冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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ウクライナ国家安全保障・国防会議「核爆発が起きたらどうするか」


既に、ウクライナ文化情報政策省戦略広報情報安全センターが、ダーティボム・核攻撃・原子力発電所事故を生きのびる方法をウェブ掲載しているが、ウクライナ国家安全保障・国防会議は、核爆発時の行動についてのガイドを公表している。

Інформаційна пам’ятка «Що робити у разі ядерного вибуху?»(archive)

それによれば...
ウクライナ国家安全保障・国防会議
情報ノート "核爆発が起きたらどうするか?

核兵器は、核分裂や核融合反応の際に放出されるエネルギーを利用した爆発的な大量破壊兵器である。

核兵器の威力は、TNT換算、つまり、この核兵器が爆発したときと同じエネルギーを放出するTNTの量をトン数で提示される。

軍用濃縮ウラン数グラムの全原子を核分裂させるのと同じエネルギーを放出するには、1000トンのTNTが必要である。

参考までに。長い間、ロシアの軍事・政治指導部は、核兵器使用という脅しで国際社会を恫喝する戦術をとってきた。2020年6月2日のロシア大統領令第355号で承認された「核抑止力分野におけるロシア連邦の基本的国家政策」では、核兵器使用の決定はロシア大統領(V・プーチン)であると定めている 。

弾薬や航空爆弾、ミサイルの弾頭(作戦・戦術級、戦術・戦略級)、砲弾、機雷、爆雷、魚雷など、核爆弾を搭載できるものは多岐にわたる。

核兵器の種類を決定し、分類することは、核兵器を直接使用し、放射線、化学、生物防護の専門部隊から情報を得た後でのみ可能である。

核兵器の影響範囲は数十kmから数百kmで、装薬(航空爆弾、戦術ミサイルの弾頭、砲弾、爆雷、魚雷)の威力は通常数キロトンを超えることはない。

核爆発は、爆風、熱、降下物による大きな犠牲と被害をもたらすが、最も高いレベルの放射線を放出する爆発後数時間の間が最も危険であることに違いない。

しかし、誰もが、もしもの時の対処法を知り、備えておくことで、自分自身や家族を守れる。


事前に準備すること

「非常時用スーツケース」を用意してい置く

1. 水や食料は密閉容器で数日分をあらかじめ買いだめしておく。
2. 非常事態の際のため、情報へのアクセスを確保しておく。


核爆発が起きたら

核兵器の顕著な要素の一つは閃光であり、一時的な失明、角膜や目の火傷につながる。眩い閃光を見たら、その方向を見てはいけない。

1. 開けた場所にいる場合は、地面に伏せて、衝撃波と熱線から身を隠せる最も近い窪みや壁を見つける。
2. 開けた場所にいる場合は、地面に伏せて、衝撃波と熱線から身を隠せる最も近い窪みや壁を見つける。
3. 呼吸用保護具(防毒マスク、呼吸器、ガーゼ等)または衣服、スカーフ、ハンカチ等で口と鼻を覆う。手軽な防護具では内部被曝を完全には防げないが、悪影響を大幅に軽減できる。
4. ポケットの中の金属類や電子機器はすべて取り出す。


最も近い安全な場所へ行く

まず一番近い避難場所を探す。もし、近くに特別な設備のある倉庫がなければ、地下室などの地下構造物を利用するのがベストである。

1. シェルターに入る前に、上着を脱ぐ。
2. 窓のない部屋を探し、それがない場合は、窓、ドア、換気口をすべて閉める。
3. 可能であれば、シャワーを浴びる。できない場合は、手や顔など皮膚が露出している部分をすべて洗う。石鹸と多量の水を使用すること! ただし、皮膚の強い摩擦を避ける。
4, ヨウ素による予防を行う。


シェルターにとどまる

当局から移動または避難の指示がない限り、24時間シェルターにとどまる。

1. 爆発時に家族が別のシェルターにいた場合は、合流せず、外出の許可が出るまでそこにとどまること。ペットは室内で飼う。
2. 放射能に汚染された可能性のあるものを食べたり、触ったりしない。水道水の安全性について適切な通知を受けるまで、水道水を使用しない。
3. 可能であれば、できるだけ露出の少ない清潔な衣服を着用する。
4. 窓、ドア、換気口は開けない。緊急の必要がない限り近づかない。
5. ウクライナ国家非常事態庁、警察、地方自治体、その他の公的機関から正式な許可を得た後でのみ、シェルターから出てよい。


情報取得を維持する

情報源(ラジオ、テレビ、インターネット)を探す。

1. 可能であれば、セルフパワー型の通信機器(例えば、セルフパワー型の携帯FMラジオ)を用意する。非常時の唯一の通信手段となる可能性がある。
2. ウクライナ国家非常事態庁、警察、地方自治体、その他の公的機関からの指示を聞く。


個人防護具

個人用防護具とは、人の健康や安全に対する一つ以上のリスクから身を守るために、人が着用または保持するように設計・製造された装備機器を指す。

防護具を装備することで、核爆発の放射線や放射性降下物から身を守れる。この防護具は、核爆発の他の要因による重傷が生じないような、核爆心らの距離で利用するのが最も効果的である。

戦時中における住民および部隊要員と専門的な民間防衛要員の放射線防護手段には、以下がある:

・個人用呼吸器防護手段
・特殊防護服
・防護マスク
・放射線調査と線量管理のための装置
・上記の機器の電源および表示装置
・綿ガーゼ包帯

呼吸器の防護手段には、防毒マスクや防護マスクのほか、最も簡単な防塵布マスクや綿ガーゼ包帯などがあり、自作も可能である。

防毒マスクは、汚染された空気をフィルター吸収系で浄化(ろ過)することにより、放射性物質や粉塵などから呼吸器官、目、顔の皮膚などを確実に保護する。

防毒マスクは、個々の頭の大きさに合わせて、顔に密着するものを選ぶ必要がある。子供用の特殊なガスマスクも製造されている。

防護マスクは、放射性物質や土壌の粉塵から呼吸器を保護するために使用される。最も一般的なマスクはFFP2およびFFP3で、フィルタリングハーフマスクとヘッドバンドで構成されている。ハーフマスクには、2つの吸気バルブと1つの呼気バルブがある。ノーズクリップは、ハーフマスクを鼻梁に固定するためのものである。

防塵マスクは、本体とアタッチメントの2つのパーツで構成されている。マスクの本体は4〜5層の生地で縫製されている。外側の層は糸くずの出ない生地で、内側の層はろ過能力を高めるために糸くずが出る生地でできている。ファスナーは、ケースの側面に縫い付けられた短冊状の布である。完成したマスクは、顔の高さに合わせてチェックし、試着する。

綿ガーゼ包帯は、ガーゼの真ん中に1〜2cm厚の綿毛をはさんを作る。鼻と口をしっかり覆うように、上端は目の高さに、下端は顎の後ろにくるようにする。目を保護するために、顔にぴったりとフィットする特殊な眼鏡をかける必要がある。

個人用呼吸防護具の使用方法は、その種類によって異なる。

防護具の性能だけでなく、使い方の巧拙も保護の信頼性に影響する。事前に呼吸保護具の使用ルールと簡単な点検方法を覚えておく。


ヨウ素剤の予防投与

重要事項: ヨウ素剤の予防投与は、その必要性が公式に通知された後に行うこと。

核爆発時には、放射性物質が周囲の自然環境に放出される可能性があり、特に放射性ヨウ素が大量に放出される可能性がある。

放射性ヨウ素が人体に入ると、甲状腺に吸収され、被曝することになる。放射性ヨウ素同位体の蓄積から甲状腺を守るために、安定ヨウ素剤-ヨウ化カリウム-を使用する。

重要事項: ヨウ化カリウム製剤は、放射線の放出に含まれる可能性のある他の放射性核種の生物学的作用から身体を防護するものではない。

ヨウ化カリウムの薬剤が時間通りに体内に導入されれば、甲状腺の放射線被曝は減少または中和され、人体への悪影響のリスクは軽減される。

「雲」の発生と同時にヨウ化カリウムという薬剤を服用することは、依然として有効である。したがって、この薬剤の使用(食品および飲料水の管理とともに)は、人間の健康に悪影響を及ぼす放射線リスクを低減するための有効な戦略である。

最大の防護効果は、ヨウ化カリウムと放射性ヨウ素の人体への早期摂取または同時摂取で実現される。

甲状腺を防護するため、大量のヨウ化カリウム(100-250mg)の単回投与が推奨され、副作用の危険性があるため一回限りにする。

年齢により、甲状腺遮断のために必要なヨウ化カリウムの量的投与量が異なる。若い人(甲状腺の質量が小さい人)ほど、甲状腺遮断に必要なヨウ化カリウムの量は少なくなる。


ヨウ化カリウム(錠剤)の用法・用量:

乳児(生後1ヶ月から)16mg
子ども(1ヶ月から3歳まで)32mg
子ども(3 歳から 12 歳まで)62.5mg。
青少年(12 歳から 18 歳まで)、妊婦、授乳婦、成人(40 歳ま で)125mg。
核爆発の影響因子
閃光電磁パルス衝撃波火球と雲貫通放射線放射性降下物
数分間t程度、一時的に視力を失う電子機器を損傷し、大規模な停電を引き起こす可能性がある半径数十キロメートルで死亡、負傷、破壊を引き起こすことがある死亡、火傷、負傷、多数の火災を引き起こす可能性がある人体に害を与え、高濃度では放射線病となる可能性があるシェルターの外にいる人に放射線症を引き起こす可能性がある
核爆発の時系列
ミリ秒・閃光
・最初の被曝
・爆心に近い地面が残留放射線源と化す
・電磁波で電子機器が損傷する
・火球が最大サイズまで膨張する
・熱線で火傷になり、火事が起きる
・爆風が迅速に伝播する
十秒・爆風が数十kmまで広がる
・火球が上昇し、数千トンの土壌や埃や破片を巻き上げる
・塵や破片が放射性物質と混合される
・火球がさらに上昇する
・放射性降下物が地面に落下をはじめ、5〜10秒後に地上に降り積もり始める
時間・危険水準の放射性降下物が降り続け、風に流されて移動する
・爆心から数十kmの範囲で多数の火災が燃え続ける
・放射性粒子の崩壊が進み、放射能レベルは1/10以下に減衰する
・放射性降下物が世界中に降る
・天候や雨の状況により、放射性降下物が集中的に降る場所ができる





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