軍貫マン
「勇者様、おはようございます。よく眠れましたか?」
男は目を覚ますと水遣いは寝台の横で微笑んでいた
水遣いは男が指名した世話係の一人である
世話係は文字通り男の身の回りの世話を担当し、意欲的な性玩具にとっては男に気に入られる絶好のチャンスとなっていた
「ふふっ、気づきましたか?勇者様がシトリス様に希望された衣装ですよ」
衣装は男が水遣いに着せてほしいとシトリスに要望したものでサキュバスを思わせるような煽情的なものだった
「こういった服装はメリハリのある方のほうが似合うような気もしますが……」
水遣いは小柄だが全体的に肉感的で足が短いことを気にしていた
だが男にとっては清楚な印象を与える水遣いがこのような卑猥な装束を纏うことに背徳的な興奮を覚え、彼女の豊満な肢体がこれでもかと強調された姿は男の欲望を煽り立てるものだった
「お気に召されたようでなによりです」
水遣いは男が興奮する様子を嬉しそうに見つめていた
「勇者様が旅立つその日までお側にお仕えさせていただくのが私の使命ですから」
水遣いは召喚された勇者と共に世界を救うという本来の使命はシトリスに捕らえられることで潰えた
シトリスによって男への奉仕を強要され意にそぐわないものは容赦なく足蹴にされる
この環境に恐怖を抱いていたがそれから逃れるために世界とはシトリスの箱庭のことであり、勇者とはシトリスから寵愛される男、男に尽くし幸福な最期を与えることこそ自身の使命であり秩序を保つために必要なのだと都合良く置き換えて考えることで自らの心を慰めていた
「昨夜の勇者様とってもかっこよかったですよ。いっぱい女の子のこと可愛がってましたし。でもそれでお疲れではありませんか?」
水遣いはぽんぽんと太腿を叩き膝枕に誘う
「さあ遠慮なく休んでください」
衣装によって強調された瑞々しい太腿は男から断るという選択肢を奪い導かれるようにその太腿に頭を乗せると水遣いは愛おしそうに男の髪を撫でる
「いい子いい子、勇者様はいつも頑張ってて偉いです。どうかゆっくり休んでください」
水遣いは男の腹部をとんとんと優しく叩く
それは母親が子供を寝かしつける際に使う仕草であり、男に安らぎを与えると同時に安心感をもたらした
「勇者様ったら赤ちゃんみたい。ふふっ可愛い」
男は水遣いの太腿に頭を預けながら彼女の優しい手つきがもたらす微睡みに身を任せる
「気持ちよさそうでちゅね。顔が赤いでちゅよ」
水遣いは赤ちゃん言葉ながらも声が少し艶を帯びたものに変化する
期待感が頭に絡みついた男は気づけば視線が水遣いの顔から豊満な乳房へと移っていた
少し顔を上げれば味わえるだろう距離にあるそれに男は手を伸ばしたくなる
「勇者様、エッチなこと考えませんでしたか?」
急に言葉遣いを変えて考えを見透かした水遣いに男の心臓がドキリと跳ね上がる
「エッチな子でちゅね。勇者様はおっぱい触るだけで満足できまちゅか?そのあとちゅーちゅーして結局我慢できなくておちんちんへこへこしちゃいまちゅよね?その後シトリス様や他の女の子とエッチできなくなりまちゅよ」
男は否定できなかった
「勇者様はこれで我慢してくださいね」
水遣いは顔を近づけると男の唇に自身の唇を重ねた
男は柔らかな唇の感触に心臓が高鳴るのを感じた
水遣いは唇を離すと悪戯っぽく微笑む
「ちゅっ……勇者様ったら赤ちゃんみたいでちゅね。ちゅー、上手にできまちたねー。ご褒美あげまちゅよ」
そう言うと再び顔を近づけ今度は舌を突き出して男の口内へと侵入する
男と水遣いの舌が絡み合い脳髄が蕩けるような快感に襲われる
「ふふ、勇者様とっても可愛い。ちゃんと我慢できまちたか?」
そういいながらも水遣いは頭を撫でていた手で時折耳を弄ったり、腹部を撫でていた手を一瞬だけ下の毛に這わせたりしている 男はその度にビクビクと体を痙攣させる
水遣いの手は明らかに男の性欲を煽るためのものであり、直接的な刺激を与えず焦らすように弄んでいるようだった
男のそれはみるみるうちに硬く張り詰める
「あれれ?勇者様ったら赤ちゃんなのにおちんちん苦ちいの?我慢できない悪い子でちゅね」
男は咄嗟に謝ってしまう
非は明らかに水遣いにあるはずなのに
「ごめんなさいできて偉いでちゅね。勇者様はとってもいい子でちゅよ。」
水遣いは男を幼児のようにあやす、その声音はまるで母親が子を愛玩するかのように慈悲深く、それでいて男に甘えられることに対して優越を感じているようにも思えた
水遣いはキープとして選ばれ続けたことで自身にそういった素養があることに気づき本来の自分の使命や生き方など偽物で今の自分こそあるべき姿であると本気で考えるようになり、恐怖を抱いていたシトリスさえもそれを気づかせてくれた恩植物として慕うようになった
「勇者様、お辛いんでちゅね。じっといい子にしていればママがいっぱい気持ちよくしてあげまちゅよ?」
それは水遣いに主導権をすべて渡すこと
それが嫌で男が本気で拒めば水遣いは好きなようにさせてくれるだろう
そう頭ではわかっていても男は甘えたいという本能による欲求には逆らえなかった
「ありがとうございます。勇者様に信頼していただけてとても嬉しいです」
水遣いのからかい混じりの赤ちゃん言葉の狭間で不意に放たれる素の口調からは深い思慕を感じ取れるため男に愛されているという実感を与える
「体の力を抜いて、ママに身を任せて」
それが男の体を弛緩させる
「ふふっ、いい子いい子」
水遣いは肉棒を軽く撫でると先端をカリカリと刺激して下を這わせていく
手つきは優しく労るものだが的確に急所を突き触れられた箇所は敏感に反応してしまう
「ん……勇者様可愛い」
水遣いは手の動きを早める、その度に男は体を跳ねさせるが決して射精はしないよう必死に堪えていた
「我慢強い子、ママのおっぱいをあげまちゅね」
男の顔に求めてやまなかった幸せな感触が降り注ぐ
男はそれに顔を擦りつけ赤子のように甘えていた
「勇者様ったらそんなにママのおっぱい好きなんでちゅか?うふふ、甘えんぼさんで可愛い」
水遣いは男を抱きしめながら指で輪っかを作って肉棒を扱いていく
「おちんちんぴくぴくしてお漏らしの我慢してる頑張りやさんな勇者様にはおっぱいをあげまちゅよ。身も心も赤ちゃんになってちゅっちゅしましょうね」
水遣いはじとりと乳房から母乳蜜を垂らすと許可を得た男をすぐさま乳首にしゃぶりついて母乳蜜を吸い始める
「あんっ……そんなに一生懸命吸っておっぱい飲んで。ママのおっぱい美味しいでちゅか?」
男の頭を撫でながら授乳を続ける水遣い、その間もねっとりと肉棒を扱き続け快感を与えて射精欲を高めていく
しかし、射精を求めて腰を振っておねだりすると刺激を弱くして焦らしてしまう
男の限界が近づいても決して絶頂には導かず、ぎりぎりまで焦らすと再び肉棒を扱き始める
労るように優しく頭を撫でてくれる手に反して肉棒を扱く手はどこまでも意地悪でそのギャップに男の興奮は高まり、射精を禁じられたまま扱かれる肉棒からは先走り汁が溢れ出る
「あらあら。お漏らししちゃったんでちゅか?でもダメでちゅよ。まだお漏らししちゃだめでちゅよ」
水遣いは無慈悲に扱く手を止めずに我慢させる
「ほら、もうちょっとだけ頑張ってくだちゃい。ママのおっぱいたくさん飲んでいい子になりまちょうね?」
男は言われるがままに乳首を吸い母乳蜜を飲み続けた
その間も肉棒への刺激は決して緩めず射精へと導くよう絶妙な加減で扱いていく
「んんっ……勇者様が可愛くてこんな意地悪しまって……ごめんなさい」
水遣いはこれまでのからかう様子から一変して沈痛な面持ちで謝罪の言葉を口にする
「勇者様はいずれシトリス様の糧となり、幸福のなかで勇者としての役目を終えることになります」
既に男のなかでシトリスの存在は死への恐怖すら凌駕し彼女の愛情に包まれてその生涯を終わらせる幸福な最期を望んでいた
「そうだとわかっていても私はもっと勇者様と一緒にいたいと思ってしまいます。もし勇者様が射してしまったらこれが最後になって、もう勇者様に呼んでいただけてないのではないかと考えたら怖くなってしまって……」
水遣いは涙をこぼすまいと必死に堪えるも、ぽろぽろと溢れる涙を止めることはできない
「ごめんなさい。私は勇者様の従者で性玩具なのにこのような私情にまみれた心で勇者様に接してしまって……」
男はそんな水遣いをいじらしく、可愛らしいと思い無意識に彼女の頭を撫でていた
「勇者様……?」
男は水遣いの不安と申し訳なさが入り混じった感情を理解し共感すると自然と口から言葉がこぼれた
「勇者様はお優しいのですね。こんな素敵な方に選んでいただけて私は幸せものです」
男は自分ももっと水遣いと一緒にいたいから我慢すると告げる
「ああ、すみません。まだご奉仕の途中でしたね」
水遣いは肉棒を扱くのを再開する、と男もまた母乳蜜を求めて吸い付く
「がんばれ、がんばれ。必死に耐える勇者様のお顔、とってもかっこいいでちゅよ」
水遣いは子供をあやす母のように男に囁く
「勇者様大好きです。かっこいいところも可愛いところも全部私に見せてください」
やがて水遣いの手は男を射精に導くために速度を上げる
「がんばって我慢したとってもいい子の勇者様。ママに上手にお漏らしできまちゅか?」
男は我慢の限界を迎え、水遣いに導かれるように白濁液を吐き出した
「勇者様のおちんちんがピクピク震えて中からエッチなお汁がぴゅーって出てまちゅよ。とってもいい子、よくできまちたね」
水遣いは男の頭を撫でながら射精する様子を慈しみと母性に満ちた目で見つめる
「勇者様、大好きです」
水遣いは男の耳元でそう囁きながらゆっくりと抱きしめた
男は射精の余韻に浸りながらも甘えるように水遣いに体を預ける
「勇者様はいま幸せですか?」
男は頷いた、すると水遣いは満面の笑みで男を抱きしめる
「ありがとうございます。選んでいただけて、委ねていただけて、こんな素敵な衣装まで選んでいただけて、とても嬉しいです」
そう言ってはにかむ水遣いの表情はまるで恋をする乙女のようであった
「叶うならばまたお側で……いえ、それは過ぎたる願いですね。勇者様はこんな私情にまみれた従者の言葉などお気になさらず自由に、身勝手に、シトリス様から与えられた大切な時間をお過ごしください。今日一日も勇者様にとって幸福な時間でありますように……」
水遣いは願いをこめるように男に口づけをした
「勇者様、お慕いしております」
その後水遣いはフルルドリス同様に蟲惑魔になる
蟲惑魔になることはある種シトリスの支配から脱却することになるためシトリスは彼女の元の肉体にあった頭蓋骨を男と共に弔い、彼女たちは男と最期を迎えたことにしてこのことを他の女性たちに秘匿した
さらに時は流れ
「ここはどこだ?」
男は気づけば水柱がたつ異様な場所に立っていた
「勇者様よくぞお越しくださいました。さあ冒険をはじましょう」
水遣いは妖しく微笑みながら手を差し伸べる
ここより新たな運命の旅路が紡がれる