カナダ政府も民間防衛ブックレットをいろいろ作成しているが、農業向けは、1961年に発行された、カナダ農務省による、この「農場への放射性降下物」のみのようである。
カナダは農産物輸出国だが、内容は輸入国である英国の
Home Defence and the Farmer(1958)と基本的に違いはない。食料を出来る限り確保し、生産再開に向けてあらゆる手を尽くすことを農場主に求めている、たとえば;
- 安全な飼料が尽きても、家畜を餓死させずに、汚染された牧草で生き永らえさせる。
- 放射性降下物に被曝した乳牛からの牛乳も、廃棄せず、検査を待つ。
また、この時代はまだ、核の冬は知られていなかった。そのため、放射能の減衰により、そこそこ安全になれば、農業生産を再開することが前提とされていた。
Fallout on the Farm (1961) 農場への放射性降下物 |