主に哀咲のTRPG(CoC)用wiki。ほぼ身内様向け。「そこのレディ、ティータイムの御供にクトゥルフ神話は如何かな」

概要

製作:哀咲
プレイ時間:テキストオンセ 4時間〜ほど
傾向:リアル知識、アイデアが物を言う。神様だって敵ばかりじゃあない。
   少し不思議な庭で、お茶会でもしよう。
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。

シナリオ



<あらすじ>
一通の手紙が届いた。白い封筒に赤い蝋の古風に思えるそれには宛先……自分の名前があっても送り主の名前がない。
不思議に思いながらも開けば、入っていたのは一枚のカードだった。

<キャラシについて>
職業・国籍に制限はない。
技能としてはほとんどの知識的技能に使用する機会がある。

<舞台>
とある庭先

<推奨人数>
二人〜三人、多くても四人。

<友好>
嘆きの聖母たち:マーテル・テネブラルム(マレウス・モンストロルムp195)

<敵対>
ニャルラトホテップの化身:赤の女王(マレウス・モンストロルムp198)

<クリア条件>
茶会から何事もなく帰還すること。

<他事項>
紅茶を常飲しているという探索者がいると少し有利に始められるかもしれない。
また、このシナリオはロストを狙うものではないが、報酬AFがあまりにもという場合は削ったりロスト条件を作っても良い。
また基本的には<聞き耳>で代用するが、<芸術>などで香りに関する技能を持っている探索者がいる場合そちらを振って貰うこと。
また当シナリオはマレウス・モンストロルムを使用しているが、所持しなくても問題はない。


<導入>
朝、ポストを見れば、真っ白で赤い蝋の古風なスタイルの封筒が入っている。
宛先は自分だが、送り主の名と住所は一切書いていない。技能を使用して、封筒を確認しても不審なものは仕掛けられていないことがわかるだけだ。
開ければ、金のラインで縁取られた一枚のカードが出てくる。
『知を司るお茶があるって知ってる?』と書かれているが、その文字は特別技能を使わずとも、
「幼い子供が書いたもの」だと分かるぐらいには丸っこく、時には角っぽい。言語は探索者のそれぞれの母国語である。
カードに対し<聞き耳>を使用することで、柔らかな紅茶の香りと何か鉄のような臭いがすると思うだろう。
その紅茶の香りは知らないものであるが、とても好ましいと思う。
それを捨てるなりなんとなく取っておくなり、そもそも見ないのも一向に構わないが、
その手紙を一度手にしたなら、『お茶会』に招待されることは決定事項なのである。


<扉を開ければ>
探索者たちに「何かしらの用がある、気紛れなどの要因で外に出る為扉を開く」ことをお願いしよう。
素直に扉を開ける、もしくは窓から出ようとしても同様だが、一歩出た先は見知らぬ……一面真っ白な天井、床、壁。
いや建造物として表現することが間違いかもしれない本当に白だけの空間に出る。
背後を見ると木製の温かみのある扉から自分が出てきたことが分かるだろう。
また左右を見れば同じような扉から出てきた他の探索者たちがいる。
そして探索者全員が扉から出てくると、扉は消えてしまう。
探索者たちが自己紹介などで合流すると、空から淡い赤色に染められた見事な装飾の施された
木製のテーブルと椅子が人数分+一分ふんわりと落ちて来て、計算されたかのように綺麗に配置される。
そしてまた空から降ってきたかと思えばそれは白に青い装飾の陶器でできたティーセットである。
それも僅かにかちゃりと音を立ててふんわりとテーブル上に配置される。(0/1)

○ティーセット
カップ、スプーン(人数分+一)
ティーポット
ティーストレーナー
ティーメジャー
シュガーポット
ミルクポット
ジャム瓶
砂時計
お湯が入っているポット
茶葉の缶(<知識>などで判定をしても知らない茶葉名である)
と必要とされるものはすべて揃っていることにする。

<考古学><知識>、普段紅茶を本格的に常飲している者は<目星>、成功すれば形状こそ知っているもの、
施された青いラインの描くそれらはまったく見覚えのないパターンであることに気付く。
また、そのティーセットに紛れて、封筒に入っていた同じカードが置いてある。
『ごめんなさい、少々用があって遅れます。ご客人にお願いするのは申し訳ないのですが、
どなたかお茶を(人数分+一つ)用意して頂けませんか。わたくしはストレートで結構でございます』
と書いてある。
ちなみにテーブルや椅子に<目星>をすると、赤く染まっていない部分があり、元々の色は白であったことが分かる。
<医学>などをするとその赤は血であることがわかるだろう。(0/1)
<聞き耳>でテーブルから鉄の臭いがすることに気付く。
部屋に<目星>すると、繋ぎ目などがないと気付く。部屋に対する<聞き耳>では、どこからか風の音がする。


<白磁のカップに赤い水面>
紅茶を淹れるにあたって、基本的にはDEX*5で判定する。
もし「ミルクティー」やら何やら要求する探索者がいれば、その飲み方の淹れ方を知っているか<知識>で判定する。
知っていた場合はそのままDEX*5。知らなかった場合は諦めてもらうほかはない。淹れ方を知っている者から教えてもらう場合はDEX*3である。
判定に失敗しても、とりあえずお茶を淹れることはできるが、味が薄かったり香りがしなかったり、出来としては微妙なのだろう。
常飲しているという探索者が真面目に淹れる場合には特に判定はいらないだろう。
飲み方の要求に関しても、お国柄が出る独特の物……など特殊な場合でない限りは対応できるはずだ。
完璧な手順で香り高くほどよい味の引き出された紅茶は、一時的ではあるが、INT+1の効果がある。この効果で上限を越えても良い。
人数分の紅茶がカップに注がれる頃になると、探索者が出てきたものとは反対側に扉がテレビのノイズのようなものに紛れて現れる。
そこから出てくるのは、美しく少し小柄な少女である。その目はレースの施されたリボンを巻かれている。
薄青のドレスに身を包まれた少女は、探索者に向けてゆっくりと裾をつまんで一礼する。
「ようこそ。私のお庭へ。突然のご招待、ご容赦くださいな」
と言う。その少女の言葉が引き金だったように、白い部屋に緑の線が走ったかと思うと白い床から美しい花が咲き乱れ、一面花畑になっていく。
テーブルの傍には一つの樹が根付き、いつの間にか空に浮かんだ太陽を遮って柔らかな木漏れ日をテーブルに落としていることだろう。(0/1)
少女は自分側にある椅子に手を伸ばす。紳士な探索者が椅子を引いてあげるなりしたなら少女は探索者にしっかりと顔を向け、お礼を言って座るだろう。


<招待の理由>
少女は座ると、立っている探索者たちに席を勧めてくる。着席している場合は特に何も言わない。
全員が着席すると、少女は幼い声ながらもしっかりした声で、
「わたくしのことは、テネ、とお呼びください」というだろう。探索者が自己紹介をした場合は、ファーストネームや愛称で呼んでくる。
「ご招待させて頂いた理由は大したことじゃありませんの。わたくし、このように目が見えないものですから、あまり外出できなくって。
人にも会えなくって、すぐ詰まらなくなるものですから、こうして時折人をお呼びして知識比べしながらお茶を楽しんでいるんですの」
つまり知識比べをしようというお誘いだ。断るとじっと見えないと言ったはずの目がこちらを見つめてくるような気がする。(0/1)
了承した場合は、少女は嬉しそうにルールを告げる。

○ルール
・問題はテネが出題、全部で五問用意している
・探索者対テネ
・三回間違えたらその問題はお流れ、テネの点になる
・最終的に点の多かった方の勝ち
・相談はあり
・答える際は、解答者が「マーテル」と唱えてから答えをいうこと

「マーテル」の意味を問うても、「特別意味はないです」と返答するだけだ。
以上のルールを了承すると、テネはそれじゃあとどの問題を出すか考え始める。
またルール説明が終わると、また空から何か落ちてくるが、三段のティースタンドである。これもまた白い。
ティースタンドにはそれぞれサンドウィッチ、スコーン、クッキーや一口サイズのケーキなどが飾られるように用意されていて、テーブルの中央に置かれる。
テネがどこからか小皿とフォークを取り出し、全員に渡す。「ご自由にお召し上がりを。おかわりもございますから」という。
その言葉の通り、もし食べきったとしてもどこからかコウモリがバスケットを携えてやってくる。
甘いものを食べた際は、落ちついたということで特別な理由がなければSAN1d3になる。


<謎解きの時間>
問題解答において、基本的にテネから特別にヒントが出されることはない。
自力になるが、知識的技能を使用することで何かしらのヒントを思いつく。知っている。察する。
ヒントに当てはまらない技能を成功した場合は「このジャンルの問題ではない」とはっきり分かる。
もしくは生まれによってはその問題の解答自体をすでに知っている。
また答えについては内容が一致しているようなら正解とすること。
間違ってもテネがくすくすと笑うだけである。

「では一問目」という前置きと共に問題が口頭で出題される。訊き直すことは可能。

Q1 マクベスは三人の魔女たちに「女の股から生まれた者には殺されない」という予言をされた。
だがその予言の通りにはならなかった。その予言を破った者は、どうしてその予言に当てはまらなかったのか答えよ。
A 「母の腹を破って(帝王切開で)出てきたため」

ヒント
これはシェークスピアの悲劇「マクベス」である。
赤子の生まれ方は自然に生まれるだけではなくもう一つあるではないか。

<知識>-20 <医学>-20 <歴史>-10 <考古学>-10 <芸術>-15
もしくは英国出身者でEDUが15以上の者、英文学について研究している者などが
入手可能。


Q2 泉の畔に住む三姉妹。神だったり妖精だったりエルフだったり。彼女らの名前を長女から答えよ。
A「長女ウルズ、次女ヴェルザンディ、三女スクルド」

ヒント
北欧神話の話で、泉というのは世界樹の元にあるというものだったろう。
運命の女神というやつだ。
※リアル知識として持っていない場合がほぼだと思われるので、ヒント後に<アイデア>を使って、三姉妹を教えること。

<知識>-20 <歴史>-25 <考古学> <芸術>-20 <オカルト>-10
<博物学>-15 <人類学>-10 <天文学>-25 <コンピューター>-20
もしくは北欧出身者でEDUが15以上の者、北欧について研究している者などが
入手可能。


Q3 では、三相女神とはどういう姿か、三相でどのような意味を連鎖、有するものかを答えよ。空に浮かぶ影のものも含めるように。
A 「うら若き少女(妙齢の処女)、成熟した母親(女性)、老婆。また、満ちる月・満月・三日月(欠ける月)という月の三相から
※過去→現在→未来(生→死→再生、創造→維持→破壊)などを意味する」

ヒント
空に浮かぶ影のもの……普段日に隠れる月だろうか。

<知識>-10 <天文学> <博物学>-10 <物理学>-20 <地質学>-25
<オカルト>-20 <化学>-20
以上で入手。

ヒント2
女神…女性、三つ……。もし女性を三つに分けて数えるならば、少女、女性、老婆……あたりであろうか。

<アイデア> <知識>-10 <人類学> <博物学> <芸術>-20
<生物学> <心理学>-15
以上で入手。

※過去→現在→未来であることが一番重要。ヒント2から予測できそうなものだとこれが一番かと考えるためである。
<アイデア>でそれっぽいヒントを加えても良いかもしれない。全部答えることができた際はテネから拍手を貰えるだろう。
ちなみに「分からない」となったときはテネから答えを教えること。「これはとっておきですからね」と笑う。

四つ目の問いに行くと、テネは少しばかり表情を硬くさせる。
「改めて」という前置きをしてから、問題を告げるだろう。

Q4 "わたくし"は何であるか答えよ。
A 「三相女神の一柱である少女」

ヒント
Q3の答えが頭に巡る。そして三相女神という単語が強く残る。またテネの姿が目に入る。

Q3に正答している上で、<アイデア> で入手。
過去やウルズといった単語で解答した場合はおしいとか、あってはいるとか、首を傾げて悩むしぐさを見せる。
またこれに関しては悩むようならテネは口を挟むだろう。答えてほしいから。
一つ例をあげておく。
「あなた方は辞書というものをお使いになるでしょう。あれを引いた時の一行目のようなものでいいのです」
また、考え過ぎて詰まった場合は「全員の答えをお聞かせください。一つでもあっていればよいです」と言ってみたり解答数を増やしてみたりする。

四つ目の問いに答えることができれば少女の顔は花のように綻ぶ。
「ふふ、どうでしょう。神さまが目の前にいるということは」
と、紅茶を口にし、サンドウィッチを手に取るだろう。
「神話ばかりで疲れたかしら。じゃあ最後のはもっと別のものにしましょう」
もごもごと口を動かす少女はとても「神」には見えない。
遊んで欲しい小さく可愛らしい女の子だ。(0/1d3)

「では、最後に参りましょうか。ふふ。楽しいです」

Q5 朝は四本、昼は二本、夕は三本の生き物って何でしょう?
A 「人間」

ヒント
年齢のことを言っているのだろう。ならば。

<アイデア> <知識> <コンピューター>-10 <考古学>-10
<生物学>-20 <人類学>-10 <博物学>-20 <オカルト>-20
なぞなぞが好き、もしくはギリシャ神話について研究している者などが入手可能。

「私が朝が来たと思えばいつの間にか増えたり減ったりしていて、昼が来たと思えば何かを思いつめていて、
夕が来たと思えばすっかりやつれてしまっている」と笑うだろう。
また、「私はいろんなことを知ってる。他の神様も知ってる。あなた方を知っている。
けれどもあなた方は誰も私たちを完璧に知り得ることがないのは、少しさびしいの」
「それでいいの。知らないままで。それでいいの。知っていても、苦しいでしょう」
「短い生をどう生きるかなんて本当にヒトはちっぽけなことを考えるけれど、
それぐらいがちょうどいいのよ。けれど、これは覚えておいてね」
「夜に迷い込んでも、月は昇るのよ。私はいるの。それはどこかに、光があるからよ」


<女神の少女は笑う>
「ふふ、ふふふ。楽しかった。最後まで付き合ってくださってありがとう」
少女は紅茶を飲み干す。
「さて、流石にお開きに致しましょうか。お帰りはあちらの扉からどうぞ」
少女が手のひらを差し出す方向に新たな扉が現れている。
お菓子を土産に望んだり、紅茶葉を望めば少女は快く分けてくれるだろう。
テネが樹の近くの枝から葉を取るとその葉は姿を変えて小さめながらしっかりとしたバスケットになるだろう。
そのバスケットに望んだものも含め、それぞれのバスケットに今回使ったカップとスプーンを入れて渡してくれる。
「お土産にどうぞ。わたくしも……初めてを記念に取っておきます」
それとティーセット自体に目をやり、
「こちらもできればプレゼントしてしまいたいのですが、どなたに致しましょう?」
探索者の間で話しあうなりじゃんけんするなりで決めよう。
もしくは断っても良いが、断ると本当に悲しそうに、「そうですか」とテーブルに戻す。
セットを貰う探索者が決まると、もう一つバスケットを用意してそれに収めてくれるだろう。
そしてどこからかやってきたコウモリを肩に乗せ、少女は出会った時と同じように一礼をする。
「お茶会にご参加くださり、誠にありがとうございました。もうお会いすることはないと信じたく存じますので、せめて名乗らせて頂きます。
三聖母が一人、"マーテル・テネブラルム"。それでは、御機嫌よう」
その名前を聴いた探索者たちは背筋に這い上がる何かを感じるだろう。(0/1)
また、テネが話を終えた途端、疾風が探索者たちを開いた扉へと追いやっていく。
扉が閉まる前に、<目星>。成功すると、テネの背後に真っ赤なローブ、宝石で彩られた美しい女性が歩み寄っていることに気付くだろう。
その手には血で塗れているであろう、死神が携えているような…大鎌が握られている。
もし気付いた探索者が背後を注意するような言葉を大声で投げかけたのなら、テネは振りかえりざまに手をかざして、
振りおろされる鎌を―――金属がぶつかり合うような音だけが聞こえてくるだろう。
気付かず、または意図的に声をかけなかった場合は、テネが首を刎ねられるところを目撃してしまう。
淡い色だったテーブルと薄青のドレスが真っ赤に染まることだろう。(1/1d8)
また、少女だった身体が揺らいでいくのもきっと目にするだろう。(0/1d2)
そうして扉は閉まって行く。


<香るのはあの紅茶>
気がつけば、自宅の玄関に立っている。
土産に、と持たされたものは全て持って帰ってきており、あの庭にあった時をまったく同じ姿を見せてくれるだろう。
カップは未使用のように綺麗だが、僅かに香るのはあの紅茶の香り。
少女は大丈夫だったろうか。
そう心配を覚えながらも、あなたたちはお茶会を終えて、日常へと戻っていく。




<生還に関して>
生還:特になし
全問正解:1d3
最後に少女に注意を促した:1d6

土産はオリジナルAFとなる。それぞれ以下の通り。
カップ:CON+1
知恵の茶葉:正しく淹れられたものを飲めば、INT+1。
シナリオ前に宣言、判定をクリアすればシナリオ中は+1される。また茶葉は3回使用すると終わってしまう。
ティーセット:このティーセットで正しく上記の茶葉で紅茶を淹れることができた上で飲んだなら
シナリオ中、茶葉のINT+1に加えPOW+1される。通常の茶葉を使用した場合はPOW+1のみ。
お菓子・サンドウィッチ:長持ちはしないため、次シナリオに使用しなければ腐ってしまう。
発狂した者に食べさせることができれば、発狂だけは押さえることができる。通常時に食べれば1d3のSAN回復である。



※テーブルの血。
何度も人を呼んで遊んでいたのだが、必ずといっていいほど途中で赤の女王が首を刎ねに来ていた。
自分の配下の者が人間と仲良くしようが勝手だとは思うが、その反応がどうにも面白くて。

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