カメラ、写真に関連した漫画を紹介するWikiです。

著者水沢めぐみ
掲載誌・連載時期りぼん'89.4〜'90.5 番外編をりぼんオリジナル'90年初夏の号に掲載
単行本集英社文庫 全2巻

気に入るポイントこそ人によって幾つもあれど、男性にも女性にも等しく評価される少女漫画や少女小説原作のアニメが幾つも出て以降、少女漫画や少女文庫を男性が読むことに対する抵抗は以前よりは減ったのではないかと感じています。それをリア充の人たちにカミングアウトすることへの気恥ずかしさはまた別と言えども。
私は母が「赤毛のアン」のファンで、妹は「ときめきトゥナイト」の影響で「りぼん」の読者になって「ちびまる子ちゃん」、「お父さんは心配性」、「赤ずきんチャチャ」等を読んでいて少女趣味が万人に受け入れられること(事実これらはどれも男性にも人気です)に一定の理解は示していたので、新ジャンルの漫画が悉くバトル漫画になるという某少年誌の風潮を嫌って「ハンサムな彼女」、「ポニーテール白書」等の少女ラブコメを読み漁るようになった息子や兄を責めることこそなかったものの、表立って非難することはありませんでした。尤も妹の方はラブコメより「ルナティック雑技団」等の純然たるコメディの方が好きで、その後私が没入することになる「美少女戦士セーラームーン」以降の戦う美少女の路線となると、
「(「ナースエンジェルりりかSOS」で)あの池野恋さんまでが、売れるからってイロモノに走るなんて失望だわ!」
と言うほど大嫌いだったので、本心では余り快く思っていなかったでしょうが。
そんな感じの過去を回想し、一方で私がいかなる思いで少女ラブコメを読んでいたかをつらつら思い返すにつけ……こう思えてくるのでした。
「いがみ合いから始まって何だかんだで両想い。この甘酸っぱい二人の時を味わえるだけでお腹いっぱいだよ、ごちそうさま。そんなふうに思えた時期が僕にもありました」
今ではさあ嫁にしたいヒロインはないか、というところから漫画を選んであわよくば薄い本が出ないか、とまで内心で思っているのですから。そういう楽しみ方をいかんとは言わない、と言うより言えた義理でもないにしても今回これから取り上げる「チャイム」を本稿のために読んでみて、女の子主体の恋物語はいかなるものか、またいかにして楽しむべきかを考え直してもいいのではないか? そう考えた私でした。

本題。本作は「姫ちゃんのリボン」の前の作品で、ヒロインの立原朝子とその友達の中学生活最後の一年を描いた学園ラブコメになってます。桜並木の坂の上にある桜坂学園。ここから街全体が見渡せて、どこからでも聞こえる学校のチャイムの音は街のシンボルのよう。これがタイトルの「チャイム」の由来になっているようです。朝子は遅刻しまいと慌てて坂道を走っていると桜の木の根っこに躓いてすってんころりん。仰向けに倒れたその先の視界にあった満開の桜に見惚れていたところへ、憎まれ口を叩いて朝子の不興を買う少年こと高野良介登場、という少女漫画には定番の導入から始まって、更なる作品の味付けとしてカメラと写真が登場します。そもそも朝子は小学生の頃新聞で見つけた、陸橋の上から空を見る少女の写真に憧れて、同じような写真を撮ってみたいと思って写真を始めたのだそうです。そのきっかけになった写真は誰の作品で、どこにあるのかが話を通しての軸になっていますし、写真部顧問の有馬先生は朝子の最初の片想いの相手、部長の芹沢淳は朝子に片想いしています(そこで朝子や良介にやたらちょっかいを出してくる嫌な奴として描かれている訳ですが、露骨に嫌味な感じがしないのはどうしたことでしょう? 彼がイケメンだからという訳でもないでしょうが)。更に話が進む内に陸上競技一筋だと思われた良介も写真の心得があることが明らかになって、そこから話は核心へと進んでいく訳ですが、それはここでは申しますまい。朝子の彼氏が決まるまで良介の身の上に大変なことがあったり、朝子の女友達の本橋なみ子との仲もギクシャクしかかったりと二転三転のドラマもあるのでそこも見所です。
朝子は「ポニーテール白書」の結や「姫ちゃんのリボン」の姫子と比べると大人しめですね。もちろん良介にからかわれたり、なみ子に叩かれたりすると怒るし、精一杯いい写真を撮ろうとするポジティブさは持っていますがそれらは内に秘めた感情という感じで描かれてます。そういう強さをデリケートさと共に併せ持つのが少女漫画のヒロインらしいですね(それをより分かりやすい形で描いたのが、セーラームーンに始まる美少女戦士漫画じゃないかと思ったり)。

 カメラは今一つ作画が安定していない嫌いはありますが、朝子のカメラはリコーXR7のようです。「RICOH」とロゴが確認できるカットも一コマだけですが1巻にありました。このカメラを朝子の友達の一人でお調子者の千葉拓郎がこんなの使えないとボヤく件がありましたが、それも無理からぬ話ではありましょう。1989年当時、デジカメのような物は開発されていながらも見向きもされなかったのですもの。一方で下手なりにカメラを少しは使える朝子と、腕の立つ良介はカメラの構え方からスキルに合わせて違えている描写があり、これは好印象でした。それと初詣になみ子がミノルタAF-E、良介がペンタックスLX(?)を持っていました。実は卒業式の日に朝子は新しいカメラを持ってきていたのですがそちらはフキダシで隠れていて不明です。ニコンF-301か501に見えなくもないのですが。

 現在単行本は文庫版で発売されてます。人気作家で書店に普通に置いていないということはまずないと思われますが、注文のほうが確実ではありましょう。個人的に毎回魔法が仇になってトラブルを起こしてはその解決に四苦八苦するという「姫ちゃんのリボン」より好ましい作風ですし、純粋に少女向けのラブコメとしてきちんとまとめられた良作なのでお勧めです。

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