+++++++++++++ 以下引用 ++++++++++++++ p17 (北原注:北海道で一般的な数え方が樺太方言にもあることを紹介した後につづけて) 然るに樺太アイヌはこの呼び様は面倒な所から、別に山丹語を取り入れて、十をばkunkutuと呼び、百をばtankuととなえ、次のような数詞法を常用している。 shine kunkutu(十) shinekunkutu shine(十一) tu kunkutu(二十) tu kunkutu tu(二十二) re kunkutu(三十) re kunkutu tupesan(三十八) ine kunkutu(四十) ine kunkutu shinepesan(四十九)
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ちょっと補足として。
金田一先生は「あいぬ物語付録 樺太アイヌ語大要」という大正2年に公刊された解説の中で次のような例を紹介しています。
+++++++++++++ 以下引用 ++++++++++++++
p17
(北原注:北海道で一般的な数え方が樺太方言にもあることを紹介した後につづけて)
然るに樺太アイヌはこの呼び様は面倒な所から、別に山丹語を取り入れて、十をばkunkutuと呼び、百をばtankuととなえ、次のような数詞法を常用している。
shine kunkutu(十) shinekunkutu shine(十一)
tu kunkutu(二十) tu kunkutu tu(二十二)
re kunkutu(三十) re kunkutu tupesan(三十八)
ine kunkutu(四十) ine kunkutu shinepesan(四十九)
の類で、こうなると全くシナ語流の簡便法である。
四一 現今(北原注:明治末)の樺太アイヌは右の両式を共用し、大数には大抵後者を用いている。左のごとし。
tupesan tanku ashishne kukutu ainu(八百五十人)
wan tanku tupesan kunkutu shine komashka(千八十一円)
hoh tanku(二千)
shine ikashma hoh tanku(二千百)
tu ikashma hoh tanku(二千二百)
こう大数になると、またアイヌ式をも加味してくる。