最終更新:ID:X22XayQSew 2025年05月13日(火) 20:40:41履歴
「ハッピーバレンタイン。あなた」
「ハッピーバレンタインですよ、少年」
下着姿の私とオオヒメ様はベッドの上にぺたんと座って、互いの両手を握り合いながら、旦那様に向けて言った。
私たちの間にはソースポットが置いてあって、甘い匂いを漂わせている。
オオヒメ様はブラジャーを外すと、ポットを手に取り、自らの胸にその中身を垂らした。
中身は溶けたチョコレートである。火傷しない程度の温さなので肌に触れても問題はない。黒々としたソースとオオヒメ様の白い肌との差で、実に艶かしい。
「さあ、どうぞ」
「どうぞって言われても、どうすればいいんですか」
旦那様が眉を寄せたので、私が手本を見せることにした。
オオヒメ様の胸に顔を近づけ、舌を伸ばして蛇のようにチョコをちろりちろりと舐める。
舌先に苦みと甘みが広がっていく。
付着したチョコを全部舐めとり終えた私は上目遣いでオオヒメ様を見つめる。
「こうすればいいんですよね、オオヒメ様」
「はいよくできました、正解ですよ。というわけで──」
思う存分どうぞ、とオオヒメ様が差し出したソースポットを旦那様が受け取った。
「んふふ、いいですよどこにかけても。私もフゥリも準備は万端ですから」
「私とオオヒメ様、どっちから先に召し上がりますか」
できるだけ妖艶な感じになるように、目を潤ませて言ってみたがどうだろうか。旦那様には刺さっただろうか。
旦那様は喉を鳴らして、私とオオヒメ様を交互に見る。
暫く悩んでいたが、よしと呟くと私の目をじっと見つめてきた。
「それじゃあフゥリにお願いしようかな」
私を選んでくれた嬉しさで硬直していると、オオヒメ様が私に抱き着いた。
「だそうですよ。よかったですねフゥリ」
「は、はいっ。どこにしますか?」
やはり胸だろうか。それともお臍? いやいや腋かもしれない。少し、いやかなり恥ずかしいけど脚を閉じてその間にかけるというのも、えっちな旦那様なら言い出してもおかしくはない。準備するときに綺麗に剃ってツルツルにしてきたから、汚くはないはず。
どんなふうにいただかれちゃうんだろうかと思うと、緊張してくる。
「それじゃあ仰向けになってくれる」
「わかりました」
私はオオヒメ様を離れさせるとベッドに仰向けに倒れ込んだ。
膝は少し立て、腰は曲げて、手は頭の上におく。
旦那様は私の顔の近くに片手をつくと、もう片方の手の指でブラジャーの肩紐をゆっくりとずらした。
両肩から肩紐を外すと、今度は背中の下に手を潜り込ませて器用にホックを外し、ブラジャーを外した。
反射的に胸を両手で隠そうとしたが、オオヒメ様に手を掴まれ邪魔をされた。
ふるんと軽く乳房が揺れて、普段は人目に晒すことはない色素の沈着した黒っぽい色の乳首が露になる。
「駄目ですよ。隠しちゃったら見えないでしょう?」
「わかりましたから、離してください」
「はーい」
オオヒメ様がぱっと手を離した。
隠したら駄目なので手は頭の上においたままにした。
旦那様は壊れ物でも扱うかのように私の胸を数回揉むと、ソースポットに手を伸ばし、ゆっくりと傾けた。
注ぎ口から黒い液体がとろりと膨らみの頂点目掛けて流れ落ちて、胸を乳首よりも黒い色で染めていった。
「いただきます」
旦那様は大きく口を開けて私の胸にかぶりついた。
舌が忙しなく動いて胸を、特に乳首のあたりを重点的に嘗め回している。
「んっ♡あなた、おいしいですか?」
「おいしいよ」
「それはよかったです」
よしよしと旦那様の頭を撫でる。
いつの間にか舌の動きは舐めとるものではなく、乳首から漏れ出る液体を搾り出そうという動きに変わっていた。
それはそれでいいのだけれど、今日の趣旨からは少し外れているような気がする。
「あなた、おっぱい好きなのはわかるんですけど、チョコは使わないんですか」
「そうだった、折角だから使わないと。でも次どこにしようかな」
胸かから口を離した旦那様は私の身体を、頭のてっぺんから爪先までじっくりと眺める。
なかなか決められないようで、業を煮やしたのかオオヒメ様が失礼と言ってソースポットを旦那様から取り上げた。
「そう難しく考える必要はありませんよ。思うがまま、好きなように使えばいいんです。例えばこんなふうに」
オオヒメ様が傾けたソースポットから、私のお腹に向かって一筋の黒い流れができる。
お臍に溜まったチョコは溢れて周りを染め上げていく。
薄くチョコでコーティングされたお腹を見て、オオヒメ様はこれでよしと呟いた。
「なかなかいい感じになったでしょう?」
「お腹、ですか」
「いいでしょうお腹。自分の種で孕ませたことのあるお腹ですよ」
「オオヒメ様。言い方、ちょっと下品すぎませんか」
私が苦言を呈すとオオヒメ様はてへっと赤い舌を見せて、片目を瞑りながら軽く首を傾けた。
よく考えたら私達の身体をお皿にして食べてもらうというのは、最早性行為なのではないだろうか。いや、ひょっとしたら性行為より恥ずかしいことをしているのでは?
ぐるぐると考えが頭の中で浮かんでは消えていき、結局バレンタインだからしかたないということで納得することにした。
どこに納得できる要素があるのかわからなかったが、とにかく納得することにした。
落ち着いてから旦那様を見たら、ズボンを膨らませていたので、やっぱりエッチな行為なのかもしれない。
「言いたいことはですね、外身も中身も心中も全部フゥリは少年のモノということですよ。遠慮なく嘗め回しちゃってくださいな」
小さく溜息を吐いてから、少しだけ視線を逸らして、両手を旦那様に向かって突き出す。
「そういうことです。どうぞ召し上がってください」
お腹に生暖かくて柔らかなものが触れた。
伝わってくる感触がものすごくエッチなものに思えてくる。
「んっ♡」
チョコの層を突き抜けて舌がお臍の穴に触れた。
ちろちろと動く舌先がお腹の奥を疼かせる。
これはもう完全にセックスではないか。
普段との違いは旦那様のモノを挿入しているかしていないかだけだ。
なんだったらいつもより気持ちいいかもしれない。
「あっ、んぅ♡あなた、これぇ♡」
「フゥリ、おいしいよ」
「やぁ♡もっと、もっとなめてください♡」
イけそうなのになかなかイけない。
身体を捩ってもう少しだけ気持ちよくなろうとすると、突然旦那様の動きが止まった。
「はへぇ、なんで?」
舌足らずな調子で呟くと、オオヒメ様がにっこりと笑いながらこちらを覗き込んだ。
「チョコ全部舐め終わったみたいですよ」
「もう、おわりなんれふかぁ?」
オオヒメ様が抱きかかえるようにして私の上半身を起こした。
「少年、もう少しフゥリで楽しみたいんでしょうけど、この子、こんな調子ですからちょっと休ませてもいいですか」
「いいですけど」
そっちで少し休んでいなさいとオオヒメ様が言ったので、枕を抱きしめながらベッドに寝っ転がった。
「ところで少年、そろそろ別の味がほしくはありませんか」
オオヒメ様は正座すると膝をポンポンと叩いた。
旦那様が膝上に頭を乗せると、オオヒメ様は前傾姿勢になって旦那様の目の前に胸を寄せた。
乳首の先端から乳白色の雫が旦那様の口の近くに落ちる。
一滴、二滴と落ちる速度はどんどん早くなっていく。
「出血大サービスです。沢山出るようにしてみましたから、思う存分飲んでいいですよ。それと」
オオヒメ様がソースポットへ人差し指を突っ込んだ。
引き抜かれた指は完全にチョコで覆われている。
「こっちもありますからね。甘いミルクとほろ苦いチョコ、両方目一杯楽しんでください」
いただきますと旦那様はオオヒメ様の胸に吸い付いた。
喉を鳴らして母乳を飲んでいる姿はまるで赤ちゃんのようで、微笑ましさすら覚える。
ただし、テントを張っているズボンを見なければの話ではあるが。
「いい飲みっぷりですね。いくらチョコが甘いといっても苦みもありますからね。純粋に甘いだけなのもいいでしょう?」
胸から口を離さずに、旦那様は小さく頷く。
オオヒメ様がチョコで覆われた指を差し出すと、旦那様は今度はそちらを口に含んだ。
口の中では懸命に舌で舐めまわしているのだろう、ちゅぱちゅぱと水音が響いてくる。
オオヒメ様は変わらず笑みを浮かべているが、頬を薄っすら赤く染めている。
興奮しているようだ。
そして興奮しているのは見ているだけの私もだ。
気が付けば私はびっしょりと濡れて肌にはりついているショーツの上から秘所に触れていた。
布越しの刺激はぼんやりとぼやけているかのようで、私を満足させるには程遠かった。
「いいですねこれ。指フェラっていうんでしたっけ? ぞくぞくしちゃいますね。少年もフゥリにしてもらったほうがいいと思いますよ」
私にしてもらう、と言ったところで旦那様のテントがぴくりと震えたような気がした。
やっぱり私にしてほしいんじゃないか。
そう思ってしまえば身体はもう止まらない。
私はふらふらと誘蛾灯に誘われる虫のように旦那様へと近づいていき、その様子をオオヒメ様はじっと見ていた。
ズボンに手をかけたところで、オオヒメ様があらあらと笑った。
だが止めに入る気配は全くない。
それどころかウィンクをして、声に出さず頑張りなさいなと唇を動かした。
旦那様のズボンのホックを外してチャックを下げる。
その下のトランクスごとズボンをずらすと、すっかり興奮しきっている旦那様の男性器が姿を現した。
ツヤツヤとして血色のいい亀頭が真っ先に目に入ってきた。
竿部分はぼこぼこと血管を浮き出させている。
まるで私がこうするのを待ち構えていたかのように、肉の槍はぴくりと震えた。
邪魔くさいショーツを脱いで床に落とすと、冷えた空気が濡れた肌に触れてスースーした。
旦那様に跨り、秘所に亀頭を当てる。
自分の口から漏れる荒い息使いが耳に響く。
生唾を飲み込んで一息で旦那様の男性器を膣内へと迎え入れると、びりっと電撃を浴びたかのように全身が痺れ、痙攣した。
「んひぃっ♡♡♡」
幾度も経験してきた身体を内側から押し広げられる感覚と、それに伴う痛みと快感に、愛しい人のものを迎え入れられた幸福感。
纏めて襲ってきたそれらに、視界がチカチカして一瞬だけ息が止まる。
思いっきり首を後ろに反らせて大きく息を吐くと、息にのって苦しいものが抜けていくような気がした。
「動き、ますよ」
旦那様の胸に手をついて、ゆっくりとお尻を持ち上げる。
膣内のモノが抜けていく感覚に、お腹の奥がじんじんと疼いて仕方がない。
全身を弛緩させながら、ゆっくりとお尻を下ろしていく。
相変わらず旦那様のは大きくて、すぐに奥まで埋め尽くされてしまう。
何度か上下運動をしたところで、オオヒメ様が旦那様の顔を胸で覆い隠した。
旦那様の口にチョコ塗れの指を咥えさせて、声を上げられないようにしている。
「ふにふにおっぱい目隠しですよ。声も出しちゃ駄目ですからね。フゥリのご奉仕が嬉しいからってそっちばかり見てたら、私だってむくれちゃいますよ?」
私だけを見ていてくださいと言って、オオヒメ様が私にむけてウィンクをした。
私は無言で頷いくと、腰の動きを再開した。
旦那様によくなってほしくて、一心不乱に身体を動かす。
「はっ、はぁ♡」
自然と喘ぎ声が漏れ出る。
奥に亀頭を先端をぐりぐりと擦りつけるように動かす。
「あなた、あなたぁ、これすき♡あふぅ♡」
快感で膝が震えて、動くのが難しくなってくる。
でもそれは動きを止める理由にはならない。
むしろ私が気持ちよくなっているということは旦那様も気持ちよくなっているのだと、上下のストロークを更に大きくして、もっと刺激を与えていく。
「どうっ、ですかっ。きもちいい、ですかぁ?」
むぐ、と旦那様の口から呻き声のようなものが漏れ出るのと同時に、お尻を両手で鷲掴みにされた。
「ひぃんっ⁉」
お尻を掴んでいる手は、硬くて大きくて暖かい慣れ親しんだ旦那様の手だとすぐに理解できた。
旦那様は尻肉をじっくりとほぐすように揉みしだいてくる。
「んっ♡はぁ♡おしり、もんじゃだめっ♡」
逃れるために腰を上げるが、旦那様は離してくれない。
見れば旦那様はオオヒメ様の胸に吸い付いている。
その間も両手はむにむにとお尻を揉み続けている。
「あんっ♡少年ったら強欲ですね。私のおっぱい飲みながら、フゥリのお尻まで愉しむなんて」
「あなたってばぁ♡うごいちゃだめですからね♡」
上下の動きを控えめにして前後左右への動きを増やしてみた。
まったりと気持ちよくなれるので私お気に入りの動きだ。
旦那様も感じてくれているのだろう。
時折身体がピクリと痙攣するように震えている。
私の膣内のモノが少し震えた気がした。
きっともうすぐイってくれるのだろう。
私は最後の力を振り絞って、全身で大きく動いた。
「あな、たっ。あなたぁ! イってくださいっ! わたしもっ、イきますからっ!」
ぐっとお尻を掴んでいる両手に力が込められ、弾けるような快感で身体が震えて、引っ張られるように大きく仰け反った。
膣が痙攣して男性器を締め付け、喉の奥から声にならない叫び声があがる。
「イっっっ♡〜〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡」
勢いよく吐き出された精液を受け止めながら、私は快感の頂点に達した。
◇
シャワーを浴びてパジャマに着替えた私は旦那様に抱き着いていた。
オオヒメ様もいつもの御巫衣装で反対側から旦那様を抱きしめている。
「ところでフゥリ用意したアレ、渡すなら今だと思いますよ」
「それもそうですね。ちょっと待っててください」
私は机の引き出しからラッピングされたチョコを取り出して旦那様に手渡した。
「バレンタインのチョコです。受け取ってください。今年もあなたへの愛を目一杯込めてみました」
「ありがとう大事に食べるよ。でもこれがバレンタインなら、さっきのは?」
チョコを受け取りながら旦那様は首を傾げた。
「あれはですね──」
説明しようとしたらオオヒメ様が身体を私たちの間に滑り込ませてきた。
こちらを向いてぱちりとウインクをしたあたり任せろということなのだろう。
「あれはですね私の提案なんですよ少年。ただ手渡しするだけじゃ面白くないでしょうってね」
「ということはオオヒメ様のバレンタインチョコだったってことですか?」
「いえ、私個人で用意した分はここにあります。はいどうぞ」
オオヒメ様は袖から小箱を取り出すと、旦那様へと握らせた。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「んふふ、一応手作りですよ。頑張りましたので後で感想もくださいね。そんなに見ないでくださいな。フゥリの分も、ちゃんと用意してありますよ」
小箱をもう一つ取り出すと、オオヒメ様はそれを私の手の上に乗せた。
「ありがとう、ございます」
まさかオオヒメ様から貰えるとは思わなかったので呆気に取られてしまった。
ラッピングもオオヒメ様のお気に入りである黄色をメインにとても丁寧に施されていて、開けるのがもったいないくらいだ。
「フゥリ、ちゃんと食べてくださいね? 去年少年から貰った時みたいに、神棚に飾ってっていうのはナシですよ。あの時は私が言わなかったらそのままずっと飾ってそうでしたからね」
「わかってますよ。食べ物ですから、味わって食べます。ちゃんと反省しました」
ならいいですけど、とオオヒメ様が目を細めながら私を見つめた。
信用はないらしい。
「それはともかくとしてですね、さっきのあれは普段少年もフゥリの相手に勉学に子育てと頑張っていますからね。そのご褒美ですよ」
はあと旦那様が気の抜けた返事をした。
「だからサプライズでお祝いしてあげましょうと、フゥリに持ち掛けたんですよ。ああいう形になったのは二人でああだこうだと案を出し合った結果ですね。嫌でしたか?」
オオヒメ様が潤んだ目で上目遣いで旦那様を見つめた。
あれは、ずるい。
あんなことされたら誰だって嫌とは言えないではないか。
「嫌じゃないです、むしろ嬉しかったです」
「それはよかったです。ところで」
「ところで?」
「少年は今日何個チョコを貰ったんですか? さあ神様に言ってみなさい。さあ、さあ、さあっ」
後退りする旦那様にオオヒメ様が詰め寄る。
顔同士がぶつかりそうになるほど近づいたところで、旦那様はオオヒメ様の両肩を掴んで引き離した。
「言います、言いますから離れてください」
「何個ですか、何個なんですか! いっぱい貰ったなら私も食べるの手伝ってあげますよ!」
それが本音か。
何にでも興味深々な神様は旦那様のチョコの個数──というよりもその中身が気になってしょうがないらしい。
「三つです」
「三つ、ですか? 今私達が私渡した分は別ですよね?」
「いいえ、今貰った分も含めてです」
「となると、学び舎で一つしか貰っていないということになりますね。えっ? バレンタインって、こうもっとお祭りみたいなイベントじゃないんですか。ちなみにその一つってクラスの女子からですか?」
「そうです。クラスの女子から皆からの気持ちということで、クラスの男子全員が一つずつ貰いました。フゥリの友達にはかわいいお嫁さんから貰うんだからいいでしょって、揶揄われましたし」
揶揄われたといっても精々話のネタにされた程度だろう。
彼女らにはあまり虐めすぎないよう言っておくとしよう。
あとどんなチョコを用意したのかも確認しておかなければ。
そんなことを考えていると、オオヒメ様はあれひょっとしてと呟いて、真顔になった。
「ところでフゥリ、貴方今年は何個チョコを貰いましたか」
「確か六つですね」
御義母様、ニニとハレ、学校の友人二人、そしてさっき貰ったオオヒメ様の分だ。
私の方が貰っている個数多いのでは、という疑念が浮かんできた。
疑念ではなく純然たる事実であるのだが。
「いやでもチョコは貰った個数じゃないですよ。どれだけ愛情が籠っているかです。私のは全部友チョコですし」
「私のは本命ですよ」
「ややこしくなるんでオオヒメ様は黙っていてください」
旦那様がしょんぼりしているではないか。
本命と言い張っているのが二人分あって、どちらが本物か分からなければそうもなるだろう。
「あなた、私のはちゃんと愛情たっぷりですからね!」
「んふふ私のもですよ。よかったですねえ少年。本命チョコ二人分も貰えて。ところでフゥリ。ニニとハレが着てたあの新しい衣装よくないですか。あれ着たら少年もすぐに落とせると思うんですよ」
オオヒメ様の言葉を無視して、私は旦那様を優しく抱きしめた。
「ハッピーバレンタインですよ、少年」
下着姿の私とオオヒメ様はベッドの上にぺたんと座って、互いの両手を握り合いながら、旦那様に向けて言った。
私たちの間にはソースポットが置いてあって、甘い匂いを漂わせている。
オオヒメ様はブラジャーを外すと、ポットを手に取り、自らの胸にその中身を垂らした。
中身は溶けたチョコレートである。火傷しない程度の温さなので肌に触れても問題はない。黒々としたソースとオオヒメ様の白い肌との差で、実に艶かしい。
「さあ、どうぞ」
「どうぞって言われても、どうすればいいんですか」
旦那様が眉を寄せたので、私が手本を見せることにした。
オオヒメ様の胸に顔を近づけ、舌を伸ばして蛇のようにチョコをちろりちろりと舐める。
舌先に苦みと甘みが広がっていく。
付着したチョコを全部舐めとり終えた私は上目遣いでオオヒメ様を見つめる。
「こうすればいいんですよね、オオヒメ様」
「はいよくできました、正解ですよ。というわけで──」
思う存分どうぞ、とオオヒメ様が差し出したソースポットを旦那様が受け取った。
「んふふ、いいですよどこにかけても。私もフゥリも準備は万端ですから」
「私とオオヒメ様、どっちから先に召し上がりますか」
できるだけ妖艶な感じになるように、目を潤ませて言ってみたがどうだろうか。旦那様には刺さっただろうか。
旦那様は喉を鳴らして、私とオオヒメ様を交互に見る。
暫く悩んでいたが、よしと呟くと私の目をじっと見つめてきた。
「それじゃあフゥリにお願いしようかな」
私を選んでくれた嬉しさで硬直していると、オオヒメ様が私に抱き着いた。
「だそうですよ。よかったですねフゥリ」
「は、はいっ。どこにしますか?」
やはり胸だろうか。それともお臍? いやいや腋かもしれない。少し、いやかなり恥ずかしいけど脚を閉じてその間にかけるというのも、えっちな旦那様なら言い出してもおかしくはない。準備するときに綺麗に剃ってツルツルにしてきたから、汚くはないはず。
どんなふうにいただかれちゃうんだろうかと思うと、緊張してくる。
「それじゃあ仰向けになってくれる」
「わかりました」
私はオオヒメ様を離れさせるとベッドに仰向けに倒れ込んだ。
膝は少し立て、腰は曲げて、手は頭の上におく。
旦那様は私の顔の近くに片手をつくと、もう片方の手の指でブラジャーの肩紐をゆっくりとずらした。
両肩から肩紐を外すと、今度は背中の下に手を潜り込ませて器用にホックを外し、ブラジャーを外した。
反射的に胸を両手で隠そうとしたが、オオヒメ様に手を掴まれ邪魔をされた。
ふるんと軽く乳房が揺れて、普段は人目に晒すことはない色素の沈着した黒っぽい色の乳首が露になる。
「駄目ですよ。隠しちゃったら見えないでしょう?」
「わかりましたから、離してください」
「はーい」
オオヒメ様がぱっと手を離した。
隠したら駄目なので手は頭の上においたままにした。
旦那様は壊れ物でも扱うかのように私の胸を数回揉むと、ソースポットに手を伸ばし、ゆっくりと傾けた。
注ぎ口から黒い液体がとろりと膨らみの頂点目掛けて流れ落ちて、胸を乳首よりも黒い色で染めていった。
「いただきます」
旦那様は大きく口を開けて私の胸にかぶりついた。
舌が忙しなく動いて胸を、特に乳首のあたりを重点的に嘗め回している。
「んっ♡あなた、おいしいですか?」
「おいしいよ」
「それはよかったです」
よしよしと旦那様の頭を撫でる。
いつの間にか舌の動きは舐めとるものではなく、乳首から漏れ出る液体を搾り出そうという動きに変わっていた。
それはそれでいいのだけれど、今日の趣旨からは少し外れているような気がする。
「あなた、おっぱい好きなのはわかるんですけど、チョコは使わないんですか」
「そうだった、折角だから使わないと。でも次どこにしようかな」
胸かから口を離した旦那様は私の身体を、頭のてっぺんから爪先までじっくりと眺める。
なかなか決められないようで、業を煮やしたのかオオヒメ様が失礼と言ってソースポットを旦那様から取り上げた。
「そう難しく考える必要はありませんよ。思うがまま、好きなように使えばいいんです。例えばこんなふうに」
オオヒメ様が傾けたソースポットから、私のお腹に向かって一筋の黒い流れができる。
お臍に溜まったチョコは溢れて周りを染め上げていく。
薄くチョコでコーティングされたお腹を見て、オオヒメ様はこれでよしと呟いた。
「なかなかいい感じになったでしょう?」
「お腹、ですか」
「いいでしょうお腹。自分の種で孕ませたことのあるお腹ですよ」
「オオヒメ様。言い方、ちょっと下品すぎませんか」
私が苦言を呈すとオオヒメ様はてへっと赤い舌を見せて、片目を瞑りながら軽く首を傾けた。
よく考えたら私達の身体をお皿にして食べてもらうというのは、最早性行為なのではないだろうか。いや、ひょっとしたら性行為より恥ずかしいことをしているのでは?
ぐるぐると考えが頭の中で浮かんでは消えていき、結局バレンタインだからしかたないということで納得することにした。
どこに納得できる要素があるのかわからなかったが、とにかく納得することにした。
落ち着いてから旦那様を見たら、ズボンを膨らませていたので、やっぱりエッチな行為なのかもしれない。
「言いたいことはですね、外身も中身も心中も全部フゥリは少年のモノということですよ。遠慮なく嘗め回しちゃってくださいな」
小さく溜息を吐いてから、少しだけ視線を逸らして、両手を旦那様に向かって突き出す。
「そういうことです。どうぞ召し上がってください」
お腹に生暖かくて柔らかなものが触れた。
伝わってくる感触がものすごくエッチなものに思えてくる。
「んっ♡」
チョコの層を突き抜けて舌がお臍の穴に触れた。
ちろちろと動く舌先がお腹の奥を疼かせる。
これはもう完全にセックスではないか。
普段との違いは旦那様のモノを挿入しているかしていないかだけだ。
なんだったらいつもより気持ちいいかもしれない。
「あっ、んぅ♡あなた、これぇ♡」
「フゥリ、おいしいよ」
「やぁ♡もっと、もっとなめてください♡」
イけそうなのになかなかイけない。
身体を捩ってもう少しだけ気持ちよくなろうとすると、突然旦那様の動きが止まった。
「はへぇ、なんで?」
舌足らずな調子で呟くと、オオヒメ様がにっこりと笑いながらこちらを覗き込んだ。
「チョコ全部舐め終わったみたいですよ」
「もう、おわりなんれふかぁ?」
オオヒメ様が抱きかかえるようにして私の上半身を起こした。
「少年、もう少しフゥリで楽しみたいんでしょうけど、この子、こんな調子ですからちょっと休ませてもいいですか」
「いいですけど」
そっちで少し休んでいなさいとオオヒメ様が言ったので、枕を抱きしめながらベッドに寝っ転がった。
「ところで少年、そろそろ別の味がほしくはありませんか」
オオヒメ様は正座すると膝をポンポンと叩いた。
旦那様が膝上に頭を乗せると、オオヒメ様は前傾姿勢になって旦那様の目の前に胸を寄せた。
乳首の先端から乳白色の雫が旦那様の口の近くに落ちる。
一滴、二滴と落ちる速度はどんどん早くなっていく。
「出血大サービスです。沢山出るようにしてみましたから、思う存分飲んでいいですよ。それと」
オオヒメ様がソースポットへ人差し指を突っ込んだ。
引き抜かれた指は完全にチョコで覆われている。
「こっちもありますからね。甘いミルクとほろ苦いチョコ、両方目一杯楽しんでください」
いただきますと旦那様はオオヒメ様の胸に吸い付いた。
喉を鳴らして母乳を飲んでいる姿はまるで赤ちゃんのようで、微笑ましさすら覚える。
ただし、テントを張っているズボンを見なければの話ではあるが。
「いい飲みっぷりですね。いくらチョコが甘いといっても苦みもありますからね。純粋に甘いだけなのもいいでしょう?」
胸から口を離さずに、旦那様は小さく頷く。
オオヒメ様がチョコで覆われた指を差し出すと、旦那様は今度はそちらを口に含んだ。
口の中では懸命に舌で舐めまわしているのだろう、ちゅぱちゅぱと水音が響いてくる。
オオヒメ様は変わらず笑みを浮かべているが、頬を薄っすら赤く染めている。
興奮しているようだ。
そして興奮しているのは見ているだけの私もだ。
気が付けば私はびっしょりと濡れて肌にはりついているショーツの上から秘所に触れていた。
布越しの刺激はぼんやりとぼやけているかのようで、私を満足させるには程遠かった。
「いいですねこれ。指フェラっていうんでしたっけ? ぞくぞくしちゃいますね。少年もフゥリにしてもらったほうがいいと思いますよ」
私にしてもらう、と言ったところで旦那様のテントがぴくりと震えたような気がした。
やっぱり私にしてほしいんじゃないか。
そう思ってしまえば身体はもう止まらない。
私はふらふらと誘蛾灯に誘われる虫のように旦那様へと近づいていき、その様子をオオヒメ様はじっと見ていた。
ズボンに手をかけたところで、オオヒメ様があらあらと笑った。
だが止めに入る気配は全くない。
それどころかウィンクをして、声に出さず頑張りなさいなと唇を動かした。
旦那様のズボンのホックを外してチャックを下げる。
その下のトランクスごとズボンをずらすと、すっかり興奮しきっている旦那様の男性器が姿を現した。
ツヤツヤとして血色のいい亀頭が真っ先に目に入ってきた。
竿部分はぼこぼこと血管を浮き出させている。
まるで私がこうするのを待ち構えていたかのように、肉の槍はぴくりと震えた。
邪魔くさいショーツを脱いで床に落とすと、冷えた空気が濡れた肌に触れてスースーした。
旦那様に跨り、秘所に亀頭を当てる。
自分の口から漏れる荒い息使いが耳に響く。
生唾を飲み込んで一息で旦那様の男性器を膣内へと迎え入れると、びりっと電撃を浴びたかのように全身が痺れ、痙攣した。
「んひぃっ♡♡♡」
幾度も経験してきた身体を内側から押し広げられる感覚と、それに伴う痛みと快感に、愛しい人のものを迎え入れられた幸福感。
纏めて襲ってきたそれらに、視界がチカチカして一瞬だけ息が止まる。
思いっきり首を後ろに反らせて大きく息を吐くと、息にのって苦しいものが抜けていくような気がした。
「動き、ますよ」
旦那様の胸に手をついて、ゆっくりとお尻を持ち上げる。
膣内のモノが抜けていく感覚に、お腹の奥がじんじんと疼いて仕方がない。
全身を弛緩させながら、ゆっくりとお尻を下ろしていく。
相変わらず旦那様のは大きくて、すぐに奥まで埋め尽くされてしまう。
何度か上下運動をしたところで、オオヒメ様が旦那様の顔を胸で覆い隠した。
旦那様の口にチョコ塗れの指を咥えさせて、声を上げられないようにしている。
「ふにふにおっぱい目隠しですよ。声も出しちゃ駄目ですからね。フゥリのご奉仕が嬉しいからってそっちばかり見てたら、私だってむくれちゃいますよ?」
私だけを見ていてくださいと言って、オオヒメ様が私にむけてウィンクをした。
私は無言で頷いくと、腰の動きを再開した。
旦那様によくなってほしくて、一心不乱に身体を動かす。
「はっ、はぁ♡」
自然と喘ぎ声が漏れ出る。
奥に亀頭を先端をぐりぐりと擦りつけるように動かす。
「あなた、あなたぁ、これすき♡あふぅ♡」
快感で膝が震えて、動くのが難しくなってくる。
でもそれは動きを止める理由にはならない。
むしろ私が気持ちよくなっているということは旦那様も気持ちよくなっているのだと、上下のストロークを更に大きくして、もっと刺激を与えていく。
「どうっ、ですかっ。きもちいい、ですかぁ?」
むぐ、と旦那様の口から呻き声のようなものが漏れ出るのと同時に、お尻を両手で鷲掴みにされた。
「ひぃんっ⁉」
お尻を掴んでいる手は、硬くて大きくて暖かい慣れ親しんだ旦那様の手だとすぐに理解できた。
旦那様は尻肉をじっくりとほぐすように揉みしだいてくる。
「んっ♡はぁ♡おしり、もんじゃだめっ♡」
逃れるために腰を上げるが、旦那様は離してくれない。
見れば旦那様はオオヒメ様の胸に吸い付いている。
その間も両手はむにむにとお尻を揉み続けている。
「あんっ♡少年ったら強欲ですね。私のおっぱい飲みながら、フゥリのお尻まで愉しむなんて」
「あなたってばぁ♡うごいちゃだめですからね♡」
上下の動きを控えめにして前後左右への動きを増やしてみた。
まったりと気持ちよくなれるので私お気に入りの動きだ。
旦那様も感じてくれているのだろう。
時折身体がピクリと痙攣するように震えている。
私の膣内のモノが少し震えた気がした。
きっともうすぐイってくれるのだろう。
私は最後の力を振り絞って、全身で大きく動いた。
「あな、たっ。あなたぁ! イってくださいっ! わたしもっ、イきますからっ!」
ぐっとお尻を掴んでいる両手に力が込められ、弾けるような快感で身体が震えて、引っ張られるように大きく仰け反った。
膣が痙攣して男性器を締め付け、喉の奥から声にならない叫び声があがる。
「イっっっ♡〜〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡」
勢いよく吐き出された精液を受け止めながら、私は快感の頂点に達した。
◇
シャワーを浴びてパジャマに着替えた私は旦那様に抱き着いていた。
オオヒメ様もいつもの御巫衣装で反対側から旦那様を抱きしめている。
「ところでフゥリ用意したアレ、渡すなら今だと思いますよ」
「それもそうですね。ちょっと待っててください」
私は机の引き出しからラッピングされたチョコを取り出して旦那様に手渡した。
「バレンタインのチョコです。受け取ってください。今年もあなたへの愛を目一杯込めてみました」
「ありがとう大事に食べるよ。でもこれがバレンタインなら、さっきのは?」
チョコを受け取りながら旦那様は首を傾げた。
「あれはですね──」
説明しようとしたらオオヒメ様が身体を私たちの間に滑り込ませてきた。
こちらを向いてぱちりとウインクをしたあたり任せろということなのだろう。
「あれはですね私の提案なんですよ少年。ただ手渡しするだけじゃ面白くないでしょうってね」
「ということはオオヒメ様のバレンタインチョコだったってことですか?」
「いえ、私個人で用意した分はここにあります。はいどうぞ」
オオヒメ様は袖から小箱を取り出すと、旦那様へと握らせた。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「んふふ、一応手作りですよ。頑張りましたので後で感想もくださいね。そんなに見ないでくださいな。フゥリの分も、ちゃんと用意してありますよ」
小箱をもう一つ取り出すと、オオヒメ様はそれを私の手の上に乗せた。
「ありがとう、ございます」
まさかオオヒメ様から貰えるとは思わなかったので呆気に取られてしまった。
ラッピングもオオヒメ様のお気に入りである黄色をメインにとても丁寧に施されていて、開けるのがもったいないくらいだ。
「フゥリ、ちゃんと食べてくださいね? 去年少年から貰った時みたいに、神棚に飾ってっていうのはナシですよ。あの時は私が言わなかったらそのままずっと飾ってそうでしたからね」
「わかってますよ。食べ物ですから、味わって食べます。ちゃんと反省しました」
ならいいですけど、とオオヒメ様が目を細めながら私を見つめた。
信用はないらしい。
「それはともかくとしてですね、さっきのあれは普段少年もフゥリの相手に勉学に子育てと頑張っていますからね。そのご褒美ですよ」
はあと旦那様が気の抜けた返事をした。
「だからサプライズでお祝いしてあげましょうと、フゥリに持ち掛けたんですよ。ああいう形になったのは二人でああだこうだと案を出し合った結果ですね。嫌でしたか?」
オオヒメ様が潤んだ目で上目遣いで旦那様を見つめた。
あれは、ずるい。
あんなことされたら誰だって嫌とは言えないではないか。
「嫌じゃないです、むしろ嬉しかったです」
「それはよかったです。ところで」
「ところで?」
「少年は今日何個チョコを貰ったんですか? さあ神様に言ってみなさい。さあ、さあ、さあっ」
後退りする旦那様にオオヒメ様が詰め寄る。
顔同士がぶつかりそうになるほど近づいたところで、旦那様はオオヒメ様の両肩を掴んで引き離した。
「言います、言いますから離れてください」
「何個ですか、何個なんですか! いっぱい貰ったなら私も食べるの手伝ってあげますよ!」
それが本音か。
何にでも興味深々な神様は旦那様のチョコの個数──というよりもその中身が気になってしょうがないらしい。
「三つです」
「三つ、ですか? 今私達が私渡した分は別ですよね?」
「いいえ、今貰った分も含めてです」
「となると、学び舎で一つしか貰っていないということになりますね。えっ? バレンタインって、こうもっとお祭りみたいなイベントじゃないんですか。ちなみにその一つってクラスの女子からですか?」
「そうです。クラスの女子から皆からの気持ちということで、クラスの男子全員が一つずつ貰いました。フゥリの友達にはかわいいお嫁さんから貰うんだからいいでしょって、揶揄われましたし」
揶揄われたといっても精々話のネタにされた程度だろう。
彼女らにはあまり虐めすぎないよう言っておくとしよう。
あとどんなチョコを用意したのかも確認しておかなければ。
そんなことを考えていると、オオヒメ様はあれひょっとしてと呟いて、真顔になった。
「ところでフゥリ、貴方今年は何個チョコを貰いましたか」
「確か六つですね」
御義母様、ニニとハレ、学校の友人二人、そしてさっき貰ったオオヒメ様の分だ。
私の方が貰っている個数多いのでは、という疑念が浮かんできた。
疑念ではなく純然たる事実であるのだが。
「いやでもチョコは貰った個数じゃないですよ。どれだけ愛情が籠っているかです。私のは全部友チョコですし」
「私のは本命ですよ」
「ややこしくなるんでオオヒメ様は黙っていてください」
旦那様がしょんぼりしているではないか。
本命と言い張っているのが二人分あって、どちらが本物か分からなければそうもなるだろう。
「あなた、私のはちゃんと愛情たっぷりですからね!」
「んふふ私のもですよ。よかったですねえ少年。本命チョコ二人分も貰えて。ところでフゥリ。ニニとハレが着てたあの新しい衣装よくないですか。あれ着たら少年もすぐに落とせると思うんですよ」
オオヒメ様の言葉を無視して、私は旦那様を優しく抱きしめた。
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