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「キーテジ伝説」の変容 (1972)
サヴシキナ（Н. И. САВУШКИНА: "ЛЕГЕНДА О ГРАДЕ КИТЕЖЕ В СТАРЫХ И НОВЫХ ЗАПИСЯХ" in "русский Фольклор", 1972は「古今東西の記録に残るキーテジの伝説」をたどり、分類と推移の整理を行っている。それによれば...
キーテジに関する口承伝説の構成
これらの分類をもとに、整理された推移は...
さらに。スヴェトロヤル湖に関して...
スヴェトロヤル湖とその周辺の特別な特性に関する口承物語の構成
これらの分類をもとに整理された結果は...
「キーテジ伝説」の変容 (1972) 
サヴシキナ（Н. И. САВУШКИНА: "ЛЕГЕНДА О ГРАДЕ КИТЕЖЕ В СТАРЫХ И НОВЫХ ЗАПИСЯХ" in "русский Фольклор", 1972は「古今東西の記録に残るキーテジの伝説」をたどり、分類と推移の整理を行っている。それによれば...
V.L. コマロヴィチ（В.Л. Комаровичем）に倣い、キーテジ伝説は地域的なものであると考えるため、本研究では、そこに含まれる「彷徨うモチーフ」、例えば「失敗」のモチーフについて詳細な比較分析を行うことはしなかった[21]。この伝説は、おとぎ話ではない散文作品という地域の民衆レパートリーに存在し、そのモチーフの一部、例えば宝物に関するモチーフにおいて、おとぎ話、伝説、そして地域の信仰と相互作用している。この状況はV. スミルノフ（В. Смирнов）によって指摘されている[22]。しかし、これはまた特別な問題でもある。本研究では、19世紀半ばから現代までの資料に基づき、この伝説がスヴェトロヤルに限定されていること、そしてロシアの地におけるその内容と構成について考察する。当然ながら、この間に伝説は大きな変化を遂げたが、その一部はロシア農民の宗教的ユートピア思想の排除だけでなく、より具体的には、V.N. バシロフ（В.Н. Басиловым）によってよく示されているスヴェトロヤル崇拝の内容の進化にも起因する[23]。ここで、Савушкина (1972)が整理したのが...
伝説はその後（20世紀初頭頃）、スヴェトロヤル湖自体と周囲の「聖地」にまつわる数々の迷信的な物語と結びつき、スヴェトロヤル信仰によって一体化している。この信仰が衰退し変容していく過程で、多くの「彷徨うモチーフ」や地元の信仰が、いわばこの信仰に引き込まれていった。以下の図式は、伝説と湖とその周辺地域にまつわる物語の構成、そして現存するモチーフの相互関係の概観である。これらの図式は、原典の復元ではなく、伝説の構成要素全体を構成することにある。ソ連の研究者が正しく信じているように、伝説は全体としては存在せず、演じられてもいない[24]。 K. V. チストフ（К.В. Чистов）は、「帰還した救世主」に関する伝説の体系を提唱し、「伝説の多様性は、個々のモチーフの形成または排除の多様性によって大きく生じた」と指摘している[25]。
[21] См., например: Krzyzanowski. Polska bayka ludowa v ukladzie sustematichem, t. II. Warszawa, 1963, NoNo 7070—7071, и другие указатели; Б. К е р б ел и т е. Литовские предания об исчезнувших городах. — СЭ, 1963, �� 5.
[22] В. Смирнов. Потонувшие колокола. — Третий этнографический сборник. (Труды Костромского научного общества по изучению местного края, вып. X X IX ) Кострома, 1923.
[23] В. Н. Б а с и л о в, стр. 164—165.
[24] См.: К. В. Чистов. Русские народные социально-утопические легенды, стр. 10; В. Е. Гусев. Эстетика фольклора. Л., 1967, стр. 123.
[25] К. В. Ч истов. Русские народные социально-утопические легенды, стр. 30.
キーテジに関する口承伝説の構成
- A — キーテジの建設
- A1 — ユーリー公がスヴェトロヤル川のほとりにキーテジを建設する。
- A2 — キーテジはスヴェトロヤル川のほとりに建つ。
- A3 — キーテジは現在のスヴェトロヤル湖の場所に建っていた。
- B — キーテジが危機に瀕する
- B1 — バトゥはユーリー公を追って街に隠れる。
- B2 — バトゥはユーリー公を追ってキーテジの城壁で殺害する。
- B3 — バトゥはユーリー公を追ってキベレツキーの泉で殺害する。
- C — キーテジの奇跡的な救済
- C1 — キーテジは敵の脅威にさらされて消滅する（見えなくなる）。
- C2 — キーテジが崩壊し、湖が形成される。
- C3 — キーテジは地下（丘陵地帯）に隠される。
- C4 — キーテジは丘の下、湖の底に隠れている。
- D — キーテジは存在するが、その位置は不明である。
- D1 — キーテジはスヴェトロヤル湖畔にあり、姿は見えない。
- D2 — キーテジはスヴェトロヤル湖の底にある。
- D3 — キーテジは地下（丘陵）にある。
- D4 — キーテジは湖の底、丘陵の下にある。
- E — キーテジの存在は、そこからの知らせによって確認される。（「幻影と」）
- E1 — 教会の十字架が水面に映っている。
- E2 — 湖面に光が見える。
- E3 — 鐘の音が聞こえる。
- E4 — 祈りの音、教会の礼拝の音が聞こえる。
- E5 — 老人や修道士の姿が見える。
- E6 — 祈る人々の姿が見える。
- E7 — 湖底の穴（ひしゃく大）から十字架と街全体が見える。
- F — キーテジの住民とのコミュニケーション
- F1 — 湖畔で老人たちと会話する。
- F2 — キーテジの老人たちにパンを売る。
- G — キーテジを訪れる、あるいは永遠に滞在する可能性
- G1 — キーテジへの入り口が開き、すぐに消える（禁令を破ったため、現世のことを考えていたため）。
- G2 — 巡礼者が老人または老婆の小屋でキーテジに一泊する。
- G3 — 行方不明者がキーテジに滞在し、帰還する（羊飼い、羊飼いの少年、老人）。
- G4 — 男たちがキーテジにパンを売りに行き、帰還する。
- G5 — キーテジへ永遠に、そして知られずに出発する。
- G6 — キーテジに滞在するという知らせを受けて出発する。
これらの分類をもとに、整理された推移は...
- トランスヴォルガ地方のキーテジ伝説と宗教的動機：歴史、記録、そして口承の交錯
1. トランスヴォルガ地方とスヴェトロヤルにおけるキーテジの地方伝説は、10世紀から20世紀初頭にかけて、まるで手書きの古儀式派の記念碑「キーテジ年代記」の存在と絡み合っているかのように存在していた。この記念碑は、反キリストのもとを去り「秘密の住処」へ向かうという考えを説いていた。「年代記」の影響は、伝説の歴史的側面に特に強く、地元の口承による歴史伝承を吸収し、抑制したとみられる。そのため、多くの伝説解釈者は、口承と記録を区別することなく、伝説における宗教的動機のみを強調した。一方、口承伝説の異形は、「年代記」とは異なり、湖底や丘の下に隠された都市（後代の記録では主に湖底と丘の下に隠された都市）という概念を含んでいる。
- 伝説の都市キーテジ：隠れ家の幻想と宗教的背景
2. 伝説の都市キーテジは、口承伝説の中で、反キリストが支配するルーシ時代の「古き敬虔な人々」や義人たちの避難所としてだけでなく、満足と正義が支配し、人々が親切で歓迎的で、人々を温かく迎え、パンに良い金を払ってくれる約束の地としても詩的に表現されている。革命前の記録には、「秘密の修道院」について言及しているものもある。これは、キーテジの伝説が、トランス・ヴォルガ地方にも広く見られる「隠れ家」伝説、すなわちムレヴォ修道院やジグリ山脈などとの関連を示していると我々は考えている。後世の用法では、修道院が都市の代わりに登場することは極めて稀である（我々の資料はV. N. バシロフの見解を否定している[64]）。しかし、物語の中には修道院生活の痕跡が確かに現れる。これは、都市生活が「義」とみなされていたためである。都市と修道院がどこに隠されているかという説明には具体的な表現が見られる。これは明らかに、「隠れ家」という概念の忘却と関係している。したがって、K. V. チストフの伝説の変遷に関する見解は、必ずしも正確ではない。「これらの場所は、少なくとも19世紀20年代以降、多くの巡礼者を惹きつけ、伝説における宗教的要素が拡大・発展し、それが社会ユートピア的内容の退廃を物語っていたことは周知の事実である。かつて敵から救われ、今もなお存在する都市、キーテジは、時を経て、罪なき者だけが到達できる秘密の修道院へと変貌を遂げた。」[65]これは、伝説の変遷の初期段階の一つに過ぎず、現代の状態に先立つものと思われる（キーテジに関する歴史的伝説や「秘密の住処」に関する伝説から、『年代記』の文献まで。V. L. コマロヴィチが示したように、その文献には修道院が最初に登場し、その後、挿入箇所から判断すると、後代の「秘密の都市」というモチーフが導入された[66]）。
[64] В. Н. Басилов, стр. 152: «В рассказах нет упоминаний о городе. Обычно, по устной традиции у Светлого озера скрылся в землю монастырь (церковь, скит)».
[65] К- В. Чистов. Русские народные социально-утопические легенды, стр. 321.
[66] В. Л. Комарович, гл. II, стр. 33—36.
- 伝説のテキストの流動性とキーテジの進化：モチーフの交錯
3. 伝説のテキストの質は、その存在の特殊性によって条件付けられており、考慮する必要がある。K. V. チストフの的確な観察によれば、「演じられた状況に関わらず、童話やブィリーナ、社会ユートピア的伝説、そして童話以外の性質を持つあらゆる民間伝承散文に特徴的な、物語の必然的な順序性と完全性は、存在しなかった」[67]。したがって、資料の中に「統合された」テキストが存在しない（そもそも存在しなかった）のは偶然ではない。むしろ、一定のまとまりのあるエピソード（モチーフ）を持つテキスト群が概説されており、その中で主題（D）に基づいて、キーテジの過去が語られるか（A + B + C）、あるいはその継続的な存在に関する新たな証拠が示されるか（E1-6、F1-2、G1-6）。これらの物語は、伝説の崩壊を反映して進化を遂げた。
[67] К. В. Чистов. Русские народные социально-утопические легенды, стр. 338.
- キーテジ伝説におけるカルト崩壊と歴史的愛国主義の新展開
4. カルトの崩壊、宗教的・社会ユートピア的幻想の消滅に伴い、歴史的愛国主義的思想が伝説の断片の中で次第に明確に響き始める。かつてはある程度カルトの正当化の根拠となっていたが、今やその地の歴史的ランドマークの正当化の根拠となっている。A + B + Cの複合体は、タタール人の侵攻の出来事を物語る歴史的伝説へと引き寄せられる。バトゥとタタール人は永遠の敵として描かれる。ユーリー公はウラジーミル、フセヴォロドなどと呼ばれる。私たちの前に立ちはだかるのは、聖人や修道院長ではなく、「民間の」英雄の詩的表現である。
- キーテジ伝説における奇跡と禁忌の葛藤：崩壊の兆候と物語の進化
5. ごく最近まで、伝説には宗教的な「幻視」や「奇跡」（E、F、G）のモチーフが含まれていた。これらは通常、ブィリチカ型（K. V. チストフによれば「娘物語」）の独立した物語の形で存在し、しばしば筋書き（記憶と筋書き）の性質を帯びている。登場人物、つまり主人公は、奇跡を体験し、鐘の音を聞き、山の裂け目にある寺院を目にし、老人と話し、あるいはキーテジを「訪れた」人々です。革命前の記録には、このようなテキストは比較的少なく、そこではより「単純」で「地域性」の薄い奇跡が、「破綻都市」（E）という国際的なモチーフと結びついていた。それらは主に「噂話」の形で我々に伝わってきた。新しい記録は数多くあるが、それらではほとんどの出来事が過去のものとされ、その真実性はほとんどの場合疑問視されたり否定されたりしている。これは、「生きた」伝説、つまりその内容のあらゆる要素が、語られる時代（現在）の真の現実として感じられるべきものには禁忌である。これは伝説の崩壊の最初の兆候である。しかし、「ニュース」「幻視」「奇跡」は明らかにカルトと関連していたにもかかわらず、その役割を変えたため、カルトよりも長く生き残った。多くのもの（ギリシア神話など）は、劇的な葛藤――キーテジへ行くには「年代記作者」が定めた宗教的禁令を破らなければならないという不可避性――、つまり現世のすべてを放棄することの不可能性――に基づいているため、感情的かつ芸術的な影響力を持つ。「奇跡」が複雑であればあるほど、事例や目撃者が少なくなり、参加者（特定の男性、巡礼者、老女）はより抽象的で一般化される。
さらに。スヴェトロヤル湖に関して...
革命前の時代にスヴェトロヤルを訪れる人々は、キーテジに関する伝説を構成する口承の物語をほとんど記録せず、噂や解釈、そして『年代記』の解釈を語り直すことで満足いた。彼らは通常、口述と文書化されたバージョンを区別しなかった。しかし、伝説の構成要素はこれらの資料から十分に明確に見え、エピソードの組み合わせやそれぞれの独立した存在も同様に示されている。一般的に、基本的な概念に加えて『歴史的物語』が含まれる一方で、『幻視』やキーテジへの旅立ちに関連する事例は独立した物語として存在していた。『見えざる都市』の宗教的カルトは、キーテジ伝説を湖とその周辺の奇跡的な特徴や性質についての数多くの物語と強く結びつけた。として、スヴェトロヤル湖の伝説・奇蹟を分類列挙している。
スヴェトロヤル湖とその周辺の特別な特性に関する口承物語の構成
- A — 湖の不思議な特性と構造的特徴
- A1 — 並外れた深さ
- A2 — 水位は変動せず、一定である
- A3 — 湖底で泉が湧き出る
- A4 — 湖は水中の通路によってヴォルガ川、つまり海と繋がっている
- A5 — 湖には不思議な魚や怪物が生息している
- A6 — 湖はダイバーを「許さない」
- B — スヴェトロヤル湖の水の不思議な特性
- B1 — 水は目や足の病気を治す
- B2 — 水は精神疾患を治し、平穏をもたらす
- B3 — 水は腐らず、腐敗せず、雑草も生い茂らない
- B4 — 悪霊やイナゴから守るために畑に水を撒く
- C — 湖とその周辺に生えるハーブの驚くべき効能
- C1 — 湖とその周辺に生えるハーブは病気に効く。
- D — スヴェトロヤル — 巡礼の地
- D1 — スヴェトロヤルを散策すると、身体の不調が癒される。
- D2 — スヴェトロヤルを散策すると、精神的な不調が癒される。
- D3 — スヴェトロヤルを散策すると、悩みが和らぐ。
- D4 — 誓いに従ってスヴェトロヤルを散策する。
- E — スヴェトロヤル周辺の聖地とその効能
- E1 — キベレツキー泉とその水の効能
- E2 — 「聖なる」墓とその土の効能
- E3 — 「聖なる」松とその樹皮、そしてその下地の土の効能
これらの分類をもとに整理された結果は...
- キーテジ伝説とスヴェトロヤル湖：特別な効能の物語とカルトの変容
6. キーテジ伝説の地域性、スヴェトロヤルへの強い愛着、そしてそのカルトのプロパガンダ、そして後にスヴェトロヤルへの抵抗と湖の探査によって、この伝説は徐々に、そしてより確固たるものとなり、スヴェトロヤルとその周辺の特別な効能に関する物語で覆い尽くされるようになった。た。革命前の文献には、こうした資料はほとんど残っていない。その後、伝説の妥当性と宗教的意味合いが失われるにつれ、スヴェトロヤルスクの水と薬草の特別な効能（B、C、治癒の事例）や、周辺の「聖地」（E）に関する物語が次第に活発になった。「聖なる」「治癒の」水という概念は、特別な効能を持つ水という概念に徐々に取って代わられた。信仰と結びついたカルトの痕跡は、誓いを立てて湖を巡り、人々に癒しをもたらすという物語（D）に最も明確に表れている。近年の一連の物語は、スヴェトロヤル湖の特徴とその湖底（キーテジ湖とは無関係）に関する奇想天外な憶測を描いたもので構成されている。人々の生き生きとした思考と創造性は、今やこの湖の神秘的な起源と、その素晴らしい自然特性へと向けられている。
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