スイスでは国民に受け入れられず、忘れ去られた1969年のブックレットだが、21世紀なっても、日本で生きながらえていた。
スウェーデンでは1943〜1991年まで、改訂を繰り返しつつ、民間防衛ブックレットが発行・配布された。
その後、2018年に、新たな民間防衛ブックレットが発行・配布され、広報動画も公開された。
一方で、スウェーデンはホロコーストについてのブックレットも中高生を持つ家庭に無償配布している。
ほとんど情報がオンラインにないが、
フランスも1960年代に、民間防衛ブックレットを発行している。
ノルウェーも1970年代に民間防衛ブックレットを発行している。
また、1948〜1995年にシェルターの規格も定めている。
オランダは1961年に4冊組の民間防衛ブックレットを国民に配布している。
デンマークは"
Om at overleve"(生存のために)(1983)など、
数冊の民間防衛ブックレットを発行している。1962年にはスウェーデンにならって、
民間防衛ブックレットの作成配布を行っている。
スペインでは1960年代と1980年代に内務省民間防衛局が民間防衛ブックレットを発行している。
カナダは民間防衛ブックレットで、特に知られているのは...
- 11 Steps to Survival(生存のための11ステップ, 1961)
その他、カナダ政府や各州政府は、
多数のブックレットを制作している
バルト方面では...
ソビエト連邦およびその後のロシア連邦でも..
2013年1月、
インドのジャンムー・カシミール州警察が、現地新聞にNBC攻撃対策ガイドを掲載した。警察側は他意はないとしてものの、不安を煽ることから、州政府が沈静化を図るメッセージを出した。
この地域は核戦争の危険性があると認識されており、1999年7月には、核武装したインドとパキスタンは
核戦争の危機にあったようである。
韓国政府は現在も、NBC攻撃対策として民間防衛ガイドを公表している。そのガイドブックの核戦争対策部分は、1960年代とあまり違わない:
中国でも対核兵器防御についての本が発行されている。かなり初期のものとしては...
- 警铁: "居民防御原子武器常识", 1957 (31ページ) (国会図書館)
"Protect and Survive"と同じころに出版されたのが...
- 刘云波: "原子武器防护知识", 原子能出版社, 1979 (Google Books)
これの第3章「核兵器の防御」の訳が、以下の本にある。
- E.P.トンプソン(山下史ほか訳):"核攻撃に生き残れるか", 連合出版, 1981 (国立国会図書館デジタルアーカイブ)
内容は、当時の米英と同様で、特にオリジナリティのある記述は見られない。
この他、中国では中央政府や地方政府が民間防衛ブックレットを作成している。