冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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米国の民間防衛教育動画


民間防衛教育動画は連邦民間防衛局が制作する以外に、ローカルテレビ局が独自に製作することもあった。有償のLPレコードやラジオ放送もあった。形式も様々で、ドキュドラマから、ひたすらインストラクションを語り続けるものまでいろいろあった。ここで、数多くあるものから、ほんの一部を字幕動画で紹介する。

TARGET YOU! (ca 1953)

連邦民間防衛局(The Federal Civil Defense Administration)及びA Philip Ragan Productionによる民間防衛教育映画。1953年頃に制作された。ドラマ部分はなく、何が起きても動じそうにない男性のナレーションで、核攻撃を受けそうなときに、何をすべきか説明される。映像はモノクロで、シンプルなアニメーションである。まさに、民間防衛教育というノリ。


Source; Arcihve.org

Frontline of Freedom (1955)

Target YouのBGMや映像を流用して作られた、カナダと米国の共同制作品。ノリはTarget Youと同じだが、民間防衛への参加を呼び掛けるだけの映像で、何をすべきかはほとんど説明されない。


Source Edmonton Civil Defence museum
Radiological Defense (1961)

放射性降下物の対策についての民間防衛教育映画。



Source: Archive.org

TARGET...AUSTIN, TEXAS (1960)

民間防衛指示に従えば、放射性降下物から身を守れることを教育する民間防衛テレビ番組。
TARGET...AUSTIN, TEXASは1960年に放送されたローカルテレビ局の番組で、テキサス州とへのミサイル攻撃に直面した、民間防衛を実践した人々と拒否した人の運命を描いた魅力的な作品である。Lyndon B. Johnsonファミリーが所有するテレビ局KTBCの、Austin放送の伝説的人物Richard "Cactus" Pryorが脚本とナレーションを担当した。この20分のモノクロ映画は予言的な雰囲気と不気味なサウンドトラックにより、典型的な冷戦教育映画と違ったものになっている。実際、これは"Duck and Cover"よりも、"Carnival of Souls"である、

[ "Target...Austin, Texas" on Conerald.com ]



テキサス州オースチン近くに1発だけ核ミサイルが着弾し、オースチンへの影響は放射性降下物のみという、ゆるい設定。そして、放射線量が十分減衰した後は、テキサスの人々は通常の生活へともどっていく。そして、正しく民間防衛指示に従った家族と、仕方なしに従った女性と、無視して市外脱出を図った男性は、それぞれの結末を迎える。

要するに、放射性降下物対策のみに限定した民間防衛教育映像である。


The Day Called "X" (CBS 1957)

オレゴン州ポートランドを舞台として、核攻撃警報発令からの行政と市民の対応を、当時の市長を含む市民たちが演じ、民間防衛訓練Operation Greenlightの映像を加えて制作された民間防衛映像である。



民間防衛教育音声

No Second Chance (1955)

Conelradが始まった1951年時点では、GPSはもとより、INSによる航空機の運航も実用化されていなかった。そのため、敵地の複数のラジオ放送をビーコンとして、爆撃機隊を敵都市攻撃に向かわせることが想定された。民間防衛情報を放送しながら、敵にビーコンとして使われないために、米国は同じ音声を、同じ周波数(640KHz, 1240KHz)で放送する放送局を複数用意し、これを順次切り替えることにした。

ラマではないが、敵爆撃機隊の接近・迎撃という時系列で話を進めながら、それを解説したラジオ放送が"No Second Chance"である。









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