。
「なんでキスしてあげなかったんですか?」
声がした方を見れば、一人の女生徒がいた。
「分かっていたはずでしょう。ここでキスしても、誰にも見られやしないってこと。だって私がついていたんですから」
濡れたような黒髪をお尻のあたりまで伸ばしたその女生徒は、生徒というには少し年上のように見える。
その女生徒はオオヒメであった。
オオヒメは少年の肩に手を置くとにたにたと笑いながら、
「キスもできないなんて、へたれですねえ」
と耳元で囁いた。
◇
「おかえりなさい、あなた」
学校から帰ってきた少年を出迎えたのは、水着姿のフゥリだった。
フゥリの着ている水着は妙に布面積が少ないうえに明らかにサイズがあっておらず、特にトップスはぶかぶかで少し動けば膨らみの頂点にあるものが見えても不思議ではなさそうだ。
暖房がしっかりきいていて、上着を着たままだと暑いくらいである。
少年の額から汗が流れ落ちる。
この汗が暑さのせいではないことは、少年自身がよくわかっていた。
「さあさあ、こちらへどうぞあなた」
フゥリに手を引かれた少年はあれよあれよという間に服を脱がされ、パンツ一枚のみ残してベッドに敷かれたマットの上でうつ伏せになっていた。
何故か抵抗はできなかった。
顔を上げると、視線の先には大きめの鏡が設置されていた。
なんのために設置されているか分からないそれを眺めていると、フゥリが少年の背に跨った。
「ねえ、一体何をするつもりなの」
「昨日も一昨日もあんまり寝ていないでしょう。お疲れのようですから、マッサージでもしてあげようかなって」
少年の背中に人肌程度の温かさのオイルのようなものが垂らされ、フゥリが両手でそれを伸ばしていく。
その様子を見ていた少年は、あることに気が付いた。
水着の隙間からフゥリの胸がちらちらと見えそうになっているのだ。
もう少し屈めば、あの黒に近い濃茶色をした乳首が見えることだろう。
「どうですか、ぬるぬるしてるでしょう」
「う、うん」
「これを塗りながらですね、こういうふうにですね」
肩甲骨に親指を当てながらフゥリが体重をかける。
ずきりとした痛みが肩の周りに広がっていく。
「んん、お客さん凝ってますね」
フゥリは次々に押す場所を変えていき、その度に走る痛みが少年には心地よく感じられた。
然程大きくない手は高めの体温とオイルのぬるぬるした感触もあり、触れられるだけで気持ちよく、疲れが瞬く間に霧散していくかのようだった。
フゥリはマッサージも上手なんだなと、少年は鈍くなってきた頭で思った。
肩を揉み、首をほぐし、腕を動かし終わると、フゥリはふうと大きく息を吐いた。
鏡越しに見るとフゥリは相当動いていたのか、頬を赤く染めて額に薄らと汗を浮かべていた。
案の定、フゥリが動く度にサイズの合っていない水着の隙間から、あの年齢に不相応なほどに熟しきっている乳首がちらちらと見えている。
時折、乳白色の雫を零している乳頭に思わずかぶりつきたくなる。
今にも振り向いて、あの胸を好き勝手弄りたいという気持ちを抑えて、少年はマッサージを受け続けてた。
「これで終わり?」
「いいえ。ここからが本番ですよ。そぉれっと」
フゥリは上体を倒し上半身を少年の背中に密着させると、そのまま身体を揺するように動かしはじめた。
なかなかの存在感を誇る双丘がスポンジ代わりとなって背中を這いまわる。
「ちょっと、フゥリ⁉」
「んふふ、こういうのもぬるぬるしていて気持ちいいでしょう」
背中いっぱいに広がる柔らかな感触に、少年の息が荒くなっていく。
鏡には少年にお尻を高く掲げて、上半身を前後に動かすフゥリが映っている。
フゥリの熱っぽい吐息が耳にかかる度に、ぞくぞくとしたものが少年の内に沸き上がった。
「はい、背中終わりですよ。仰向けになってくださいね」
フゥリが少年の上から退いた。
言われたとおりに仰向けになろうとしたところで、まずいと少年は思った。
「どうしたんですか。ひょっとして、仰向けになれない事情とか、できちゃいました?」
悪戯っぽい笑みをフゥリが浮かべる。
ここぞとばかりに攻めてくる。
少年は覚悟を決めて仰向けになる。
股間のモノが熱を帯びて天高く屹立し、パンツを押し上げていた。
それをみてフゥリは口元を手で隠しながら、あらあらと呟いた。
「マッサージしてただけなのに、こんなにしちゃったんですか? 随分溜まってたんですね」
「あれのどこがマッサージだって?」
「でも気持ちよかったでしょう。ところで、こっちももう限界のようですけど」
フゥリがパンツの上から男性器に触れた。
「今ならサービスしてあげますけど、どうしますか?」
◇
「結局、こうなるんですよね——ひぅっ♡それっ、奥擦るの♡だめ♡」
「まあそう言わないであげてください。少年も頑張って我慢していたみたいなんですから。ね、少年」
対面座位で旦那様と繋がりながら漏らした私の独り言に対して、旦那様に背後から抱き着いているオオヒメ様がけらけらと笑いながら返してきた。
旦那様はというと、一心不乱に私の胸に吸い付いている。舌と顎をしきりに動かして、痛いくらいに硬くなった乳首を、これでもかというほどに責め立ててくる。母乳を最後の一滴まで吸いつくしてやると言わんばかりだ。
「あん♡甘やかしちゃ駄目ですよ、オオヒメ様」
「えー、だってしょうがないじゃないですか。お風呂で私の姿を見ないよう必死になっていた時なんて、かわいくてかわいくて仕方なかったですし。ああいう初々しいところ見せてくれるからだいすきなんですよねえ。それにフゥリも結構溜まっちゃったんでしょう?」
「むぅ、否定はしませんけど」
「素直じゃないですねえ。寝てる間なんて、バレないようどきどきしながら少年の脚に——ひゃん♡」
余計な事を言わないようにとお尻を軽く叩いたら、オオヒメ様は甘い鳴き声を上げた。
禁欲宣言を聞いた時、私は心底驚いた。ちなみにオオヒメ様は私の中で笑っていた。
何が理由なのだろうと考えたが答えは出ず、旦那様に抱き着きながら夢の中でオオヒメ様と意見交換した。
やれ変な病気なんじゃないかとか、他に女ができたんじゃないかとか、流石に連日連夜エッチしてたから身体が悲鳴を上げたんじゃないかとか、この前私が夜の事情を友人にポロリと漏らしたせいでクラスの女子から冷ややかな扱いを受けて凹んでしまったんじゃないかとか。好き勝手に憶測を言い合った。
結果、理由はわからないし、とりあえず音を上げるまで誘惑すればいいじゃないですかというオオヒメ様の意見に私が消極的賛成を示し、この数日のアプローチが始まった。
私とオオヒメ様のアタックを悉く耐え切った旦那様に対して、オオヒメ様提案のあのマッサージをついに実行。
どう考えても挿入していないだけでただのセックスなのだが、意外にも旦那様は耐えた。鏡越しに胸や脚の間に視線が釘付けになっていたり、しきりに手を動かして触りたいのを一生懸命押さえていたりと、傍目から見れば我慢できていないのは明らかだというのに、旦那様は最後の最後までなかなか首を縦に振らなかった。
ただし、堕ちたら後はもう手の早いこと早いこと。今まで我慢していた分を全部一気にぶつけるかのような勢いだった。
遠慮なく胸は揉む。母乳はもう出なくなりそうなくらいの勢いで吸う。首の服で隠れないところにこれでもかというほどにキスマークをつける。オオヒメ様のおっぱいを吸いながら私をバックで突きまくるなど、もうやりたい放題。
何度か射精してようやく落ち着いてきたかと思ったら、今の状態である。
激しさこそ鳴りを潜めたものの、今度は奥のほうをぐりぐりと執拗に擦られる。何度もイかされた今の私ではそう長く耐えられそうにない。
「あっ♡あなた、私もう——んむぅ♡」
胸から口を離した旦那様が乱暴に私の口を塞いできた。
ぐちゅぐちゅと音を立てて、旦那様の熱い舌が私の口内を舐る。
お互いの舌が絡んで離れられなくなり、無限に流れ出てくる唾液が混ざり合って唇の端から流れ落ちていく。
旦那様は左手を私の腰に回し、右手で乳房を弄びながら、小刻みにとんとんと奥を突いてくる。
快感に耐えかねた私は強く旦那様にしがみついた。
「んっ♡むぅ、ちゅ、ちゅっ、ぷはぁっ♡はぁ、はぁ、ひぃっ♡あなた、それ、だめぇ♡」
旦那様は唇を離すと左手でお尻を鷲掴みにして揉みしだく。
揉みながらお尻の割れ目に指先を走らせる。
ぞくぞくするような感覚に思わず仰け反ってしまった。
身体の色んなところを触られ、お腹の奥から旦那様に染められて、私の口はまるで壊れたラジオのように甘い声を漏らし続けている。
「二人で夢中になってずるいですよ。私も混ぜてくださいな」
オオヒメ様が私の背後に回り込み、密着してくる。
むにゅりと柔らかなオオヒメ様の乳房が押し当てられ、漏れ出た母乳が背中を濡らす感覚があった。
「ひゃあっ♡おおひめ、さまっ、なにを♡」
オオヒメ様の細い指がお尻の穴に触れて、びくりと身体が跳ねる。
その様子を見た旦那様は、にやりと笑って胸にかぶりついた。
残り少ない母乳を無理矢理吸い出されて、痛みと快感が同時に走り、私の視界がチカチカと明滅する。
「んふふ、前と後ろから弄られて、ぜーんぶトロトロですね」
「だめ、だめぇ♡もう、わたしぃ♡♡」
オオヒメ様に耳元で囁かれると、耳まで性感帯になったかのように錯覚してしまう。
意識もあやふやになってきたところに、旦那様にトドメとばかりにがつんと強く奥を叩かれ、オオヒメ様に耳を甘噛みされた。
「〜〜〜〜〜ッ♡♡♡」
長々と絶頂した私は、力なく倒れ込んでしまった。
どちらが上か下か、前か後か、右か左かもわからず、心身ともにくたくたであった。
気が付けばベッドの上に仰向けにされていて、両隣に旦那様とオオヒメ様が私のことを覗き込むように座り込んでいた。
「うーん、なんだか見てるだけでエッチな気分になりますね。少年もそうでしょう?」
「えっ、いや」
「取り繕わなくてもいいですよ。そんなにおっきくしてるじゃないですか」
オオヒメ様が旦那様の股間を指差す。
なんとかそちらの方を向くと、目と鼻の先に血管を浮かび上がらせて屹立している男性器があった。
思わず目を背けそうになるほど凶悪なそれは、私と旦那様の体液でぐっしょりと濡れている。それどころか鈴口からは我慢しきれていない証がとろりと流れ落ちていた。むせかえりそうなほどの精の匂いが鼻腔を刺激する。
オオヒメ様が私の上に覆いかぶさった。
胸と胸が当たって、自分のことながらエッチだなあと思った。
ふとオオヒメ様のほうを見るとにこりと笑って、アイコンタクトをしてきた。
しょうがない。疲れているけど付き合うとしよう。
「ほぉら、久しぶりの御巫さんどいっちですよ。少年これも好きだったでしょう」
「私のほうは旦那様が丁寧にほぐしたからとろとろになってて、今が一番の食べ頃ですよ」
「んふふ、私のほうもよく熟れてておいしそうでしょう?」
どうぞお好きに召し上がれ、と私とオオヒメ様が声を重ねる。
明日は立ち上がれないかもなあと、近づいてくる旦那様を見ながら考えた。
少年は両手を膝上できつく握りしめて今にも血の涙を流しそうな表情で言葉を絞り出した。
「別に構いませんよ」
「ごめんフゥリ——ってえ?」
「だから別にいいって言ってるんですよ。いいじゃないですか、たまにはお休みするのも。毎日のように夜遅くまでシてるのも不健康ですしね」
驚くでもなく、怒るでもなく。まるでなんでもないように、フゥリはただ淡々と寝る準備を進めていく。
少年としては二人の間の事なのだからと一応報告をしておこうと思って、話をしたのだが当てが外れる形となった。
「それよりも、もう夜も遅いですからね。明日も早いんでしょう。なら早く寝ましょうよ」
「は、はい」
よくよく考えてみればフゥリは自分から誘ってくることはそうそうなく、がっつりするよりも軽めのスキンシップやお喋りをしたがる傾向がある。
あくまで我慢するのは少年であってフゥリではないのだから、あんなことを宣言されても困るだけだろう。
これが何カ月も続くというのなら、フゥリだって不安になるのだろうけれども、精々数日、長くて一、二週間である。
丁度いいお休みくらいの感覚なのかもしれない。
変なことを考えずに、もう寝よう。
そう決心して毛布にくるまった潜った少年に、後から同じ毛布に入ってきたフゥリが後ろから抱き着いてきた。
「えっ、ちょっとフゥリ? なんで入ってきているの? というかなんでくっついてきてるの?」
「ベッドが同じなんですから、一緒に入らないと眠れないですよ。それに今日は寒いですからね。くっついていたほうが温かくて、よく眠れそうじゃないですか」
「いやそれはわかったけど、その胸が当たって——」
「暫くはえっちなことしないんでしょう? なら問題ありませんよね」
フゥリは腕に力を込めて、更に強く密着する。
柔らかな身体が当たって、少年の鼓動が早くなる。
胸が押し付けられ、脚が絡みついてくる。
フゥリはふぁぁと大きく欠伸をして
「おやすみなさい、あなた」
と言い、少年の項に顔を埋めた。
すうすうというフゥリの穏やかな寝息が聞こえてくる。
今日は眠れそうもないなと思いながら、少年は目を閉じた。
◇
翌朝、少年は寝不足でぼんやりとした頭のままシャワーを浴びていた。
一晩中フゥリが背中に抱き着いていては、落ち着いて睡眠をとるのは無理な話であった。
フゥリはがっちりと強くしがみついていて、背中には彼女の柔らかな双丘が薄いパジャマ越しに押し当てられていた。
脚には肉づきのよい脚が絡みつき、手は時折少年の服の中に入ろうとしてきた。
項に顔を埋めていることもあり、フゥリの安らかな寝息ははっきりと少年の耳へと届いていた。
意識せずともフゥリの体温が全身に伝わってくるし、寝返りを打てばフゥリを起こしかねない。一晩中じっとしているしかなかった。
結果、少年は一睡もせずにじっとしていることを余儀なくされた。
空が白みかけてきた頃にようやく少年を離したフゥリを起こさないようベッドから抜け出した少年は、ひとまず眠気をはらうためにシャワーを浴びることにしたのだった。
熱いシャワーを頭に受けながら大きく欠伸をしながらぐっと伸びをすると、眠気はすっかり消えていた。
そろそろ上がるかと少年が考えた、その時。
「お邪魔しますね、あなた」
鏡越しに、身体にバスタオルを巻いたフゥリと目が合った。
寒さのせいか、半透明の黄緑色をした狐耳と尻尾がピンと立っている。
いつの間に入ってきたのだろう。
浴室のドアが開いたようには思えなかった。
「酷いじゃないですか、私を置いて一人でベッドから抜け出るなんて。起きたらいなくて寂しかったんですからね?」
片手でバスタオルを押さえながら近づいてきたフゥリは、少年の背後にぴたりとくっついた。
鏡越しにフゥリが無邪気に笑いかける。
その笑顔に少年は違和感を覚えた。この一切の陰のない笑い方は、フゥリのそれではない。
「ひょっとして、オオヒメ様ですか?」
「おや、バレてしまいましたか。さては、この耳で判断しましたか?」
オオヒメが自身の頭にある狐耳を指さした。
「いいえ違います。いや、そこもそうなんですけど、なんというか、笑い方が違うんですよね。フゥリとオオヒメ様って」
「意外としっかり見ているのですね。見直しましたよ」
オオヒメは少年の背中を軽く叩いた。
「まあ、耳と尻尾は消そうと思えば消せるのですけれどね」
瞬きのうちにオオヒメから狐耳と尻尾が消え、いつものフゥリの姿となった。
見た目はフゥリでも表情はやっぱりオオヒメのそれだと、少年は思った。
「ところで、昨日フゥリの中で一緒に聞いていたんですけれど、フゥリとエッチなことするのを控えるんですって?」
「はい、そうですけど。それが何か?」
「何か、ではありませんよ。私には説明もなぁんにもありませんでしたけど、私はどうなんですか? フゥリと、ってことは私とはしてくれるってことですよね?」
「えっ、いや、あれはフゥリとだけじゃなくて。言葉が足りなかったですね。オオヒメ様とも控えたいというか——」
「えー、なんでですか。いいじゃないですか。何が不満なんですか。おっぱい吸い足りませんでしたか。それともおっぱい離れする気になっちゃったとかですか」
「不満とかじゃなくて、その、ちょっと二人に溺れすぎな気がしたというか」
むぅとオオヒメが口を尖らせた。
「私は別に構いませんのに」
「オオヒメ様じゃなくてこっちが構うんですよ」
「こんなに言ってもですか?」
「そんなに言ってもです」
「強情ですねえ。なら、その気になってもらうとしましょうかね」
オオヒメは両手にボディソープを出すと、身体に巻いていたバスタオルをはらりと落として、身体に塗って泡立てはじめた。
その様子を見ないよう、少年は顔を背けながらじりじりと浴室の入口へと向かっていく。
後ろ手に扉を開けた瞬間、オオヒメが勢いよく振り向いた。
胸や大事なところは泡に包まれている。
泡で覆われていない肌は軽く上気していて、艶かしい。
少年は咄嗟に目を閉じる。
「できましたよ少年。それでは——」
「さ、先に上がります!」
少年は転げるように浴室から逃げ出した。
◇
少年はリビングのソファに腰を掛けると、大きく息を吐いた。
朝のオオヒメの一件でとても疲れていたこともあり、少し休んだらもう寝るつもりだった。
少年のところへとフゥリが近づいてきた。
風呂上りなのだろうか、髪の毛はほんのりと湿り気を帯び、頬は赤らんでいる。
フゥリは警戒するように周囲を見渡すと、えいと言って少年の膝上に飛び乗った。そして少年の両手を取って自らの臍の上へと置いて、満足気に鼻を鳴らした。
突然の出来事に少年は目を丸くした。
一緒にいる時はフゥリは少年の隣に座るのが殆どなので、このように膝上に座るのは非常に珍しい。
ただの気まぐれか、それとも何か考えがあってのことなのか。
それとも、今朝のようにオオヒメがフゥリの肉体を操っているのか。
考えても少年には答えが出なかった。
「どうかしましたか、あなた」
フゥリの声に少年は思考の世界から引き戻された。
服越しにフゥリのお尻の、お腹の、手の柔らかさが伝わってくる。嫌でも意識せざるを得ない。
昔と比べてむっちりとしてきたお尻は——これを言うと本人に言うと怒るのだが、弾力とハリがあり、胸とはまた違ったよさがある。
鍛えられた腹筋の上に薄らと脂肪が乗っているお腹は、すべすべとしていくらでも触っていられそうなくらいだ。
手は少年のものよりも小さく、細い指を触るとこそばゆそうに身体を揺らすのが、これまた可愛らしくて堪らない。
フゥリが髪をかき上げるとちらりと項が見えて、シャンプーのいい匂いが少年の鼻腔を刺した。
下半身が反応しそうになるのを少年は必死に堪えた。
「あのさ、フゥリ——」
「別に平気ですよね」
少年の言葉をフゥリが遮る。
フゥリはお尻を何度か上げては下ろしてを繰り返していたが、しっくりくる場所を見つけたのか肩越しに少年を見ると、フゥリは再び話しはじめた。
「えっちなこと暫くはしないって、昨日言ってましたよね。だから、私も安心してこんなふうに膝上に座れるわけですよ。普段こんなことしたら、ベッドの中に連れ込まれちゃうのが目に見えてますからね」
フゥリは大きく深呼吸してから
「かわいいお嫁さんの信頼、裏切りませんよね?」
と呟いた。
◇
昼休みに学校を訪れたフゥリから忘れ物を受け取りながら、少年は深々と頭を下げた。
膝をついて額を擦りつけようともしたが、それはフゥリによって止められた。
「まったく、そんなことするくらいなら最初から忘れ物しないようにしてください」
「おっしゃる通りです」
「本当に分かってるんですか。反省してください」
口調こそ厳しいが、フゥリは手を口元に当てて必死に笑いを噛み殺していた。
そんなフゥリに少年は思わず笑みを浮かべたが、それを見たフゥリはキッと目を細め、
「反省してないようですね」
と一オクターブ低めの声で言い放った。
「言われてやんの」「いい身分だよな、彼女に忘れ物届けさせるなんて」「やっほ、フゥリちゃん」「美人だよねフゥリさん」「フゥリちゃんと付き合いたい」「なんでカップルのイチャイチャをおかずに昼飯食わなきゃいけないんだよ」
「おい、今人の彼女と付き合いたいって言ったやつ誰だよ」
「あはは、ありがとうございます。ほら、あなた抑えて抑えて。ただの野次ですから」
反応に困ったのか愛想笑いを浮かべているフゥリの身体を引き寄せた少年は、野次馬を睨みつけた。
フゥリを抱いたまま少年は野次馬を振り切り、来賓者用駐車場まで移動し、周囲を見渡して誰も見ていないことを確認してからフゥリを離した。
「本当にありがとう。助かった」
「いいんですよ。私も会いたかったですし、丁度良かったです。でも忘れ物はしちゃだめですからね」
「わかってます」
「よろしい」
えっへんと胸を張るフゥリ。
それではと言って帰ろうとしたフゥリは暫く硬直したかと思うと、突然振り返って少年の方へと小走りで駆け寄ってきた。
少し顔を赤らめたフゥリは、よしと気合を入れるとじっと少年を見つめた。
「ねえあなた。私って美人ですか?」
「いきなり何を」
「さっきの人たち、私のこと美人だとか、付き合いたいとか言ってましたよ。あなたはどうなんですか」
「どうって、いつも言ってるじゃん」
「いつもじゃなくて、今の考えを聞きたいんです。私は」
珍しく我が儘だなと少年は思った。
「美人でかわいい、と思っています」
「なんですか? よく聞こえませんでした」
「美人でかわいいって言いました!」
揶揄われてるなあと思いつつも、少年はもう一度同じ言葉を口にした。
流石に今度は聞こえなかったフリはできなかったのか、フゥリはきょとんとした後、両手を頬に当ててくねくねと身体を動かした。
「えへへ、美人でかわいいですって。美人。かわいい。かわいいんですね。なら、その美人でかわいい彼女と離れる前にすること、ありますよね」
フゥリは目を閉じて顎を上げて唇を差し出してきた。
明かなキス待ちに少年は困惑した。
家の中ならいつ何時でも歓迎だが、生憎ここは外。しかも学校の駐車場である。
他人に見られる可能性がある。
こんなところを見られたら、その話題で数日間は弄られるだろう。
そもそもフゥリはこんなに積極的だっただろうか。もしやフゥリではなく、オオヒメが彼女の身体を使って少年の事を揶揄っているのではないか。
次から次へと流れ出てくる思考の波を纏めてどこかに押しやり、少年はようやく行動を起こした。
少年はフゥリの唇に指を押し当てると、
「そういうのは帰ってからでお願いします」
と消え入りそうな声で言った。
目を開いたフゥリは不満気にそうですかと呟き、バイクに跨った。
「帰ってきたら、絶対してもらいますからね」
そう言ってフゥリは帰っていった。
対応を間違えたなと少年は肩を落とした。
「なんでキスしてあげなかったんですか?」
声がした方を見れば、一人の女生徒がいた。
「分かっていたはずでしょう。ここでキスしても、誰にも見られやしないってこと。だって私がついていたんですから」
濡れたような黒髪をお尻のあたりまで伸ばしたその女生徒は、生徒というには少し年上のように見える。
その女生徒はオオヒメであった。
オオヒメは少年の肩に手を置くとにたにたと笑いながら、
「キスもできないなんて、へたれですねえ」
と耳元で囁いた。
◇
「おかえりなさい、あなた」
学校から帰ってきた少年を出迎えたのは、水着姿のフゥリだった。
フゥリの着ている水着は妙に布面積が少ないうえに明らかにサイズがあっておらず、特にトップスはぶかぶかで少し動けば膨らみの頂点にあるものが見えても不思議ではなさそうだ。
暖房がしっかりきいていて、上着を着たままだと暑いくらいである。
少年の額から汗が流れ落ちる。
この汗が暑さのせいではないことは、少年自身がよくわかっていた。
「さあさあ、こちらへどうぞあなた」
フゥリに手を引かれた少年はあれよあれよという間に服を脱がされ、パンツ一枚のみ残してベッドに敷かれたマットの上でうつ伏せになっていた。
何故か抵抗はできなかった。
顔を上げると、視線の先には大きめの鏡が設置されていた。
なんのために設置されているか分からないそれを眺めていると、フゥリが少年の背に跨った。
「ねえ、一体何をするつもりなの」
「昨日も一昨日もあんまり寝ていないでしょう。お疲れのようですから、マッサージでもしてあげようかなって」
少年の背中に人肌程度の温かさのオイルのようなものが垂らされ、フゥリが両手でそれを伸ばしていく。
その様子を見ていた少年は、あることに気が付いた。
水着の隙間からフゥリの胸がちらちらと見えそうになっているのだ。
もう少し屈めば、あの黒に近い濃茶色をした乳首が見えることだろう。
「どうですか、ぬるぬるしてるでしょう」
「う、うん」
「これを塗りながらですね、こういうふうにですね」
肩甲骨に親指を当てながらフゥリが体重をかける。
ずきりとした痛みが肩の周りに広がっていく。
「んん、お客さん凝ってますね」
フゥリは次々に押す場所を変えていき、その度に走る痛みが少年には心地よく感じられた。
然程大きくない手は高めの体温とオイルのぬるぬるした感触もあり、触れられるだけで気持ちよく、疲れが瞬く間に霧散していくかのようだった。
フゥリはマッサージも上手なんだなと、少年は鈍くなってきた頭で思った。
肩を揉み、首をほぐし、腕を動かし終わると、フゥリはふうと大きく息を吐いた。
鏡越しに見るとフゥリは相当動いていたのか、頬を赤く染めて額に薄らと汗を浮かべていた。
案の定、フゥリが動く度にサイズの合っていない水着の隙間から、あの年齢に不相応なほどに熟しきっている乳首がちらちらと見えている。
時折、乳白色の雫を零している乳頭に思わずかぶりつきたくなる。
今にも振り向いて、あの胸を好き勝手弄りたいという気持ちを抑えて、少年はマッサージを受け続けてた。
「これで終わり?」
「いいえ。ここからが本番ですよ。そぉれっと」
フゥリは上体を倒し上半身を少年の背中に密着させると、そのまま身体を揺するように動かしはじめた。
なかなかの存在感を誇る双丘がスポンジ代わりとなって背中を這いまわる。
「ちょっと、フゥリ⁉」
「んふふ、こういうのもぬるぬるしていて気持ちいいでしょう」
背中いっぱいに広がる柔らかな感触に、少年の息が荒くなっていく。
鏡には少年にお尻を高く掲げて、上半身を前後に動かすフゥリが映っている。
フゥリの熱っぽい吐息が耳にかかる度に、ぞくぞくとしたものが少年の内に沸き上がった。
「はい、背中終わりですよ。仰向けになってくださいね」
フゥリが少年の上から退いた。
言われたとおりに仰向けになろうとしたところで、まずいと少年は思った。
「どうしたんですか。ひょっとして、仰向けになれない事情とか、できちゃいました?」
悪戯っぽい笑みをフゥリが浮かべる。
ここぞとばかりに攻めてくる。
少年は覚悟を決めて仰向けになる。
股間のモノが熱を帯びて天高く屹立し、パンツを押し上げていた。
それをみてフゥリは口元を手で隠しながら、あらあらと呟いた。
「マッサージしてただけなのに、こんなにしちゃったんですか? 随分溜まってたんですね」
「あれのどこがマッサージだって?」
「でも気持ちよかったでしょう。ところで、こっちももう限界のようですけど」
フゥリがパンツの上から男性器に触れた。
「今ならサービスしてあげますけど、どうしますか?」
◇
「結局、こうなるんですよね——ひぅっ♡それっ、奥擦るの♡だめ♡」
「まあそう言わないであげてください。少年も頑張って我慢していたみたいなんですから。ね、少年」
対面座位で旦那様と繋がりながら漏らした私の独り言に対して、旦那様に背後から抱き着いているオオヒメ様がけらけらと笑いながら返してきた。
旦那様はというと、一心不乱に私の胸に吸い付いている。舌と顎をしきりに動かして、痛いくらいに硬くなった乳首を、これでもかというほどに責め立ててくる。母乳を最後の一滴まで吸いつくしてやると言わんばかりだ。
「あん♡甘やかしちゃ駄目ですよ、オオヒメ様」
「えー、だってしょうがないじゃないですか。お風呂で私の姿を見ないよう必死になっていた時なんて、かわいくてかわいくて仕方なかったですし。ああいう初々しいところ見せてくれるからだいすきなんですよねえ。それにフゥリも結構溜まっちゃったんでしょう?」
「むぅ、否定はしませんけど」
「素直じゃないですねえ。寝てる間なんて、バレないようどきどきしながら少年の脚に——ひゃん♡」
余計な事を言わないようにとお尻を軽く叩いたら、オオヒメ様は甘い鳴き声を上げた。
禁欲宣言を聞いた時、私は心底驚いた。ちなみにオオヒメ様は私の中で笑っていた。
何が理由なのだろうと考えたが答えは出ず、旦那様に抱き着きながら夢の中でオオヒメ様と意見交換した。
やれ変な病気なんじゃないかとか、他に女ができたんじゃないかとか、流石に連日連夜エッチしてたから身体が悲鳴を上げたんじゃないかとか、この前私が夜の事情を友人にポロリと漏らしたせいでクラスの女子から冷ややかな扱いを受けて凹んでしまったんじゃないかとか。好き勝手に憶測を言い合った。
結果、理由はわからないし、とりあえず音を上げるまで誘惑すればいいじゃないですかというオオヒメ様の意見に私が消極的賛成を示し、この数日のアプローチが始まった。
私とオオヒメ様のアタックを悉く耐え切った旦那様に対して、オオヒメ様提案のあのマッサージをついに実行。
どう考えても挿入していないだけでただのセックスなのだが、意外にも旦那様は耐えた。鏡越しに胸や脚の間に視線が釘付けになっていたり、しきりに手を動かして触りたいのを一生懸命押さえていたりと、傍目から見れば我慢できていないのは明らかだというのに、旦那様は最後の最後までなかなか首を縦に振らなかった。
ただし、堕ちたら後はもう手の早いこと早いこと。今まで我慢していた分を全部一気にぶつけるかのような勢いだった。
遠慮なく胸は揉む。母乳はもう出なくなりそうなくらいの勢いで吸う。首の服で隠れないところにこれでもかというほどにキスマークをつける。オオヒメ様のおっぱいを吸いながら私をバックで突きまくるなど、もうやりたい放題。
何度か射精してようやく落ち着いてきたかと思ったら、今の状態である。
激しさこそ鳴りを潜めたものの、今度は奥のほうをぐりぐりと執拗に擦られる。何度もイかされた今の私ではそう長く耐えられそうにない。
「あっ♡あなた、私もう——んむぅ♡」
胸から口を離した旦那様が乱暴に私の口を塞いできた。
ぐちゅぐちゅと音を立てて、旦那様の熱い舌が私の口内を舐る。
お互いの舌が絡んで離れられなくなり、無限に流れ出てくる唾液が混ざり合って唇の端から流れ落ちていく。
旦那様は左手を私の腰に回し、右手で乳房を弄びながら、小刻みにとんとんと奥を突いてくる。
快感に耐えかねた私は強く旦那様にしがみついた。
「んっ♡むぅ、ちゅ、ちゅっ、ぷはぁっ♡はぁ、はぁ、ひぃっ♡あなた、それ、だめぇ♡」
旦那様は唇を離すと左手でお尻を鷲掴みにして揉みしだく。
揉みながらお尻の割れ目に指先を走らせる。
ぞくぞくするような感覚に思わず仰け反ってしまった。
身体の色んなところを触られ、お腹の奥から旦那様に染められて、私の口はまるで壊れたラジオのように甘い声を漏らし続けている。
「二人で夢中になってずるいですよ。私も混ぜてくださいな」
オオヒメ様が私の背後に回り込み、密着してくる。
むにゅりと柔らかなオオヒメ様の乳房が押し当てられ、漏れ出た母乳が背中を濡らす感覚があった。
「ひゃあっ♡おおひめ、さまっ、なにを♡」
オオヒメ様の細い指がお尻の穴に触れて、びくりと身体が跳ねる。
その様子を見た旦那様は、にやりと笑って胸にかぶりついた。
残り少ない母乳を無理矢理吸い出されて、痛みと快感が同時に走り、私の視界がチカチカと明滅する。
「んふふ、前と後ろから弄られて、ぜーんぶトロトロですね」
「だめ、だめぇ♡もう、わたしぃ♡♡」
オオヒメ様に耳元で囁かれると、耳まで性感帯になったかのように錯覚してしまう。
意識もあやふやになってきたところに、旦那様にトドメとばかりにがつんと強く奥を叩かれ、オオヒメ様に耳を甘噛みされた。
「〜〜〜〜〜ッ♡♡♡」
長々と絶頂した私は、力なく倒れ込んでしまった。
どちらが上か下か、前か後か、右か左かもわからず、心身ともにくたくたであった。
気が付けばベッドの上に仰向けにされていて、両隣に旦那様とオオヒメ様が私のことを覗き込むように座り込んでいた。
「うーん、なんだか見てるだけでエッチな気分になりますね。少年もそうでしょう?」
「えっ、いや」
「取り繕わなくてもいいですよ。そんなにおっきくしてるじゃないですか」
オオヒメ様が旦那様の股間を指差す。
なんとかそちらの方を向くと、目と鼻の先に血管を浮かび上がらせて屹立している男性器があった。
思わず目を背けそうになるほど凶悪なそれは、私と旦那様の体液でぐっしょりと濡れている。それどころか鈴口からは我慢しきれていない証がとろりと流れ落ちていた。むせかえりそうなほどの精の匂いが鼻腔を刺激する。
オオヒメ様が私の上に覆いかぶさった。
胸と胸が当たって、自分のことながらエッチだなあと思った。
ふとオオヒメ様のほうを見るとにこりと笑って、アイコンタクトをしてきた。
しょうがない。疲れているけど付き合うとしよう。
「ほぉら、久しぶりの御巫さんどいっちですよ。少年これも好きだったでしょう」
「私のほうは旦那様が丁寧にほぐしたからとろとろになってて、今が一番の食べ頃ですよ」
「んふふ、私のほうもよく熟れてておいしそうでしょう?」
どうぞお好きに召し上がれ、と私とオオヒメ様が声を重ねる。
明日は立ち上がれないかもなあと、近づいてくる旦那様を見ながら考えた。

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