最終更新:ID:X22XayQSew 2026年02月01日(日) 18:56:05履歴
ニニに見合い話が持ち上がったのはほんの数週間前のことだった。
関わるもの皆が皆首を傾げながらも、恐ろしいほどスムーズに話は進んでいき、ニニが相手方と顔を合わせたのが一週間前。
自分の相手にニニは驚愕した。その日一日の記憶がはっきりしないほどの衝撃だった。
混乱しきって回らない頭で悩みに悩み、考えに考えて、休みに休んで、ニニは決断をした。
そうだフゥリに相談しよう。
ハレに相談するという選択肢は、出てこなかった。
いざ話してみると、フゥリは特に話に割り込んでくることなく、じっと傾聴していた。意外と聞き上手なのかもしれない。
全て話し終わると、フゥリは顎を擦って首を傾げた。
「だったらお父様とお母様に、顔を合わせたけど合わなかったから無理と言えばいいだけの話じゃないですか。ニニのお父様とお母さまは、ニニの気持ちをちゃんと汲んでくれる方ですし、言えば分かってくれるでしょう」
「それはそうだけど」
フゥリはテーブルに置かれている茶菓子を一つ取って口に放り込むとお茶で流し込み、話を続ける。
「聞けば相手も相当名のある家のようですし、断ったら多少は波風もたつかもしれないですけれど、ニニのご両親ならうまく着地させてくれるのでは。というか、向こうも断られること前提のように思えるんですよね、私には」
詳細を聞いた時、ニニもそう思った。
きっと百人いたら百人ともそう思うに違いない。
「相手が小学生って、向こうも何を考えてるんですかね」
首を傾げるフゥリに、ニニはさあと呟いた。
相手側にニニと同い年、もしくは近い年の男性がいなかった可能性はある。だからといって、六つも年の離れた子供を相手として用意するだろうか。
テーブルに広げられたお見合い写真を見る。
そこには少し照れたようにはにかむ、幼いといっても過言ではない少年の姿が映っていた。
フゥリはそのお見合い写真を手に取って、まじまじと見つめた。
「悪くはないですね。あと数年もしたら、結構かっこいい感じに育ちそうですけど」
その点についてはニニも同じ考えである。
勿論旦那様ほどではないですけど、と言ってフゥリは閉じた写真をテーブルに置いた。
「ん? フゥリ、今俺のこと褒めてくれた?」
リビングの奥のほうで子供をあやしていたフゥリの許嫁が、肩越しにニニとフゥリの座っているテーブルのほうを見た。
ニニはこの男に対してどう接していいのか決めかねていた。
フゥリはニニの大事な友人だが、フゥリの許嫁がニニにとって大事かというと、そういうわけではない。
まだ十五だったフゥリを孕ませて産ませた挙句、オオヒメと二股をかけているような男。
フゥリに寄り添って立ち直らせたことを考えれば、プラスマイナスゼロか、もしくは相当好意的にみてややプラス寄りといった具合だろうか。
他人の恋愛事情、家庭事情に口を出すつもりはないが、ニニとしては彼はパートナーとしてはあまり好ましいと思えなかった。
「褒めてませんよ。だって当たり前のことですから——痛っ! なにするんですかニニ!」
さらにニニはこの目の前で惚気ている友人をどう扱うべきかも悩んだ。
悩んだ末にとりあえず手刀を打ち込んでみた。
叩いたら直るかと思ったが、そうではなかったようだ。
フゥリは叩かれた頭を摩りながら、涙目になってニニのことを睨みつけた。
「顔は悪くないんだけどね、この子とんでもないの」
「えっ、続けるんですか。私殴られたんですよ? すっごく痛いんですよ? なのに話続けるんですか?」
フゥリが抗議の声を上げたが、気にせずにニニは言葉を続けていく。
「すっごい見てくるの。こう、じっと首から下、特に胸をね、すっごい見てくるの」
「それは、うん、嫌ですね。よくわかります」
フゥリは自身を抱きしめた。
ニニもフゥリもそういう視線は御巫時代に何度も経験してきた。御巫は神聖なものだが、一部の男共にはそうではないということも、その頃に学んだ。
それを思い出してニニは身震いした。
楽しいのかなとニニが呟くと、楽しいんじゃないですかとフゥリが返答した。
そういうものかとニニが納得しかけた時、
「その子の気持ちわからないでもないかな」
と、がフゥリの許嫁が割り込んできた。
「えっ、あなたは分かるんですか。いつもそういう目で私のこと見てたんですか。えっちなんですか、知ってましたけど。外でちらちら見てくるのを注意しようかなって、私いつも悩んでたんですけど」
「そういう目じゃなくてだね。いやそうかな、そうかも。フゥリってよく家の中だと胸元のガード緩くなるし。ってそれはともかく、確かにその子がそういうエロい視線で見てた可能性もあるかもしれないけどね、普通はいきなりニニさんみたいな美人がお前の相手だって言われても、困惑するに決まってるでしょ」
「私は?」
「フゥリが一番美人だよ。お願いだから話の腰折らないで」
惚気られて上機嫌になったのか、はーいと陽気に返事をしたフゥリはテーブルに両肘をついて手の平に顎を載せると笑みを浮かべた。
割れ鍋に綴じ蓋か。
「とにかく、その子は緊張してまともに顔も見れなかったんじゃないかな。俺くらいの歳なら、ニニさんと婚約するならエロいことできるって意識が一番にくるかもしれないけどさ」
「ふぅん? つまりあなたはニニとエッチなことしたいんですね?」
「だから違うって!」
「三人目は許しませんからね」
膝上で子供がぐっすりと寝ているせいで動けなくなっている許嫁に対して、立ち上がったフゥリが冷たい視線を浴びせる。
緊張していたという可能性には目が向かなかった。
ニニはしばらく悩んでから、よしと手を叩いた。
「うん、私もう一回あの子に会ってみるよ」
ニニがそう言うと、後ろから許嫁の頭に噛みついていたフゥリが驚いたようにニニのことを見た。
◇
今回の事を仕組んだのはフゥリの実家の本家らしいということが、ニニが調べてみたところ分かった。
当代オオヒメ候補だったフゥリがやらかしたことで分家のみならず、本家も被害を受けた結果、色々と他家への工作を画策したらしく、ニニの件もその一環のようだった。
早い話が他の御三家の力を多少でも削ぎ落したかったということだ。
そんななので、こんな小さな少年が紹介されたのは、相手方もニニの家もあまり乗り気ではないという事情故のことだった。
とはいえ、巻き込まれる当人達にとってはたまったものではない。
それは少年も同じようで、再び顔を合わせることになったが、相変わらず浮かない顔をしていた。
何を話せばいいのか。この年頃の男の子との共通の話題が、ニニにはなかなか見いだせなかった。
そんな沈黙の中、少年が小さくハレさん、と呟いたのをニニは聞き逃さなかった。
色々な感情が籠っていた一言のように聞こえた。
「君は、ハレが好きなの?」
「なんでそんなことを言わなきゃいけないんだよ」
「好きって言ってるようなものだよ、その言い方だと」
「そんなんじゃねえし」
少年がそっぽを向きながらも、ちらちらとニニのほうを見ている。心なしか、胸元と顔に視線が向くことが多いようにニニには感じられた。
やはり無理だ。他の大多数の男性と変わりない。せめて隠す努力くらいはしてほしい。
これを理由に拒否することは簡単だ。
だが拒否したら、次はハレのところへこの見合い話が持ち込まれることは容易に想像できる。
その場合はどうだろうか。
ハレは優しいから、きっとこんな少年でも受け入れてしまうだろう。受け入れられるよう努力してしまうのだ。
それは嫌だ。
「君さ、ハレのことが好きならさ、もっと女の子に慣れたほうがいいと思うよ」
ニニはハレを守るために心を決めた。
◇
好みのタイプはというクラスメイトからの質問に、ニニが真っ先に思い浮かべたのはハレだった。
フゥリのような大事な友人とは、ハレに向ける感情はなにかが違うものがあった。
弱気なニニをハレが引っ張っていくという幼少から続く関係もあるのかもしれない。
異性という選択肢は最初からなかった。
霊獣の猫又によるものなのか、はたまたニニ自身の魅力によるものなのかはわからないが、昔からニニは他人から好意を寄せられることが多かった。
特に男性からは顕著で、意識せずともむこうから勝手に魅了され、その都度角が立たないように断るのが常だった。ニニだけでは断り切れないケースではハレも協力してくれた。
ハレの思い人をニニが魅了することも一度や二度ではなかったし、それが原因でぎくしゃくすることもあったが、その度に関係を修復した。
例外はインヴィンシブル・アトラスくらいだ。オオヒメの力を借りれば、魅了することもできるのだろうが、試すつもりもない。いくらハレが思いを寄せているからといって人間ではない、馬鹿みたいに大きいカブトムシは御免だ。ちなみにジャベリンビートルは魅了したときは、ハレがとても形容しがたい顔でニニ達を見つめることとなり、暫くの間ハレはニニに対して口をきいてくれなくなった。
そういった経験もあり、ニニは数日もあれば自分の虜にできると想定していたが、意外と少年はしぶとかった。
あるいは本当にハレに思いを寄せてるのか。
どちらでもニニにとってはどうでもよかった。ハレさえ守れればそれでいい。
なので少年がニニに振り向かない状況が続くのは避けたいが、ニニと同じように少年もニニにはあまり興味がないように思えた。
あくまであまり興味がないである。全く興味がないというわけではないようで、攻めれば落ちるかもしれないという感触はあった。
かといって、どうすれば男性を誘惑できるのかもニニには分からなかった。今まではそんなことを意識することもなかったからだ。
時間をかけてニニの人柄に興味を向けさせるという方法もあったが、生憎明るく活発なハレと、内向的なニニは真逆といってもいい。手間も時間もかかりすぎる。
時間をかけすぎるとニニとの話が立ち消えになり、ハレにこの見合い話が持ち掛けられる可能性が出てしまう。
そこでニニは手っ取り早く、自分の肉体を使うことにした。
この年頃の男の子なら、ちょっとスキンシップすれば照れて意識してしまうだろうと見込んでのことだったのだが——。
最初は指を絡ませて手を握ってみて様子を見るつもりだった。
それは効果覿面で、少年は顔を真っ赤にしながらしどろもどろになった。
ニニが背後から抱きしめると、少年はまるで石になったかのように固まった。
ただ抱き着いているのもつまらないので、胸元やお腹にニニが手を這わせると、少年はびくりとした。
ばくばくと早くなった少年の心臓の鼓動がニニの手の平に伝わってくる。
意外と面白い。
服の下へと手を潜り込ませると、すべすべした肌の感触がした。
若いって、ずるい。
「なっ、なんだよ!」
「なにって触ってるだけだよ」
腋を指で撫でると、少年が大きな声を出した。
「急にどうしたの?」
「ニニばっかり触ってずるいだろ」
「ずるくないよ、だって私のほうがお姉さんだもの。こういうことだって慣れてる」
ニニは首筋を舐めた。
少年が身体を震わせる。
ついた唾液が光を反射してキラキラと輝く。
「それは関係ないだろ、それは」
少年はニニの拘束を振り払って立ち上がった。
「とにかく、俺にもニニの」
「私の?」
「俺にもニニを触らせろっての」
少年はニニの両肩を掴み押し倒すと、ニニの上に跨り、胸元に両手を添えた。
添えられた手に力が込められていく。
何度も、それしか眼中にないかのようにニニの胸を揉む。
心なしか少年の息は荒い。
触っても布の感触しかしないはずなのに、なんでそんなに夢中になるのか、ニニにはさっぱり分からなかった。
しばらくすると、少年は思い出したかのようにニニのブラウスのボタンを外して前開きにした。
ブラジャーがずらされて、控えめなニニの乳房が露わになる。
羞恥でニニの顔が赤くなる。
「ニニのおっぱい、ちっちゃいな。ハレさんのはニニよりおっきいぞ」
「そういうこと、言うもんじゃないよ。というか勝手に脱がさないでよ、ヘンタイ。流石に怒るよ」
「先にやってきたのはニニのほうだろ」
少年は僅かにあるニニの胸の膨らみに手を置くと、感動したように声を漏らした。
ニニの身体に興味を示すようになったのはいいことだが、ここまでされるのはニニにとって想定外だった。
ここで本気で叱ってしまったら、この少年は二度とニニに近づいてこない。そんな予感がした。
どうしようどうしようとニニが焦っている間も、少年は胸を弄っていた。
まるで珍しいものを見つけたかのように、乳首をつねったり引っ張ったりしている。
フゥリは乳首を弄られて気持ちよさそうにしていたが、ニニにとっては痛いだけだ。
控えめな脂肪を手の平で寄せて集められる。
少年は胸から手を離し、腰とお腹を撫でまわすと、両腋へと手を差し込んだ。
手の平側は生温かいのに、手の甲はひんやりと冷たく、ニニは鳥肌を立てた。
腋のくぼみを指の腹がゆっくりと這いまわる。
「ん、んんっ」
ねちっこい指の動きに、くすぐったさと、微かに混ざるそれ以外の様々な感覚に戸惑いを抱きながらニニはじっと耐える。
「んぅ、ふーっ、ふーっ」
気が付けばニニは自分の人差し指を噛んでいた。そうしなければ、声を出してしまいそうだった。
我慢するニニの反応がつまらなかったのか、少年はすぐに腋から手を抜いた。
やっと終わった。
想定とは違ったが、この調子ならこの少年がニニの虜になるのもそう遠くはないだろう。
だけどもう一押しするべきかもしれない。
そう思ったニニは少年をベッドに投げ飛ばした。
「なにすんだよニニ!」
少年の声を無視して、ニニはスカートの下のショートパンツごとショーツを脱ぎ捨てると、ベッドに腰を掛けてスカートを捲り上げ、両脚を大きく広げた。
少年は床に脱ぎ捨てられたショーツへちらりと見ると、次いでニニの両脚の間の青々とした茂みへと視線を向けた。
「気になるよね、女の子のここ。見たことない?」
少年が小さく頷く。
「ふぅん、初めてなんだ。君のクラスの子にも、ハレにもおんなじものがついてるんだよ。まあ、クラスメイトがもう生えてるかどうかは知らないけど。で、君さ、ハレといざこういうことになった時、失敗したくないでしょ?」
またしても少年は頷いた。その目はニニの秘所を片時も見逃さないとばかりに、瞬きも忘れて大きく見開かれている。
「だったらさ、女の子の身体の扱い方、私で練習しようよ。いつもみたいな態度とか、さっきみたいなのはダメダメ。零点。あんなふうだとハレに嫌われるよ」
胸が早鐘を打ち、羞恥からニニの顔は真っ赤になっていた。
「どうする。やらないっていうなら、別にいいけど。私ももうこんなことしないから」
「やる。やってやるよ」
もう後には引けない。ニニも覚悟を決めた。
「なら、まず手始めに——舐めて」
ぽかんと少年が呆けたように口を開けた。
「はやく、舐めて」
「どこを」
ニニが脚を更に開く。
ゆっくりと少年がニニの秘所へと顔を近づけていく。
初めてみる女性器はどうなのだろうか。グロテスクだし、今日は体育の授業があり、お風呂にも入ってないから、汗とかいろいろなものが混ざって決していい匂いというわけではないはず。少年が顔を近づけては離してを繰り返して、なかなか舐めようとしないのもそのせいかもしれない。
それなのに、少年の瞳にはニニの秘所が映り続けている。
こんなに小さくても男は男というわけだ。
意を決したのか、ようやく少年が割れ目に舌を伸ばした。
「んぅ、んん」
割れ目を這いまわる舌のざらざらとした感触は、自分の指で生じるものとは明らかに異なる快感をニニに齎した。
合間合間にかかる吐息。唾液の奏でる水音。生温かい舌の体温。それら全てがニニを昂らせていく。
「ふぁ、んぅ♡そこだけじゃなくて、その上のちっちゃいお豆、クリトリスも舐めて」
「これかな?」
「ひぐっ♡」
皮に包まれたクリトリスを摘ままれて、ニニは反射的に脚を閉じた。
頭を挟まれた少年がニニの太腿を叩く。
「ふーっ、ふーっ♡君、力加減滅茶苦茶すぎ。敏感なんだからもっと慎重にしないと。バツとして、私が満足するまでそこ舐めて。勿論手は使っちゃダメ」
「んー、ん−っ!」
ニニは少年の頭を両手で掴むと、股間へと強く押し当てた。
御巫修行として今なお鍛えているのもあって、ニニはその麗しい見た目とは裏腹に力が強い。少年が全力で抵抗しようと、びくともしないほどに。
やがて少年は諦めたのか、ニニの秘所を再び舐めだした。
膣穴の周りを舌全体を使って唾液塗れにしていく。
「んぅ♡そう、そう、意外と、上手っ♡そこだけじゃなくて、クリも、皮剥いて」
言われた通りに少年は唇と舌を使ってクリトリスの皮を剥いていく。
無防備になった肉芽を少年は舌で突く。
「ひぅっ♡もっと、もっとぉ♡」
ニニの身体が仰け反り、少年の頭を押し付ける手に力が籠った。
唇で挟んだり、舐めたり、甘噛みしたりと、少年はニニのクリトリスを刺激する。
その度にニニの身体は跳ねて、快感に震えた。
クリトリスばかり弄っても埒が明かないとでも思ったのか、少年は膣穴とクリトリスの間にある小さな穴に舌を捻じ込もうととした。
「あっ、んんっ♡そこ、ちがっ、そこはぁ、おしっこの♡」
聞こえていないのか、はたまたわざとか、少年は尿道を執拗に攻め立てた。
広がるはずのない穴を広げられる痛みと快感が入り混じり、ニニの目に涙が浮かんできた。
「だめ、だめ、だめだめだめっ! ッッッ〜〜〜〜♡♡♡」
悲鳴にも似た絶叫とともに、びくびくと身体を痙攣させながらニニは大量の潮を噴出した。
力が弱まった一瞬で少年はニニから離れた。
少年の顔はニニの噴いた潮でびっしょりと濡れていた。
大きくえずきながら、少年はニニを睨みつける。
「なに、するんだよ! うえっ、小便なんか俺の顔にぶっかけやがって!」
「はぁー、はぁーっ♡あれは、おしっこじゃ、ないよ」
「じゃあなんだっってんだよ。大人の癖に漏らしたから、恥ずかしくてそう言ってるんじゃねえのかよ」
少年は備え付けてあったティッシュを乱暴に何枚か抜き取り、顔を拭った。
「あれはね、女の人が気持ちよくなったらでちゃうものなの。君が一生懸命舐めてくれたおかげで、私はすっごく気持ちよくなれた、その証ってわけ。初めてにしては上出来」
えらいえらいと言って、ニニはよろよろとベッドから降りて膝立ちになると、下着ごと少年のズボンを下ろした。
突然の行動に驚いた少年は咄嗟に股間を両手で隠す。
だがその一瞬の間に、ニニは少年の幼い男性器が勃起しているのを、はっきりと目撃した。
「へぇ、ふぅん? やっぱり男の子なんだね。舐めてて興奮しちゃったんだ」
「な、なんだよいきなり!」
顔を真っ赤にして怒鳴りつける少年を、ニニはにやにやと笑いながら見つめた。
いつの間にかニニはそんなに悪い気はしなくなっていた。
この調子ならセックスしたという事実があれば、少年を陥落させられるという手ごたえもあった。
とはいえ、この少年相手に妊娠するつもりはない。かといってコンドームなどの避妊具はニニの部屋にはない。今から買いに行くとなると、時間がかかる。この空気でないと、本番まで進めない気がした。
さてどうするべきか。
そんなことを考えている時。
——まったくしょうがないですね。今回は特別ですよ。
ニニの頭に声が響いた気がした。
見渡すと、机の上に買った覚えのないコンドームの箱が置かれていた。
手に取ってみると未開封のようだった。
なんで、誰が、こんなものを、という疑問がニニの頭を駆け巡ったが、隣から興味深そうに覗き込んでいる少年に気が付いて、それらを一旦他所へと追いやることにした。
箱を開け、一つ取り出して開封してみる。
「なにそれ?」
「これは、女の人が妊娠しないようにするための道具よ。セックスしたら子供ができるってことくらい、流石に知ってるでしょ」
「まあそれくらいは」
ニニはコンドームを少年に手渡した。
少年はコンドームを物珍しそうに弄繰り回すと、ニニの手の平の上に戻した。
「どう使うの、それ」
「これは男の人のおちんちんに被せるの」
「ニニは使ったことあるの?」
「——ありますよ」
嘘である。
実物を見るのも初めてだ。張らなくてもいいのに、要らない見栄を張った。
「ふぅん、そうなんだ」
きっとニニに、自分以外の男とのセックス経験があると思ったのだろう。
そんなことはない。胸を見せたのも、アソコを晒したのも、男相手には今までなかった。
以前流れでハレと互いに慰めあったことはあるが、男と女は別カウントだろうとニニは考えている。
「女の人に経験とか、聞くものじゃないよ」
「誤魔化した」
「そうじゃないから。とにかく、これ着けるからね」
少年の前で屈みこんで、ニニはフリーズした。
どう使うんだろうこれ。
目の前の皮を被ったまま大きくなっている男性器に被せて使うのは分かるが、どう被せればいいのかが分からない。
「もしかして、わからないの?」
心配そうに少年が呟いた。
「そ、そんなことないから。大丈夫、大丈夫」
またしても見栄を張ってしまった。
焦りながらも多分こうだろうと、ニニはコンドームを男性器の先端に当て、根元に向かって転がすように引っ張った。
うまい具合に男性器を覆ったコンドームを見て、ニニはほっと胸を撫で下ろした。
同時に今度機会があれば、それとなくフゥリに使い方を聞いてみようとニニは思った。
仰向けでベッドに倒れ込んだニニは少年に手招きすると、自らの両脚を大きくM字に開いた。
少年は誘われるがままにベッドへ乗り、男性器をニニの身体に押し当てた。
「ほら、ここまでやればもうわかるでしょ。そのおちんちんを私の、さっき君がさっき舐めてたところ——違うってそこじゃない、そこはお尻の穴だって。もう少し上、上だから」
ニニの誘導に従って挿入するべき穴を見つけた少年は、そこに狙いを定めた。
勢いよく入れようとして、思いっきり外した。
「あ、あれ?」
少年は何度も何度も挿入しようとして、その度に失敗した。
なんでだろう、なんでうまくいかない。フゥリはこの体位でヤってたから挿入が難しいというわけではないはずなのに。
ニニが不安に思っているとそれが伝播したのか、少年がみるみるうちに顔を青褪めさせた。
——初めてなら、お尻の下にバスタオルを敷いたほうが挿れやすいと思いますよ。
また声がした。少年には聞こえていないようで、何の反応も示していない。
ニニにしか聞こえない声にまさかと思いながら、ニニは周囲を見渡した。
またしても机の上にそれはあった。畳まれたバスタオルだ。
起き上がりそれを取ったニニは、声の言うとおりにお尻の下に畳んだままのバスタオルを敷いて再び脚を広げた。
「ほら、もう一回やってみて」
少年は小さく頷き、慎重に腰を進めていく。
角度がついて挿れやすくなったのか、今度は外さなかった。
「ん、あっ、んぐぅっ」
小さいながらも異物がゆっくりと、身体を押し広げながら突き進んでくる。
思っていたほどではないが、痛かった。
苦痛にニニは目を閉じ、歯を食いしばって耐える。
無限に引き延ばされたかのように思える時間だったが、それは少年の腰がニニの身体に当たったことで終わった。
涙を蓄えた目で少年を見つめながら、ニニは両手を伸ばして少年の身体を抱きしめた。
「おめでとう。これで童貞卒業だね。クラスで君が一番じゃないかな?」
「ふっ、ふうっ。これが、セックス。ニニの穴、ぬるぬるする」
鼻息荒く少年が呟く。
「うん、でもこれで終わりじゃないよ。動かないと、君も気持ちよくなれないでしょ? ちゃんと射精しないと最後までやったとは言えないよ?」
「うん、わかった」
少年が緩慢な動作で腰を引いていく。その動きに連動して、ニニの身体の中に我が物顔で居場所を作っていた異物が外へと引き抜かれていく。
それにしたがって徐々に身体が楽になった。ニニは大きく息を吐いた。
もう少しで全部抜けていくと思ったその時。
ずんととてつもない衝撃とともに、再び膣肉を押し広げながら男性器がニニの体内へ侵入してきた。
「ひぅっ⁉」
それからは激しかった。
ニニのことなど気にしていないかのように、少年は激しく腰を振り、打ち付ける。
「ん、んんっ! ちょっと、君ぃ! はげし、いっ♡」
「ニニ、ニニっ! これがニニのおま〇こ! ぬるぬるで、きもちいい!」
絡みつく肉襞による快楽の虜になったのか、少年は譫言のようにニニの名前を呼んだ。
それだけでは足りないのか、少年はニニの胸を弄る。
乱暴に何度か揉むと、少年は勢いよくニニの胸にかぶりついた。
薄桃色の乳輪は少年の口の中へと消え、硬くなった乳首を歯や舌で嬲られ、ニニは硬く目を瞑った。
「なん、でっ! わたし、おっぱいでない、のにぃ!」
胸をしゃぶることそのものが目的といわんばかりに、少年はニニの胸に吸い付いたまま離れなかった。
吸い付いたまま、ニニの腰に腕を回してがっちりとしがみつきながら腰を振り続けている。
「ん、はっ、あっ、あっ♡ちょっと、きみ♡」
気が付けば痛みはかなり引いてきている。
代わりに前に出てきたのは快感。
ハレの指とは太さも、熱さも全然違う、男のモノがニニの膣内を自分の場所だというかのように激しく擦りつけていく。
的確にニニの弱いところを突いてきたのはハレの指だが、少年のピストンにはそれにはない勢いがあった。
なにより——。
「ニニ、ニニっ!」
しがみついて、胸を吸いながら必死に腰を振る少年が、ニニにはとてもかわいらしく思えたのだ。
「ああもうっ! かわいいなぁ! そんなに腰へこへこしちゃって、あん、あっんあっ♡私の、んぅ♡身体に、夢中になっちゃって!」
少年の腰にニニの脚が絡みつく。
なるようになれ。もっと気持ちよくさせてみせろ。イくまで離さないぞ。そんな半ばヤケクソに近かった。
ニニの脚の動きで膣の締め付けが強くなったのか、少年が苦しそうに声を出した。
「ニニ、それダメ! きつすぎて、変なのきちゃうから!」
「いいよ、そのためのコンドームだから。もっと動いて、君の精液吐き出しちゃって♡」
ニニの言葉が最後の一押しになった。
少年は一際強く腰をニニに押し付けると、身体を震わせながら初めての絶頂を味わった。
その人生で初めて吐き出された精は、ニニの膣内に注がれることなく、全てコンドームによって受け止められた。
息も絶え絶えといった様相の少年は、電池の切れた玩具のようにニニの身体の上に倒れこむ。
虚ろな目をした少年を撫でながら、ニニは優しく語りかけた。
「はじめてのセックス、よく頑張ったね」
◇
すごいことになっていましたよと、オオヒメ様は言った。
何がですかと私が返すと、ニニですよニニと返事が返ってきた。
ニニの何が大変なのかさっぱりわからず、私は首を傾げた。
「年端もいかない子供にあんなふうに胸を吸わせながらおちんちんを扱いたり、脚で頭を挟みつけながら舐めさせたり——ああ、これ以上は恥ずかしくて私の口からはとてもとても」
「なに今更かまととぶってるんですか! 気になっちゃうでしょう、言うなら最後まで言ってくださいよ!」
本当に気になる。
ニニにもオオヒメ様の力の残渣のようなものは残っているので、アラヒメの力なら覗き見できないこともない。
でなかったらテレポートでもいい。行って戻ってくるだけだ。
自らを抱きしめ、きゃーきゃーと言いながらくねくねしているオオヒメ様を眺めながら、考える。
考えて、思い至った。
相談に乗ってあげたのだから、私もちょっと確かめるくらいのことをしてもいいんじゃないかと。
よしと、両頬を軽く叩いて気合を入れる。
目を閉じて、ニニの顔を思い浮かべながら深く集中しようとしていると——。
「痛ぁっ!」
コツンとか、コンといった優しいものではなく、ドカンとかドゴォといった擬音が出そうなとんでもない勢いで、頭を何か硬いもので叩かれた。
頭を擦りながら振り向くと、オオヒメ様が盾を構えていた。
多分、あれで殴られたのだ。
「なんで殴るんですか⁉」
「貴方ねぇ、プライバシーは大事ですよ。覗くなんてもってのほかです」
「どの口で言うんですかっ」
自分はちゃっかり見てきたくせに。納得いかない。
叩かれた頭を摩りながら、私は涙目でキッとオオヒメ様を睨みつけた。
「私は神様ですからね。御巫のことを見守るのも役目のうちですよ」
「納得いかないんですけど!」
関わるもの皆が皆首を傾げながらも、恐ろしいほどスムーズに話は進んでいき、ニニが相手方と顔を合わせたのが一週間前。
自分の相手にニニは驚愕した。その日一日の記憶がはっきりしないほどの衝撃だった。
混乱しきって回らない頭で悩みに悩み、考えに考えて、休みに休んで、ニニは決断をした。
そうだフゥリに相談しよう。
ハレに相談するという選択肢は、出てこなかった。
いざ話してみると、フゥリは特に話に割り込んでくることなく、じっと傾聴していた。意外と聞き上手なのかもしれない。
全て話し終わると、フゥリは顎を擦って首を傾げた。
「だったらお父様とお母様に、顔を合わせたけど合わなかったから無理と言えばいいだけの話じゃないですか。ニニのお父様とお母さまは、ニニの気持ちをちゃんと汲んでくれる方ですし、言えば分かってくれるでしょう」
「それはそうだけど」
フゥリはテーブルに置かれている茶菓子を一つ取って口に放り込むとお茶で流し込み、話を続ける。
「聞けば相手も相当名のある家のようですし、断ったら多少は波風もたつかもしれないですけれど、ニニのご両親ならうまく着地させてくれるのでは。というか、向こうも断られること前提のように思えるんですよね、私には」
詳細を聞いた時、ニニもそう思った。
きっと百人いたら百人ともそう思うに違いない。
「相手が小学生って、向こうも何を考えてるんですかね」
首を傾げるフゥリに、ニニはさあと呟いた。
相手側にニニと同い年、もしくは近い年の男性がいなかった可能性はある。だからといって、六つも年の離れた子供を相手として用意するだろうか。
テーブルに広げられたお見合い写真を見る。
そこには少し照れたようにはにかむ、幼いといっても過言ではない少年の姿が映っていた。
フゥリはそのお見合い写真を手に取って、まじまじと見つめた。
「悪くはないですね。あと数年もしたら、結構かっこいい感じに育ちそうですけど」
その点についてはニニも同じ考えである。
勿論旦那様ほどではないですけど、と言ってフゥリは閉じた写真をテーブルに置いた。
「ん? フゥリ、今俺のこと褒めてくれた?」
リビングの奥のほうで子供をあやしていたフゥリの許嫁が、肩越しにニニとフゥリの座っているテーブルのほうを見た。
ニニはこの男に対してどう接していいのか決めかねていた。
フゥリはニニの大事な友人だが、フゥリの許嫁がニニにとって大事かというと、そういうわけではない。
まだ十五だったフゥリを孕ませて産ませた挙句、オオヒメと二股をかけているような男。
フゥリに寄り添って立ち直らせたことを考えれば、プラスマイナスゼロか、もしくは相当好意的にみてややプラス寄りといった具合だろうか。
他人の恋愛事情、家庭事情に口を出すつもりはないが、ニニとしては彼はパートナーとしてはあまり好ましいと思えなかった。
「褒めてませんよ。だって当たり前のことですから——痛っ! なにするんですかニニ!」
さらにニニはこの目の前で惚気ている友人をどう扱うべきかも悩んだ。
悩んだ末にとりあえず手刀を打ち込んでみた。
叩いたら直るかと思ったが、そうではなかったようだ。
フゥリは叩かれた頭を摩りながら、涙目になってニニのことを睨みつけた。
「顔は悪くないんだけどね、この子とんでもないの」
「えっ、続けるんですか。私殴られたんですよ? すっごく痛いんですよ? なのに話続けるんですか?」
フゥリが抗議の声を上げたが、気にせずにニニは言葉を続けていく。
「すっごい見てくるの。こう、じっと首から下、特に胸をね、すっごい見てくるの」
「それは、うん、嫌ですね。よくわかります」
フゥリは自身を抱きしめた。
ニニもフゥリもそういう視線は御巫時代に何度も経験してきた。御巫は神聖なものだが、一部の男共にはそうではないということも、その頃に学んだ。
それを思い出してニニは身震いした。
楽しいのかなとニニが呟くと、楽しいんじゃないですかとフゥリが返答した。
そういうものかとニニが納得しかけた時、
「その子の気持ちわからないでもないかな」
と、がフゥリの許嫁が割り込んできた。
「えっ、あなたは分かるんですか。いつもそういう目で私のこと見てたんですか。えっちなんですか、知ってましたけど。外でちらちら見てくるのを注意しようかなって、私いつも悩んでたんですけど」
「そういう目じゃなくてだね。いやそうかな、そうかも。フゥリってよく家の中だと胸元のガード緩くなるし。ってそれはともかく、確かにその子がそういうエロい視線で見てた可能性もあるかもしれないけどね、普通はいきなりニニさんみたいな美人がお前の相手だって言われても、困惑するに決まってるでしょ」
「私は?」
「フゥリが一番美人だよ。お願いだから話の腰折らないで」
惚気られて上機嫌になったのか、はーいと陽気に返事をしたフゥリはテーブルに両肘をついて手の平に顎を載せると笑みを浮かべた。
割れ鍋に綴じ蓋か。
「とにかく、その子は緊張してまともに顔も見れなかったんじゃないかな。俺くらいの歳なら、ニニさんと婚約するならエロいことできるって意識が一番にくるかもしれないけどさ」
「ふぅん? つまりあなたはニニとエッチなことしたいんですね?」
「だから違うって!」
「三人目は許しませんからね」
膝上で子供がぐっすりと寝ているせいで動けなくなっている許嫁に対して、立ち上がったフゥリが冷たい視線を浴びせる。
緊張していたという可能性には目が向かなかった。
ニニはしばらく悩んでから、よしと手を叩いた。
「うん、私もう一回あの子に会ってみるよ」
ニニがそう言うと、後ろから許嫁の頭に噛みついていたフゥリが驚いたようにニニのことを見た。
◇
今回の事を仕組んだのはフゥリの実家の本家らしいということが、ニニが調べてみたところ分かった。
当代オオヒメ候補だったフゥリがやらかしたことで分家のみならず、本家も被害を受けた結果、色々と他家への工作を画策したらしく、ニニの件もその一環のようだった。
早い話が他の御三家の力を多少でも削ぎ落したかったということだ。
そんななので、こんな小さな少年が紹介されたのは、相手方もニニの家もあまり乗り気ではないという事情故のことだった。
とはいえ、巻き込まれる当人達にとってはたまったものではない。
それは少年も同じようで、再び顔を合わせることになったが、相変わらず浮かない顔をしていた。
何を話せばいいのか。この年頃の男の子との共通の話題が、ニニにはなかなか見いだせなかった。
そんな沈黙の中、少年が小さくハレさん、と呟いたのをニニは聞き逃さなかった。
色々な感情が籠っていた一言のように聞こえた。
「君は、ハレが好きなの?」
「なんでそんなことを言わなきゃいけないんだよ」
「好きって言ってるようなものだよ、その言い方だと」
「そんなんじゃねえし」
少年がそっぽを向きながらも、ちらちらとニニのほうを見ている。心なしか、胸元と顔に視線が向くことが多いようにニニには感じられた。
やはり無理だ。他の大多数の男性と変わりない。せめて隠す努力くらいはしてほしい。
これを理由に拒否することは簡単だ。
だが拒否したら、次はハレのところへこの見合い話が持ち込まれることは容易に想像できる。
その場合はどうだろうか。
ハレは優しいから、きっとこんな少年でも受け入れてしまうだろう。受け入れられるよう努力してしまうのだ。
それは嫌だ。
「君さ、ハレのことが好きならさ、もっと女の子に慣れたほうがいいと思うよ」
ニニはハレを守るために心を決めた。
◇
好みのタイプはというクラスメイトからの質問に、ニニが真っ先に思い浮かべたのはハレだった。
フゥリのような大事な友人とは、ハレに向ける感情はなにかが違うものがあった。
弱気なニニをハレが引っ張っていくという幼少から続く関係もあるのかもしれない。
異性という選択肢は最初からなかった。
霊獣の猫又によるものなのか、はたまたニニ自身の魅力によるものなのかはわからないが、昔からニニは他人から好意を寄せられることが多かった。
特に男性からは顕著で、意識せずともむこうから勝手に魅了され、その都度角が立たないように断るのが常だった。ニニだけでは断り切れないケースではハレも協力してくれた。
ハレの思い人をニニが魅了することも一度や二度ではなかったし、それが原因でぎくしゃくすることもあったが、その度に関係を修復した。
例外はインヴィンシブル・アトラスくらいだ。オオヒメの力を借りれば、魅了することもできるのだろうが、試すつもりもない。いくらハレが思いを寄せているからといって人間ではない、馬鹿みたいに大きいカブトムシは御免だ。ちなみにジャベリンビートルは魅了したときは、ハレがとても形容しがたい顔でニニ達を見つめることとなり、暫くの間ハレはニニに対して口をきいてくれなくなった。
そういった経験もあり、ニニは数日もあれば自分の虜にできると想定していたが、意外と少年はしぶとかった。
あるいは本当にハレに思いを寄せてるのか。
どちらでもニニにとってはどうでもよかった。ハレさえ守れればそれでいい。
なので少年がニニに振り向かない状況が続くのは避けたいが、ニニと同じように少年もニニにはあまり興味がないように思えた。
あくまであまり興味がないである。全く興味がないというわけではないようで、攻めれば落ちるかもしれないという感触はあった。
かといって、どうすれば男性を誘惑できるのかもニニには分からなかった。今まではそんなことを意識することもなかったからだ。
時間をかけてニニの人柄に興味を向けさせるという方法もあったが、生憎明るく活発なハレと、内向的なニニは真逆といってもいい。手間も時間もかかりすぎる。
時間をかけすぎるとニニとの話が立ち消えになり、ハレにこの見合い話が持ち掛けられる可能性が出てしまう。
そこでニニは手っ取り早く、自分の肉体を使うことにした。
この年頃の男の子なら、ちょっとスキンシップすれば照れて意識してしまうだろうと見込んでのことだったのだが——。
最初は指を絡ませて手を握ってみて様子を見るつもりだった。
それは効果覿面で、少年は顔を真っ赤にしながらしどろもどろになった。
ニニが背後から抱きしめると、少年はまるで石になったかのように固まった。
ただ抱き着いているのもつまらないので、胸元やお腹にニニが手を這わせると、少年はびくりとした。
ばくばくと早くなった少年の心臓の鼓動がニニの手の平に伝わってくる。
意外と面白い。
服の下へと手を潜り込ませると、すべすべした肌の感触がした。
若いって、ずるい。
「なっ、なんだよ!」
「なにって触ってるだけだよ」
腋を指で撫でると、少年が大きな声を出した。
「急にどうしたの?」
「ニニばっかり触ってずるいだろ」
「ずるくないよ、だって私のほうがお姉さんだもの。こういうことだって慣れてる」
ニニは首筋を舐めた。
少年が身体を震わせる。
ついた唾液が光を反射してキラキラと輝く。
「それは関係ないだろ、それは」
少年はニニの拘束を振り払って立ち上がった。
「とにかく、俺にもニニの」
「私の?」
「俺にもニニを触らせろっての」
少年はニニの両肩を掴み押し倒すと、ニニの上に跨り、胸元に両手を添えた。
添えられた手に力が込められていく。
何度も、それしか眼中にないかのようにニニの胸を揉む。
心なしか少年の息は荒い。
触っても布の感触しかしないはずなのに、なんでそんなに夢中になるのか、ニニにはさっぱり分からなかった。
しばらくすると、少年は思い出したかのようにニニのブラウスのボタンを外して前開きにした。
ブラジャーがずらされて、控えめなニニの乳房が露わになる。
羞恥でニニの顔が赤くなる。
「ニニのおっぱい、ちっちゃいな。ハレさんのはニニよりおっきいぞ」
「そういうこと、言うもんじゃないよ。というか勝手に脱がさないでよ、ヘンタイ。流石に怒るよ」
「先にやってきたのはニニのほうだろ」
少年は僅かにあるニニの胸の膨らみに手を置くと、感動したように声を漏らした。
ニニの身体に興味を示すようになったのはいいことだが、ここまでされるのはニニにとって想定外だった。
ここで本気で叱ってしまったら、この少年は二度とニニに近づいてこない。そんな予感がした。
どうしようどうしようとニニが焦っている間も、少年は胸を弄っていた。
まるで珍しいものを見つけたかのように、乳首をつねったり引っ張ったりしている。
フゥリは乳首を弄られて気持ちよさそうにしていたが、ニニにとっては痛いだけだ。
控えめな脂肪を手の平で寄せて集められる。
少年は胸から手を離し、腰とお腹を撫でまわすと、両腋へと手を差し込んだ。
手の平側は生温かいのに、手の甲はひんやりと冷たく、ニニは鳥肌を立てた。
腋のくぼみを指の腹がゆっくりと這いまわる。
「ん、んんっ」
ねちっこい指の動きに、くすぐったさと、微かに混ざるそれ以外の様々な感覚に戸惑いを抱きながらニニはじっと耐える。
「んぅ、ふーっ、ふーっ」
気が付けばニニは自分の人差し指を噛んでいた。そうしなければ、声を出してしまいそうだった。
我慢するニニの反応がつまらなかったのか、少年はすぐに腋から手を抜いた。
やっと終わった。
想定とは違ったが、この調子ならこの少年がニニの虜になるのもそう遠くはないだろう。
だけどもう一押しするべきかもしれない。
そう思ったニニは少年をベッドに投げ飛ばした。
「なにすんだよニニ!」
少年の声を無視して、ニニはスカートの下のショートパンツごとショーツを脱ぎ捨てると、ベッドに腰を掛けてスカートを捲り上げ、両脚を大きく広げた。
少年は床に脱ぎ捨てられたショーツへちらりと見ると、次いでニニの両脚の間の青々とした茂みへと視線を向けた。
「気になるよね、女の子のここ。見たことない?」
少年が小さく頷く。
「ふぅん、初めてなんだ。君のクラスの子にも、ハレにもおんなじものがついてるんだよ。まあ、クラスメイトがもう生えてるかどうかは知らないけど。で、君さ、ハレといざこういうことになった時、失敗したくないでしょ?」
またしても少年は頷いた。その目はニニの秘所を片時も見逃さないとばかりに、瞬きも忘れて大きく見開かれている。
「だったらさ、女の子の身体の扱い方、私で練習しようよ。いつもみたいな態度とか、さっきみたいなのはダメダメ。零点。あんなふうだとハレに嫌われるよ」
胸が早鐘を打ち、羞恥からニニの顔は真っ赤になっていた。
「どうする。やらないっていうなら、別にいいけど。私ももうこんなことしないから」
「やる。やってやるよ」
もう後には引けない。ニニも覚悟を決めた。
「なら、まず手始めに——舐めて」
ぽかんと少年が呆けたように口を開けた。
「はやく、舐めて」
「どこを」
ニニが脚を更に開く。
ゆっくりと少年がニニの秘所へと顔を近づけていく。
初めてみる女性器はどうなのだろうか。グロテスクだし、今日は体育の授業があり、お風呂にも入ってないから、汗とかいろいろなものが混ざって決していい匂いというわけではないはず。少年が顔を近づけては離してを繰り返して、なかなか舐めようとしないのもそのせいかもしれない。
それなのに、少年の瞳にはニニの秘所が映り続けている。
こんなに小さくても男は男というわけだ。
意を決したのか、ようやく少年が割れ目に舌を伸ばした。
「んぅ、んん」
割れ目を這いまわる舌のざらざらとした感触は、自分の指で生じるものとは明らかに異なる快感をニニに齎した。
合間合間にかかる吐息。唾液の奏でる水音。生温かい舌の体温。それら全てがニニを昂らせていく。
「ふぁ、んぅ♡そこだけじゃなくて、その上のちっちゃいお豆、クリトリスも舐めて」
「これかな?」
「ひぐっ♡」
皮に包まれたクリトリスを摘ままれて、ニニは反射的に脚を閉じた。
頭を挟まれた少年がニニの太腿を叩く。
「ふーっ、ふーっ♡君、力加減滅茶苦茶すぎ。敏感なんだからもっと慎重にしないと。バツとして、私が満足するまでそこ舐めて。勿論手は使っちゃダメ」
「んー、ん−っ!」
ニニは少年の頭を両手で掴むと、股間へと強く押し当てた。
御巫修行として今なお鍛えているのもあって、ニニはその麗しい見た目とは裏腹に力が強い。少年が全力で抵抗しようと、びくともしないほどに。
やがて少年は諦めたのか、ニニの秘所を再び舐めだした。
膣穴の周りを舌全体を使って唾液塗れにしていく。
「んぅ♡そう、そう、意外と、上手っ♡そこだけじゃなくて、クリも、皮剥いて」
言われた通りに少年は唇と舌を使ってクリトリスの皮を剥いていく。
無防備になった肉芽を少年は舌で突く。
「ひぅっ♡もっと、もっとぉ♡」
ニニの身体が仰け反り、少年の頭を押し付ける手に力が籠った。
唇で挟んだり、舐めたり、甘噛みしたりと、少年はニニのクリトリスを刺激する。
その度にニニの身体は跳ねて、快感に震えた。
クリトリスばかり弄っても埒が明かないとでも思ったのか、少年は膣穴とクリトリスの間にある小さな穴に舌を捻じ込もうととした。
「あっ、んんっ♡そこ、ちがっ、そこはぁ、おしっこの♡」
聞こえていないのか、はたまたわざとか、少年は尿道を執拗に攻め立てた。
広がるはずのない穴を広げられる痛みと快感が入り混じり、ニニの目に涙が浮かんできた。
「だめ、だめ、だめだめだめっ! ッッッ〜〜〜〜♡♡♡」
悲鳴にも似た絶叫とともに、びくびくと身体を痙攣させながらニニは大量の潮を噴出した。
力が弱まった一瞬で少年はニニから離れた。
少年の顔はニニの噴いた潮でびっしょりと濡れていた。
大きくえずきながら、少年はニニを睨みつける。
「なに、するんだよ! うえっ、小便なんか俺の顔にぶっかけやがって!」
「はぁー、はぁーっ♡あれは、おしっこじゃ、ないよ」
「じゃあなんだっってんだよ。大人の癖に漏らしたから、恥ずかしくてそう言ってるんじゃねえのかよ」
少年は備え付けてあったティッシュを乱暴に何枚か抜き取り、顔を拭った。
「あれはね、女の人が気持ちよくなったらでちゃうものなの。君が一生懸命舐めてくれたおかげで、私はすっごく気持ちよくなれた、その証ってわけ。初めてにしては上出来」
えらいえらいと言って、ニニはよろよろとベッドから降りて膝立ちになると、下着ごと少年のズボンを下ろした。
突然の行動に驚いた少年は咄嗟に股間を両手で隠す。
だがその一瞬の間に、ニニは少年の幼い男性器が勃起しているのを、はっきりと目撃した。
「へぇ、ふぅん? やっぱり男の子なんだね。舐めてて興奮しちゃったんだ」
「な、なんだよいきなり!」
顔を真っ赤にして怒鳴りつける少年を、ニニはにやにやと笑いながら見つめた。
いつの間にかニニはそんなに悪い気はしなくなっていた。
この調子ならセックスしたという事実があれば、少年を陥落させられるという手ごたえもあった。
とはいえ、この少年相手に妊娠するつもりはない。かといってコンドームなどの避妊具はニニの部屋にはない。今から買いに行くとなると、時間がかかる。この空気でないと、本番まで進めない気がした。
さてどうするべきか。
そんなことを考えている時。
——まったくしょうがないですね。今回は特別ですよ。
ニニの頭に声が響いた気がした。
見渡すと、机の上に買った覚えのないコンドームの箱が置かれていた。
手に取ってみると未開封のようだった。
なんで、誰が、こんなものを、という疑問がニニの頭を駆け巡ったが、隣から興味深そうに覗き込んでいる少年に気が付いて、それらを一旦他所へと追いやることにした。
箱を開け、一つ取り出して開封してみる。
「なにそれ?」
「これは、女の人が妊娠しないようにするための道具よ。セックスしたら子供ができるってことくらい、流石に知ってるでしょ」
「まあそれくらいは」
ニニはコンドームを少年に手渡した。
少年はコンドームを物珍しそうに弄繰り回すと、ニニの手の平の上に戻した。
「どう使うの、それ」
「これは男の人のおちんちんに被せるの」
「ニニは使ったことあるの?」
「——ありますよ」
嘘である。
実物を見るのも初めてだ。張らなくてもいいのに、要らない見栄を張った。
「ふぅん、そうなんだ」
きっとニニに、自分以外の男とのセックス経験があると思ったのだろう。
そんなことはない。胸を見せたのも、アソコを晒したのも、男相手には今までなかった。
以前流れでハレと互いに慰めあったことはあるが、男と女は別カウントだろうとニニは考えている。
「女の人に経験とか、聞くものじゃないよ」
「誤魔化した」
「そうじゃないから。とにかく、これ着けるからね」
少年の前で屈みこんで、ニニはフリーズした。
どう使うんだろうこれ。
目の前の皮を被ったまま大きくなっている男性器に被せて使うのは分かるが、どう被せればいいのかが分からない。
「もしかして、わからないの?」
心配そうに少年が呟いた。
「そ、そんなことないから。大丈夫、大丈夫」
またしても見栄を張ってしまった。
焦りながらも多分こうだろうと、ニニはコンドームを男性器の先端に当て、根元に向かって転がすように引っ張った。
うまい具合に男性器を覆ったコンドームを見て、ニニはほっと胸を撫で下ろした。
同時に今度機会があれば、それとなくフゥリに使い方を聞いてみようとニニは思った。
仰向けでベッドに倒れ込んだニニは少年に手招きすると、自らの両脚を大きくM字に開いた。
少年は誘われるがままにベッドへ乗り、男性器をニニの身体に押し当てた。
「ほら、ここまでやればもうわかるでしょ。そのおちんちんを私の、さっき君がさっき舐めてたところ——違うってそこじゃない、そこはお尻の穴だって。もう少し上、上だから」
ニニの誘導に従って挿入するべき穴を見つけた少年は、そこに狙いを定めた。
勢いよく入れようとして、思いっきり外した。
「あ、あれ?」
少年は何度も何度も挿入しようとして、その度に失敗した。
なんでだろう、なんでうまくいかない。フゥリはこの体位でヤってたから挿入が難しいというわけではないはずなのに。
ニニが不安に思っているとそれが伝播したのか、少年がみるみるうちに顔を青褪めさせた。
——初めてなら、お尻の下にバスタオルを敷いたほうが挿れやすいと思いますよ。
また声がした。少年には聞こえていないようで、何の反応も示していない。
ニニにしか聞こえない声にまさかと思いながら、ニニは周囲を見渡した。
またしても机の上にそれはあった。畳まれたバスタオルだ。
起き上がりそれを取ったニニは、声の言うとおりにお尻の下に畳んだままのバスタオルを敷いて再び脚を広げた。
「ほら、もう一回やってみて」
少年は小さく頷き、慎重に腰を進めていく。
角度がついて挿れやすくなったのか、今度は外さなかった。
「ん、あっ、んぐぅっ」
小さいながらも異物がゆっくりと、身体を押し広げながら突き進んでくる。
思っていたほどではないが、痛かった。
苦痛にニニは目を閉じ、歯を食いしばって耐える。
無限に引き延ばされたかのように思える時間だったが、それは少年の腰がニニの身体に当たったことで終わった。
涙を蓄えた目で少年を見つめながら、ニニは両手を伸ばして少年の身体を抱きしめた。
「おめでとう。これで童貞卒業だね。クラスで君が一番じゃないかな?」
「ふっ、ふうっ。これが、セックス。ニニの穴、ぬるぬるする」
鼻息荒く少年が呟く。
「うん、でもこれで終わりじゃないよ。動かないと、君も気持ちよくなれないでしょ? ちゃんと射精しないと最後までやったとは言えないよ?」
「うん、わかった」
少年が緩慢な動作で腰を引いていく。その動きに連動して、ニニの身体の中に我が物顔で居場所を作っていた異物が外へと引き抜かれていく。
それにしたがって徐々に身体が楽になった。ニニは大きく息を吐いた。
もう少しで全部抜けていくと思ったその時。
ずんととてつもない衝撃とともに、再び膣肉を押し広げながら男性器がニニの体内へ侵入してきた。
「ひぅっ⁉」
それからは激しかった。
ニニのことなど気にしていないかのように、少年は激しく腰を振り、打ち付ける。
「ん、んんっ! ちょっと、君ぃ! はげし、いっ♡」
「ニニ、ニニっ! これがニニのおま〇こ! ぬるぬるで、きもちいい!」
絡みつく肉襞による快楽の虜になったのか、少年は譫言のようにニニの名前を呼んだ。
それだけでは足りないのか、少年はニニの胸を弄る。
乱暴に何度か揉むと、少年は勢いよくニニの胸にかぶりついた。
薄桃色の乳輪は少年の口の中へと消え、硬くなった乳首を歯や舌で嬲られ、ニニは硬く目を瞑った。
「なん、でっ! わたし、おっぱいでない、のにぃ!」
胸をしゃぶることそのものが目的といわんばかりに、少年はニニの胸に吸い付いたまま離れなかった。
吸い付いたまま、ニニの腰に腕を回してがっちりとしがみつきながら腰を振り続けている。
「ん、はっ、あっ、あっ♡ちょっと、きみ♡」
気が付けば痛みはかなり引いてきている。
代わりに前に出てきたのは快感。
ハレの指とは太さも、熱さも全然違う、男のモノがニニの膣内を自分の場所だというかのように激しく擦りつけていく。
的確にニニの弱いところを突いてきたのはハレの指だが、少年のピストンにはそれにはない勢いがあった。
なにより——。
「ニニ、ニニっ!」
しがみついて、胸を吸いながら必死に腰を振る少年が、ニニにはとてもかわいらしく思えたのだ。
「ああもうっ! かわいいなぁ! そんなに腰へこへこしちゃって、あん、あっんあっ♡私の、んぅ♡身体に、夢中になっちゃって!」
少年の腰にニニの脚が絡みつく。
なるようになれ。もっと気持ちよくさせてみせろ。イくまで離さないぞ。そんな半ばヤケクソに近かった。
ニニの脚の動きで膣の締め付けが強くなったのか、少年が苦しそうに声を出した。
「ニニ、それダメ! きつすぎて、変なのきちゃうから!」
「いいよ、そのためのコンドームだから。もっと動いて、君の精液吐き出しちゃって♡」
ニニの言葉が最後の一押しになった。
少年は一際強く腰をニニに押し付けると、身体を震わせながら初めての絶頂を味わった。
その人生で初めて吐き出された精は、ニニの膣内に注がれることなく、全てコンドームによって受け止められた。
息も絶え絶えといった様相の少年は、電池の切れた玩具のようにニニの身体の上に倒れこむ。
虚ろな目をした少年を撫でながら、ニニは優しく語りかけた。
「はじめてのセックス、よく頑張ったね」
◇
すごいことになっていましたよと、オオヒメ様は言った。
何がですかと私が返すと、ニニですよニニと返事が返ってきた。
ニニの何が大変なのかさっぱりわからず、私は首を傾げた。
「年端もいかない子供にあんなふうに胸を吸わせながらおちんちんを扱いたり、脚で頭を挟みつけながら舐めさせたり——ああ、これ以上は恥ずかしくて私の口からはとてもとても」
「なに今更かまととぶってるんですか! 気になっちゃうでしょう、言うなら最後まで言ってくださいよ!」
本当に気になる。
ニニにもオオヒメ様の力の残渣のようなものは残っているので、アラヒメの力なら覗き見できないこともない。
でなかったらテレポートでもいい。行って戻ってくるだけだ。
自らを抱きしめ、きゃーきゃーと言いながらくねくねしているオオヒメ様を眺めながら、考える。
考えて、思い至った。
相談に乗ってあげたのだから、私もちょっと確かめるくらいのことをしてもいいんじゃないかと。
よしと、両頬を軽く叩いて気合を入れる。
目を閉じて、ニニの顔を思い浮かべながら深く集中しようとしていると——。
「痛ぁっ!」
コツンとか、コンといった優しいものではなく、ドカンとかドゴォといった擬音が出そうなとんでもない勢いで、頭を何か硬いもので叩かれた。
頭を擦りながら振り向くと、オオヒメ様が盾を構えていた。
多分、あれで殴られたのだ。
「なんで殴るんですか⁉」
「貴方ねぇ、プライバシーは大事ですよ。覗くなんてもってのほかです」
「どの口で言うんですかっ」
自分はちゃっかり見てきたくせに。納得いかない。
叩かれた頭を摩りながら、私は涙目でキッとオオヒメ様を睨みつけた。
「私は神様ですからね。御巫のことを見守るのも役目のうちですよ」
「納得いかないんですけど!」

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