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ロシア史教科書9学年(20〜21世紀): 「ソ連崩壊」(2002, 2011, 2015)


エリツィン政権の見方から、プーチン政権の見方へと変わる過程が、この「ロシア史教科書9学年用(20-21世紀初頭)に見えそうだが、2015年の教科書は流れからは違ったものになっている。ただし、2024年にはもとの流れに。
  • ロシア史9学年用(20世紀〜21世紀初頭) (2002): §54 ソ連崩壊
    • セクション末の問いで「ソ連崩壊の理由について考えてみよう。M.S. ゴルバチョフはソ連崩壊の責任を負わされることがよくある。これは本当か?」と問いかけている。おそらくソ連崩壊は不可避だったかもしれないというエリツィン政権の見方の反映だろう。
    • そして、、さらに「1991年8月のクーデターはソ連崩壊にどのような役割を果たしたか?」と問いかけて、新連邦条約をなきものにして、そのままソ連崩壊に至らせたという回答をすることを期待しているように見える。
    • そして、ゴルバチョフの辞任演説をセクション末に載せている。

  • ロシア史9学年用(20世紀〜21世紀初頭) (2011): §47 ソ連崩壊
    • プーチン政権の見方を反映し、セクション末の問いで「§ 18 の資料を振り返ろう。事実資料に基づいて、ソ連崩壊の条件はこの国家建設の原則に定められていたという教科書の著者の主張を肯定または反論せよ。」と問う。これは、レーニンが連邦共和国の自主的加盟と離脱を基本とする憲法にしたことを指す。
    • さらに「 国家を強化する手段として考えられたペレストロイカがなぜ崩壊につながったと思うか? 改革の他の方法はあっただろうか?」と、ペレストロイカがソ連崩壊に至らせたことを前提とした問いかけをしている。
  • ロシア史9学年用(20世紀〜21世紀初頭) (2015): §32 ソ連崩壊
    • この教科書は、ソ連崩壊をルポ風に時系列をたどり、それまでの教科書より多くのページを使っている。
    • さらに、「1991年8月21日以降のソ連崩壊に至った状況を列挙せよ。自分の意見では、これは回避できたと思うか?」と、わりと中立的な問いかけになっている。

そして、2024年版では、2011年の教科書と同じトーンにもどっている。

2002年版







2011年版









2015年版



















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