最終更新:ID:siKjTSQZwA 2020年11月06日(金) 22:03:00履歴
制作:哀咲
協力監修:のらとこ 様
協力・対立型 HO1〜3
セッティング:自由(時代背景に合わせ設定の改変推奨)
リミット:4(必要と判断された場合は増減可)
人数:2〜3人
2人の場合、HO2、3のどちらかを破棄するか、NPCを配置することで対応する。
協力型にしたい場合は2、対立型にしたい場合は3を破棄、もしくは配置する。
プライズ:複数有
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。
協力監修:のらとこ 様
協力・対立型 HO1〜3
セッティング:自由(時代背景に合わせ設定の改変推奨)
リミット:4(必要と判断された場合は増減可)
人数:2〜3人
2人の場合、HO2、3のどちらかを破棄するか、NPCを配置することで対応する。
協力型にしたい場合は2、対立型にしたい場合は3を破棄、もしくは配置する。
プライズ:複数有
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。
<あらすじ>
貴方の背をこえないヒールを選んで来た。なるべく可愛くて小さなヒール。
未だ振り向いてはくれないけれど、それでもまだ私は小さな踵を選ぶ。
もう終わりにすべきかな。君はどう思う?
<NPC>
円加 未散(まどか みちる)-すらりとした背が印象的な女性。
【使命】
貴方は恋をしている。相手はいつも側にいた彼だ。彼はそこまで身長が高くなかった。
それを気にして貴方は常に踵の低い靴を履いて、意図して彼を見上げていた。
それに気づかれるのは時間の問題だったし、何より―――。
貴方の【使命】は、恋を続けるか諦めるかを選ぶことだ。
以下、GM情報
<レギュレーション>
人数:2〜3
HO:5
プライズ:3
リミット:2人→4サイクル
3人→3サイクル
狂気カード:基本ルールブック(p214〜p219)より人数に合わせ選出。
<シナリオチャート>
「女の子」
└【居所】→【秘密】→【背の低いヒール】=【恋心の終わり】
「劈く音」
└「消えた靴」→【破損品】┐
「街路」 ├【あの日の靴】
└【踵の折れたパンプス】 ┘
2サイクル後→「時間」
<PL用HO>
HO1
【使命】
貴方はこれが、「夢」であることを知っている。
ただの夢だが、一向に醒めない夢に怪訝に思い始めた貴方は、動き始める。
貴方の【使命】は、夢から醒め、現実に帰還することだ。
【秘密】
ショック:なし
貴方はNPC:円加 未散の友人である。
彼女が報われない恋をしていたことを知っている。彼を追いかけている彼女を知っている。
叶わない恋を追いかける彼女は健気だ。けれど、そろそろ潮時だろう。
貴方は可能ならば、プライズ【恋心の終わり】を所持してクライマックスに突入すべきだ。
貴方はNPC:円加 未散の友人である。
彼女が報われない恋をしていたことを知っている。彼を追いかけている彼女を知っている。
叶わない恋を追いかける彼女は健気だ。けれど、そろそろ潮時だろう。
貴方は可能ならば、プライズ【恋心の終わり】を所持してクライマックスに突入すべきだ。
HO2
【使命】
貴方はこれが、「夢」であることに気が付いた。
ただの夢だが、一向に醒めない夢に怪訝に思い始めた貴方は、動き始める。
貴方の【使命】は、夢から醒め、現実に帰還することだ。
【秘密】
ショック:なし
貴方は想像力豊かな人間だ。そしてその「想像」の種を求めている。
友人の知り合いぐらいの女の子が恋していること、努力をしていたことを僅かに知っている。
叶わない恋だろうと―――いや、世間体とか、常識とかはもはやどうでもいい。
一つの物語として、叶わない恋を続けたらどうなるだろう。
貴方は可能ならば、NPC:円加 未散に「恋を続けさせる」ことを選択させるべきだ。
貴方は想像力豊かな人間だ。そしてその「想像」の種を求めている。
友人の知り合いぐらいの女の子が恋していること、努力をしていたことを僅かに知っている。
叶わない恋だろうと―――いや、世間体とか、常識とかはもはやどうでもいい。
一つの物語として、叶わない恋を続けたらどうなるだろう。
貴方は可能ならば、NPC:円加 未散に「恋を続けさせる」ことを選択させるべきだ。
HO3
【使命】
貴方はこれが、「夢」であることに気が付いた。
ただの夢だが、一向に醒めない夢に怪訝に思い始めた貴方は、動き始める。
貴方の【使命】は、夢から醒め、現実に帰還することだ。
【秘密】
ショック:なし
貴方はNPC:円加 未散の恋の相手の、友人である。
彼は悪くないし、彼女も悪くない。悪いのは運命だ。そう、結果だ。
この【秘密】を持つキャラクターはNPC:円加 未散の【秘密】の恐怖判定を回避できる。
できうるならプライズ【あの日の靴】をNPC:円加 未散に受け渡すべきだ。
貴方はNPC:円加 未散の恋の相手の、友人である。
彼は悪くないし、彼女も悪くない。悪いのは運命だ。そう、結果だ。
この【秘密】を持つキャラクターはNPC:円加 未散の【秘密】の恐怖判定を回避できる。
できうるならプライズ【あの日の靴】をNPC:円加 未散に受け渡すべきだ。
<導入>
全PC共通のマスターシーンによる導入。
何処か遠く、車のエンジンの音がする。靴の立てる独特の音がする。ざわつく観衆の声。
様々なものに世界は溢れている。知っている光景に、貴方はいつの間に外に出ていたのかと錯覚しかけるが、それはどうやら違う事象のようだった。
世界を劈く音に振り向いた。
そこには、足元を見て歩く女の子がいて。その子にぴったりの背の高めなパンプスが目に付く。
そして迫っていた影にも。
ばきり、めきり、酷い音がする。それが何の音かを考えたくはない。
考えたくない―――。
―――……また、こつりと誰かの足音がして、咄嗟に瞑った瞼を持ち上げる。
貴方の横を通りすがる、先ほどの女の子。前を向いて歩いて行く。
さっき見た姿と、何か違って、ふと思いついたように貴方は彼女の足元を見る。
背の低い、彼女に子供っぽさを与えてしまう大き目な花をあしらった靴。
何を見ていたのだろうか。
これは、何だろうか。
少なくとも、自分の知っている言葉で言うならば、「夢」だとか、そんな風に表すのがいいだろう。
以降、メインフェイズとしてシナリオを進める。
4サイクル終了、もしくはサイクルを終えてもよい、クライマックスに進む状況に陥ったと判断された場合、クライマックスに移る。
2サイクル終了時にマスターシーンを挟む。
〇焼きついた瞬間
その光景は定期的にやってくる。彼女の細い体が悲鳴を上げるその瞬間。
遠くにぼやけるその姿に、貴方は思う。
歩いて行く彼女の靴には大きな花があしらってあった。
だが、悲鳴を上げるその瞬間、足元から離れていく靴は彼女に似合う、シンプルで高いヒールの―――。
HO「時間」を公開する。
<シナリオ内HO>
・女の子(NPC 円加 未散)
最初に見かけた女の子。何処かに向かって歩いて行く。目的地はわからないが、遠くにぼやけて見える街並みに向かっているようだ。
――――――――――――――――――――――――
人物として扱うが、常に行動しているため【居所】を所持していないと【秘密】を探ることができない。
【感情】の取得は可。
すらりとした背が印象的な娘だが、足元を飾る花は彼女に子供っぽさを与えてしまう。
誰かが【居所】を獲得した際に【使命】は全体公開される。
――――――――――――――――――――――――
円加 未散の【使命】
ショック:なし
未散は、とある人との待ち合わせに向かっている。彼女にとっては久々で待ちわびた日である。
彼女の【使命】は、待ち合わせ場所に辿り着くことだ。
(この使命により、彼女はセッション中、ひたすら目的地に向かうし、毎回事故に遭うことになる)
円加 未散の【秘密】
ショック:この【秘密】の取得時。<死> で恐怖判定。
貴方は気づいていないようだが、確かに貴方の時間はあの瞬間に終わった。
あの時履いていたパンプスは何処かに失くしたが、それにも気づけていない。
ただひたすらに貴方は待ち合わせ場所へ向かう。彼からもらったパンプスを忘れたままで。
彼女は、プライズ【背の低いヒール】を所持している。
貴方は気づいていないようだが、確かに貴方の時間はあの瞬間に終わった。
あの時履いていたパンプスは何処かに失くしたが、それにも気づけていない。
ただひたすらに貴方は待ち合わせ場所へ向かう。彼からもらったパンプスを忘れたままで。
彼女は、プライズ【背の低いヒール】を所持している。
・プライズ【背の低いヒール】
NPC:円加 未散が所持しているプライズ。
このプライズには秘密がある。
【秘密】
これをPCが奪取することでプライズ【恋心の終わり】に変化する。
PCがNPCにこのプライズを受け渡した場合は元の【背の低いヒール】に戻る。
このプライズを取得するためには持ち主に戦闘を仕掛け勝利するか、別の対応するプライズを用いて交換することが必要である。
このプライズをPCが所持した状態でクライマックスが終了した場合、NPCは恋を諦める。
NPCが所持した状態で終了した場合、恋が「終わっている」ことを知らずに歩き続ける。
PCがNPCにこのプライズを受け渡した場合は元の【背の低いヒール】に戻る。
このプライズを取得するためには持ち主に戦闘を仕掛け勝利するか、別の対応するプライズを用いて交換することが必要である。
このプライズをPCが所持した状態でクライマックスが終了した場合、NPCは恋を諦める。
NPCが所持した状態で終了した場合、恋が「終わっている」ことを知らずに歩き続ける。
・劈く音
その光景は、必ず彼女の行く道を阻む様に繰り返される。そしてまた、―――。
【秘密】
拡散情報。
ショック:全員。<痛み>で恐怖判定。
暴走している車が華奢な体をへし折る光景。そんなものを何度も何度も繰り返している。
へし折られる身は必ず、彼女であり、この夢の終着点であるようだ。
酷い音に、目がくらんでまた、最初からやり直し。
もしも、この光景に何か得るものがあるなら、何処かへ飛んでゆく彼女の靴だ。
この【秘密】が公開された時点で、HO「消えた靴」を公開する。
ショック:全員。<痛み>で恐怖判定。
暴走している車が華奢な体をへし折る光景。そんなものを何度も何度も繰り返している。
へし折られる身は必ず、彼女であり、この夢の終着点であるようだ。
酷い音に、目がくらんでまた、最初からやり直し。
もしも、この光景に何か得るものがあるなら、何処かへ飛んでゆく彼女の靴だ。
この【秘密】が公開された時点で、HO「消えた靴」を公開する。
・街路
彼女が歩いて行く道。町の中央に向かって伸びるそれは、ありふれた茂みで覆われて、街路樹が季節を表す。
【秘密】
ショック:なし。
プライズ【踵の折れたパンプス】を入手できる。
余計な飾りのない、シンプルだが美しいラインのパンプス。だがヒールがぽっきりと折られてしまっている。
折れた踵が何処にあるかは分からない。
一つ言えるのは目の前を通り縋る彼女が履いているものより幾分ヒールが高いことだ。
プライズ【踵の折れたパンプス】を入手できる。
余計な飾りのない、シンプルだが美しいラインのパンプス。だがヒールがぽっきりと折られてしまっている。
折れた踵が何処にあるかは分からない。
一つ言えるのは目の前を通り縋る彼女が履いているものより幾分ヒールが高いことだ。
・消えた靴
「劈く音」の【秘密】公開によってHO発生。
あの時、何処かへ飛ばされた靴は未だに消えている。だが、もしもこの風景があの時と同じなら、何処かにあるはずだ。
【秘密】
ショック:なし。
プライズ【破損品】を入手できる。
――――――――――――――――――――――
プライズ【破損品】
何かから折れてしまったらしいもの。材質は堅い。
このプライズを所持/秘密共有することで、プライズ【踵の折れたパンプス】を、
【あの日の靴】に変化させることができる。
プライズ【破損品】を入手できる。
――――――――――――――――――――――
プライズ【破損品】
何かから折れてしまったらしいもの。材質は堅い。
このプライズを所持/秘密共有することで、プライズ【踵の折れたパンプス】を、
【あの日の靴】に変化させることができる。
プライズ【あの日の靴】 入手時自動公開。
ショック:なし。
プライズ【破損品】とプライズ【踵の折れたパンプス】を入手、PC間で秘密共有することで変化。
あの日、はね飛ばされた靴は彼女の側に落ちていたのだ。その衝撃のすさまじさをありありと示している。
・時間
2サイクル終了時のマスターシーンにて発生。
彼女の足元を飾るそれ。それに違和感を抱いた。空でも見上げたら分かるだろうか。
【秘密】
ショック:なし
空は蒼い。だが、劈く音が響く頃の空は夕焼けに染まって、彼女の白い身と赤い液体をその背景に溶けさせていく。
歩いて行く彼女と、この音には時間差がある。
それが教えてくれる事実は、彼女を本当に殺してしまうだろう。
空は蒼い。だが、劈く音が響く頃の空は夕焼けに染まって、彼女の白い身と赤い液体をその背景に溶けさせていく。
歩いて行く彼女と、この音には時間差がある。
それが教えてくれる事実は、彼女を本当に殺してしまうだろう。
<クライマックス>
既定のサイクルが終了、もしくは進んでもいいと判断された場合、クライマックスに移行する。
想定では、NPC、HO2 vs HO1、HO3となり、各々の勝利条件を満たすことが求められる。
HO1:NPC所持のプライズ【背の低いヒール】を奪取。(戦闘にて勝者となるorHO3との協力で交換、受け渡し)
HO2:NPCの所持するプライズ【背の低いヒール】をNPCに持たせたまま、戦闘を終了する。
HO3:サイクル内でプライズ【あの日の靴】を入手し、NPCに受け渡す。(戦闘に勝利して押し付ける形でもよい)
NPCは戦闘に参加するが、勝利条件はなく、自分の味方であると判断されるRPなどをしたPCに協力する。
感情修正などは要請に応じ、必要なだけ行う。
〇NPC 円加 未散
エネミー「怨霊」のデータを参照する。(インセイン基本ルールブックp245)
<エンディング>
戦闘を含めた様々な要因で、エンディングは分岐する。
【背の低いヒール】を奪取することに成功し、【恋心の終わり】に変化させていた場合、
未散は自分の身に降りかかった絶望を理解し、自らの命のことを悟る。
死という終わりによってきらきらと輝いていた恋の時間は途切れたのだ。
この時点でプライズ【あの日の靴】を受け渡すことに成功していた場合は、未散は途切れた時間の中にも幸せを見出す。
「気づかれてないと思ってた。あの人をこえないヒールを選んでた。本当はもっと、
……でも、あの人は気づいてくれてたの、私の独りよがりな思いをこれで払ってくれた。
そんな大事なことを、……忘れて、ごめんなさい、…大好きな人、ありがとう、……生きてね」
と、自分の忘れ物をしっかりと手にして夢とともに消滅するだろう。
もし、NPCの手に【背の低いヒール】がある状態でエンディングを迎えた場合、
彼女は、くだらない思いを払ってくれたあの日の靴を忘れたまま、また歩き出す。彼の背をこえないヒールで。
HO2は、それを見て、正直なところを思う。
「真っ直ぐすぎて、詰まらない」と。
戦闘の結果などに応じ、バッドエンド表などを用いてセッションを終了する。
<補足事項>
PC秘密の、可能ならば〜、できうる限り〜という表記は、扱いとしては「本当の使命」と同等、
もしくは準拠とするが、内容として「恋を続けさせたい」=面白いものを見たい、話の種にしたい。
「受け渡すべき」=忘れていることを思い出してほしい、気づいてほしい。
というように個人の気持ち内の話の為、RPとして方向性があればそちらを優先すべきであるし、使命として足枷にならないように調整することを望む。
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