カメラ、写真に関連した漫画を紹介するWikiです。

著者望月あきら
掲載誌・連載時期月刊少年チャンピオン 1977.9?〜1981
単行本チャンピオンコミックス 全8巻

私の現在絶賛マイブーム中の「探偵犬シャードック」では犯人がカメラを使ったトリックやアリバイ工作を仕掛けて、そこで検証されて分かったおかしな点から犯罪がばれていくという話が多いのですが、そこも最近のデジカメならではの特徴を活かしたトリック(或いは犯人のつまずきの石)が多く盛り込まれており、「赤かぶ検事」(こちらも一枚の写真が事件解決の鍵になる話が多い)共々毎回楽しく読んでいます。
時流を読んで、読者にとっての最新の技術や流行(「シャードック」のデジカメでのアリバイ工作等もそうですが、スマホやタブレットパソコンを逸早く出した作品もあります)を貪欲に取り入れて作品に反映させていくことは漫画や小説を「かく」プロフェッショナルなら誰もが知っていて、できなければならないことである。つくづくそう思わずにはいられません。現に「ドラえもん」も「忍者ハットリ君」も昔のアニメ(或いは実写版)とリメイク、そして版によっても話のテーマや演出等が制作年代によって変わっている訳ですし(「ドラえもん」の漫画雑誌を作ろうという話でアンケートに名前が上がった執筆人で「鴨川つばめ」が「鳥山明」に変わっていた例あり)、「名たんていカゲマン」など正にその好例で、当時のCMネタがギャグになっていたことも多ければカゲマンの敵役の怪人19面相が久米宏(「ぴったしカン・カン」、「ザ・ベストテン」を筆頭に人気番組の顔でした!)に変装してカゲマンを狙う話があり、「楊夫人」(マダムヤン。中華三昧と競合していたハウスの高級インスタントラーメン)のCMに登場する女性が19面相に拉致されるといった話もありました。そして今回取り上げる「ズーム・アップ」が連載されていた頃は「まんがサイエンス」、「ろこモーション」でも触れたように子供の間でカメラブームがあり、スーパーカーと共に子供の憧れのアイテムだったということで本題の始まりです。

主人公は大野ゆたか、富士見が丘中学校一年生。勉強は苦手だが写真は大の得意の少年です。父親は一流の報道写真家として名を残したカメラマンで、火事の取材中に死亡しています。弟子の園田栄(後にゆたかの姉の美津子と結婚して義兄になる)にゆたかを名カメラマンにしてくれと言い残して。ゆたかは園田の指導の元で写真を覚えていき、遂には当初所属していた新聞部から独立して写真部を作って部長に就任して講師的な役もすることになります。被写体は教師の密着取材に始まって風景、アイドルのポートレート、鉄道、夜景など多岐に渡り、写真の教科書を目指したというだけあって構図の取り方、中〜上級のテクニック、光のをどう按配するか等実践に使えることが丁寧に描いてあります。セルフタイマーで記念写真を撮っていたらハプニングでシャッターが切れた時とんでもないことになった、興奮の余り傑作のつもりだった写真が失敗作になっていた、毎年クリスマスになるとプレゼントを持ってくるサンタの正体は登場人物がよく知っているはずの人だった、等のオチをつけている通り、エンターテイメントとしても十分楽しめます。折しも高斎正氏もカメラレビューにカメラがテーマの小説を連載していて、似通った雰囲気の作品が多かったです。ドラマにもなった名作「サインはV!」「ゆうひが丘の総理大臣」の作者の面目躍如でありましょう。親友の大山岩雄、ゆたかの片想いのヒロイン土浦裕子もいい味出してますし。余談ながら後に「シャッターシャワー」を週刊プレイボーイで連載する池沢さとし氏は望月氏のアシスタントで、同作の主人公、一等翔とその弟子はゆたかと岩雄がモデルになっているのではないでしょうか? 両方共写真に関しても女の子に関してもアグレッシブですもの。

ゆたかのメインカメラはオリンパスOM-1。75-150mmのズーム共々新聞配達のバイトで購入したのだそうです。6巻からワインダー付きのペンタックスMEに変わりますがその後もOM-1も引き続き出番があります。それ以外ではキヤノンF-1(ゆたかの父の遺品)、コニカC35AF、ミノルタXE、ポケットフジカ350ズーム、ミノルタ110ズーム、ペンタックスK2DMD、ペンタックスKX、ペンタックスMX、キヤノンA-1、マミヤC330、コニカC35フラッシュマチック、オリンパスペンEE-3、ポケットフジカ500、ニコマートFT3、ミノルタXD、ペンタックスオート110(6巻表紙と巻頭扉のみ)、マミヤM645、ポラロイド1000、ニコンF3、ペタル、サクラペタル、シュタイネックABC、スチロフォト、チッカ、スーパーコダック(ペタル以下当時六本木のペンタックスギャラリーにあった展示物。現在は日本カメラ博物館に移譲)が登場してます。露出の自動化は達成されたがピントの自動化はまだ始まったばかりで、αショックもずっと先の頃です。その間にキヤノンがF-1でニコンと比肩するプロ向け一眼レフ市場の参入に成功し、OM-1以降ペンタックス、キヤノン、ミノルタが小型軽量路線に追随して……と、ある意味日に日に進化していく日本製カメラが最も輝いた時代(そして金属の塊という、車や飛行機と同じ属性をカメラが持っていて、男の子の憧れだった時代)でしたからこうして列挙していくだけでもワクワク感があります。当時を子供ながらにリアルで見て来てましたから感慨も一入です♪。
あと珍しい物としてはノクトミロターが登場していました。夜間撮影用のヤシカコンタックス用レンズで(それなのにニコンF3に付けて使われていたのはどういうことか? 改造?)、暗視スコープと明るい反射望遠レンズを組み合わせたような特殊レンズで、当時280万円したそうです。犯罪捜査にも使われた実績があるだけに、本作を読むような男の子にとっては魅力的なレンズではありますね。

これまで紹介してきた絶版中のタイトルに比べると、古本やオクで見かける頻度は少ないです。Amazonでは1円+送料での出品はなくて、どうかするとプレミア価格で出ています。「サインはV!」ならヤフオクで結構出品数あってお買い得なのに。

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